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16.オーガ族とエルフ族
04.エルフの村で。(その1)
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森の外れにあるエルフの村に到着した。
エルフの村には結界が張ってあるため村を見つけることも出来ないが、今日だけは、エルフの導きで村に入ることができた。
森の巨木が生い茂る中に点々と存在するエルフの家屋。
人族がエルフの村に入ることなど殆どないため俺達は驚きの眼差しで見られていた。
しかし、クリスの顔を見た途端、村のエルフは皆地面に膝を付き頭を垂れていた。
クリスを女神アルティナ様と勘違いしているのだが、今更それを説明しようとしても遅かった。
村の長老の家に案内されたので、長老に挨拶をしようとしたが、長老がクリスを見た途端地面に膝を付き頭を垂れてしまい、挨拶どころではなくなってしまった。
とにかくクリスが"女神アルティナ様"ではないことを伝え、要塞でのオーガ族、人族、エルフ族の話し合いについて説明を行った。
エルフの長老もまさかオーガ族と話し合いができるとは思っていなかったようで、最初は全く信じてもらえなかった。
仕方なくアレスに"阿行"と"吽行"を召喚してもらい、オーガ族が"阿行"と"吽行"を神と崇めていること、"阿行"と"吽行"の存在により話し合いが出来たことを伝えた。
この森では、オーガ族とエルフ族のあいだで数百年に及ぶ闘いが繰り返されてきたそうで、それが突然終わると言われても信じられないのが普通だろう。
俺達であの廃墟の要塞を改修して話し合いの場とするので、準備ができたらエルフ族の代表者を派遣してもらうことになった。
今回の件に関しては、俺達には何の利益もないが今後に期待というところだ。
オーガ族との長年の闘いが終止符を打たれるという話は、エルフの村の中に直ぐに伝わりエルフ達は大騒ぎになり村の広場に集まりだした。
エルフ族の族長は、オーガ族との皆に話し合いはこれから始まるので焦らないようにと注意が促された。
その後は、当然のように宴となった。
俺達も、昨日のオーガ族との宴に引き続き、冷えたエールと食料の提供も行った。
エルフ族は、飲んだことがない冷えたエールや熱いピッツァをえらく気に入ってもらえたようで何よりだった。
特にエルフ族の女性には、シュークリームとミルクアイスが気に入ったようで、定期的に売りに来て欲しいと言われてしまった。
宴が進み皆に酔いがまわった頃にエルフの村で一番の弓使いだというエルフの男がサティに弓の勝負を挑んできた。
この森のエルフ族は、他の地域に住むエルフ族との交流が殆どないらしく、同じエルフ族として興味があるらしい。
サティは、一旦は断ったが酒が入ったエルフ族の男の少々悪い口の言い様が、サティの心に火を付けたようだ。
的まで50m以上もの距離があり、弓使いのエルフの男は必ず的に矢を当てることができると豪語していた。
まずは、エルフの男が矢を放った。
矢は的に当たった。
さらに3本の矢を放ち全て的に当てた。
矢は全て的に当たった。だが矢は的の中央に当たったわけではなかった。
しかし、エルフの男にとっては十分に納得のいくものであった。
この村でこの距離から的に当てられるのは彼だけだからだ。
得意げなエルフの男は、鼻高にサティを罵った。
「矢を射る前なら傷も浅くて助かるというものだ。負けを認めればこれ以上の侮辱は控えるが。」
サティは、いつも使っている"覇王の弓"の弦のみを引いた。
エルフの村には結界が張ってあるため村を見つけることも出来ないが、今日だけは、エルフの導きで村に入ることができた。
森の巨木が生い茂る中に点々と存在するエルフの家屋。
人族がエルフの村に入ることなど殆どないため俺達は驚きの眼差しで見られていた。
しかし、クリスの顔を見た途端、村のエルフは皆地面に膝を付き頭を垂れていた。
クリスを女神アルティナ様と勘違いしているのだが、今更それを説明しようとしても遅かった。
村の長老の家に案内されたので、長老に挨拶をしようとしたが、長老がクリスを見た途端地面に膝を付き頭を垂れてしまい、挨拶どころではなくなってしまった。
とにかくクリスが"女神アルティナ様"ではないことを伝え、要塞でのオーガ族、人族、エルフ族の話し合いについて説明を行った。
エルフの長老もまさかオーガ族と話し合いができるとは思っていなかったようで、最初は全く信じてもらえなかった。
仕方なくアレスに"阿行"と"吽行"を召喚してもらい、オーガ族が"阿行"と"吽行"を神と崇めていること、"阿行"と"吽行"の存在により話し合いが出来たことを伝えた。
この森では、オーガ族とエルフ族のあいだで数百年に及ぶ闘いが繰り返されてきたそうで、それが突然終わると言われても信じられないのが普通だろう。
俺達であの廃墟の要塞を改修して話し合いの場とするので、準備ができたらエルフ族の代表者を派遣してもらうことになった。
今回の件に関しては、俺達には何の利益もないが今後に期待というところだ。
オーガ族との長年の闘いが終止符を打たれるという話は、エルフの村の中に直ぐに伝わりエルフ達は大騒ぎになり村の広場に集まりだした。
エルフ族の族長は、オーガ族との皆に話し合いはこれから始まるので焦らないようにと注意が促された。
その後は、当然のように宴となった。
俺達も、昨日のオーガ族との宴に引き続き、冷えたエールと食料の提供も行った。
エルフ族は、飲んだことがない冷えたエールや熱いピッツァをえらく気に入ってもらえたようで何よりだった。
特にエルフ族の女性には、シュークリームとミルクアイスが気に入ったようで、定期的に売りに来て欲しいと言われてしまった。
宴が進み皆に酔いがまわった頃にエルフの村で一番の弓使いだというエルフの男がサティに弓の勝負を挑んできた。
この森のエルフ族は、他の地域に住むエルフ族との交流が殆どないらしく、同じエルフ族として興味があるらしい。
サティは、一旦は断ったが酒が入ったエルフ族の男の少々悪い口の言い様が、サティの心に火を付けたようだ。
的まで50m以上もの距離があり、弓使いのエルフの男は必ず的に矢を当てることができると豪語していた。
まずは、エルフの男が矢を放った。
矢は的に当たった。
さらに3本の矢を放ち全て的に当てた。
矢は全て的に当たった。だが矢は的の中央に当たったわけではなかった。
しかし、エルフの男にとっては十分に納得のいくものであった。
この村でこの距離から的に当てられるのは彼だけだからだ。
得意げなエルフの男は、鼻高にサティを罵った。
「矢を射る前なら傷も浅くて助かるというものだ。負けを認めればこれ以上の侮辱は控えるが。」
サティは、いつも使っている"覇王の弓"の弦のみを引いた。
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