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第1章 スプリング×ビギニング
第17話 デンワ ノ コエ
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---あ、ごめん・・・、ヨシツネの事そんな風に考えたことないから・・・だから無理---
・・・嫌な気分で目が覚めた
今日の夢は少し覚えている
わずか1、2年前・・・中学の時の記憶だ
あの日、俺は人生初の失恋を経験した
相手は仲良く付き合ってたクラスメイト
100%OKが貰えるものと、自信たっぷりに告白した俺はアッサリとフラれ玉砕した
その子とはかなり親しいと思い込んでたんだが、それは単なる友達としてだった
彼女には俺に対する恋愛感情は存在していなかったのだ
気まずさからその子とは告白の日を境に疎遠になっていった
恋人同士になるどころか、友達としての関係すら失ってしまったのだ
・・・もうあんな気分を味わうのは嫌だ
俺の行動如何では園崎ともそうなる可能性がある
園崎とは・・・出来ればずっと友達でいたい
そのためには俺は決して軽はずみな行動をしないように肝に命じなければならない
そろそろ起きるか
いくら休日でも、もう8時近い
そう思ったとき枕元のケータイが鳴った
表示は知らない番号で固定電話のようだ
誰だろう?間違い電話じゃないのか?
「もしもし?」
『あ、あの、・・・よ、義川・・・けい、ご、さんの、け、ケータイでしょう、か?』
たどたどしい話し方の女の子の声だった
「はい、そうですけど」
『・・・・・・・・・・ぼ、僕だ、クロウ』
「え?もしかして・・・園崎、か?」
『そ、そうだ』
そういえばしばらく前、知り合って最初のころケータイの番号を教えたことがあった
緊急の連絡を入れる時があるかも知れないから、と言われて
だが今までかかってきたことは一度もなかった
ちなみに園崎はケータイを持っていない
中学のころケータイのゲームにハマったあげくシャレにならない額の請求が来て、父親が激怒して解約させられたらしい
園崎の家はそれなりのお金持ちみたいだが、それは彼女の父親が一代で築いたものらしい
それだけに彼女の父親はお金の使い方には厳しく、それが浪費家だった彼女の母親との離婚の遠因にもなったらしい
「まあ、もともと電話は苦手でな・・・かける相手も別にいないし不便はない」
などと園崎は言っていた
俺にしても受ける専門でめったに自分からはかけない
あくまでも家族との緊急連絡用みたいな物だった
そんな園崎との電話は当然初めてのことだ
それにしても・・・電話が苦手とは聞いてたけどここまでとは
あまりにもたどたどしい喋り方だったから最初は全然気付かなかった
「どうした?急に」
内心から沸き起こる妙な嬉しさを抑えて努めて平静に応える
『う、あ、いや、その・・・ぼ、僕のヘアピン、あ、あったかなと、お、思って』
「ああ、見つけた。ちゃんと拾っといたから、休み明けに持って行ってやるよ」
一向にたどたどしさの抜けない園崎に苦笑を抑えながらそう言った
なんかいつもと違っておどおどしてて・・・なんか、かわいい
こんな園崎はちょっと新鮮だ
『そ、そうか、よ、よかった。あ、あれは1番お気に入りの、だった、から』
「そっか・・・、しかしお前ホントに電話苦手なんだな」
『う、・・・・だ、だって・・・』
「意外と、かわいいとこあるじゃん」
『!!!っ・・・・・・・』
「園崎?」
『・・・・・・・・・・・・・。』
「どした?園崎」
『・・・ふ、あ・・・、お、お前が急に、か、か、か、かわいいとか、言うから・・・!』
軽く言ったつもりだったのに、随分と大袈裟に受け取られてしまった
こっちのほうが恥ずかしい気分になってしまう
まあ確かに面と向かっては絶対言えないセリフだ
電話で相手の顔が見えない状態だからこそ言えたともいえる
「いや、そんな大袈裟な意味じゃ・・・」
『だって、で、で、電話って・・・』
「ん?」
『み、耳元で囁かれてるみたいに、き、聞こえるじゃないか!!!』
「・・・・・へ?」
まあ確かに、今まで考えた事もなかったけど言われてみればそんな気分になるかも・・・
『い、いま、僕は、ベッドに寝転んで、電話して、るんだけど・・・なんか、せ、背中にクロウ・・・・、け、経吾がいて、僕の耳元に、囁きかけてくれてるような、そんなヘンな気分・・・』
「・・・・・・・・・・・・。」
ちょ・・・待て、俺もヘンな気分になってきたぞ
途切れ途切れに話す園崎の声が、切なげな響きに聞こえて・・・まるで『あの時』の声みたいだ
『こ、こんな状態で、か、かわ、かわいいとかって言われたら、あ、あたし、ダメ・・・ヘンに・・・おかしく、なっちゃう・・・』
電話の向こうの園崎は女の子モードで喘ぎにも似た吐息を漏らす
「そ、そっか、じゃあもう切るか?」
『まっ、待って。け、経吾が相手なら・・・、あたし、が、我慢できる、から・・・、も、もうちょっと・・・平気』
「わ、わかった。無理・・・するなよ?」
なんで俺、電話してるだけなのにこんなドキドキしてんの?
『ねえ経吾・・・・あたし・・・イッていい?』
「はいぃ!?」
『今日、経吾の家、ヘアピン取りに、行っちゃ、ダメ?』
「あ、そういう意味ね・・・」
落ち着け俺、変なこと想像すんな
「え、えっと、今日か?」
『う、うん、ダメ、かな?』
「ええと、そうだな・・・」
俺は少し考えた後、今日は家に姉さんがいることを思い出した
うーん、なんか姉さんと園崎を会わすのはマズイような気がする
ハッキリいって悪い予感しかしない
ちょっと想像してみる
「あ、姉さん。この子はクラスメイトで・・・」
「ウホッ!美少女キター!!けーくん、あたしこの子欲しい!この子欲しい!!この子欲しい!!!ねえ貰っていい?半分!半分でいいから!!!!」
「う、うわあああああぁぁぁ!!!!!」
ドゴッ!!!
「きゅう~~」
「わあああああ、姉さーん!」
有り得そうで恐え!
ダメだ、姉さんの身と園崎の身が共に危ない!それぞれ別の意味で!
「きょ、今日は無理だ」
『え?ど、どうして?』
「いや、その・・・出かけるんだ、今日」
『そう、なの?・・・どこへ?』
「え、えーと・・・図書館、そう、図書館だよ。テスト勉強。ほら、テストが近いだろ?家じゃ集中出来ないからさ」
『ふ~ん、・・・・・・・・・・・・・・・・・・一人で?』
「え?、ああ、まあな」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホントに?』
「?・・・ああ、もちろん」
『じゃあ、その、僕も、行こう・・・かな?』
「え?」
『・・・ダメ?』
「いや、ダメって事は・・・」
『じゃあ、行く!いい、でしょ?』
「ま、まあ、そりゃいいけど」
誤魔化すために適当についた嘘なのに妙なことになってきたぞ
『あた・・・しも、一緒に、べ、勉強、したい・・ダメ?』
「い、一緒に?」
『うん・・・、経吾と、一緒に、・・・したい』
「わ、わかった。じゃあ、一緒にやろう」
『ホント?あ、アリガト、経吾。じゃあ、イロイロ、教えて?』
「お、教えるっていっても俺、初めてだし・・・」
『初めて?』
「いや、ひ、他人に教えるのがさ」
『そっか、・・・ふふ、あたしが、経吾の、初めてになるんだね』
「う・・・、あんまり上手く出来・・・教えられないかも、しれないけど、大丈夫か?」
『うん、あたしも、得意なとこ、とか、教えてあげる』
「あ、ああ」
『じゃあ・・・・、見せっことか、しようか?』
「み、見せっこ!?」
『うん、ノートの』
「あ、ノート、ね。お、お前ノートとかろくにとってないだろ?」
『アハハ、知ってた?』
「隣だからな」
『しょうがない、だろ、僕は、書くのが、遅いんだ。でも、要点は、ちゃんと、押さえてるぞ』
「ホントか?じゃあ、見せてみろよ」
『っ!・・・・・う、うん、け、経吾になら、特別に、見せてあげる・・・ちょ、ちょっと、恥ずかしい、けど、いいよ、見ても・・・』
ごきゅり
『なに?今の音?』
「な、何でもない、何でもない、何でもない」
『待ち合わせは、どこに、する?』
「と、図書館のロビーで、時間は10時・・・でいいか?」
『うん、わかった。ふふふ』
「なんだ?」
『こういうの、初めてだから、なんか、嬉しい。ありがとう、経吾』
「園崎・・・」
『それに、電話も、経吾となら、イヤじゃない。他の人とだと、虫酸が走るのに、経吾なら、ちょっと、くすぐったいけど、嫌な感じじゃないし。それに・・・』
「ん?」
『な、なんでもない。ひ、秘密・・・・・あー、僕もケータイ、また欲しい、かな・・・そしたら経吾、かけてきてくれる?』
「ああわかった、かけてやるよ」
『・・・・・・・・・。』
「どうした?」
『い、いっぱい、かけて、くれる?』
「ああ、いっぱいかけてやる」
『・・・・・・ふぁ。・・・た、たっぷりと、かけてくれる?』
「ん?・・・ああ、たっぷりとかけてやるよ」
『ぅく・・・・・・・・・・・・・。今の、低い声でもっかい言って・・・』
「たっぷりとかけてやるよ」
『・・・・・・・っ・・っ・・・・!!。う、うわわわわわわわゎゎゎゎゎゎ』
「ど、どうした!?園崎?」
『はな、鼻血、出ちゃって、うわ、わ、・・・そ、その、ひ、久しぶりに、ちょ、長時間、電話、したせいだと思う。あは、あはは、ご、ごめんね、もう、切るね』
ガチャ、ツーツーツー・・・・・
・・・はあ。
な、なんかただ電話してただけのはずなのに、スゲェ興奮した・・・
てか、なんで俺のここは棒状になってんだよ
落ち着けっての!
それにしても・・・
あんなオドオドした園崎は初めてだ
なんか、かわいいって思うのと同時に、胸の中に不可解な感情が沸き上がった
守ってやりたくなる保護欲と・・・ちょっと虐めてみたくなるような歪んだ感情・・・
これが噂に聞く嗜虐欲・・・・サディスティックってやつなんだろうか?
さっき、あの電話の向こうで園崎はどんな顔をしていたんだろう
その顔が見てみたいという強烈な欲望がくすぶる
・・・って何考えてる
さっき軽はずみな行動は絶対しないって誓ったじゃないか
いかんいかん、気を引き締めないと
俺は沸き立つ淫らな感情を振り切るようにベッドから身を起こした
(つづく)
・・・嫌な気分で目が覚めた
今日の夢は少し覚えている
わずか1、2年前・・・中学の時の記憶だ
あの日、俺は人生初の失恋を経験した
相手は仲良く付き合ってたクラスメイト
100%OKが貰えるものと、自信たっぷりに告白した俺はアッサリとフラれ玉砕した
その子とはかなり親しいと思い込んでたんだが、それは単なる友達としてだった
彼女には俺に対する恋愛感情は存在していなかったのだ
気まずさからその子とは告白の日を境に疎遠になっていった
恋人同士になるどころか、友達としての関係すら失ってしまったのだ
・・・もうあんな気分を味わうのは嫌だ
俺の行動如何では園崎ともそうなる可能性がある
園崎とは・・・出来ればずっと友達でいたい
そのためには俺は決して軽はずみな行動をしないように肝に命じなければならない
そろそろ起きるか
いくら休日でも、もう8時近い
そう思ったとき枕元のケータイが鳴った
表示は知らない番号で固定電話のようだ
誰だろう?間違い電話じゃないのか?
「もしもし?」
『あ、あの、・・・よ、義川・・・けい、ご、さんの、け、ケータイでしょう、か?』
たどたどしい話し方の女の子の声だった
「はい、そうですけど」
『・・・・・・・・・・ぼ、僕だ、クロウ』
「え?もしかして・・・園崎、か?」
『そ、そうだ』
そういえばしばらく前、知り合って最初のころケータイの番号を教えたことがあった
緊急の連絡を入れる時があるかも知れないから、と言われて
だが今までかかってきたことは一度もなかった
ちなみに園崎はケータイを持っていない
中学のころケータイのゲームにハマったあげくシャレにならない額の請求が来て、父親が激怒して解約させられたらしい
園崎の家はそれなりのお金持ちみたいだが、それは彼女の父親が一代で築いたものらしい
それだけに彼女の父親はお金の使い方には厳しく、それが浪費家だった彼女の母親との離婚の遠因にもなったらしい
「まあ、もともと電話は苦手でな・・・かける相手も別にいないし不便はない」
などと園崎は言っていた
俺にしても受ける専門でめったに自分からはかけない
あくまでも家族との緊急連絡用みたいな物だった
そんな園崎との電話は当然初めてのことだ
それにしても・・・電話が苦手とは聞いてたけどここまでとは
あまりにもたどたどしい喋り方だったから最初は全然気付かなかった
「どうした?急に」
内心から沸き起こる妙な嬉しさを抑えて努めて平静に応える
『う、あ、いや、その・・・ぼ、僕のヘアピン、あ、あったかなと、お、思って』
「ああ、見つけた。ちゃんと拾っといたから、休み明けに持って行ってやるよ」
一向にたどたどしさの抜けない園崎に苦笑を抑えながらそう言った
なんかいつもと違っておどおどしてて・・・なんか、かわいい
こんな園崎はちょっと新鮮だ
『そ、そうか、よ、よかった。あ、あれは1番お気に入りの、だった、から』
「そっか・・・、しかしお前ホントに電話苦手なんだな」
『う、・・・・だ、だって・・・』
「意外と、かわいいとこあるじゃん」
『!!!っ・・・・・・・』
「園崎?」
『・・・・・・・・・・・・・。』
「どした?園崎」
『・・・ふ、あ・・・、お、お前が急に、か、か、か、かわいいとか、言うから・・・!』
軽く言ったつもりだったのに、随分と大袈裟に受け取られてしまった
こっちのほうが恥ずかしい気分になってしまう
まあ確かに面と向かっては絶対言えないセリフだ
電話で相手の顔が見えない状態だからこそ言えたともいえる
「いや、そんな大袈裟な意味じゃ・・・」
『だって、で、で、電話って・・・』
「ん?」
『み、耳元で囁かれてるみたいに、き、聞こえるじゃないか!!!』
「・・・・・へ?」
まあ確かに、今まで考えた事もなかったけど言われてみればそんな気分になるかも・・・
『い、いま、僕は、ベッドに寝転んで、電話して、るんだけど・・・なんか、せ、背中にクロウ・・・・、け、経吾がいて、僕の耳元に、囁きかけてくれてるような、そんなヘンな気分・・・』
「・・・・・・・・・・・・。」
ちょ・・・待て、俺もヘンな気分になってきたぞ
途切れ途切れに話す園崎の声が、切なげな響きに聞こえて・・・まるで『あの時』の声みたいだ
『こ、こんな状態で、か、かわ、かわいいとかって言われたら、あ、あたし、ダメ・・・ヘンに・・・おかしく、なっちゃう・・・』
電話の向こうの園崎は女の子モードで喘ぎにも似た吐息を漏らす
「そ、そっか、じゃあもう切るか?」
『まっ、待って。け、経吾が相手なら・・・、あたし、が、我慢できる、から・・・、も、もうちょっと・・・平気』
「わ、わかった。無理・・・するなよ?」
なんで俺、電話してるだけなのにこんなドキドキしてんの?
『ねえ経吾・・・・あたし・・・イッていい?』
「はいぃ!?」
『今日、経吾の家、ヘアピン取りに、行っちゃ、ダメ?』
「あ、そういう意味ね・・・」
落ち着け俺、変なこと想像すんな
「え、えっと、今日か?」
『う、うん、ダメ、かな?』
「ええと、そうだな・・・」
俺は少し考えた後、今日は家に姉さんがいることを思い出した
うーん、なんか姉さんと園崎を会わすのはマズイような気がする
ハッキリいって悪い予感しかしない
ちょっと想像してみる
「あ、姉さん。この子はクラスメイトで・・・」
「ウホッ!美少女キター!!けーくん、あたしこの子欲しい!この子欲しい!!この子欲しい!!!ねえ貰っていい?半分!半分でいいから!!!!」
「う、うわあああああぁぁぁ!!!!!」
ドゴッ!!!
「きゅう~~」
「わあああああ、姉さーん!」
有り得そうで恐え!
ダメだ、姉さんの身と園崎の身が共に危ない!それぞれ別の意味で!
「きょ、今日は無理だ」
『え?ど、どうして?』
「いや、その・・・出かけるんだ、今日」
『そう、なの?・・・どこへ?』
「え、えーと・・・図書館、そう、図書館だよ。テスト勉強。ほら、テストが近いだろ?家じゃ集中出来ないからさ」
『ふ~ん、・・・・・・・・・・・・・・・・・・一人で?』
「え?、ああ、まあな」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ホントに?』
「?・・・ああ、もちろん」
『じゃあ、その、僕も、行こう・・・かな?』
「え?」
『・・・ダメ?』
「いや、ダメって事は・・・」
『じゃあ、行く!いい、でしょ?』
「ま、まあ、そりゃいいけど」
誤魔化すために適当についた嘘なのに妙なことになってきたぞ
『あた・・・しも、一緒に、べ、勉強、したい・・ダメ?』
「い、一緒に?」
『うん・・・、経吾と、一緒に、・・・したい』
「わ、わかった。じゃあ、一緒にやろう」
『ホント?あ、アリガト、経吾。じゃあ、イロイロ、教えて?』
「お、教えるっていっても俺、初めてだし・・・」
『初めて?』
「いや、ひ、他人に教えるのがさ」
『そっか、・・・ふふ、あたしが、経吾の、初めてになるんだね』
「う・・・、あんまり上手く出来・・・教えられないかも、しれないけど、大丈夫か?」
『うん、あたしも、得意なとこ、とか、教えてあげる』
「あ、ああ」
『じゃあ・・・・、見せっことか、しようか?』
「み、見せっこ!?」
『うん、ノートの』
「あ、ノート、ね。お、お前ノートとかろくにとってないだろ?」
『アハハ、知ってた?』
「隣だからな」
『しょうがない、だろ、僕は、書くのが、遅いんだ。でも、要点は、ちゃんと、押さえてるぞ』
「ホントか?じゃあ、見せてみろよ」
『っ!・・・・・う、うん、け、経吾になら、特別に、見せてあげる・・・ちょ、ちょっと、恥ずかしい、けど、いいよ、見ても・・・』
ごきゅり
『なに?今の音?』
「な、何でもない、何でもない、何でもない」
『待ち合わせは、どこに、する?』
「と、図書館のロビーで、時間は10時・・・でいいか?」
『うん、わかった。ふふふ』
「なんだ?」
『こういうの、初めてだから、なんか、嬉しい。ありがとう、経吾』
「園崎・・・」
『それに、電話も、経吾となら、イヤじゃない。他の人とだと、虫酸が走るのに、経吾なら、ちょっと、くすぐったいけど、嫌な感じじゃないし。それに・・・』
「ん?」
『な、なんでもない。ひ、秘密・・・・・あー、僕もケータイ、また欲しい、かな・・・そしたら経吾、かけてきてくれる?』
「ああわかった、かけてやるよ」
『・・・・・・・・・。』
「どうした?」
『い、いっぱい、かけて、くれる?』
「ああ、いっぱいかけてやる」
『・・・・・・ふぁ。・・・た、たっぷりと、かけてくれる?』
「ん?・・・ああ、たっぷりとかけてやるよ」
『ぅく・・・・・・・・・・・・・。今の、低い声でもっかい言って・・・』
「たっぷりとかけてやるよ」
『・・・・・・・っ・・っ・・・・!!。う、うわわわわわわわゎゎゎゎゎゎ』
「ど、どうした!?園崎?」
『はな、鼻血、出ちゃって、うわ、わ、・・・そ、その、ひ、久しぶりに、ちょ、長時間、電話、したせいだと思う。あは、あはは、ご、ごめんね、もう、切るね』
ガチャ、ツーツーツー・・・・・
・・・はあ。
な、なんかただ電話してただけのはずなのに、スゲェ興奮した・・・
てか、なんで俺のここは棒状になってんだよ
落ち着けっての!
それにしても・・・
あんなオドオドした園崎は初めてだ
なんか、かわいいって思うのと同時に、胸の中に不可解な感情が沸き上がった
守ってやりたくなる保護欲と・・・ちょっと虐めてみたくなるような歪んだ感情・・・
これが噂に聞く嗜虐欲・・・・サディスティックってやつなんだろうか?
さっき、あの電話の向こうで園崎はどんな顔をしていたんだろう
その顔が見てみたいという強烈な欲望がくすぶる
・・・って何考えてる
さっき軽はずみな行動は絶対しないって誓ったじゃないか
いかんいかん、気を引き締めないと
俺は沸き立つ淫らな感情を振り切るようにベッドから身を起こした
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