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12 ダンジョン確認 その2

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 翌日は、薄紅から。薄紅はヒヤンス王国の外れにあり、人はまばら。薄紅は人が居ないのは嫌だけど、うるさいのも嫌らしい。難しい注文だな?
 薄紅のダンジョンは25階層。モンスターは爬虫類系。人がまばらな訳だ。

「あー、薄紅?モンスター変えない?」

「かえない!」

 うん、即答ありがとう。赤紫といい、薄紅といい、特殊な趣味をお持ちのようだ。他にも居るのかなぁ?今から憂鬱だ。

「じゃさ、蝶とカマキリを加えよう?な!」

 俺の脳もばかになったようだ。爬虫類に蝶とカマキリ。人、来るかな?よし!エサを用意しよう!

「今までのアイテムは、革(皮)に毒。・・まぁいいね。でも弱いか。毒持ちのモンスターがいるなら、逆に毒消しポーションを出してもいいね、赤紫の所みたいに。後は・・おさけ?そうだ!ヘビ系がいるんだからヘビ酒や普通にエールとかお酒を出そう!」

 これで、特殊なダンジョンの出来上がり!なんか本来の目的からズレてる気もしないでもないが、気にしない!薄紅、終了!

 プリベラの中央、シャヤク王国近辺。
 中央には二つのコアがある。桃色と浅葱。

 プリベラ大陸の中央なので、二つ共かなり人の出入りがあるらしいが、問題がある。

「「マスター、もうさわがしいのイヤー!!」」

 そう二つ共、騒がしいのか嫌いという問題。
 黄緑みたいに、あまり人に知られてないのなら、やりようはあった。でもこの二つは場所を知られ過ぎている。今さら隠すのは難しい。

 桃はネフィラ王国側の外れに、浅葱はフーリア王国側の外れにそれぞれある。
 桃も浅葱も15階層と浅目。モンスターも初心者クラス。これは人が来るね。

「うーん、桃や浅葱の意見を取り入れたいけど、流石に人が来ないようにするのは無理だね。だったら、階層じゃなくてフロアにしよう。5フロアにして、1フロア毎にボスと群れを作る。黄緑のダンジョンみたいにね。アイテムは簡易栽培魔道具で作ってる果物や薬草にすれば、人も落ち着くんじゃないかな?アイテムに魅力ないから」

 コア部屋は別に階層を作って、人が降りて来られないようにすれば、少しは静かに過ごせないかな?と、言うことで二つまとめて終了。本日も終了。

 プリベラ最後のダンジョンは、海の瑠璃。
 アースター王国の港町の沖にある小島がダンジョンの入り口。
 瑠璃は上級ダンジョン。海なので階層ではなく、フロア。20フロアと広大だ。そして、あんな所に隠し通路が!そっかそこから暗緑色のダンジョンに行けるのか、、、。
 それだと、あまりいじるのはよくないな。よし!

「瑠璃!初っぱなからクラーケン出すな!シーサーペントを大量に出すな!殺人ダンジョン反対!」

「えー、かっこいいのに~!ダメ~?」

「ダメ!ぜっっっったいダメ!!」

ブーブーと文句言っても、泣いても絶対これだけは譲れない!はぁー、子供って怖い物知らずだ。

「じゃ、こうしよう?10フロアと20フロアのボスとして、一匹だけ。10フロアにクラーケン、20フロアにシーサーペントを一匹だけ出す。決してクラーケンやシーサーペントと一緒に他のモンスターは出すなよ」

俺、甘いかなぁ。でも、殺人ダンジョンに代わりないよな、このままだと。

「9フロアと19フロアにそれぞれ特殊アイテムを出すか。金のマスターのノートに何かヒントはないかな?・・これいいなぁ。よし!雷玉と人対策で感電防止のアイテムを出そう。勿論、一回キリの使い捨てアイテムでだ。瑠璃頼むぞ」

「はーい!ますたーありがとう!」

うん、こんなもんかな?プリベラ大陸終了!!

続いて、ビラン大陸。
ビランは中央から、ヒマリ帝国近辺。
中央には赤と紫の二つ。
赤はアージン王国側の国境付近、紫は帝国の都の外れにある。

ここも人の出入りは多い。二つとも騒がしいのは嫌いではないので、このままで大丈夫。なんなら紫はどこも変えなくていいくらいだ。

赤も別に悪い訳じゃない。ただ特殊ダンジョンだっただけで。ものすごい広大な1フロアのみ。そこに5つの扉が散らばっていて、扉を潜ると海、森林、砂漠、洞窟、草原とフィールドが変わる。内容は面白い。そこは認める。モンスターもそれぞれにあった良心的なものだ。ここまでは完璧。

問題はアイテム。赤のダンジョンに出るモンスターのぬいぐるみ。
まぁ、かわいいと人気で、人も多く来てるからいいのだけど、何故ぬいぐるみ?赤に聞いても「かわいいから」と一言。・・問題ないのでこれにて終了。

ビランの南東のアージン王国に藍色が一つ。
ビランの西側のブーレア王国に深緑が一つある。

藍色はアージンの森林地帯にある。しかもそこにはかなり強い魔物が生息している為、藍色のダンジョンには人は来ない。しかし藍色は寂しがりだ。でも人を呼ぶのは難しい。悪循環

「ますたー、一人ぼっちやだよー。ひとにきてほしよー」

助けて、銀。教えて、銀。

「赤のダンジョンを真似てみては?」

「どういうことだ?」

「赤のダンジョンは扉を潜ると別のフィールドになったでしょう?」

「うんうん、それで?」

「マスターは僕達コア同士を通じて転移してるでしょう?」

うん?つまり、、!

「いや、マスターしかコア部屋に入れないだろう」

「だから、赤のダンジョンを真似るの!」

「もう答えをくれ。わからん!」

銀の考えが分からなく、俺は白旗を上げた。

「ダンジョン同士を扉で繋ぐの!そうすれば、別のダンジョンの人を藍色のダンジョンに呼べるでしょ」

そんなことも出来るのか。いや、出来るから真紅や暗緑色のダンジョンにも行けるのか。答えは目の前にあったのに、思い付かなかった。

「でも、全てのダンジョンに繋げるのは危ないな。下手したら、戦争に利用されかねない。ビラン大陸のダンジョンだけにするか。しかし、簡単にここに来られても面白くないな。こうしよう、1日置きに各ダンジョンに、ここに通じる扉を付ける。どこに付けるかはお前達に任せるが、ずっと同じ場所にだけはするなよ?これでどうだ?」

「うん!それでいいよ。ありがとう、ますたー」

藍色のダンジョンは、ボーナスステージみたいなダンジョンにすることにした。1フロアのみで、即ボス戦。ボスもアイテムも、その時その時で変わるようにして、藍色は終了。

ブーレアとユーリアの間位に深緑のダンジョンはある。人もそれなりいて、ダンジョンの内容も申し分ない。いやー、ビラン大陸のコアは優秀だなぁ。深緑、終了。
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