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18.火龍の神殿
28.火龍神殿の攻防。(その3)
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ガーネは、ショートソード神器"指切り姫"を手に持ち男と対峙していた。
男は、目の前にいる女の力量を測りあぐねていた。
今まで闘った相手で、顔に笑みを浮かべて対峙した者などいなかったからだ。
「俺を笑っているのか、それとも闘いを楽しんでいるのか。どちらだ。」
男は思わず目の前に対峙する女に問うてしまった。
「もちろん闘いが楽しいんですよ。さあ、私に剣を振ってください。とても楽しいことが待っていますよ。」
男は、笑みを浮かべて対峙する目の前の女が気持ち悪いを思い始めた。
こんな闘いは早く終わらせて、神殿の奥に控えている龍を葬る闘いに参戦しよう。
そう思った男は、目の前に対峙する女に向かって剣を振り下ろした。
剣は、女の肩から胸へと何の迷いもなく振り下ろされた。
女は死んだ。男はそう思った。
ところが、目の前の女の姿はおぼろげとなってやがて消えていった。
「私は、ここにいますよ。」
男は、女の声に我に返り、声がする方へと体を向けた。
いつの間にか女が持っていた剣先が男の体に触れていた。
男は、女から距離を取った。
「女、何を遊んでいる。殺し合いをしいる最中に、剣をただ体に触れさせるだけとは、どういうつもりだ。」
「あら、分かりませんか。ご自分の事はご自分で分かるはずですよ。うふふ。」
なんなのだこの女は。さっきから顔に笑みを浮かべたままだし、訳の分からぬことを言うし剣を振って来る訳でもない。いったい何なのだ。
男は、闘いの最中に緊張感のない目の前の女に再度剣を振った。
まただ。また、女の姿がおぼろげになって消えた。
「どこを見ているんですか。こっちですよ。」
女の声がする方向に慌てて向きなおった。
すると、やはり女の剣が男の体に触れていた。
男は慌てて女から距離を取った。
「女、さっきから何をやっている。まさか遊んでいるのか。」
「あれ、分かりませんか。さっきも言ったはずです。ご自身の体のことはご自身で分かる
はずですと。」
「それとも言わないと分かりませんか。そうですか。では、種明かしをします。」
「あなたの腕力、防御力、俊敏、幸運、魔力の殆どを奪い取りました。」
「さっきより剣が重く感じませんか。動きが鈍くなったと感じませんか。私の動きを追うことができていますか。」
この女は何を言っているんだ。ステータスを奪う?そんな事ができるはずがない。
だが、確かに剣がさっきより重く感じる。体も重く感じる。目の前の女を目で追うことができなくなっている。そんなはずは…。
「あなた、ご自身のステータスを見てみなさい。まるで駆け出しの冒険者みたいなステータスになっていますよ。」
男は、慌てて自分のステータスを確認した。
腕力、防御力、俊敏、幸運、魔力のステータスが全て"3"になっていた。
「あら、やっと気が付きましたか。私の能力は人のステータスを奪うことなんですよ。」
「あなたはもう駆け出しの冒険者です。」
男は、震えていた。何年もかけて鍛え上げた体がほんの一瞬で子供と同じ状態にされてしまったのだ。
「よくもやってくれたな。だが、体はまだ動く。お前などこの剣のひと振りで十分だ。」
男は、目の前の女に向かって渾身の力を込めて剣を振った。
「あら、そんなへっぴり腰じゃ鼠も殺せないわよ。」
女が男の耳元でささやいた。
目の前にいたはずの女がなぜ俺の耳元でささやけるのだ。
男は、耳元でささいていた女の方へと振り向こうとした。しかし体が動かない。
男は、あることに気が付いた。背中と腹が妙に熱く感じるのだ。
男は、目線を自分の腹へと向けた時、そこには自分の腹から突き出た剣先があった。
「やっと分かったのね。あなたさっきからお腹に剣が刺さっていたのよ。」
「それすらも分からなかったようね。幻覚でも見ていたのかしら。それとも夢かしらね。」
ガーネは、男の耳元でそう話すとゆっくりと背中から突き刺したショートソード"指切り姫"を抜いた。
男は、何かを言いたそうなそぶりを見せたが、口から溢れた自分の血で言葉が出なかった。
男は、腹と背中から血を噴き出しながら神殿の床へと静かに倒れていった。
「確かにあなたは強いわ。でもそれは普通の人と比べたらの話。神器と剣を交えるならもう少し力量が必要だったのよ。とても残念な結末だったわ。」
そう言い残すとガーネは、ゆっくりと神殿の奥へと歩き出した。
男は、目の前にいる女の力量を測りあぐねていた。
今まで闘った相手で、顔に笑みを浮かべて対峙した者などいなかったからだ。
「俺を笑っているのか、それとも闘いを楽しんでいるのか。どちらだ。」
男は思わず目の前に対峙する女に問うてしまった。
「もちろん闘いが楽しいんですよ。さあ、私に剣を振ってください。とても楽しいことが待っていますよ。」
男は、笑みを浮かべて対峙する目の前の女が気持ち悪いを思い始めた。
こんな闘いは早く終わらせて、神殿の奥に控えている龍を葬る闘いに参戦しよう。
そう思った男は、目の前に対峙する女に向かって剣を振り下ろした。
剣は、女の肩から胸へと何の迷いもなく振り下ろされた。
女は死んだ。男はそう思った。
ところが、目の前の女の姿はおぼろげとなってやがて消えていった。
「私は、ここにいますよ。」
男は、女の声に我に返り、声がする方へと体を向けた。
いつの間にか女が持っていた剣先が男の体に触れていた。
男は、女から距離を取った。
「女、何を遊んでいる。殺し合いをしいる最中に、剣をただ体に触れさせるだけとは、どういうつもりだ。」
「あら、分かりませんか。ご自分の事はご自分で分かるはずですよ。うふふ。」
なんなのだこの女は。さっきから顔に笑みを浮かべたままだし、訳の分からぬことを言うし剣を振って来る訳でもない。いったい何なのだ。
男は、闘いの最中に緊張感のない目の前の女に再度剣を振った。
まただ。また、女の姿がおぼろげになって消えた。
「どこを見ているんですか。こっちですよ。」
女の声がする方向に慌てて向きなおった。
すると、やはり女の剣が男の体に触れていた。
男は慌てて女から距離を取った。
「女、さっきから何をやっている。まさか遊んでいるのか。」
「あれ、分かりませんか。さっきも言ったはずです。ご自身の体のことはご自身で分かる
はずですと。」
「それとも言わないと分かりませんか。そうですか。では、種明かしをします。」
「あなたの腕力、防御力、俊敏、幸運、魔力の殆どを奪い取りました。」
「さっきより剣が重く感じませんか。動きが鈍くなったと感じませんか。私の動きを追うことができていますか。」
この女は何を言っているんだ。ステータスを奪う?そんな事ができるはずがない。
だが、確かに剣がさっきより重く感じる。体も重く感じる。目の前の女を目で追うことができなくなっている。そんなはずは…。
「あなた、ご自身のステータスを見てみなさい。まるで駆け出しの冒険者みたいなステータスになっていますよ。」
男は、慌てて自分のステータスを確認した。
腕力、防御力、俊敏、幸運、魔力のステータスが全て"3"になっていた。
「あら、やっと気が付きましたか。私の能力は人のステータスを奪うことなんですよ。」
「あなたはもう駆け出しの冒険者です。」
男は、震えていた。何年もかけて鍛え上げた体がほんの一瞬で子供と同じ状態にされてしまったのだ。
「よくもやってくれたな。だが、体はまだ動く。お前などこの剣のひと振りで十分だ。」
男は、目の前の女に向かって渾身の力を込めて剣を振った。
「あら、そんなへっぴり腰じゃ鼠も殺せないわよ。」
女が男の耳元でささやいた。
目の前にいたはずの女がなぜ俺の耳元でささやけるのだ。
男は、耳元でささいていた女の方へと振り向こうとした。しかし体が動かない。
男は、あることに気が付いた。背中と腹が妙に熱く感じるのだ。
男は、目線を自分の腹へと向けた時、そこには自分の腹から突き出た剣先があった。
「やっと分かったのね。あなたさっきからお腹に剣が刺さっていたのよ。」
「それすらも分からなかったようね。幻覚でも見ていたのかしら。それとも夢かしらね。」
ガーネは、男の耳元でそう話すとゆっくりと背中から突き刺したショートソード"指切り姫"を抜いた。
男は、何かを言いたそうなそぶりを見せたが、口から溢れた自分の血で言葉が出なかった。
男は、腹と背中から血を噴き出しながら神殿の床へと静かに倒れていった。
「確かにあなたは強いわ。でもそれは普通の人と比べたらの話。神器と剣を交えるならもう少し力量が必要だったのよ。とても残念な結末だったわ。」
そう言い残すとガーネは、ゆっくりと神殿の奥へと歩き出した。
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