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7話
しおりを挟む「親父たちが近くにいるかもしれないって思うと余計、興奮してくるだろ?」
シュウ兄は僕のちんこを咥え、頭を前後に揺り動かしながらそう口にする。個室トイレの中ではシュウ兄のくぐもった声がよく響き渡った。瞳には陶酔の色が見て取れた。恍惚とした表情のままひょっとこのように滑稽に口を尖らせ、「ずずずッ……」と僕のモノから溢れ出る汁を一滴も漏らすまいと頬を凹ませ啜っている。目を三日月の形に変えたシュウ兄の口の端から透明な液体が蜘蛛の糸のごとく滴り落ちた。
シュウ兄の口の中は暖かく、それでいて大量の唾液で溢れ返っていた。唾液と我慢汁が溶けて混ざり合い、白く泡立っていた。シュウ兄の舌先はオシッコがでる穴の部分をアイスキャンディーを舐めるみたいに執拗に舐め取り続けていた。腰の奥から快感が這い寄ってくる。全身が発熱したかのように熱く、腰が自然と震えてしまう。
「こら、暴れるな」
シュウ兄は僕の震える腰を両手でがっしりとホールドし、喉奥までちんこを招き入れると激しく頭を前後にストロークし始めた。いくら子供のとは言え、いきり立てばそれなりのサイズになるから苦しくて堪らないはずだ。だというのにシュウ兄は瞳に大粒の涙を溜めながら嬉々としてそれを咥え、法悦的な表情を崩そうとはしなかった。僕は既にシュウ兄という存在が得体の知れないものにしか見えなくなっていた。
理解しがたい存在が僕のものを貪り喰らっている。その恐怖はとてもではないが容易に言い表すことはできない。下手すれば今にも噛み千切られてしまうかもしれないという不安が絶えず胸の内を駆け巡った。先ほどから僕の頭の中では危険を報せる警鐘がずっと打ち鳴らされている。シュウ兄は相変わらず喜色満面の笑みを湛えていた。ねっとりとした頬肉と喉奥とで交互に僕のちんこを乱暴に扱き、じゅぽじゅぽと卑猥な水音をわざとらしく立てる。
「んっ、はぁ、んんっ」
「ニオイが濃くなってきたな……。そろそろなんじゃねぇの? なぁ、どうなんだよ。おい」
目を小さく細めながらシュウ兄が僕の顔色を伺ってくる。僕はシュウ兄からの問いかけに答える余裕が無かった。両足で立っているのがやっとと思えるほど。僕はシュウ兄の口から与えられる快感に打ち震え、腰は小刻みにヒクついた。
「ヤバい……シュウ兄、僕ヤバいかも。何か……何か出そう……」
「ん? あぁ、そのまま出せよ。 全部飲んでやるから」
「ふあ、ああ、あ゛あ゛あ゛~~~~~~っ~~~~~っ!!」
気づいた時には僕は既に獣めいた雄叫びをあげていた。脳内で渦巻く何かを放出したいという欲求に従い、僕は自らの意志で腰を振りたてはじめた。ぬるぬるとした感触が下腹部から電流のように全身に伝わる。強烈な快感にたまらず僕は下唇を噛みしめた。
そしてシュウ兄が眉間に深い皺を寄せ、低く呻いた瞬間。生暖かいシュウ兄の口の中でちんこが何度も大きく跳ね上がった。ちんこがびくんびくんっと震える度にオシッコとは違った何か別の液体が矢継ぎ早にシュウ兄の喉奥目掛けて撃ち出されていく。
シュウ兄の口元からボタボタとカルピスの原液にも似た白濁した液体が溢れ、床に滴り落ちることなくシュウ兄の顎先にこびりついたままの状態で滞った。
栗の花に似たニオイがアンモニア臭と共に狭い個室の中で立ち込める。保険の授業で知識として知っていたが僕は初めて目にした精液に呆気にとられていた。その時の僕はヴェール越しに現実を世界を覗き見ているような錯覚に囚われていた。全身に込められていたはずの力は抜け、僕は経験したことの無い虚脱感に襲われた。
僕は精通を迎えてしまったのだ。男の、それも従兄の口で。絶望の淵に立たされた気分になった僕は、衣服が汚れてしまうことも厭わず青いタイルの床の上に力無くへたり込んだ。
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