恋の断片

有柚 仁

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本編 1

本当の…その6

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この思いが恋だとわかった時から、私の運命は変わってきていた。


彼は、文化祭が終わって、受験に向けていつも早く帰っていた。私は、その様子をいつも部室から見ていた。

いつ通ったかとか、友達とかにも確認して、ちゃんと知らせてもらったりして、いつも欠かさず目の保養をしていた。


いつしか、それは卒業式にまでもつれ込んだ……。


卒業式。
3年生がいなくなる。
悲しい。辛い。
私は、あの人がいなかったらどうやって生きていこうかと、考えたものだった。
あの人がいないと元気になれない。

そう思っていた。

あの人が全てだった。

私には何も無い。ただ、私は、体育館の後ろであの人の名前を呼ばれた時の返事をカッコイイとか、漢だなぁ…としか思っていなかった。

卒業式は、泣くところが分からなくて、半泣きで終わった。2年生の教室から、3年生の教室に引っ越す時、寂しかった。もう、ここにはいないのだと知って。

ただ、こんな1年を過ごすのかと考えていた。



あの人がいなくなった教室へ入って、机に手を置いた。


少しだけ、暖かく心地よい古い机に思いを馳せた。
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