初恋音物語

海音

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初恋音物語#6不登校

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#6不登校

学校に行かず、自分の部屋で惰眠する。

「もう、こんな時間か」

ふと見た時計には12時36分を示していた。

未来はずっと更新していなかったSNSを開いた

「小学校の頃の友達だ、懐かしいな」

「あの頃は笑ってたっけな」

未来は過去の自分と今の自分の違いにうんざりしていた。


(不登校になっちゃいました。)


久しぶりに更新した。


「はぁ..寝よ」

未来は布団に潜った。


数時間後


目を覚ました未来は可愛い服に着替え、少し髪を整えて家を出た。

「学校に来なかった事海音にどう思われたんだろう」

未来は独り言をこぼした。


「海音の家の前に着いた」

インターフォンを押す手が震える


ピンポーン


やっとの思いでインターフォンを押した。

「どなた様ですか?」

インターフォンから海音の声が聞こえる

「か..海音...」

「未来!良かった、学校来なかったから心配したよ」

「今行くからちょっと待ってて」


「入ってー」

ドアを開けた海音が言う

「こ..こんにちは」

「どうしたの?急に改まって」

海音は不思議そうな顔をする。


「なんか...分からなくなっちゃって今までの自分が..」

「ねぇ海音...私って何?私ってどんなんだった?」

消え入りそうな声で未来は言う。

「.....」

海音も戸惑っている、でもその後すぐ覚悟を決めたように言った。

「強かった」

海音は戸惑いながらもハッキリと言った。

「何それ」

「ふざけんな!」

未来は怒りをあらわにした。

「苛められて、誰にも言えなくて毎日死にたいって思ってそれなのに海音に助けられて海音の事を好きになって...また苛められて....もう解んないよ....」

未来の瞳からは溢れんばかりの涙が流れている

海音は何も言わず未来を抱きしめた

「やめろっ!」

未来は海音を突き放した


その時


未来のポケットからスマホが落っこちた

床に当たった時に電源ボタンが押されたのか、画面がついた

そのロック画面にはたくさんの通知が表示されていた

全て未来が昼に久しぶりに更新したSNSだった。

内容は

「未来久しぶり、なんか大変そうだったから私で良かったら相談乗るよ!」

「よー!卒業式以来か?色々あるみたいだけど、まー無理せず頑張れ!時には休む事も大事だぞ!」

「未来久しぶり、未来は昔私が悩んでた時にいつも相談に乗ってくれたよね、だから今度は私が乗ってあげる番だよ!」

と、他にもたくさんのコメントやDMがきていた。


それを見た未来は全身が崩れ落ちるように床に蹲った。

蹲ったまま未来は言った

「海音....」

さっきまでとは違ういつもの未来の声だった

「どうした?」

優しい声で海音は返した

「私ねずっと自分は種なんだって思ってた」

「たね?」

海音は少し困惑しているようだ

「うん、笑いを咲かせる花」

「私を苛めるとやがて大きな花が咲く、それを見て苛めっ子達は笑ってるんだって」

「ついこの間まで忘れてたんだけどね」

未来はほんの少しだけ笑って言った

「でも、思い出しちゃった...昨日、苛めっ子達が笑ってるのを見て」

「それでもう...生きていける気がしなくて..」

「死にたいって思って」

「誰かの優しささえも痛く感じて」

「それで、お母さんの優しやも海音の優しさも全部突っぱねて....」

「ごめんなさい」

「もう今さら謝ったって遅いよね」

「もう...別れよう.....」

未来は両手で顔を押さえて泣いている

床は涙で濡れていた。

「私、明日からちゃんと学校行くから」

「今まで通り苛められて、勝手に独りで泣いているくらいがしょうに合ってるんだから」

「もう、お互い関わらないようにしよう」

「じゃあばいばい」

未来はそう言って立ち上がると玄関に向かって歩き出した。

「まて!」

海音が未来の手首を掴んだ

「初めて未来が手紙をくれた時」

「本当に嬉しかった」

「すぐに返事を書いた」

「大好きだよって」

「でも実はそれだけじゃないんだ」

「恥ずかしくて消しちゃったけど」

「何があっても絶対に守るから」

「そう書いたんだ」

「だから僕は絶対に未来の事を守る、だからもう一度だけチャンスをくれないかな?」


未来は咄嗟の出来事に声が出なかった

やっとの思いで口からこぼれた言葉は

「私にも...」

(勇気を出すんだ!私!)

未来は自分に言い聞かせて

「私にももう一度チャンスをください!」

「もう一回海音とやり直せるなら...」

気づけば未来は思いのままを口にしていた

それを見た海音は笑って

「じゃあ改めて」

「未来ちゃん、僕と付き合ってください!」

告白だった

「こちらこそ、私と付き合ってください!」

二人は向き合ったまま互いに頭を下げていた

数秒の時間がたったころ

二人が顔を上げ始めた

心なしかお互い頬が赤くなっている

「もう、二回目だから慣れっこだね」

未来が笑顔で言うと

「そうだな!」

気づけば二人は思いっきり笑っていた

時の流れを忘れるくらい笑った。

一頻り笑った後に

「ねぇ海音、抱きしめてして良い?」

未来は海音が答えを言う間もなく思いっきり海音に抱きついた

「私ねもうちょっとだけ学校休もうかなって思う」

「どうして?」

不思議そうな顔をした海音に

「なんかこう..たまには良いかなって!」

未来は笑顔で返す

「休む事も大事だしな!」

海音は笑顔で言う

「でも、ありがとね」

「今感じてるこの温かさがあれば生きていけるきがする」

未来は言った

「なら良かった」

海音は嬉しそうに笑う

「今はもう少しだけ、こうしていよう?」

未来の言葉に海音も未来を抱きしめた。


どれほどの時間がたったのか二人には分からなかった

「今日はありがとね、これからよろしく!」

未来は海音の家の玄関を出ると同時に言った

「こちらこそ、よろしくな!」

海音もそう言って笑顔で手を振った

未来も手を振り返して玄関を出た。


帰り道


空はすっかり暗くなっていた

「もう冬だ」

「私の人生で一番幸せなあっという間の時間だったな~」

「でも、これ以上の幸せを二人でまた作るんだ!」

未来はそう意気込んで

「やっぱ私はこうでなくっちゃね!」

明るい元気な声で言った。


家に着いた時にもうお母さんが帰ってきている事に気づいた。

未来は大きく息を吸い込んで

「ただいまー!」

を言うと同時に玄関のドアを開けた

「あら、出掛けてたの?」

と、尋ねるお母さんに

「ねーねー今日すっごく良い事があったんだけど聞きたい?」

未来は満面の笑顔で言った

「そんなに笑ってるって事は海音君の事かな?」

お母さんも笑っている

「あったりー!」

未来も笑顔で答えた

「私ね、彼氏ができたの」

未来が告げると

「海音君は彼氏じゃなかったの?」

少しポカーンとした顔でお母さんが言う

「うーん、なんで言うか一回別れてもう一回付き合ったって感じ」

正直に言った。

「そーなんだ」

お母さんも腑に落ちない顔で言う

「もー素っ気ないなー、あんなにニヤニヤしてたのに!せっかく正直に話したんだからもうちょっと乗ってくれたって良いじゃん!!」

ちょっと怒る未来に

「ごめんwごめんw」

お母さんは笑いながら言った

「でも嬉しいよ、未来が元気そうで」

笑い涙を拭いながら言った

「ありがとう」

不意を突かれた言葉にお母さんは顔を上げる

「なんか...お母さんの笑ってる所久しぶりに見れた気がするから..」

そう言った未来に

「未来が笑えば私だって笑うわよ」

笑顔で答えたお母さんに

「そっか!じゃあ私ずっと笑ってるね!!」

未来はとびっきりの笑顔で言った。


未来は自分の部屋に戻ると、お財布の中から海翔から貰った手紙を取り出して開いた

「ここ、あんな事が書かれてたんだ..」

潤んだ瞳で呟いた。

未来は手紙を抱きしめるように胸に当てて言った

「大好きだよ、海音」
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