誰にでもできる簡単なお仕事です。

純粋どくだみ茶

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16.オーガ族とエルフ族

06.オーガ族とエルフ族の要望。

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森の奥深くにある廃墟の小さな要塞。
城壁と建物をレディの土魔法で修復したが、大工仕事は誰かにやってもらう必要がある。
やっぱり大工の棟梁に頼んで来てもらうか。

それと、今回の件でいろいろ頑張ってもらったのが"阿行"さんと"吽行"さん。
さらに、"阿行"さんと"吽行"さんをオーガ族が神と崇めているので、それを踏まえて要塞の門のに
"阿行"さんと"吽行"さんの像を作ることにした。

レディさん、今まで土魔法が使える場面がなかったのでノリノリで作っていた。
要塞の門の両脇にできた"阿行"さんと"吽行"さんの像を眺めてみた。
もう日本のお寺の山門みたいで、迫力ばつぐんです。グイグイ押してきます。

"阿行"さんと"吽行"さんの像を関心しながら交互に眺めていると何か違和感を感じた。
見るたびに微妙にポーズが違う気がする。
一瞬だけ視線をずらしてもう一度凝視する。
やっぱりポーズが変わってる。
レディにどうなっているか確認した。

「実はですね、この像はゴーレムなんです。」

「へっ?」

「この像はですね動きます。歩きます。戦えます。強いですよ!」

「多分、オーガ1体となら互角以上です。」

「レディさん、今までゴーレムが作れるっていちども聞いたことがなかったけど。」

「はい、一度も聞かれたことがなかったので。」

レディさんしれっと凄い能力を秘めていた。

「普段は、このゴーレムに要塞の護衛をさせれば安全で住みやすいところになりますよ。」

いや、そうだけど。
彼女達(神器)は、俺が知らないだけでさらに凄い能力を持っているんじゃないかと思い始めた。
今度、彼女達(神器)の能力を掘り起こしてみるか。

あっ。クリスは、また他の人のスキルを奪ってないか確認しておかないと。
この前確認したら"縄術Lv2"というものを持っていた。
てっきり捕縛に使うのかと思い聞いてみると"SM"の縛りの縄の方でした。

そういえば、クリスとサティが王都に誘拐?された時に地下牢で"菱縄縛り"をされていたローゼリーナだったが、クリスが誰からか奪った"縄術Lv2"で縛ったそうだ。
もうなんでも有りのクリスさんだからな。



あの後、オーガ族とエルフ族から要望がいくつか上がってきた。

まずオーガ族。
宴で出した蒸留酒がたいそう気にいったようで、あれを売って欲しいそうだ。
しかしオーガ族は人族の国で流通している通貨を持っていない。
そこでオーガ族が出してきたのが"砂金"だった。
オーガ族にもいろいろ事情があるので深くは詮索しないが、小袋にいっぱいの砂金を出された時はびっくりした。
この前の宴の酒代も入っていると言われてしまった。お前らいいやつだよ。
"ココ"の街の市場から蒸留酒を樽で50樽ほど買い込んでオーガ族に渡したら、あの怖い顔が赤くほころんでいた。

オーガ族の族長には、ウィスキーの樽を数樽こっそり渡しておいた。
樽をこっそりと言うのも変だけど、大人の世界では、こういったことは大事。

ちなみに、俺が"ココ"の街の市場で蒸留酒の樽を大量に買い込んだものだから、蒸留酒が品薄になってしまい他の街から緊急で仕入れることになってしまった。
市場のみなさん、面倒事を作ってしまって申訳ない。

それともうひとつ。
人語が話せるオーガに修行と世界を見せたいというオーガ族の族長に頼まれて、数名を兵士として使って欲しいというのだ。
たしかに魔族国の兵士として多数のオーガを目撃している。
オーガを王国軍の兵士にできたら、オーガ1体で騎士100人に匹敵する戦力になりうる。

"阿行"さんと"吽行"さんを神として崇めはじめたことでオーガ族の考え方が変わり、さらに"阿行"さんと"吽行"さんの強さを体験してオーガ族が、より強い者がこの世界に存在することに気付かされたそうだ。
オーガ族を兵士として受け入れる件は、受け入れる側の意識改革も必要だろうから、王女や大臣達に聞いてみることにした。



そしてエルフ族。
こちらも宴の時に出したシュークリームとミルクアイスがエルフ族の女性陣から大好評だった。
つまり、シュークリームとミルクアイスを定期的に売って欲しいというのだ。それ以外にも食材や酒を購入したいとのこと。

そのかわりにエルフ族は、秘伝の製法で作ったポーションやら諸々の薬を提供するというのだ。
同じポーションでもエルフ族のポーションは効き目が全く異なる超高級品のため、市場では高値で販売されているがエルフ族から提供されるポーションの数はあまり多くないので、市場では殆ど見かけることがない。

それを売った代金でシュークリームやミルクアイス、食材を売って欲しいというのだ。
いいのか。そんなことで?と思ったが、エルフ族の男達の意見など全く聞き入れられずに強引に決まってしまった。
どの種族でも女性は強い。

さて、もうひとつ。
こちらもオーガ族と同じで、人族の世界に数名のエルフを勉強に出したいというのだ。
このエルフの村にも、外の世界で冒険者を経験した者が数名いるので、外の世界についての知識はあるようだ。
ただ、今まではオーガ族との闘いがあったため、外の世界に行く余裕がなかったらしい。
今回の件でオーガ族との闘いを気にする必要がなくなったので、まずは数名のエルフを魔術師として王国に派遣するなり冒険者として経験を積ませたいそうだ。
こちらも国王や大臣に相談だ。

なにやら、いろいろ動きが出てきた。
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