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第1章

1-25 師匠の決意

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俺達は、出来上がった移動装置を預かったので、師匠の工房にいくことにした。

行くと、先客がいて、師匠と話をしていた。

キヌエ商会とか聞こえてきた。しばらく待っていると話が終わったようなので、客が帰っていった。

「なんの話をしてたのじゃ?」

「この土地にキヌエ商会の店をだしたいので、売ってくれと言ってきた。」

「まあ、ここは、ギルドから近いし門からも近い一等地じゃからの。
しかし、キヌエ商会、いいうわさは聞かんぞ。」

「そうなのか?」

「私が装置つくってもらっている工房しっとるじゃろ。あそこがキヌエ商会に詐欺のようなことされて、倒産しかけてるのを、私とケンタで買ってきたのじゃ。」

「工房ごと買ったのか?」

「そうじゃ」

「おかげで、私もケンタももう金がないんじゃ」

「俺は後金貨200枚はもってるよ」

「私は今日飯を食う金も家もないのじゃ!それでここをいくらで買うと言っとるのじゃ?」

「金貨7000枚だとよ」

「売るのじゃ、きちんと前金で売るのじゃ」

「簡単に売れるわけない」

「私たちの作ってる物考えるのじゃ!なんでここの土地が高くて、あっちの工房の土地は安いか考えるのじゃ」

「ここは、ギルドにも門にも歩いて10分もかからん、あの工房は歩いて1時間以上かかるからの」

「私たちが開発してる物のこと考えるのじゃ。完成すれば、あの工房からでも10分で来れるようになるのじゃ。
これだけ言ったらわかるじゃろ」

「おう、わかったぞ。ここから離れた場所でも便利に暮らせるな。」

「そうなったら、どうなるかは考えるのは簡単じゃろ。」

「このあたりの土地の値段が下がり、田舎の土地の値段が上がる」

「そういうことじゃ」

「この区画に入ってる。工房はお前のところ合わして6工房じゃろ、
それもほとんどがお前のとこの工房から仕事もらっおる。
この工房がどこかに移動したらどうなる?つぶれるのを待つしかないじゃろ。
この区画まとめて売れば金貨6万枚の値はつく。
お前がすべて引き受けて、工房ごと買い取るのじゃ。
弟子を全員引き取るから、金貨7000枚渡すから、廃業するように勧めるのじゃ。
私の買った工房は土地が余っとる。そこに家を建ててやってもいい。話つけてこい。」

「ここいらの弟子全部でうちを入れたら30人ぐらいになるぞ」

「私はそれでも足りんと思っとるのじゃが」

「あいつら腕は悪くない。考えるから時間くれ」

「考えることもない、キヌエ商会にも一泡くわせられる。1石2鳥いや3鳥くらいじゃ。
私もこの開発に全財産かけた、ケンタもじゃ、お前も根性みせんかい!」

「わかった。根性みせたるわい!!!」

「師匠それで、俺とユウカの板いつできます?」

「弟子に任せた、今日中に仕上げるから明日の朝取りに来い。」

「了解」
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