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第5章 魔境王の企みと力の在処
(2)パズルのピース
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みんなが秘密裏にロザリア姫を助けた頃、客室に居座っているキールとネビィス、そしてカストマは和やかに朝食を一緒に食べていた。キールにもエリオルから現状報告が入っているので、みんなの動きは把握していた。
そして最終決戦に向けて、誘導するという大役を実行に移そうとしていた。
「まさか、カストマと一緒に朝食をいただけるなんて、夢の様ですね。お忙しいでしょうに、本当にありがとうございます」
魔術師が大好きと情報がもたらされていたので、キールはこれでもかと言う程おだてていた。
その成果である意味、本当によく懐いてくれたので、ここぞとばかりにその感情を利用することにした。
「いいえ、私が貴方たちと一緒に朝食を食べたかったんです。
そう言っていただけて、良かったです。
まだまだ、たくさんありますよ。しっかり食べてくださいね」
すごくニコニコしている顔を見ていると、とても悪い人間には見えない。若干の罪悪感を抱きつつもカストマに問いかける。
「カストマ、ここは騎士と剣士と両方いますが、うちの国は剣士だけなんです。しかも本当に小さな国なんで先生もいなくて、こちらではどうやって騎士や剣士の育成を強化されているのでしょうか?」
「それ、私もぜひ、お伺いしたいです。実際に剣士長も大変でして、まだうちではおおごとが起こってはいません。何か起きたら多分、パニックで剣士なんて役に立たないと思います」
ネビィスが上手く自国の欠点をぼやくと、カストマはニヤリと笑う。
「そうですよね? それはよく分かります。
でもそれって、貴方たちの国だけじゃないですから」
「そうでしょうか? でも、ここはすごく統率されていて、いざという時にすぐ、対応できそうなイメージですが」
キールが感想を述べる。
「ええ、ここはね。今、仮によその国が攻めて来ても、100%撃退できる自信はあります」
「凄いですね。そう言い切れるのが。もしコツなどありましたら教えていただくことは可能でしょうか?
勿論、うちが貴方の国と敵国になることは絶対にないので、そこは信じていただくしかないですが」
ネビィスは必死感をアピールする。
「それは分かってますよ。必死なのも分かります。
そうですね・・・・・・うちはかなり実践的なことをやっています。
怪しいことではないですが、ちゃんと王様もその際は同席されるので。そこに参加されてみますか?」
うまい具合いにカストマは話に乗ってくれた感じだ。
「王様も参加されるんですか? 凄いですね。
ここだけの話、王様って単なる飾りに過ぎない認識だったのですが、そうでもないんですね」
カストマが喜びそうな言葉を組立てて話をするキール。
「アハハハ、キール、それは言っちゃダメなやつですよ。
でも、その考え方は好きですね。
実は私も同じ考えです。王様は飾りですよ。
えばりくさって、自分では何ひとつ行動しないんですから」
「ですよね? うちの王もわがままで、自分勝手で本当に大変ですから」
「半分本気か?」と言いたいくらいな勢いで言葉を発するキール。
日頃のうっぷんを晴らしている訳ではないはずである。
「それならそれで、逆に利用すればいいんです」
「利用ですか?」
「ええ、利用です。私は今、王様に信頼されていますから、この国の運営のほとんどを任されています。
ここまで来れば、見た目は王様が治める国ですが、実際には自分の国って感覚でも間違いではないでしょう?」
「なるほど、確かにそうですね」
あの魔境王の下ではそれは無理なのは分かる。
だからよその国に入り込むことを考えたのか。
「でも、そこまで信頼を得るのが大変ですよ。
まあ、カストマは優秀だからすぐに信頼をしてもらえたかもしれないですね。しかし私は長年仕えていますが、信頼されているか謎です」
一応、普通の返事としておかしくない程度の内容を返してみる。
「キール、王様なんて地位のある人間は、部下を切り捨てることも、殺すことでさえ罪悪感なんて微塵も感じません。
つまりそういう生き物だと思って接するしかないんです。
確かにこの国はジルドラ王の国かもしれません。
しかし実際にこの国を今、動かしているのは私です」
つまり目的はジルドラ王を操り、自分がこの国を支配して、自分の思い通りになる国を作ること。
ということだろうか?
ここで当初の目的を思い出す。
目的がそうならば、偵察に来た者はこの国にも存在しないことになる。一応カストマのやりたいことは達成された形にはなっているので、新しく国を探す必要性はないはずだ。
わざわざ危険を犯してまで、他の国を探る理由なんてない。
「すごーい! さすがカストマです。
そんな発想は私にはないので、ただ単に感心しかないです」
「そうですか? 私でなくても、呪術を使えるキールも剣術を使えるネビィスもそうなることは可能ですよ」
本音はカストマの思想には共感できない。
王様もいろいろいるのは確かかもしれないが、少なくとも王になる為の技術は教え込まれているはずなので、誰でもなれるは間違いだ。
「私たちは無理ですよ。単純にそこは、カストマが優秀なだけですよ。よくぞ七国にいらっしゃいました。
我が国でなかったのは残念ですが、まあ近いということが分かったので、また会いに来ますね」
キールはおだて上げながら、何とかして惨殺劇場を早めてもらう様に誘導を試みる。
「そうですか? おふたりなら大丈夫な気がしますけど」
「それは評価して頂いているので凄く嬉しいです。
でも私たちそろそろ、一旦国に帰らないといけないので、明日にはここを出ようかと思います。
本当にいろいろと親切にして下さり、ありがとうございました」
キールが深々と頭を下げると、ネビィスも同じ様に頭を下げる。
「そうだったんですね。では、昼頃には王様もお暇ですから、剣士の育て方を見学してからお帰りください」
「いいんですか? ありがとうございます!
事前相談もしていなかったのに、すいません。
お手数ばかりおかけしてしまって、申し訳ないです」
「何言ってるんですか。ここを動かしているのは私ですよ。
どんなことでも対応可能です。安心してください」
「それはそうですね。何かわがままばかりで申し訳ないですが、ではせっかくですので、お言葉に甘えさせていただきますね」
キールは嬉しそうに言った。
「はい、そうしてください。では、私はちょっと準備がありますので、ここで失礼しますね。
お昼頃に伺います」
「分かりました。楽しみにお待ちしています」
キールは最後まで微笑みを絶やさずに言った。
そのままふたりでカストマを見送って、一息つく。
「はあーそれにしても、おだてるというのは難しいですね。
失敗したらどうしようかとヒヤヒヤしましたよ」
「それは大丈夫でしょう。あのお方、完全にキールに懐いていましたから。何とかミッションクリアの様ですね」
ネビィスの言葉に、それでもキールは気を引き締めて答える。
「でもまあ、ここからがメインイベントですから。
上手くいく様にがんばりましょう」
「そうですね。でもまあ、二度とないかもしれないくらいに最強の布陣ですから、失敗はなさそうですけどね」
ネビィスの言葉に、それでも少しは心配なのか、キールは微妙な表情をする。
作戦というものは最後まで何が起きるか分からない。
とりあえずエリオルに報告することにした。
(エリオル、聞こえますか?)
(ああ、良く聞こえるよ。成果は?)
エリオルは端から成功ありきで会話している感じが伝わってくる。
(今日の昼頃です。体制をお願いします)
(了解! なるべくカストマの側にいて、キルシュの剣が王の剣を壊すのを邪魔しない様に振る舞ってくれるとありがたい)
対策とは何重にも用意しているからこそいざという時に役に立つ。
今回失敗は許されないので、エリオルもかなり慎重に行動していることは見て取れた。
(了解しました)
(じゃあ、昼に)
そこで交信は途絶えた。
「どうやらキルシュに王の剣を壊してもらう計画の様ですよ」
「手堅い戦略ですね。まあ、妥当だと思いますが」
ネビィスの言葉にキールは微笑む。
「カストマの邪魔を阻止して欲しいとのことでした」
「ああ、なるほど。こっち側にいる人間にしかできないことですからね」
剣士長であるネビィスが仮に計画を任されたとしても、同じ様なことを考える。
戦略としては最高に近い組み立てだと思う。
「ええ、まあ、せいぜい動きを止めることに専念しましょうか」
「ですね。まあ二対一なんで、何とかなるとは思いますね」
ネビィスの言葉にキールは頷き返す。
ふたりは昼までの間に細かい対策を考えることにした。
パズルのピースは一枚が欠けても意味をなさなくなる。
エリオル以上に慎重な姿勢のキールだった。
そして最終決戦に向けて、誘導するという大役を実行に移そうとしていた。
「まさか、カストマと一緒に朝食をいただけるなんて、夢の様ですね。お忙しいでしょうに、本当にありがとうございます」
魔術師が大好きと情報がもたらされていたので、キールはこれでもかと言う程おだてていた。
その成果である意味、本当によく懐いてくれたので、ここぞとばかりにその感情を利用することにした。
「いいえ、私が貴方たちと一緒に朝食を食べたかったんです。
そう言っていただけて、良かったです。
まだまだ、たくさんありますよ。しっかり食べてくださいね」
すごくニコニコしている顔を見ていると、とても悪い人間には見えない。若干の罪悪感を抱きつつもカストマに問いかける。
「カストマ、ここは騎士と剣士と両方いますが、うちの国は剣士だけなんです。しかも本当に小さな国なんで先生もいなくて、こちらではどうやって騎士や剣士の育成を強化されているのでしょうか?」
「それ、私もぜひ、お伺いしたいです。実際に剣士長も大変でして、まだうちではおおごとが起こってはいません。何か起きたら多分、パニックで剣士なんて役に立たないと思います」
ネビィスが上手く自国の欠点をぼやくと、カストマはニヤリと笑う。
「そうですよね? それはよく分かります。
でもそれって、貴方たちの国だけじゃないですから」
「そうでしょうか? でも、ここはすごく統率されていて、いざという時にすぐ、対応できそうなイメージですが」
キールが感想を述べる。
「ええ、ここはね。今、仮によその国が攻めて来ても、100%撃退できる自信はあります」
「凄いですね。そう言い切れるのが。もしコツなどありましたら教えていただくことは可能でしょうか?
勿論、うちが貴方の国と敵国になることは絶対にないので、そこは信じていただくしかないですが」
ネビィスは必死感をアピールする。
「それは分かってますよ。必死なのも分かります。
そうですね・・・・・・うちはかなり実践的なことをやっています。
怪しいことではないですが、ちゃんと王様もその際は同席されるので。そこに参加されてみますか?」
うまい具合いにカストマは話に乗ってくれた感じだ。
「王様も参加されるんですか? 凄いですね。
ここだけの話、王様って単なる飾りに過ぎない認識だったのですが、そうでもないんですね」
カストマが喜びそうな言葉を組立てて話をするキール。
「アハハハ、キール、それは言っちゃダメなやつですよ。
でも、その考え方は好きですね。
実は私も同じ考えです。王様は飾りですよ。
えばりくさって、自分では何ひとつ行動しないんですから」
「ですよね? うちの王もわがままで、自分勝手で本当に大変ですから」
「半分本気か?」と言いたいくらいな勢いで言葉を発するキール。
日頃のうっぷんを晴らしている訳ではないはずである。
「それならそれで、逆に利用すればいいんです」
「利用ですか?」
「ええ、利用です。私は今、王様に信頼されていますから、この国の運営のほとんどを任されています。
ここまで来れば、見た目は王様が治める国ですが、実際には自分の国って感覚でも間違いではないでしょう?」
「なるほど、確かにそうですね」
あの魔境王の下ではそれは無理なのは分かる。
だからよその国に入り込むことを考えたのか。
「でも、そこまで信頼を得るのが大変ですよ。
まあ、カストマは優秀だからすぐに信頼をしてもらえたかもしれないですね。しかし私は長年仕えていますが、信頼されているか謎です」
一応、普通の返事としておかしくない程度の内容を返してみる。
「キール、王様なんて地位のある人間は、部下を切り捨てることも、殺すことでさえ罪悪感なんて微塵も感じません。
つまりそういう生き物だと思って接するしかないんです。
確かにこの国はジルドラ王の国かもしれません。
しかし実際にこの国を今、動かしているのは私です」
つまり目的はジルドラ王を操り、自分がこの国を支配して、自分の思い通りになる国を作ること。
ということだろうか?
ここで当初の目的を思い出す。
目的がそうならば、偵察に来た者はこの国にも存在しないことになる。一応カストマのやりたいことは達成された形にはなっているので、新しく国を探す必要性はないはずだ。
わざわざ危険を犯してまで、他の国を探る理由なんてない。
「すごーい! さすがカストマです。
そんな発想は私にはないので、ただ単に感心しかないです」
「そうですか? 私でなくても、呪術を使えるキールも剣術を使えるネビィスもそうなることは可能ですよ」
本音はカストマの思想には共感できない。
王様もいろいろいるのは確かかもしれないが、少なくとも王になる為の技術は教え込まれているはずなので、誰でもなれるは間違いだ。
「私たちは無理ですよ。単純にそこは、カストマが優秀なだけですよ。よくぞ七国にいらっしゃいました。
我が国でなかったのは残念ですが、まあ近いということが分かったので、また会いに来ますね」
キールはおだて上げながら、何とかして惨殺劇場を早めてもらう様に誘導を試みる。
「そうですか? おふたりなら大丈夫な気がしますけど」
「それは評価して頂いているので凄く嬉しいです。
でも私たちそろそろ、一旦国に帰らないといけないので、明日にはここを出ようかと思います。
本当にいろいろと親切にして下さり、ありがとうございました」
キールが深々と頭を下げると、ネビィスも同じ様に頭を下げる。
「そうだったんですね。では、昼頃には王様もお暇ですから、剣士の育て方を見学してからお帰りください」
「いいんですか? ありがとうございます!
事前相談もしていなかったのに、すいません。
お手数ばかりおかけしてしまって、申し訳ないです」
「何言ってるんですか。ここを動かしているのは私ですよ。
どんなことでも対応可能です。安心してください」
「それはそうですね。何かわがままばかりで申し訳ないですが、ではせっかくですので、お言葉に甘えさせていただきますね」
キールは嬉しそうに言った。
「はい、そうしてください。では、私はちょっと準備がありますので、ここで失礼しますね。
お昼頃に伺います」
「分かりました。楽しみにお待ちしています」
キールは最後まで微笑みを絶やさずに言った。
そのままふたりでカストマを見送って、一息つく。
「はあーそれにしても、おだてるというのは難しいですね。
失敗したらどうしようかとヒヤヒヤしましたよ」
「それは大丈夫でしょう。あのお方、完全にキールに懐いていましたから。何とかミッションクリアの様ですね」
ネビィスの言葉に、それでもキールは気を引き締めて答える。
「でもまあ、ここからがメインイベントですから。
上手くいく様にがんばりましょう」
「そうですね。でもまあ、二度とないかもしれないくらいに最強の布陣ですから、失敗はなさそうですけどね」
ネビィスの言葉に、それでも少しは心配なのか、キールは微妙な表情をする。
作戦というものは最後まで何が起きるか分からない。
とりあえずエリオルに報告することにした。
(エリオル、聞こえますか?)
(ああ、良く聞こえるよ。成果は?)
エリオルは端から成功ありきで会話している感じが伝わってくる。
(今日の昼頃です。体制をお願いします)
(了解! なるべくカストマの側にいて、キルシュの剣が王の剣を壊すのを邪魔しない様に振る舞ってくれるとありがたい)
対策とは何重にも用意しているからこそいざという時に役に立つ。
今回失敗は許されないので、エリオルもかなり慎重に行動していることは見て取れた。
(了解しました)
(じゃあ、昼に)
そこで交信は途絶えた。
「どうやらキルシュに王の剣を壊してもらう計画の様ですよ」
「手堅い戦略ですね。まあ、妥当だと思いますが」
ネビィスの言葉にキールは微笑む。
「カストマの邪魔を阻止して欲しいとのことでした」
「ああ、なるほど。こっち側にいる人間にしかできないことですからね」
剣士長であるネビィスが仮に計画を任されたとしても、同じ様なことを考える。
戦略としては最高に近い組み立てだと思う。
「ええ、まあ、せいぜい動きを止めることに専念しましょうか」
「ですね。まあ二対一なんで、何とかなるとは思いますね」
ネビィスの言葉にキールは頷き返す。
ふたりは昼までの間に細かい対策を考えることにした。
パズルのピースは一枚が欠けても意味をなさなくなる。
エリオル以上に慎重な姿勢のキールだった。
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