ダンジョンの管理人になりました

菻莅❝りんり❞

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13 ダンジョンの確認 その3

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 ビラン大陸の北側、ユーリア王国には、橙色と緋色の二つがある。

 橙色は街道の外れにある洞窟が、ダンジョン入り口になっているのだけど、人目から隠れるようにあるため、気付かれていない。

「静かでいいよ?たまにどーぶつ達があまやどりとやによってくれるから、ひとがが来るとどーぶつたち来なくなっちゃう」

 ダンジョンなのに、ほのぼのしてるなぁ。じゃ、橙は現状維持。動物達の非常食として、簡易栽培魔道具で実のつくものを育てて、カモフラージュで森フィールドにするくらいかな?橙、終了。

 緋色はユーリアの外れにある、砂漠地帯にある。
 ユーリア王国は特殊で、周りの国は緑豊かなのになぜか、王国の4分1は砂漠地帯になっている。砂漠地帯が拡がるわけでもないので、神様の遊び心として認識されている。

 そんな砂漠地帯の真ん中に緋色のダンジョンはある。水気のないサラサラの砂漠の砂なのに、ダンジョンは砂で出来ている。考えるな!ダンジョンとはそういうものだと言うことだ!

「緋色。さそり以外のモンスターも出そうか?俺はモンスターや、魔物の事は詳しくはないからどうこう言えないが、砂漠のモンスターも魔物もさそりだけではないはずだ」

 一緒に考えて、考えて、考えまくった結果、サンドウッド、サンドベアーなどとにかく、サンド何とかとつくモンスターを適度に出すことで落ち着いた。アイテムも、砂漠なので水分を含んだ食べ物やモンスターの素材を出すようにして、緋色、終了。

 ビランの東のハビスに緑と、海に桔梗。
 ビランの南のサビアに銀と群青がそれぞれある。
 本当にビラン大陸はいい子で優秀。群青があまり人に来て欲しくないと言うだけで、完璧。
 銀は元々、金のマスターに管理してもらっていたので、言うことなし。以上、ビラン大陸終了。


 続いて、ノトール大陸。と行きたいとこだが、ここまで3徹。俺の気力は尽きた。
 あまりにも、俺が出てこないので、奥様に様子を見に行くように言われていたビルドとマルシェが、行き倒れている俺と騒いでるコア達に遭遇した。

 ビルドが青に頼み、モンスターに俺をコア部屋から出してもらい、マルシェが回復魔法をかけた。
 マルシェが、騒いでるコア達に大丈夫だと宥め、一端街に連れ帰るといい、ビルドが俺を背負ってダンジョンを後にした。

 気が付いた俺は、奥様にこんこんとお説教をされ、十分休んだら監視付きで、ダンジョンの確認作業に戻った。

 コア部屋に行くとコア達に盛大に泣かれ、コア達が落ち着くまで、シューベルト様達に改めてお説教された。

 コア達も落ち着き、ダンジョンの確認作業再開。俺が確認作業をしている間、シューベルト様達は暇だろうと、即席のバトルフィールドを作りモンスターと戦っている。勿論、アイテム付きだ。

 ガイアとビルドは前に可愛く思えて戦えないとか言ってたくせに、いざ戦うとなったら遠慮がないな。まぁ、頑張ってくれ!5戦したら10分の休憩タイムを設けてあるから無理すんなよ!

 さて、ノトール大陸から再開だ。

 ノトールの南のリンドウ王国に、青紫と赤茶の二つがある。

 青紫はノトールとプリベラを横断してる山岳地帯の中腹にある。かなり足場が悪いので、ベテランの冒険者しか来ないらしい。モンスターもそこそこ強いのを揃えてるし、アイテムも悪くない。幸先いいスタートが切れたかな?このまま、ノトールもビランに続き優秀か。青紫、文句無しに終了。

 赤茶はとっても分かりにくい場所にある。まず、街道からは大きく外れてるし、それぞれの大陸に一つはある大きな森林地帯の近くだし、何より入り口が分かりづらい!

 地面スレスレに地割れみたいに入り口がある。誰もそこがダンジョンの入り口とは思わない。まず、危険だと思って近づきもしない。

 赤茶は健気だ。いつ誰が来てもいいように、モンスターを常に常駐させてる。しかも、何年も来ないようなら、モンスターを総入れ替えまでして待ってる。

 健気すぎて、ガイアが泣いている。え?戦闘に飽きた?俺の作業を見学する?まぁ、いいけど。テーブルと椅子を出し、モンスターに農園の果物なんかを持ってきて貰い配膳を頼み、俺は作業に戻る。

「まず入り口を、分かりやすく大きくして、階段を付けよう。モンスターとアイテムはそのままでいいけど、ダンジョン自体でもアイテムが取れるようにしよう。ボス部屋は最下層のみで、下に続く階段が各階にあるだけにして、鉱石が発掘出来るダンジョンにするのはどうだ?」

「おもしろそう。やるやる!・・・できたー、マスターどうかな」

「うん、いいね。でも、もう少し鉱石は少なくてもいいかな?・・うん、それでいいよ」

 健気な赤茶のダンジョンに皆来てよー。赤茶、終了。

 さあ、次は、、、

「リュート、休憩しろ」

 後ろから物凄い圧と共に、シューベルト様の声がかかった。恐る恐る振り返ると、みんなのテーブルに食べ物が並べられてた。

「もう昼を過ぎてる。食べるぞ」

 有無を言わせない言動に、頷くしか選択肢は無かった。腹ごしらえも済み、シューベルト様達はまた、バトルフィールドで戦闘を始め、俺は続きを再開した。

 ノトールの東のヒガンナ王国には、黄土と赤茶。
 北のダリア帝国には、茶と浅緋。
 西のホウンカ王国は、海の紺がある。

 この中で問題があったのは、浅緋。その他は変える所は無かった。
 ノトール大陸は南側と北側に山岳地帯が拡がっている。浅緋は山岳地帯の麓にあり、南より緩やかなため、冒険者でもない一般の人が間違って入ってくる、と言う問題があった。

「戦うことの出来ない人の為に、一階層だけはモンスターを配置しないようにしよう。その代わり、他の階層より短めに設定すればいいかな」

 間違って入ってくるのはどうしようも出来ないので、こっちで対策するしかない。これで、ノトール大陸は終了。シューベルト様達に促され、本日も終了。

 最後に、インベノ大陸。
 インベノの南のセチア王国に黒と紫紺。
 西のガレット王国に茜と朱。
 北のシクラン王国には海の灰がある。

 インベノは全体的に問題だらけ。
 問題1紫紺。インベノの南は巨大な山脈がある。
 その山脈は、年中雪と氷りに覆われている。その山頂に紫紺はあって、紫紺は真紅のダンジョンの入り口がある場所。
紫紺のダンジョンだって行ける人はいないのに、その上の真紅なんてもっての他だ!

問題2黒。ダンジョン自体は街の近くにあって、人には認知されている。問題は、ダンジョンが氷で出来ている事。人は長時間居れない。

問題3灰。入り口が、凍っていて入れない。黒の氷のダンジョンが面白いって真似たらしい。

茜と朱は問題は無かった。

さて、問題解決の時間だ。灰は入り口の氷を溶かしてもらえば、解決。ダンジョン内はあまりいじれないのでスルー。

黒のダンジョンは階層から1フロアに変更して、赤のダンジョンを参考に扉を潜れば、別のフィールドに行けるようにした。扉は、ウッドモンスター系のフィールド、ウルフ系のフィールド、ゴーレム系のフィールドの3つ。アイテムもそれぞれの素材にした。

そして、一番の問題の浅緋。
雪と氷りに覆われた山脈を登るだけでも死と隣り合わせ。万が一、浅緋のダンジョンに辿り着いても、戦う力は残ってはいないだろう。

解決策としては、ダンジョン同士を繋ぐ事だか、浅緋は真紅のダンジョンに繋がる通路もある。けど、これしか方法はない。

浅緋は山脈の頂上と言うのもあるので、海のコア達以外の全てのダンジョンから、浅緋のダンジョンに行ける扉を付ける事にした。日々ランダムでどこの扉か分からなくする。以上、全てのダンジョン終了。

ちなみに、真紅のダンジョンは5階層と浅目だが、モンスターはドラゴンのみ。
暗緑色は5フロアでシーサーペントとリヴァイアサンのみ。変更不可との事だった。
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