初恋音物語

海音

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初恋音物語#4友達

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#4友達

「おはよう~」

「おはよう~」

最近は、毎朝海音と一緒に学校に来るのが日課になっている。

「そういえば今日数学のワーク提出じゃなかったっけ?」

「そうだよ」

「やばい!やってない」

「海音は相変わらずだな~」

未来は笑みを見せる。


~学校~


「えーっと、初音さんだっけ?」

「は..はい、そうですけど」

同じクラスの女の子だ

急に話しかけられて動揺を隠せない未来を構わず相手は言う。

「私ね!初音さんとずっと友達になりたかったの!」

予想もしない言葉だった。

未来はさらに動揺した、でも何も言わないのは失礼だと思って勇気を振り絞って言った。

「こちらこそ」

「そうなの!やった!嬉しい!」

相手は満面の笑顔で喜んでいた。

「じゃあ今度一緒に遊ぼ!」

「う..うん」

未来は勢いに任せてそう答えた。

その後は特にこれといった事もなく学校を終え家に帰ってきた。

(そういえばあの子何で急に私なんかに話しかけてきたんだろう?)

思い返すとあの子はいつも元気で笑ってるような子でクラスの中心的な存在だった。

正直、未来には苦手なタイプだ、でもそれ以上に嬉しかった、私と友達になりたいって言ってもらえた事が。

(仲良くなりたい)

未来はそう思っていた。でもそれと同時に不安も大きかった。

人付き合いは苦手だし、友達の作り方なんて知らないし、作ろうと思った事もない。そんな未来にとってそれは漠然とした不安でしかない。

でも、「前に進まなきゃ」そう口ずさんで


~未来の部屋~


未来はスマホを手に取りメッセージアプリを開く

「海音」

「どうした」

思いのほか速く返信が来てびっくりした未来だったがそのまま続ける

「今日クラスの女の子に話しかけられて」

「それがどうかしたん?」

「友達になりたいって言われた」

「良かったじゃん」

「それがどうかしたの?」

未来は思いの内を海音に話した

「うまく表現できないけど..その、信じられないって言うか...」

「もし嘘だったらどうしようって思っちゃうんだよね」

「また、辛い思いするなら最初から友達になんてならない方が良いんじゃないかなって」

「思っちゃう」

未来は思いを全部伝えた。

「まー無理もないよな」

「ちなみに、その女の子の名前ってわかる?」

突然の海音の疑問に戸惑う未来。

「えっと..確か、鏡音凛さんだった気がする」

未来は答えた。

「やっぱりそうか」

「どういうこと?」

未来は頭がごっちゃになっていた。

「知りたいなら話すけど知らない方が幸せかもしれない」

未来はさらに混乱する、でも答えは決まっていた。

「聞きたい」

そう答えた。

「わかった」

海音は言った。

「未来がいじめてた奴ら、裏でも未来の陰口とか言ってたんだけどその度に鏡音はそんな事言うなって止めてたんだよ」

衝撃の言葉だった。

「そうなの...」

未来は何とも言えない気持ちになった。

「本当だ」

「だから、鏡音の事は信用して大丈夫だよ!」

海音は明るく答えた。

「わかった」

「ありがとう」

未来はそう言って、スマホを置いた。


~次の日~

いつも通り海音と登校して教室に着いた時

「あっ!初音さんいた!」

「いつも来るの早いから私も今日は早く来たんだ!」

鏡音さんだ。

昨日の事で未来は鏡音さんとどう話せば良いのかわからなかった。

このまま知らないフリをして、友達になるのか。しっかりとお礼を言うべきなのか。

お礼は言うべきだと思うけど、それを言ってしまったら鏡音さんと仲良くできない気がする。

「初音さん!無視しないでよ~!」

鏡音さんは待ってはくれなかった。

「お..おはようございます」

「そんな敬語使わなくて良いよ!友達なんだから!」


(そっか私達ってもう友達なんだ)


そんな気持ちが未来の心に芽生えた。


(なんだろう、この気持ちは初めてこんな気持ちになった気がする)


「そうだねっ!」


気づけば未来の口はそう言っていた。満面の笑顔で。


「良かった!」


鏡音さんも笑っている。


「そういえばさ、今週の土曜日って予定ある?」

(??????)

未来の頭は真っ白になってしまった。

「えっ、えっと...」

コミュ障全開だ。

未来は基本的に土日は予定なんてないから素直に「ない」と言えばいい、でもなんていうか喉にひっかって出てこない。

「ないよ」

やっとの思いで絞り出した言葉。

(海音となら普通に喋れるのに)

そんなふうに考えていると、

「やった!じゃあ一緒に遊びに行こ!土曜日!」

「あっ、あと私のことは凛って呼んでね!」

凛は笑っている。

「楽しみ!」

未来も自然と笑顔になっていた。


~土曜日~


今日は、凛と一緒に遊びに行く日。

(緊張してきたぁ~)

友達と遊びに行くなんて初めてだし、何話せば良いかわかんないし。

(取り敢えず海音とデートした時の服着て行けば良いか)

そう思い支度を済ませ家を出た。

15分後

待ち合わせ場所の駅に着いた。

(凛はまだいないみたい)

5分後

「あーごめん待たせちゃって」

「大丈夫、私が早く来すぎただけだから」

未来が言う。

(なんか前にもこんな事があったような..デジャブってやつ?)

そんな事を考えてると

「じぁ行こっか」

凛に連れられ改札を通る。今日は横浜のショッピングモールに行く予定だ。

15分後、横浜駅に着く。

「よっしゃ行くぞー!」

「おー!」

二人は高らかに声を出してショッピングモールまで歩き出した。

そこからは楽しい時間が続いた。

可愛い服をいっぱい着て、映画を観て、オシャレランチを食べて...。

「あー今日は楽しかったね!」

「うん!」

凛に応える様に未来もうなずく。

「未来の笑顔が見れて嬉しかった...」

凛が小さく呟いた。

「どうした?」

未来が尋ねると

「ううん、なんでもない」

凛が首を横に振る

「そっか」

そうしてる間に電車が来た。

15分後

「今日はありがとう楽しかった、また遊ぼうね!」

未来が言う

「うん!」

凛が元気よくうなずく。

二人は駅の前でそれぞれの家へと歩き出した。

凛と別れて少しした後

未来は足を止めた

「笑顔が見れて嬉しかったか...そんなに心配させちゃってたんだ、私..」








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