26 / 47
26、隣のクラスの人気者
しおりを挟む
「わざわざ家まで来てくれるなんて」
小さく笑って健太の手を握った。
健太も答えるように強く握り返して「なんかすごく会いたくて」と白い歯を見せて笑う。
「でも、最寄り駅も違うのに」
「早起きするのも気持ちよくていいじゃん!」
そう言って小さく欠伸を殺して笑う。
バレてるよ、と言うのは健太のカッコつけを私がぶち壊してしまうようで心の中に留めておく。
電車に揺られながらウトウトと私に倒れかかってきて、ハッと元の体制に戻っては、またゆっくり眠りの中に落ちていく。
「眠い?」
私が小さな声で聞くと、「ううん」と笑って首を振った。
「私にもたれてもいいよ」
「え!?い、いいよ」
絶賛睡魔に襲われ中の健太にとって、もたれかかる存在はとても魅力的なはずなのに、少しばかりの反抗を見せる。
でも、体はゆっくり私の体とくっついて、こてんと肩に健太の頭が乗った。
「あっ」
またハッとしたように起きて「ごめん」と言われた。
「いいのに。眠いんでしょ?」
「そうだけどぉ....」
頑として私にはもたれないぞということか。
「あ!健太じゃん!」
乗り込んできた人の中に数人健太の知り合いがいたらしく、こちらに歩いてくる。
「うーわ、眠そう」
「あたしの胸を貸してあげよう!」
それは3人とも女子で、私が少し苦手だなと思っている部類だった。
私が話に入っていくのはやめようと下を向く。
「それは泣きたい時な!眠い時は肩だろ!」
健太も眠気が覚めたようで笑って返す。
「てか、あんたの胸まな板なんですけど!健太に貸す胸どこ!」
「失礼ね!Bカップあるわ!」
普通にこんな話もしちゃうんだ、びっくり。
「俺からしたら胸は胸だから、あればなんでもいい!男のニセおっぱいでも」
クスクス笑って言う健太に、『え!?こういう話にも乗るの!?』と顔をあげるとここぞとばかりに彼女らが話しかけてくる。
「てか、彼女さん?」
「あ、例の?」
「結構かわいくない?」
「それな!思った!」
「だろー?」
「え、名前は?」
「みな」
「うわー!あたしもこんな名前が良かったわ!」
私の話のはずなのに私抜きで進む話に戸惑って、健太をじっと見るのに、そんな私に気が付かない。
この人達にはこれが普通なのかな。
私も話したいのに話す暇も無く、お前は話に入ってくんなという雰囲気がある。
そうではないと思うけれど、元気よくこの会話に参加できる子ではないのだ。私は。
小さく笑って健太の手を握った。
健太も答えるように強く握り返して「なんかすごく会いたくて」と白い歯を見せて笑う。
「でも、最寄り駅も違うのに」
「早起きするのも気持ちよくていいじゃん!」
そう言って小さく欠伸を殺して笑う。
バレてるよ、と言うのは健太のカッコつけを私がぶち壊してしまうようで心の中に留めておく。
電車に揺られながらウトウトと私に倒れかかってきて、ハッと元の体制に戻っては、またゆっくり眠りの中に落ちていく。
「眠い?」
私が小さな声で聞くと、「ううん」と笑って首を振った。
「私にもたれてもいいよ」
「え!?い、いいよ」
絶賛睡魔に襲われ中の健太にとって、もたれかかる存在はとても魅力的なはずなのに、少しばかりの反抗を見せる。
でも、体はゆっくり私の体とくっついて、こてんと肩に健太の頭が乗った。
「あっ」
またハッとしたように起きて「ごめん」と言われた。
「いいのに。眠いんでしょ?」
「そうだけどぉ....」
頑として私にはもたれないぞということか。
「あ!健太じゃん!」
乗り込んできた人の中に数人健太の知り合いがいたらしく、こちらに歩いてくる。
「うーわ、眠そう」
「あたしの胸を貸してあげよう!」
それは3人とも女子で、私が少し苦手だなと思っている部類だった。
私が話に入っていくのはやめようと下を向く。
「それは泣きたい時な!眠い時は肩だろ!」
健太も眠気が覚めたようで笑って返す。
「てか、あんたの胸まな板なんですけど!健太に貸す胸どこ!」
「失礼ね!Bカップあるわ!」
普通にこんな話もしちゃうんだ、びっくり。
「俺からしたら胸は胸だから、あればなんでもいい!男のニセおっぱいでも」
クスクス笑って言う健太に、『え!?こういう話にも乗るの!?』と顔をあげるとここぞとばかりに彼女らが話しかけてくる。
「てか、彼女さん?」
「あ、例の?」
「結構かわいくない?」
「それな!思った!」
「だろー?」
「え、名前は?」
「みな」
「うわー!あたしもこんな名前が良かったわ!」
私の話のはずなのに私抜きで進む話に戸惑って、健太をじっと見るのに、そんな私に気が付かない。
この人達にはこれが普通なのかな。
私も話したいのに話す暇も無く、お前は話に入ってくんなという雰囲気がある。
そうではないと思うけれど、元気よくこの会話に参加できる子ではないのだ。私は。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる