知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞

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アッシュの言葉使いから、一人称を“俺”から“僕”に変えました。あまり喋らせてないから違和感はないと思いますが、念のため
△△▼▼△△▼▼△△▼▼

帰りは団長が気を利かせて、周りがよく見えるように配置してくれた。

取り敢えず、目についた薬草は採取してもらっている。

(そうそう、こういうことがしたかったんだよね)

山っていうか、森とかで薬草や、見たこともない木の実などの食べ物を見つけるやつ!

本当は自分で採取してみたかったんだけど、実際は侍従達が採集している。
獣人で王族の身分はこの時ばかりは恨めしい!

知識スキルと薬師スキルを使って周りをキョロキョロと見ていると、

ーーーー
 濾華(ろか)

 この華を汚れた水に入れると、キレイに浄化してくれる。

 水中でも華を咲かせられるので、水の中に濾華があると永久的にその水を浄化し続ける。

ーーーー
なんということでしょう!こんな偶然があっていいのか!ザ・異世界!欲しいものが欲しい時に手に入る!これぞ、ご都合主義!

「ルージュ、ジュジュ、シュシュ!あれを取って!根っこから取って!できるだけたくさん取って!ってか俺も取る!」

俺が興奮してルージュ達を急かし、俺自身も行こうとしたら、アッシュ兄上に捕まった。

「ルイ、落ち着いて。どうしたの?あの花がどうしたの」

「ルイ。いくら護衛がいて、魔獣があまり出てきてなくても、ルイが単独で行動すれば隙をついて魔獣に襲われるぞ。そうなれば、ルイが何を言おうと責任は団長達になるんだ。気を付けろ」

リード兄上がまともなことを言った!普段、脳筋な発言しかしないリード兄上が!

リード兄上の発言で俺の興奮はこっちに移った。

「ルイ?なんか変なこと思ってないか?」

「オモッテナイヨ」

リード兄上が、ジト目で俺を見てきてので俺は、リード兄上と目を合わせないようにして、しかも棒読みで答えた。

「何で目を合わせない!何で棒読みだ!絶対変なこと思ってたろう!」

「アッシュ兄上、あれがあると下水の処理が簡単にできるようになる。あれも父上に見せよう」

「あからさまに話をそらすな!」

「リード兄上の思い過ごし。普段、脳筋な発言しかしないのに、まともな事言ったなんて思ってないから」

「思ってるだろう、それ!」

俺とリード兄上の漫才みたいなやり取りを周りは笑いながら見ていた。

「まぁまぁ、リードも落ち着いて。あまり大きい声出すと魔獣が出てくるよ。ルイは、もう少し詳しく教えてくれる?」

アッシュ兄上に聞かれ、濾華の事を説明した。

「へぇ、そんな華があったんだ。知らなかった」

「我々も初めて知りました」

アッシュ兄上が驚いていると、団長達も知らなかったと驚いた。

あー、俺またやった?

「ルイは隠し事が出来そうもないから、その事も父上にどうにか出来ないか聞こうか。それに、今のは僕が悪かったね」

アッシュ兄上も気づいたみたいで、困った顔をして言った。

その他にも、土に混ぜると水を通さなくなる樹液や樹液と同じ木になっている実は、バクテリアを活性化させる効果があったりと、下水処理に必要なものが次々と見つかった。

神様、なんかしてるでしょう?絶対。

こうなれば神様。下水処理が終わったら、醤油とか日本特有の調味料宜しく!とお願いした。

色々なお土産をたずさえ、夕方前にお城に戻ってきた。
そのまま父上の執務室に行き、お土産を渡した。

「父上、ただいま戻りました。沢山のお土産もありますよ!」

「お帰り。遅かったな?それにお土産?」

俺が父上に挨拶すると、父上も返してくれて、お土産発言に戸惑ってた。

アッシュ兄上が候補地が見つかったことと、お土産の正体の説明と俺の事を話した。

「候補地が早々に見つかったのは僥倖だった。それに下水処理に必要な素材も手に入ったことも。問題はルイスか」

はい、すみません。でも、知識スキルを使うなら隠すことは難しいと思う。他のスキルも同様に。
竜人の特性の事も、突然変異と言うことにするとか。

主神の加護だけ言わなければいいんじゃないかな?この世界には人物を鑑定するスキルも魔道具もないし。

ということを、提案してみた。鑑定云々は抜きに


「それしかないか。スキルも、獣人にして竜人の特性を持っている事でついた可能性があると、無理矢理でも納得させればいいか。幸いにもルイは王族。変な気を起こす奴もいまい。それに能力の事は全てを公開するわけではないから、ルイスがやらかしたらそういえばいい」

父上、やらかしって。まぁ、自業自得か。
それに変な気ね。誘拐とかかな?まぁ、常にルージュ達侍従や護衛騎士がいるし、大丈夫でしょう。

今日付いていた護衛騎士の契約魔法は解除した。知られれば言っていいって事になったからね。

シュシュは主神の加護の事も知っているから、まだダメだって父上が。俺的にはもういいと思うんだけど

その日の夕食は山での事をいっぱい話し、笑いの絶えない食事になった。

ちなみに、メニューはショウショウではなかった。けど、料理を運んで来た中に料理長もいて、どこで聞いたのか、

「ルイス殿下。私はおやじギャグは言いませんし、ダジャレでメニューを付けたりいたしませんので、ご承知ください」

と言ってきた。これには俺も

「えっと、すみません。以後気をつけます(?)」

と答えた。家族は声に出して笑い。周りの使用人は声を出さずに、肩を震わせていた。
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