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純粋どくだみ茶

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16.オーガ族とエルフ族

07.森の中の冒険者達。(その1)

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森の奥深く、冒険者3人が息を切らせて走っていた。
彼らは、3人ともAクラスの冒険者だ。

オーガ1体ならなんとかなると高を括っていたが、同時に複数のオーガが現れたので最初から逃げの一手で森の中を疾走していた。
最初は、オークを狩っていたがもっと稼げる魔獣を狩ろうということになり、森の奥深くに分け入ったのだ。
俊敏の魔法をかけてどうにかオーガの足の速さから逃れようとしたが地の理はオーガ達にあった。
森から抜け出るつもりがどんどん森の奥へと誘導されていった。
MPが底を付き、俊敏の重ね掛けもできない状態では、この森を狩場にしているオーガから逃げきれるはずもなかった。

もう逃げきれないと覚悟を決めた瞬間、目の前に小さな要塞が出現した。
しかも要塞の門の前には、オーガよりも巨大な何かが立っていた。

後ろから冒険者を追ってきたオーガ達であったが、冒険者のことなど見向きもせずにオーガよりも巨大な何かの前に進み出ると膝を付き頭を垂れて礼を尽くしはじめた。

しばらくして、そのうちの1体のオーガが冒険者の前に立ちこう言った。

「オマエタチハウンガイイ、カミノマエデハカリハデキナイ。」

「カミニカンシャスルノダ。」

そう言うとオーガ達は森の中へと消えていった。

冒険者達は安堵した。でもなぜオーガが俺達を見逃したのか。
しかも、人語を話していたことに今更ながら驚いていた。
恐る恐る要塞へ向かう冒険者達。
今まで街や要塞の門はいくつも見てたが、石像が設置された門など見たことがなかった。
しかも石像と思って見ていると微妙に動くことに気が付いた。

「これ、ゴーレムじゃない。」

「こんな緻密なゴーレムなんて見たことがないぞ。」

「動きもまるで人そのもだ。」

冒険者達は、関心しながら2体のゴーレムを見上げていた。
そのうち、1体のゴーレムが門から要塞の城壁にそって歩き出した。

「ゴーレムがこの要塞を守っているんですよ。かなりの腕のある魔術師がこの要塞にはいますよ。」

ゴーレムに見とれながら要塞の門に入ろうとするが、門には門番らしき者が誰もいないが、大工が家を建てる時にする音が鳴り響いていた。時より大工らしき人が発する声も聞こえてくる。
要塞内に入ると、数人の大工が建物の修理を行っていた。
さらに、要塞の内部を見回すと2体のオーガがいるではないか。
恐怖のあまり、建物の影に隠れて様子をうかがう冒険者達。

「では、それで蒸留酒の樽は全部になります。」

「族長さんによろしくお伝えください。」

エルフの女が2体のオーガに話しかけていた。驚きの光景だ。
オーガもエルフの女に手を振っていた。
2体のオーガは、要塞を出ると門の前の石造に頭を垂れて礼を尽くした後、森の中へ消えていった。

「いっ、今の光景はなんだ。なぜあのエルフはオーガに食い殺されないんだ。」

「そういえば、俺達を追っていたオーガも神がどうとかって言っていたが。」

冒険者達は、さっきまでオーガと話をしていたエルフの女に近づいて話しかけた。

「ちょっとよろしいか。俺達は冒険者で、この森でオーガに襲われて命からがらこの要塞に逃げ込んできたんだがなぜここではオーガに襲われないんだ。」

「あら。珍しい。こんな森の最奥の地に冒険者が来るなんて。」

「みなさん、オーガに襲われたならさぞやお疲れでしょう。水と食べ物がありますから、少しお休みになってください。」

「話は、食べながらでもしましょうか。」

エルフの女は、教会の建物に冒険者達を案内し、礼拝堂の一角に用意されたテーブルの周りに置かれた椅子に座った。
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