112 / 169
16.オーガ族とエルフ族
07.森の中の冒険者達。(その1)
しおりを挟む
森の奥深く、冒険者3人が息を切らせて走っていた。
彼らは、3人ともAクラスの冒険者だ。
オーガ1体ならなんとかなると高を括っていたが、同時に複数のオーガが現れたので最初から逃げの一手で森の中を疾走していた。
最初は、オークを狩っていたがもっと稼げる魔獣を狩ろうということになり、森の奥深くに分け入ったのだ。
俊敏の魔法をかけてどうにかオーガの足の速さから逃れようとしたが地の理はオーガ達にあった。
森から抜け出るつもりがどんどん森の奥へと誘導されていった。
MPが底を付き、俊敏の重ね掛けもできない状態では、この森を狩場にしているオーガから逃げきれるはずもなかった。
もう逃げきれないと覚悟を決めた瞬間、目の前に小さな要塞が出現した。
しかも要塞の門の前には、オーガよりも巨大な何かが立っていた。
後ろから冒険者を追ってきたオーガ達であったが、冒険者のことなど見向きもせずにオーガよりも巨大な何かの前に進み出ると膝を付き頭を垂れて礼を尽くしはじめた。
しばらくして、そのうちの1体のオーガが冒険者の前に立ちこう言った。
「オマエタチハウンガイイ、カミノマエデハカリハデキナイ。」
「カミニカンシャスルノダ。」
そう言うとオーガ達は森の中へと消えていった。
冒険者達は安堵した。でもなぜオーガが俺達を見逃したのか。
しかも、人語を話していたことに今更ながら驚いていた。
恐る恐る要塞へ向かう冒険者達。
今まで街や要塞の門はいくつも見てたが、石像が設置された門など見たことがなかった。
しかも石像と思って見ていると微妙に動くことに気が付いた。
「これ、ゴーレムじゃない。」
「こんな緻密なゴーレムなんて見たことがないぞ。」
「動きもまるで人そのもだ。」
冒険者達は、関心しながら2体のゴーレムを見上げていた。
そのうち、1体のゴーレムが門から要塞の城壁にそって歩き出した。
「ゴーレムがこの要塞を守っているんですよ。かなりの腕のある魔術師がこの要塞にはいますよ。」
ゴーレムに見とれながら要塞の門に入ろうとするが、門には門番らしき者が誰もいないが、大工が家を建てる時にする音が鳴り響いていた。時より大工らしき人が発する声も聞こえてくる。
要塞内に入ると、数人の大工が建物の修理を行っていた。
さらに、要塞の内部を見回すと2体のオーガがいるではないか。
恐怖のあまり、建物の影に隠れて様子をうかがう冒険者達。
「では、それで蒸留酒の樽は全部になります。」
「族長さんによろしくお伝えください。」
エルフの女が2体のオーガに話しかけていた。驚きの光景だ。
オーガもエルフの女に手を振っていた。
2体のオーガは、要塞を出ると門の前の石造に頭を垂れて礼を尽くした後、森の中へ消えていった。
「いっ、今の光景はなんだ。なぜあのエルフはオーガに食い殺されないんだ。」
「そういえば、俺達を追っていたオーガも神がどうとかって言っていたが。」
冒険者達は、さっきまでオーガと話をしていたエルフの女に近づいて話しかけた。
「ちょっとよろしいか。俺達は冒険者で、この森でオーガに襲われて命からがらこの要塞に逃げ込んできたんだがなぜここではオーガに襲われないんだ。」
「あら。珍しい。こんな森の最奥の地に冒険者が来るなんて。」
「みなさん、オーガに襲われたならさぞやお疲れでしょう。水と食べ物がありますから、少しお休みになってください。」
「話は、食べながらでもしましょうか。」
エルフの女は、教会の建物に冒険者達を案内し、礼拝堂の一角に用意されたテーブルの周りに置かれた椅子に座った。
彼らは、3人ともAクラスの冒険者だ。
オーガ1体ならなんとかなると高を括っていたが、同時に複数のオーガが現れたので最初から逃げの一手で森の中を疾走していた。
最初は、オークを狩っていたがもっと稼げる魔獣を狩ろうということになり、森の奥深くに分け入ったのだ。
俊敏の魔法をかけてどうにかオーガの足の速さから逃れようとしたが地の理はオーガ達にあった。
森から抜け出るつもりがどんどん森の奥へと誘導されていった。
MPが底を付き、俊敏の重ね掛けもできない状態では、この森を狩場にしているオーガから逃げきれるはずもなかった。
もう逃げきれないと覚悟を決めた瞬間、目の前に小さな要塞が出現した。
しかも要塞の門の前には、オーガよりも巨大な何かが立っていた。
後ろから冒険者を追ってきたオーガ達であったが、冒険者のことなど見向きもせずにオーガよりも巨大な何かの前に進み出ると膝を付き頭を垂れて礼を尽くしはじめた。
しばらくして、そのうちの1体のオーガが冒険者の前に立ちこう言った。
「オマエタチハウンガイイ、カミノマエデハカリハデキナイ。」
「カミニカンシャスルノダ。」
そう言うとオーガ達は森の中へと消えていった。
冒険者達は安堵した。でもなぜオーガが俺達を見逃したのか。
しかも、人語を話していたことに今更ながら驚いていた。
恐る恐る要塞へ向かう冒険者達。
今まで街や要塞の門はいくつも見てたが、石像が設置された門など見たことがなかった。
しかも石像と思って見ていると微妙に動くことに気が付いた。
「これ、ゴーレムじゃない。」
「こんな緻密なゴーレムなんて見たことがないぞ。」
「動きもまるで人そのもだ。」
冒険者達は、関心しながら2体のゴーレムを見上げていた。
そのうち、1体のゴーレムが門から要塞の城壁にそって歩き出した。
「ゴーレムがこの要塞を守っているんですよ。かなりの腕のある魔術師がこの要塞にはいますよ。」
ゴーレムに見とれながら要塞の門に入ろうとするが、門には門番らしき者が誰もいないが、大工が家を建てる時にする音が鳴り響いていた。時より大工らしき人が発する声も聞こえてくる。
要塞内に入ると、数人の大工が建物の修理を行っていた。
さらに、要塞の内部を見回すと2体のオーガがいるではないか。
恐怖のあまり、建物の影に隠れて様子をうかがう冒険者達。
「では、それで蒸留酒の樽は全部になります。」
「族長さんによろしくお伝えください。」
エルフの女が2体のオーガに話しかけていた。驚きの光景だ。
オーガもエルフの女に手を振っていた。
2体のオーガは、要塞を出ると門の前の石造に頭を垂れて礼を尽くした後、森の中へ消えていった。
「いっ、今の光景はなんだ。なぜあのエルフはオーガに食い殺されないんだ。」
「そういえば、俺達を追っていたオーガも神がどうとかって言っていたが。」
冒険者達は、さっきまでオーガと話をしていたエルフの女に近づいて話しかけた。
「ちょっとよろしいか。俺達は冒険者で、この森でオーガに襲われて命からがらこの要塞に逃げ込んできたんだがなぜここではオーガに襲われないんだ。」
「あら。珍しい。こんな森の最奥の地に冒険者が来るなんて。」
「みなさん、オーガに襲われたならさぞやお疲れでしょう。水と食べ物がありますから、少しお休みになってください。」
「話は、食べながらでもしましょうか。」
エルフの女は、教会の建物に冒険者達を案内し、礼拝堂の一角に用意されたテーブルの周りに置かれた椅子に座った。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる