精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉

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この世界には精霊が生まれてくると言い伝えてられている場所がある。もちろん、ひとは誰も見たこともないし、入ったこともない所であった。なので、人はそれらをおとぎ話のようなものだと思っていた。




「へぇ~、この子が精霊王様なの~?」
「えぇー、そうよ。みんなこのこはまだ何もわかっていないから近くで見守っていてね。」
«はーい»
ふと意識がハッキリしてくると、知らない声が聞こえてきた。目を開けると周りには小人のような者達とそれとは完全に次元が違うような綺麗な女性がいた。その女性は世の中の理想の体型のボッンッキュンッボンである。
羨ましいと素直に思った。髪は水色のストレートで瞳は澄んだ青色である。角度の違いでまるで輝いているように見える。
「はじめまして、××の精霊王ちゃん。私は水の精霊王のサファイエルと言います。」
「あの、はじゅめまぢゅて」
あれ、何かすごい呂律が回らない気がするんだけど…
まさか、小さくなってる!?うん、小さくなってる。何か目線低いし。絶対そうだ。ていうか記憶はそのまま残っているんだ。消すのかと思ってたよ。
「あなたは精霊王ですが、まだ生まれたばかりなので先代の精霊王の記憶は引き継がれてない様子ですね。」
「えっちょ、そうみたいでぇちゅね。」
「そう言えば、あなたに名前を与えないといけないですね。さて、何にしましょう?」
何か美女の悩み姿ってすごく眼福ものだ。
「そうだ。その夜の闇のような真っ黒な髪と星みたいに輝いている金色の瞳にちなんでレリエルにしましょう。夜を司る天使の名前から取ったものです。気に入ってくれます?」
「レリュエリュ。いいとおもいまちゅ。」
「あら、それは良かったわ。では、これからあなたはレリエルです。」
「あい!!」
何かむず痒いけど、心が温まるようだ。すごく嬉しい。「まだ眠いでしょ?ゆっくり休むといいわ。おやすみなさい。目が覚めたらみんなを紹介するわ。」
髪を撫でられてとても気持ちよく、直ぐに夢の中に旅立ってしまった。






「あれ?もう寝ちゃったか?」
そう聞いてきたのは、火の精霊王ザファールである。
「えぇー、残念ね、一歩遅かったわね。」
「まぁ、起きた時にまた紹介してもらうわ。」
「そうね、分かったわ。」
「じゃあ、俺はまた来るわ。」
「えぇ、他のみんなにも伝えといてね。」
「了解。」
「さぁ、これから忙しくなりそうね。あの王様はどんなふうに祝ってくれるのかしら。楽しみだわ。」
サファイエルは今後のことを思って楽しみに思うのであった。
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