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45、心の結末
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無理だと思った。
七海くんにとっての健太は、とても大切な幼馴染で親友なのに。
会ったばかりの私に出来るはずない。
七海くんも無理だと分かって言っているんだ。
本当のことを知っていて黙っている罪悪感からこんなことを言っている。
七海くんは言えないんだ、健太に奪われたくない私よりも大切な本当に好きな人がいるから。
でも、そんなに好きなら健太に取られないようにがんばればいいのに。
そんなに不安がってる七海くんなんて、その子が好きになってくれるだろうか。
「もういい、分かったよ」
分かったよ、もう。
私は健太と別れるしかない。
本当はもう最初から分かっていたのに、引き伸ばした私が悪い。
1人で教室を出てゴホッと咳をひとつ出して私は考えを整理しようと思って下駄箱までわざと遠回りをして歩き出した。
考えている最中に健太に会わないように。
七海くんを責める資格なんてないもの。
七海くんが知っている本当のこと、とはたぶん、健太があの人と浮気していること。
もしかしたら、本命があの人で私が浮気だったのかも。
どっちにしろ、もう私は好きな人として健太を見れなくなっていた。
「大好きだったのにな」
呟いた言葉は私の心臓に突き刺さって、少しだけ息苦しさを感じた。
「みな、遅かったじゃん!先生に見つかった?」
下駄箱で待っていた眩しいほどの笑顔の健太が待っていた。
「話があるの」
「ん?さっきもしたのに?」
「ごめんね、さっきの話の続き。どうしても納得出来ない」
「どうして?俺のこと信じられない?」
「私が見てたの、キスしてるところ」
健太はさすがに戸惑ったように目を泳がせた。
「どこから見てたか知らないけど、間近で見ていたわけじゃないんでしょ?見間違えてる可能性もあるよ」
呆れるほど弁明してご機嫌取りかのようにニコニコと私を見る。
「なんて言われても、健太のこともう信じられないの」
「俺たち付き合ってるのに......」
「別れよう」
健太の声を遮って言った。
「え?」
引きつった健太の顔を見て、私は完全に健太が嫌いになったんだと気がついた。
「何言ってるの?誤解じゃん!」
「誤解だとしても、私はもう健太が好きじゃなくなった」
七海くんにとっての健太は、とても大切な幼馴染で親友なのに。
会ったばかりの私に出来るはずない。
七海くんも無理だと分かって言っているんだ。
本当のことを知っていて黙っている罪悪感からこんなことを言っている。
七海くんは言えないんだ、健太に奪われたくない私よりも大切な本当に好きな人がいるから。
でも、そんなに好きなら健太に取られないようにがんばればいいのに。
そんなに不安がってる七海くんなんて、その子が好きになってくれるだろうか。
「もういい、分かったよ」
分かったよ、もう。
私は健太と別れるしかない。
本当はもう最初から分かっていたのに、引き伸ばした私が悪い。
1人で教室を出てゴホッと咳をひとつ出して私は考えを整理しようと思って下駄箱までわざと遠回りをして歩き出した。
考えている最中に健太に会わないように。
七海くんを責める資格なんてないもの。
七海くんが知っている本当のこと、とはたぶん、健太があの人と浮気していること。
もしかしたら、本命があの人で私が浮気だったのかも。
どっちにしろ、もう私は好きな人として健太を見れなくなっていた。
「大好きだったのにな」
呟いた言葉は私の心臓に突き刺さって、少しだけ息苦しさを感じた。
「みな、遅かったじゃん!先生に見つかった?」
下駄箱で待っていた眩しいほどの笑顔の健太が待っていた。
「話があるの」
「ん?さっきもしたのに?」
「ごめんね、さっきの話の続き。どうしても納得出来ない」
「どうして?俺のこと信じられない?」
「私が見てたの、キスしてるところ」
健太はさすがに戸惑ったように目を泳がせた。
「どこから見てたか知らないけど、間近で見ていたわけじゃないんでしょ?見間違えてる可能性もあるよ」
呆れるほど弁明してご機嫌取りかのようにニコニコと私を見る。
「なんて言われても、健太のこともう信じられないの」
「俺たち付き合ってるのに......」
「別れよう」
健太の声を遮って言った。
「え?」
引きつった健太の顔を見て、私は完全に健太が嫌いになったんだと気がついた。
「何言ってるの?誤解じゃん!」
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