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おじさんとおばさんが買い物に出かけた。僕と中学生のシュウ兄しかいなくなった家の中は数分前までの喧騒を忘れてしまったのか不気味なほどの静けさに包まれている。網戸から吹き込んでくる真夏の夕暮れ時の風が僕の頬を撫でた。うなじにかかるシュウ兄の吐息と同じくらいそれは、じめっとしていて生暖かかった。僕の小さな身体はシュウ兄の腕の中に納まっていた。
「お前、香水とかつけてんの? 何かスゲー良い匂いがするんだけど」
ソファーに深く腰掛けているシュウ兄は僕の首筋に浮かんだ汗を舐め取るように舌を這わせ、鼻息を荒げている。僕はシュウ兄の質問に何も答えず、目に一杯の涙を溜めて身を縮こまらせることしかできなかった。
網戸越しに見える庭は真昼とは違った顔を僕に見せている。幻想的でいて、どこかおどろどろしい庭の景色。紫やピンクに彩られたペニチュアの花が西に沈みつつある夕日を受けて赤く燃え上がっているように僕の目には映った。おじさんが大事にしているこの庭さえもシュウ兄と同じ表と裏、それぞれ別の顔がある。それならば僕がまだ知らないだけでおじさんとおばさんにもきっとそうに違いない。僕は今すぐここから逃げ出したい気持ちに駆られた。
けど夏休みの間、僕はずっと従兄の家にいなくてはいけない。お仕事で忙しいお母さんのためにも僕はこの状況を受け入れるしかないんだ。
「髪もサラサラで……。ほんと女の子みたいだよな。お前って」
お尻に硬い何かが押し付けられた。僕はそれが何を意味しているのか知っていた。昼休みにクラスメイトの女の子達が回し読みしていた少女漫画を以前読ませてもらったことがある。その漫画では服がはだけた男の人同士でエッチなことをしていた。身体が大きな男の人が小さな男の人を組み伏せ、執拗に乳首を舐っていた。その絵を見た時、僕はひどく混乱していた。エッチなことは男と女がするものだと思い込んでいた常識が一瞬にして覆った。ショックだった。
「どっからどう見ても女の子にしか見えねぇよ。マジで」
シュウ兄は僕の腰に手をやると身体を持ちあげたりなどして、上下左右に軽く揺さぶってきた。ジャージの中で大きく膨らんだシュウ兄のちんこが僕のお尻で生き物のように蠢き、跳ねていた。シュウ兄の膝の上に座った時はあんなにも柔らかったのに……。今は自らの存在を強く主張するようにピンと張り詰めている。
「ヤバ……汁漏れてきたかも……」
耳たぶを甘噛みしながらシュウ兄が僕にささやきかけてきた。
「ずーっと我慢してると男って自然とチンポの先から汁が溢れてくるんだぜ。 知ってた?」
怖い。気持ち悪い。ここから逃げ出したい。お家にはやく帰りたい。お母さんがいるお家に……。
僕は返事の代わりに、小さく首を横に振った。涙が瞼から零れ落ちた。シュウ兄は僕の瞼から溢れ出る涙をそっと指で拭う。そして指先の上に乗った僕の涙の雫を自分の口に運び、舌を伸ばして舐め取った。シュウ兄の口の中は夕日と同じ、目が痛くなるほどの不気味な赤い色をしていた。
「確かめてみる? 」
シュウ兄は僕の手首をがっちりと掴んだまま膝上から僕を解放した。そして物凄い力で僕の小さな手を自分の下腹部に引き寄せようとする。必至で振り払おうとするがシュウ兄は野球部でこれまで培ってきた腕力に物を言わせ、僕のささやかな抵抗を圧倒的力で捻じ伏せた。そしてジャージのズボンひいてはボクサーパンツの中に僕の手を招き入れると猛々しく怒張したシュウ兄のちんこはびくりびくりと2度大きく跳ねた。
「直樹の手、ひんやりしてて気持ちいい……」
そんなこと言われてもどう反応すればいいのか分からない。嘘でも喜んであげた方がいいんだろうか。そうすればシュウ兄はまた以前の、優しかった頃のシュウ兄に戻ってくれるのだろうか。きっと僕が無意識の内にシュウ兄の機嫌を損ねるようなことをしたから、シュウ兄は僕にこんな酷いことをしているんだ。そう思いたかった。いつも一緒に遊んでくれたあの優しいシュウ兄が僕とエッチなことをしたがっているなんて、そんなことあるはずがないんだ。
「ほら。ぬるぬるしてる…… 」
指先にぬるぬるとした感触があった。僕はすぐにでもボクサーパンツの中から手を引っ込めたかった。でもそれはシュウ兄が僕の手首をつかみ上げているからできない。徐々に力が込められていき僕の手首の骨はミシミシと嫌な音を立て悲鳴をあげていた。このまま無理に手を引っ込めでもしたらきっとポッキリと骨を折られてしまうだろう。僕に選択肢は無かった。僕は抵抗することを諦め、腕の力を抜いた。
シュウ兄は自分の硬くなったちんこを僕に握らせると、盛りのついた犬みたいに腰をへこへこと動かし始めた。シュウ兄の汁はとめどなく溢れ、ぬちゃぬちゃとした水音がジャージの中から聞こえてくる。僕の指はシュウ兄の汁でいっぱいになった。指先にいつまでもこびりついてくる感覚がある。汚い。
「お前、香水とかつけてんの? 何かスゲー良い匂いがするんだけど」
ソファーに深く腰掛けているシュウ兄は僕の首筋に浮かんだ汗を舐め取るように舌を這わせ、鼻息を荒げている。僕はシュウ兄の質問に何も答えず、目に一杯の涙を溜めて身を縮こまらせることしかできなかった。
網戸越しに見える庭は真昼とは違った顔を僕に見せている。幻想的でいて、どこかおどろどろしい庭の景色。紫やピンクに彩られたペニチュアの花が西に沈みつつある夕日を受けて赤く燃え上がっているように僕の目には映った。おじさんが大事にしているこの庭さえもシュウ兄と同じ表と裏、それぞれ別の顔がある。それならば僕がまだ知らないだけでおじさんとおばさんにもきっとそうに違いない。僕は今すぐここから逃げ出したい気持ちに駆られた。
けど夏休みの間、僕はずっと従兄の家にいなくてはいけない。お仕事で忙しいお母さんのためにも僕はこの状況を受け入れるしかないんだ。
「髪もサラサラで……。ほんと女の子みたいだよな。お前って」
お尻に硬い何かが押し付けられた。僕はそれが何を意味しているのか知っていた。昼休みにクラスメイトの女の子達が回し読みしていた少女漫画を以前読ませてもらったことがある。その漫画では服がはだけた男の人同士でエッチなことをしていた。身体が大きな男の人が小さな男の人を組み伏せ、執拗に乳首を舐っていた。その絵を見た時、僕はひどく混乱していた。エッチなことは男と女がするものだと思い込んでいた常識が一瞬にして覆った。ショックだった。
「どっからどう見ても女の子にしか見えねぇよ。マジで」
シュウ兄は僕の腰に手をやると身体を持ちあげたりなどして、上下左右に軽く揺さぶってきた。ジャージの中で大きく膨らんだシュウ兄のちんこが僕のお尻で生き物のように蠢き、跳ねていた。シュウ兄の膝の上に座った時はあんなにも柔らかったのに……。今は自らの存在を強く主張するようにピンと張り詰めている。
「ヤバ……汁漏れてきたかも……」
耳たぶを甘噛みしながらシュウ兄が僕にささやきかけてきた。
「ずーっと我慢してると男って自然とチンポの先から汁が溢れてくるんだぜ。 知ってた?」
怖い。気持ち悪い。ここから逃げ出したい。お家にはやく帰りたい。お母さんがいるお家に……。
僕は返事の代わりに、小さく首を横に振った。涙が瞼から零れ落ちた。シュウ兄は僕の瞼から溢れ出る涙をそっと指で拭う。そして指先の上に乗った僕の涙の雫を自分の口に運び、舌を伸ばして舐め取った。シュウ兄の口の中は夕日と同じ、目が痛くなるほどの不気味な赤い色をしていた。
「確かめてみる? 」
シュウ兄は僕の手首をがっちりと掴んだまま膝上から僕を解放した。そして物凄い力で僕の小さな手を自分の下腹部に引き寄せようとする。必至で振り払おうとするがシュウ兄は野球部でこれまで培ってきた腕力に物を言わせ、僕のささやかな抵抗を圧倒的力で捻じ伏せた。そしてジャージのズボンひいてはボクサーパンツの中に僕の手を招き入れると猛々しく怒張したシュウ兄のちんこはびくりびくりと2度大きく跳ねた。
「直樹の手、ひんやりしてて気持ちいい……」
そんなこと言われてもどう反応すればいいのか分からない。嘘でも喜んであげた方がいいんだろうか。そうすればシュウ兄はまた以前の、優しかった頃のシュウ兄に戻ってくれるのだろうか。きっと僕が無意識の内にシュウ兄の機嫌を損ねるようなことをしたから、シュウ兄は僕にこんな酷いことをしているんだ。そう思いたかった。いつも一緒に遊んでくれたあの優しいシュウ兄が僕とエッチなことをしたがっているなんて、そんなことあるはずがないんだ。
「ほら。ぬるぬるしてる…… 」
指先にぬるぬるとした感触があった。僕はすぐにでもボクサーパンツの中から手を引っ込めたかった。でもそれはシュウ兄が僕の手首をつかみ上げているからできない。徐々に力が込められていき僕の手首の骨はミシミシと嫌な音を立て悲鳴をあげていた。このまま無理に手を引っ込めでもしたらきっとポッキリと骨を折られてしまうだろう。僕に選択肢は無かった。僕は抵抗することを諦め、腕の力を抜いた。
シュウ兄は自分の硬くなったちんこを僕に握らせると、盛りのついた犬みたいに腰をへこへこと動かし始めた。シュウ兄の汁はとめどなく溢れ、ぬちゃぬちゃとした水音がジャージの中から聞こえてくる。僕の指はシュウ兄の汁でいっぱいになった。指先にいつまでもこびりついてくる感覚がある。汚い。
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