痣。

藤野 優

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二人のあいつ、そして距離の話。

2−11

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映画が二時間近くあったこともあり、俺は夜明けの4時近くに寝た。
その後目が覚めたのは正午を少し過ぎたあたりだった。

夜明けに寝始めたことも忘れ、いつものように六時だと思って遮光カーテンを開けるとそこには2時の光が待っていたのだから思わずまたカーテンを閉めてしまった。

それでも、光は部屋の中に入る。
どうやらそれが白鳥の顔に刺さったみたいで「ん?、、うぅ、、、」と嫌そうに唸っていた。

すぐにカーテンを閉めたのでその後はまたすやすやと寝始めてしまった。若干顔色がよくなさそうだったので二日酔いになったのかもしれない。

俺は朝ごはんを買いに外へ出た。いや、世間一般では昼ごはんだと言われる時間かもしれない。

アパートの共有廊下に出ていつもみたいに鍵を閉めようとしたが、もしかしたら外出中に白鳥が起きるかもしれない。そしたら俺はいないし、鍵は閉まってるし、下手したら昨日の記憶がなくて、どこにいるかもわからないかもしれない。とても混乱するだろう。

なら、俺はきちんと白鳥に報連相をするべきだろう。
しかし、メッセージでも入れとこうかと思ったが、IDの交換なんてやってない。
置き手紙を置くことも考えたが紙もペンもどこにあるかなんてわからない。
どうしたものかと俺は薄ら寒い外廊下で考え込んでしまった。

しばらく悩んで、部屋に入ることにした。
そしてまだ心地よさそうに寝ている白鳥の隣でパソコンを起動させワープロソフトを開いた。
そこに「ご飯買いに行ってきますなんかあったらここに連絡ください ○〇〇 黒木」とメーッセージアプリのIDを載せて外に出ることにした。

玄関の戸をそっと閉め、音ができるだけ立たないように鍵を締めた。外階段を静かに降りて深呼吸をした。

部屋の中はエアコンのおかけで温かいのに、外に出ると一気にシンと冷えた空気が肺に刺さって呼吸がしづらくなったような気がする。

もちろんきちんと息は吸えているし、酸素は体を周ってる。けれどそんなような気が確かにする。
日本のこのやけに乾燥した気候のせいかもしれない。

のっそりと足を動かしてコンビニに向かって歩く。雪はまだ降っていないが足が取られる感覚に襲われる。

5分ほどかけてコンビニに着いた。ウイーンとモーターの音が鳴る扉をくぐりレジの隣りにあるおにぎりが陳列してあるコーナーを見た。昼過ぎということもあってあまり品揃えは良くなかった。

仕方ないので売れ残っていたおかかおにぎりを4つほどかごに入れて、飲み物のコーナーに立ち寄った。
富士山の天然水なるものを一本白鳥用に、ボトルコーヒーを俺用にいれて会計を済ませた。



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