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第2章

2-10 救出 2

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俺は、また小便に行くふりをして、草影でアルコールを吐き出して、大量の水を飲みまた、吐いた。

残りのお茶も全て飲んだ。

それでも、かなり酔いが回っている。

ウォーター魔法で、氷を作ってインナーの中に放り込んだ。

「アイ、準備はできているのか?」

「はい、ただアレク様が村から、出ると警報がなるそうです。あと、居場所がわかる奴隷用の魔道具を取り付けられてるそうです。」

通信装置を取り出して、

「先生、起きてます?」

「なんじゃ?」

「アレクに奴隷用の魔道具がついているそうです」

「なんじゃと、立花、結界術でアレクを包むような結界を作るのじゃ、認識を阻害する結界をイメージするのじゃ。」

「わかりましたやってみます。」

「ただ、魔法は、かけた本人からの魔力がなくなると消えてしまうから、お前は、戻るまで寝るな。
こちらでも、結界の魔道具を用意しておくのじゃ。それまでは、頑張るのじゃ。
城に行けば、その魔道具を取り外すことができるのじゃ。」

「はい、頑張ります。」

「ほとんどの村人は寝ている。
アレクの準備もできているので、立花さんとユウカは、アレクの家に行き、荷物を格納してくれ。
フランは待機。」

「了解」

「荷物の積み込みが終わったら、脱出を開始する。夜明けまでに山を登り切る。
少し危険だか、ボードを使う。俺が先頭を走るので付いてきてくれ。」

「了解」

俺は、元の場所に戻り酔った振りをして、通信装置を隠すようにごろ寝を始めた。

村長は、まだ起きていて昔の武勇伝を話し始めたが、まだ起きている村人は、また始まったという顔をしている。

ユウカが俺の近くまで戻ってきて、耳元で

「準備できました。」とつぶやいた。

「酒に酔って吐きそう。ユウカ肩を、貸してくれ」

「はいはい」

そう言って、俺を腕を引っ張り上げて、肩を抱えるように、門に向かった。

門を出るとユウカがキールをかけてくれた。

酔いが楽になった。

俺は、アイをアイテムボックスから取り出した兜にセットして、板も出して足に固定して、フランの隠れている場所に戻った。

フランに兜を渡して、バトルアーマーを起動した。

そのまま入り口まで行き、待機させた。

「背負子を出して準備して」

「はい」

「立花さん、ブレード付けて結界を張ってゆっくりと門まで来て」

「了解」

バレないで入り口までたどり着いた。

「フランなのか?」

「そうよ、アレク会いたかった。」

二人は抱きしめあっていたが、でっかい熊の着ぐるみと抱き合っているので、喜劇にしか見えない。

「今は、忙しいから後で、やって!」

「はい」と、申し訳なさそうにした。

「アレクさん、バトルアーマーの後ろに、乗って」

「バトルアーマー?って、フランのこと?」

「そう、早く乗って!」

その間に、俺達は、熊の着ぐるみを着た。

「じゃあ行くよ。着いてきて!」

「了解」

村を出るとすぐにサイレンがなりだしたが、そのときにはすでに、見えない場所まで移動したので追っ手はなかった。

「ここまでは、順調だけど、気をぬかないで!」

「おー」

バトルアーマーに取り付けた青く光る魔道具で前方を照らしながら、来た道を戻る。

低い山の峠道はまだ、警報が届いてないのか見張りはいなかった。

そのまま、走り去り、川を渡り森にたどり着いた。

「崖までは歩きます。アレクさんはそのまま乗っていてください。」

崖までたどり着くと、バトルアーマーが登り、ウィンチで俺たちを引き上げた。

そのまま、歩いて山の頂上を目指した。

頂上までたどり着いた時、立花さんが倒れた。

「すみません。魔力切れです。」と言って気絶した。

「仕方ない、想定外のことだった。
フランは、急いてアレクを先生のいるところまで連れて行ってくれ。
俺は、立花さんを担いて降りる。」

準備していた背負子を付けて、立花さんを乗せ落ちないようにロープで括り付けた。

フランは急いて下に降りていった。

俺も慎重に降りていく、坂がなだらかになったところまで、降りてきたときに、フランが戻ってきた。

バトルアーマーに立花さんを載せて先に下まで降ろしてもらった。

俺とユウカは、そのまま、歩いて降りていると、太陽が登り始めたのか、東の空が明るくなってきた。

ボードで降りても危険はないと判断して板を取り出して、乗って下に降りた。

下には、先生と師匠が待っていてくれた。

先生は、認識を阻害する魔道具を既に作り持ってきていて、アレクに渡していた。

まだ、気絶している立花さんを師匠のビッグスクーターの後ろに載せ、安全ベルトで固定して家まで送ってもらう。

「想定外のことは起きたが、成功と言って良いの、後の処理は私には任せるのじゃ、早く戻って寝ろるのじゃ」

「あとは頼みました。」

家に、戻るとそのまま、夕方になるまで眠りについた。

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