痣。

藤野 優

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二人のあいつ、そして距離の話。

2−16

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光は「え、、な、なんで、、? しょ、しょうだよな、、?なんで、兄さんと一緒に、、?」とひどく驚いた様子でリビングの入り口で立ち止まっていた。

白鳥、いや、ややこしくなる。かいの方はニコニコとしながら、「おかえり、仕事おつかれさま~。カレイの煮付け鍋に入ってるよ。」と明確な答えを返さずにはぐらかした。

それは光の逆鱗に触れたようで静かに「はぐらかすな。なんで、烏がここに居るのかを聞いてるんだ」と唸った。

それを快はなんとも思ってないように「晩御飯にお誘いしたら来てくれたんだ」と嬉しそうに言った。

光はそんな気には成れないのか「どういうことだよ?」と眉間に皺を寄せた。

「ん?そのまんまだけど。」
「烏になんかしたのか?」
「特に」
「体の関係は?」
「ないよ、そんなの。」
「なんか盛ってないだろうな」
「ははっ、心配性だなぁ」
「答えろ。」
「烏は俺が、薬なんかを盛るようなやつに見える?」
それからこんな会話が続いた。

話の方向がこっちに来た。俺は戸惑ったがそんな人ではないと思うので、「見えない」と答えたのだが、そんな俺を置いて、それからまた口喧嘩が始まった。

のんきなことに俺は仲のいい兄弟だと思っていた。


満足感から9時だが段々と眠くなってきた。







いつの間にか寝ていたらしく、俺は他人の布団に体を預けていた。


客間だろう。特に私的なものはなく6畳ほどの空間に布団とエアコンと、アイロン台の2倍ぐらいの大きさの木のテーブルがあり、その上に小さめのテレビが置いてあるだけだった。

目が覚めた俺はスマホと財布が布団の隣りにあることを確認して、部屋を出た。


部屋の中に居ると位置情報が乏しく、自分がどこに居るか解らなかったが扉を開くと明るいリビングにつながっていた。

キッチンの方からジャァァアと結構な勢いで水が流れているなと思い近寄って見ると光が食器をすすいでいた。

光は俺に気づいたようでおはようと声をかけてきた。
「おはよう」と返すと
「お腹、減ってたりしない?」と聞かれたので
「少しだけ。そういえば快は?」と聞くと
「バイト。」と短く返事が来た。確かに今は11時だからありえるな、と判断すると同時に、自分が14時間近く寝ていたことを再確認した。

14時間も普通は寝ない。
何なら俺はショートスリーパーに入るか入らないかぐらいの睡眠時間が多い。

なぜそんなにも寝ていたのか。


光が食器を片付け終わり「少し話がしたい」と声をかけられるまで解らなかった。

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