精霊に転生した少女は周りに溺愛される

紅葉

文字の大きさ
9 / 12

8

しおりを挟む
レリエル達がたどり着いたのは、王城の中で最も外を見渡せることが出来る場所だった。そこには多くの国民が集まっていた。


「みな、よく集まってくれた!今日は新たに誕生した精霊を紹介しようー!精霊王様でも在られるレリエル様だ!!」


そう言って、国王はレリエルに視線を向けてこちらに来るように合図した。だが、レリエルの身長では国民には見えなかった。
それを見た国王は抱っこして見えるようにした。一応精霊でもあるから体を浮かせることが出来るはずなのだが、誰もレリエルに説明していなかったからか本人は全く知らなかったのである。

おぉ~、陛下に抱っこされたからよく見えるー!!人結構いるな~、やっぱりこういう時って手を振った方がいいかな、一応振っとおこう。

笑顔で頑張って手を振る様子のレリエルを見て、国民は何を思ったかと言うと…
  きゃ~、なにあの子めっちゃ可愛いんだけど!頑張って手を振っているとか特に!
   可愛いな~、今回の精霊王様なんて愛くるしんだ~!!この光景を目に焼き付けなければ!!
様々に思うことはあったが考える内容はほぼ同じであった。

まだ、先の話だがレリエルが城下町を歩くと色んな人に声をかけられたり、暖かく見もられることになった。




国民への披露も終わり、楽しかったパレードもレリエルが大はしゃぎで大成功して幕を閉じた。今はパーティが開かれようとしていた。中にはすでに大勢の貴族が招かれていた。貴族達の間では今回の主役でもある精霊の話でもちきりだった。そん中王が登場したことによって騒がしがったホールの中も一瞬で止んだ。

「今宵は精霊王様の誕生を祝うためのパーティでもある。存分に楽しんでいってくれ!」

一応後から精霊王達が来ることになっているが、それを知っているのは国王と宰相ぐらいである。即ちこれはドッキリだ。いきなり精霊王一同が現れたらどういう反応するか見てみたくて企画した国王の思惑である。
そんなことを知る由もない人達は個々でこのパーティーを楽しんでいた。
時間に経つにつれ終わりが近ずいたその時…
上から光の雨が降ってきた。止んだと思ったら今度は精霊が突然現れて空気中に[レリエル様誕生おめでとう]という文字が魔法を使って描かれていた。
描くのが終わったと同時に精霊王達が現れた。勿論その中にサファイエルに抱かれているレリエルがいた。

「今日は私達の願いによって祝い事を開催してくれてありがとうございます。早速ですが新たに誕生した精霊王を紹介します。闇の精霊王レリエルです!」

いきなり現れた精霊王一同に貴族のもの達は驚きすぎて口をあんぐり開いたまま言葉を発することを忘れたまま凝視していた。そんな中、サファイエルはレリエルを紹介する為に口を開き、みなに見えるようにレリエルを持ったまま腕を掲げた。

「しょうかいにあずかりまちたレリエルでちゅ。わたちのためにこんかいはあつまってくれてありがとうごちゃいまつ。」
サフィーお姉ちゃんいきなり掲げないでください!びっくりするじゃないですか!そうやるなら事前に言ってくださいよ~!!
しっかり挨拶出来たレリエルであったが、心の中はもうパニック状態であった。

「私達のささやかな感謝の気持ちですが受け取ってください。では、レリエルよろしくね。」

「あい、わかったでちゅ!!」

サファイエルの言葉でレリエルが腕から飛び出し、魔法を発動させた。周りは暗闇に包まれ、そんな暗闇の中に流れ星が流れ始めた。それは止むことを知らずに増えた。暫くするとぽつぽつと止み始め、夜空にオーロラがかかった。色どりとりと色が変わるそれはとても美しく、だれもがその光景に見入っていた。その幻想的な光景を残したままパーティーは終了した。

今宵参加した者たちはその光景を一生忘れることはないだろう。

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない

橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。 そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。 1~2万文字の短編予定→中編に変更します。 いつもながらの溺愛執着ものです。

この世界に転生したらいろんな人に溺愛されちゃいました!

キムチ鍋
恋愛
前世は不慮の事故で死んだ(主人公)公爵令嬢ニコ・オリヴィアは最近前世の記憶を思い出す。 だが彼女は人生を楽しむことができなっかたので今世は幸せな人生を送ることを決意する。 「前世は不慮の事故で死んだのだから今世は楽しんで幸せな人生を送るぞ!」 そこからいろいろな人に愛されていく。 作者のキムチ鍋です! 不定期で投稿していきます‼️ 19時投稿です‼️

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~

涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?

玉響なつめ
恋愛
暗殺者として生きるセレンはふとしたタイミングで前世を思い出す。 ここは自身が読んでいた小説と酷似した世界――そして自分はその小説の中で死亡する、ちょい役であることを思い出す。 これはいかんと一念発起、いっそのこと主人公側について保護してもらおう!と思い立つ。 そして物語がいい感じで進んだところで退職金をもらって夢の田舎暮らしを実現させるのだ! そう意気込んでみたはいいものの、何故だかヒロインの義兄が上司になって以降、やたらとセレンを気にして――? おかしいな、貴方はヒロインに一途なキャラでしょ!? ※小説家になろう・カクヨムにも掲載

え?わたくしは通りすがりの元病弱令嬢ですので修羅場に巻き込まないでくたさい。

ネコフク
恋愛
わたくしリィナ=ユグノアは小さな頃から病弱でしたが今は健康になり学園に通えるほどになりました。しかし殆ど屋敷で過ごしていたわたくしには学園は迷路のような場所。入学して半年、未だに迷子になってしまいます。今日も侍従のハルにニヤニヤされながら遠回り(迷子)して出た場所では何やら不穏な集団が・・・ 強制的に修羅場に巻き込まれたリィナがちょっとだけざまぁするお話です。そして修羅場とは関係ないトコで婚約者に溺愛されています。

処理中です...