ミロクの山

八陣はち

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宗慈編

ミロクのたまご

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「ッア」

 ずっとほったらかしだった性器への突然の愛撫に、宗慈は大きく身体を震わせた。
 逞しい幹を、握り込んだミロクの指が擦り上げる。
 透明な雫で濡れそぼった猛りは、待ち望んだ快感に震える。

「っあ、きもちい、ミロクさま」

 ミロクの手の動きに合わせて、宗慈の腰が揺れる。その度に膨れた腹の中で卵が弾み、それがまた快感となって宗慈を苛んだ。

「っあ、いく、いく」

 譫言のように繰り返し、宗慈は腰を揺すった。
 ミロクの手が先走りで濡れているのが見える。その綺麗な手を卑しい先走りで汚していることに、宗慈は罪悪感とともに言いようのない興奮を覚えた。

「たくさん出して。宗慈」

 ミロクの手に誘われるままに、宗慈は白濁を放った。勢いよく放たれたそれは腹から胸を汚した。何度も何度も、とろみのある白濁が宗慈の身体を汚していく。
 吐精の余韻に身体を震わせる宗慈の張り詰めた腹の中で、柔らかな卵が爆ぜる。

「っあ」

 シャボン玉が弾けるように、弾力のある卵の皮が裂け、胎の中でうねうねと動くものが生まれる。
 吐精の余韻が残るところに、腹の中全体が蠢くものに刺激され、堪らない快感が生まれて宗慈は身体を強張らせた。

「っひ、あ、や、なか、動い、て」

 張った腹は、外からでもうっすらとその中の動きがわかるほどだった。

「もう、産まれるかな?」

 ミロクは嬉しそうに目を細め、歪に形を変える宗慈の腹を撫でた。

「ん、っ、うまれ、ぅ、すごい、なか」

 宗慈は身体を跳ねさせ、快感を訴える。もはや、何を言っているのか、宗慈はわかっていない。

「ヒ、ぁ」

 中を埋めていたミロクの猛りが引き抜かれた。それがまた快感で、宗慈は身を震わす。
 蠢く塊たちは、こぞってその身を外へと向かわせる。腸壁を擦り、無遠慮にしこりを弾いて、身を捩りながら外へと向かっていく。
 それは腹の奥からゆっくりと降りてきて、広がった後孔からずるりと落ちた。
 粘液を纏った、太く短いツチノコのような形。土色の、蛇のようなものが産まれ落ちた。

「っひ」

 目に映ったそれに、宗慈は喉を引き攣らせ短い悲鳴を上げた。
 そんなものが自分の腹から出てきたことが信じられなかった。
 それが、浅いところから順に生まれ落ちてくる。

「っう、あ」

 出ていくとき、何度も前立腺を捏ね、叩かれて。宗慈の勃ち上がった性器はとぷとぷと緩い吐精を繰り返した。
 宗慈は身体を捩り、狭い中を掻き分けて進むそれに粘膜をこそがれ絶頂する。
 勃ち上がった性器からは濁った体液がトロトロ溢れる。

「あう」

 中が収縮して、中にいるそれの形を認識する。
 丸みを帯びた楔が、隘路をこじ開けて進む。

「あ、ひ、おかしく、な、ぅ」

 ただのはらわただったその場所が、快感を生む。
 慣れない悦楽の嵐に、身体は熱を上げていく。
 何個目か数えることも諦め、断続的にやってくる強い快感に、絶えず訪れる絶頂に、宗慈はなす術なく甘く喘ぎ、身を捩る。

「宗慈、がんばって、あと一息だよ」

 もう何が生まれているのか確認する気力もなく、宗慈は肢体を投げ出し、胸を喘がせて荒い呼吸を繰り返す。
 もうだいぶ平らになった腹を、ミロクに優しく撫でられる。

「っ、あ!」

 背をしならせ、脚を伸ばして突っ張らせて、一番奥から這い出てきた最後の一匹を産み落として、宗慈は意識を飛ばした。
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