末っ子神様の世界に転生した何の取り柄のない平凡な俺がちょっとだけ神様の手伝いをする

菻莅❝りんり❞

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20 祈りの日

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この国は治安がいいわけじゃないので、必然的に子供達の行動範囲は、協会の中だけになる。
だから、子供達が退屈しないように、木に丈夫な縄と板でブランコを作ったり、年長組が街を練り歩き集めた廃材を使って、滑り台を作ったりした。滑り台は、礼拝堂の椅子を移動させスペースを確保して、屋内に設置した。冬の寒空の中で遊ばせられないからね。協会内は神様の加護の影響か、常に適温を保っている。

皆の勉強の為に神様に図書室をお願いしたら、食堂の中に階段が出来て、上がった先に大量の本が埋まっていた。しかも二階部分にも机と椅子があった。神様、少しやり過ぎかな?

そうして楽しい時は過ぎ、今日は1の刻の1。祈りの日と俺達の誕生日だ。

朝一番にすることは、庭にある全ての食べ物を1つずつ大きめの籠に盛りそれが3つ出来た。供物を置く台も廃材で作ってあり、その台に乗せた。薬草をそのまま置くとすぐにダメになるので、薬草の代わりにポーションを置いた。神様が用意してくれていな布や魔石を使って、神様の衣装と装飾品を作った物も置いた。

神様が施してくれた色々なもののお陰で、俺達は安心して、楽しく過ごせている。そんな感謝の思いを胸に、皆で祈った。

祈りの後は少し遅めの朝食。朝食はいつも通りのメニューだ。豪華に料理は、夕食とあらかじめお願いしていた。

今日から3日間は神様の為の日なので、家事など家の事はいいけど、一切仕事はしてはいけないとこの国ではなっている。だからこの3日間、この街はとても静かになる。

皆が思い思いに寛いでいるなか、俺は神像の前にいた。

「神様って暇なの?」

そう、俺の前には神様がいる。部屋に戻ろうとしたら、呼び止められたのだ。

「暇では無いですよ。これでも忙しいんです。ただ、父上に干渉し過ぎと注意を受けたんです」

これはもうこれ以上は神様に頼れないってことかな、、と思ったら

「でも、今までが今までだったし、ミクリさんには無理をお願いしてるだから、ミクリさんが生きている間は多めに見てもらえるように言ったんです。そしたら、特別にミクリさんが生きている間のみ、過干渉を許してくれました。兄君達にも説教すると言ってました」

創造神様もしかして今までお兄さん達の事、気づいて無かったのかな?

「それだけを言うために俺を引き留めたの?もう干渉出来ないって事かと思っただろう?今まで通りなら思わせ振りな事、言わないで」

「スクスク。本題はこの供物の事です。たくさんの供物、ありがとうございます。しかも服や装飾品まで。皆さんにもお礼を言っててください」

神様はすごく嬉しそうに供物を置いてある台を見回っていた。あまりの喜びように、ふと記憶が戻る前の事を思い出してみた。

「そういえば、施設に居た時はこんな事しなかったな?でも、祈りの日はわずかでもいいから、供物を捧げるって、、」

院長が言ってたよな?だからこの日は、いつも以上に食事が少なかったはず。神様の供物と言ってケチってたな。

「ねぇ神様。真面な大人は居ないの、この国。貴族あたりに入れば尚良いんだけど」

「居ないとこもないのですが、そういった方は煙たがれ地方に飛ばされてて、ここ王都には居ないんです。そうだミクリさん!あの有名な時代劇みたいに世直し「やらない!」

絶対に嫌だ、面倒臭い。てか何で知ってるの。即断ったから神様が気落ちしてた。しかし、神様は気を取り直して、

「でもそうですね。ミクリさんが居る内に住み良い世界にしなくては、ここで生きてる人達に申し訳ないですから。なんとか探してここへ案内します」

「うん。レジー達にも言っとくよ。もし大人が来てもすぐに追い返すなって」

「はい。後、お礼も忘れずにお願いしますね」

俺は苦笑して

「神様がお礼言ったら、俺達はまた供物を増やさないといけなくなるだろう?ここは当たり前の顔をして、受け取っとくだけで良いんだよ。今回だけは伝えとくけどな」

神様は首を傾げたが、すぐに納得して頷いた。

「ミクリさん達の旅の無事と、ここに残る子供達が困難に合わないよう見守ってますね」

そう言って神様は消えていった。
俺はやれやれと思いつつ、部屋へ戻ろうと後ろを向いたら、全員が椅子に座り、祈っていた。

「いつから居たの?」

俺の声に祈りを止めた全員を代表してトーダが

「エド達ちびっこは多分、最初っからいたと思う。俺達は、大人がどーのって言っている所からかな?」

独り言言ってる所を見られてたのか。居ることが分かっていてと知らないでは、受けるメンタルのダメージが違うんだよ。分かってよ、トーダァ。
もう部屋に籠りたい。

「それで、大人が何?俺達はどうすればいいの?」

レジーの言葉に皆の近くに行き、空いている椅子に座った。

「信用できる大人が居れば、ここに入れない子供達とかも保護出来て、更正させられるかもって考えてたんだ。例えば、俺達が居た孤児院も院長達を追い出し、真面な人が来てくれたら、真っ直ぐに育ってくれると思って。子供の俺達じゃ、出来ないことが多すぎる」

俺はアレク達見て言った。悪い大人に利用されてたトーダ達はすぐに信用出来ないだろうし、レジー達だって、スラムってだけで、周りの大人と色々トラブルもあったと思う。

トーダ達と話し合って、途中で難しい話に飽きたおチビ達が遊び出したけど、いっぱい話し合い、最終的には、協会の中に入れたら話を聞くとなった。

話し合いが長引き、昼食はサンドイッチを礼拝堂で食べながら話を続けていた。
重い話になってしまったが結論が出れば、皆で遊び、夕食は予定どおり豪華にした。

祈りの日の残り2日は、いつも仕事や狩りで真面に相手をしてあげれてなかったおチビ達を構い倒して終わった。

3日目は供物を使っての料理だ。食材を無駄にしてはいけない。下げるときは神様に断りの祈りをしてから下げた。
服と装飾品は無くなっていて焦ったが、それを着た神様が嬉しそうに現れたので、笑ってしまった。

俺が急に笑い出したので、服と装飾品を探していた皆がビックリして俺を見た。俺は笑いながらも神様が嬉しそうに着ていると言えば、一瞬きょとんとしたが、皆笑いだした。

こうして、祈りの日の3日間はあっという間に過ぎ、旅立ちの時が近づいて来る。
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