16 / 19
第6章 それぞれの想い、そのかけら
(1)終焉
しおりを挟む
エリオルが眠っている部屋にはひっきりなしにお客様がやって来る。しかし本人が眠っているので、全てハワードが対応する。
「エリオル目覚めたか?」
今回の作戦が無事終わる少し前に、ライアス王が合流していた。
大っぴらに姿を現すことができないので、キールたちが歩き回って調べた中で、現王がほぼ使っていない王の陰室があった。一応許可を得てそこを使っていた。
途中からはみんなでかなりやり取りをしていたので、色んな事がスムーズだった。
「いいや、まだだ。今回はふたりだったからな。
まあ、ジルドラ王の方は、メインはこちらの聖霊王子様のお力のお陰だがな」
表面上は聖霊獣を持っているとは思われてないので、無難な状況をでっち上げる。
「初めまして。タムール国王、ライアス・マーティルです。
この度はお力添え、感謝致します」
「いいえ、こちらこそ。貴方の臣下の方々は皆さん優秀ですね。
感心致しました。これからも何かあった際はよろしくお願い致します」
聖霊王子は状況判断でハワードに話を合せる。
「勿論です。俺は個人的にも聖霊王には借りがあるので、喜んで協力させてもらいます」
「それはいい言葉を聞いた」
このタイミングで魔境王がやって来る。
「実は今回のカストマ以外にも何人かが同じ様に、人を操ることのできる何かを作って七国に入り込んだらしい」
「つまり、他の七国にも行ってみる必要があると言うことですか?」
「ああ、そうなる。でもなんせ俺はこの七国ではあまり長居できないから。環境がな。ライアス王、悪いが他の国についても調べてもらうことは可能か?」
魔境王の願いを断る者がいる訳ないのだが、一応、問いかけ口調でライアス王に問いかける。
「今回の様なことに他の国もなっていたとしたら、大問題です。
七国同盟の崩壊はこの世界の平和の終焉を意味しますから。
喜んで他の国についても調べさせていただきます」
ライアス王はそう言うと笑顔になる。
「ハワード、俺がここにいるから、王たちをお連れして一緒に食事をしてこいよ」
「もう、そんな時間なのか? まあ、俺はいい。ライアス王こそ食事をしてきてくれ。ここに王が集まっていたら話にならんだろう」
見事に王様が集結しているので、さすがにここに引き留めておくのは良くないと判断した。
「俺はおまけにすぎないから、気にしなくてもいいんだよ。
状況は悪くなかったから、来ない選択肢もあったんだが、魔境王に聖霊王子がお出ましとなったら、さすがに出向かないと」
「それは気を遣わせて悪かった。ことがこんなに大きくなるとは思っていなかったんでな。
あっ、目的を忘れるところだった。
エリオルに早く目覚めてもらおうと思って、力を少しだけ分けてやろうと思ってな。前回、それで回復が早かったんでな」
魔境王はいいながら、エリオルの側に寄ると頭に手のひらをかざす。
そこから銀色の光がエリオルへと流れていく。
あまり見ることがないので、ある意味不思議な光景で、みんな興味津々で見ていた。
「魔境王の力は癒やしの力も持っているんですか?」
聖霊王子の問いに、すぐに首を振る。
「ない。でも、与えた後で変換されるみたいだな。
聖霊国が持っている癒やしの力ではないが、回復を助ける自己治癒の力はあるみたいだな」
魔境王は自分の力を冷静に分析すると言った。
「そうなんですね。凄いじゃないですか。
それはある意味、癒やしの力ですよ」
聖霊王子の言葉に苦笑を浮かべる魔境王。
「ちょっと違うかもな。相性がよくないと発動しない。
力の変換の時にうまくマッチしてくれないとダメなんだ。
たまたまエリオルはマッチした。それだけのことだ」
別に大したことでもない様な言い方で答えると手を外す。
「多分、こんなもんだろう。後でハワードとエリオルには何かを持って来るとして、俺たちはとりあえず移動することにするか」
魔境王は手をどけるとそう言い、故意に聖霊王子とライアスを促した。
「わかりました。じゃあ、ハワード後をよろしく」
「了解」
三人の王族たちは楽しげに部屋を出て行く。
ハワードとふたりだけの空間でエリオルが目覚める。
「こんなところで王様の井戸端会議ってどうなんだろうな?」
「あっ、目覚めたか?」
「ああ、魔境王の力が入って来た時点でな」
「そうなのか? 何で声出さなかったんだよ」
「ここで声だしたら、面倒くさいことになりそうだったから。
とりあえずハワードとのんびりしたかったし」
エリオルのその言葉にハワードは笑顔になる。
「それは嬉しい言葉だな。まあ、でも体調はまだ戻っていないだろうから、大人しくするにこしたことはない」
「ああ、分かっている。魔境王もそれを思ったから、わざとふたりを連れて行ってくれたんだよ」
故意にその言葉を発していたのはすぐに分かる。
何なら言われたふたりも、承知の上で合せた可能性が高い。
「大した王様に王子様だな。ああ、王女様も凄いけど」
ハワードの感心の仕方に思わず吹き出しそうになる。
ちなみに普通、婚姻前の女性は姫君と言われることが多い。
聖霊国は直系の子どもに関して、男性が王子で女性が王女と決められている。例え半分だけでも、それは適用されるのだ。
「それ言うなら、そんな王女を育てた人物こそ凄いよな」
「それはどうだか? 単純に本人の努力のたまものだからな。
あっ、腹へっただろう?
何かもらって来てやる。今、多分ど派手にお祭り騒ぎだろうからな。結構ご馳走にありつけるんじゃないか?」
とらわれていた旅人たちは全て解放され、騎士団もすぐに解体された。この国も地形的には良くないので、騎士の場合、動きがかなり制限されるので、白紙に戻された。
一連のバタバタをタムール軍団はもとより、野盗軍団の方たちもかなりな統率力で事態の収拾に貢献してくれた。
「待ってれば誰か来るんじゃないか?」
エリオルがそう言った瞬間、扉がノックされる。
ほらねと言うかの表情でエリオルがハワードを見つめる。
「どうぞ!」
「失礼します。エリオル様はお目覚めでしょうか?」
言いながら扉の前に立っていたのは、ロザリア姫だ。
すぐ隣にキルシュもいた。
「すげえ組合せだな。まあいい。どうぞ」
さすがに横になっている訳にもいかないので、身体を起こすエリオル。
「エリオル様、すみません。横になられていても大丈夫ですよ。
この度は本当にありがとうございました。
また、父も助けて下さり、感謝の申し上げようもないです」
「父上は聖霊王子様がメインだから、オレはサブを勤めただけだ。そもそも、やるべきことをやっただけなので、そんなに感謝する必要はない。それにキルシュの方がいろいろがんばってくれたんだしな」
エリオルは側のキルシュを見ながら当然の様に言う。
「それは違う。俺には色んな感情がそもそもの土台としてあったから、単純に必死だっただけだ。
エリオル、お前の様に冷静に物事を見て、判断していた訳じゃない」
「まあ、そこは否定できねーところだな。
だが、お前がその必死さを隠さずに行動したからこそ、みんなも同じ気持ちでがんばれたんだぜ」
「ハワードの言う通りだ。お前にとって姫君は大切な人なんだろう? とにかく、イメージ通りに終息して良かった。
姫君もよくがんばられました。これからは幸せな時間を過ごしてください」
エリオルの言葉にロザリア姫は感涙する。
「本当にありがとうございました」
深々頭を下げてから、思いだしたかの様に扉の向こうに声をかける。
「入ってください」
すぐに料理の皿を持った人が続々と入って来る。
「こらまた、すげーな。俺たちふたりだけじゃ食いきれんぞ。
キルシュと姫君もまだだろ食事。一緒に食おうぜ」
ハワードはどう見ても、多すぎるそれを見て言った。
「これ王様と王妃様が、エリオルに早く元気になってもらいたいとの思いで、持って行く様に言われたんだ。
俺たちは礼をちゃんと言いたかったから、ついてきたんだ」
「なるほど、それはありがたいが、さすがにこんなにたくさんは食えないな」
エリオルは苦笑を浮かべながら、答える。
「では、私たちもご一緒させていただきます」
「ありがとう。そうしてくれると助かるよ」
それから四人で和やかに食事会。
ようやくこの国も落ち着いた印象は受けるので、肩の荷が降りた感じのエリオルだった。
「エリオル目覚めたか?」
今回の作戦が無事終わる少し前に、ライアス王が合流していた。
大っぴらに姿を現すことができないので、キールたちが歩き回って調べた中で、現王がほぼ使っていない王の陰室があった。一応許可を得てそこを使っていた。
途中からはみんなでかなりやり取りをしていたので、色んな事がスムーズだった。
「いいや、まだだ。今回はふたりだったからな。
まあ、ジルドラ王の方は、メインはこちらの聖霊王子様のお力のお陰だがな」
表面上は聖霊獣を持っているとは思われてないので、無難な状況をでっち上げる。
「初めまして。タムール国王、ライアス・マーティルです。
この度はお力添え、感謝致します」
「いいえ、こちらこそ。貴方の臣下の方々は皆さん優秀ですね。
感心致しました。これからも何かあった際はよろしくお願い致します」
聖霊王子は状況判断でハワードに話を合せる。
「勿論です。俺は個人的にも聖霊王には借りがあるので、喜んで協力させてもらいます」
「それはいい言葉を聞いた」
このタイミングで魔境王がやって来る。
「実は今回のカストマ以外にも何人かが同じ様に、人を操ることのできる何かを作って七国に入り込んだらしい」
「つまり、他の七国にも行ってみる必要があると言うことですか?」
「ああ、そうなる。でもなんせ俺はこの七国ではあまり長居できないから。環境がな。ライアス王、悪いが他の国についても調べてもらうことは可能か?」
魔境王の願いを断る者がいる訳ないのだが、一応、問いかけ口調でライアス王に問いかける。
「今回の様なことに他の国もなっていたとしたら、大問題です。
七国同盟の崩壊はこの世界の平和の終焉を意味しますから。
喜んで他の国についても調べさせていただきます」
ライアス王はそう言うと笑顔になる。
「ハワード、俺がここにいるから、王たちをお連れして一緒に食事をしてこいよ」
「もう、そんな時間なのか? まあ、俺はいい。ライアス王こそ食事をしてきてくれ。ここに王が集まっていたら話にならんだろう」
見事に王様が集結しているので、さすがにここに引き留めておくのは良くないと判断した。
「俺はおまけにすぎないから、気にしなくてもいいんだよ。
状況は悪くなかったから、来ない選択肢もあったんだが、魔境王に聖霊王子がお出ましとなったら、さすがに出向かないと」
「それは気を遣わせて悪かった。ことがこんなに大きくなるとは思っていなかったんでな。
あっ、目的を忘れるところだった。
エリオルに早く目覚めてもらおうと思って、力を少しだけ分けてやろうと思ってな。前回、それで回復が早かったんでな」
魔境王はいいながら、エリオルの側に寄ると頭に手のひらをかざす。
そこから銀色の光がエリオルへと流れていく。
あまり見ることがないので、ある意味不思議な光景で、みんな興味津々で見ていた。
「魔境王の力は癒やしの力も持っているんですか?」
聖霊王子の問いに、すぐに首を振る。
「ない。でも、与えた後で変換されるみたいだな。
聖霊国が持っている癒やしの力ではないが、回復を助ける自己治癒の力はあるみたいだな」
魔境王は自分の力を冷静に分析すると言った。
「そうなんですね。凄いじゃないですか。
それはある意味、癒やしの力ですよ」
聖霊王子の言葉に苦笑を浮かべる魔境王。
「ちょっと違うかもな。相性がよくないと発動しない。
力の変換の時にうまくマッチしてくれないとダメなんだ。
たまたまエリオルはマッチした。それだけのことだ」
別に大したことでもない様な言い方で答えると手を外す。
「多分、こんなもんだろう。後でハワードとエリオルには何かを持って来るとして、俺たちはとりあえず移動することにするか」
魔境王は手をどけるとそう言い、故意に聖霊王子とライアスを促した。
「わかりました。じゃあ、ハワード後をよろしく」
「了解」
三人の王族たちは楽しげに部屋を出て行く。
ハワードとふたりだけの空間でエリオルが目覚める。
「こんなところで王様の井戸端会議ってどうなんだろうな?」
「あっ、目覚めたか?」
「ああ、魔境王の力が入って来た時点でな」
「そうなのか? 何で声出さなかったんだよ」
「ここで声だしたら、面倒くさいことになりそうだったから。
とりあえずハワードとのんびりしたかったし」
エリオルのその言葉にハワードは笑顔になる。
「それは嬉しい言葉だな。まあ、でも体調はまだ戻っていないだろうから、大人しくするにこしたことはない」
「ああ、分かっている。魔境王もそれを思ったから、わざとふたりを連れて行ってくれたんだよ」
故意にその言葉を発していたのはすぐに分かる。
何なら言われたふたりも、承知の上で合せた可能性が高い。
「大した王様に王子様だな。ああ、王女様も凄いけど」
ハワードの感心の仕方に思わず吹き出しそうになる。
ちなみに普通、婚姻前の女性は姫君と言われることが多い。
聖霊国は直系の子どもに関して、男性が王子で女性が王女と決められている。例え半分だけでも、それは適用されるのだ。
「それ言うなら、そんな王女を育てた人物こそ凄いよな」
「それはどうだか? 単純に本人の努力のたまものだからな。
あっ、腹へっただろう?
何かもらって来てやる。今、多分ど派手にお祭り騒ぎだろうからな。結構ご馳走にありつけるんじゃないか?」
とらわれていた旅人たちは全て解放され、騎士団もすぐに解体された。この国も地形的には良くないので、騎士の場合、動きがかなり制限されるので、白紙に戻された。
一連のバタバタをタムール軍団はもとより、野盗軍団の方たちもかなりな統率力で事態の収拾に貢献してくれた。
「待ってれば誰か来るんじゃないか?」
エリオルがそう言った瞬間、扉がノックされる。
ほらねと言うかの表情でエリオルがハワードを見つめる。
「どうぞ!」
「失礼します。エリオル様はお目覚めでしょうか?」
言いながら扉の前に立っていたのは、ロザリア姫だ。
すぐ隣にキルシュもいた。
「すげえ組合せだな。まあいい。どうぞ」
さすがに横になっている訳にもいかないので、身体を起こすエリオル。
「エリオル様、すみません。横になられていても大丈夫ですよ。
この度は本当にありがとうございました。
また、父も助けて下さり、感謝の申し上げようもないです」
「父上は聖霊王子様がメインだから、オレはサブを勤めただけだ。そもそも、やるべきことをやっただけなので、そんなに感謝する必要はない。それにキルシュの方がいろいろがんばってくれたんだしな」
エリオルは側のキルシュを見ながら当然の様に言う。
「それは違う。俺には色んな感情がそもそもの土台としてあったから、単純に必死だっただけだ。
エリオル、お前の様に冷静に物事を見て、判断していた訳じゃない」
「まあ、そこは否定できねーところだな。
だが、お前がその必死さを隠さずに行動したからこそ、みんなも同じ気持ちでがんばれたんだぜ」
「ハワードの言う通りだ。お前にとって姫君は大切な人なんだろう? とにかく、イメージ通りに終息して良かった。
姫君もよくがんばられました。これからは幸せな時間を過ごしてください」
エリオルの言葉にロザリア姫は感涙する。
「本当にありがとうございました」
深々頭を下げてから、思いだしたかの様に扉の向こうに声をかける。
「入ってください」
すぐに料理の皿を持った人が続々と入って来る。
「こらまた、すげーな。俺たちふたりだけじゃ食いきれんぞ。
キルシュと姫君もまだだろ食事。一緒に食おうぜ」
ハワードはどう見ても、多すぎるそれを見て言った。
「これ王様と王妃様が、エリオルに早く元気になってもらいたいとの思いで、持って行く様に言われたんだ。
俺たちは礼をちゃんと言いたかったから、ついてきたんだ」
「なるほど、それはありがたいが、さすがにこんなにたくさんは食えないな」
エリオルは苦笑を浮かべながら、答える。
「では、私たちもご一緒させていただきます」
「ありがとう。そうしてくれると助かるよ」
それから四人で和やかに食事会。
ようやくこの国も落ち着いた印象は受けるので、肩の荷が降りた感じのエリオルだった。
0
あなたにおすすめの小説
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
これで、私も自由になれます
たくわん
恋愛
社交界で「地味で会話がつまらない」と評判のエリザベート・フォン・リヒテンシュタイン。婚約者である公爵家の長男アレクサンダーから、舞踏会の場で突然婚約破棄を告げられる。理由は「華やかで魅力的な」子爵令嬢ソフィアとの恋。エリザベートは静かに受け入れ、社交界の噂話の的になる。
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる