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3章〜マリンマリン王国水の都〜&真相の光

107、ホォリビル参上!!

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 和やかな雰囲気をいきなりぶち壊しに来た人がいる。

 何故か私目掛けて猪突猛進な気がする。自意識過剰かな……?


 いやーーーーデジャヴだわ。


 私は来る時の為にチカを泣く泣く離した。

 そして私は何でも受け入れる為に深呼吸をして構える。


「ぐおうぶ」


 苦しいしそろそろこのパターン無くなって欲しいなぁ……。

 ホォリビルが激突して来たと思ったら次の瞬間には肩を掴まれグワングワンと前後に揺さぶられる。

「リティア酷くない!?僕の事気にしてなかったよね!というか忘れていたよね~っっ!!」
「何で知ってるの!?」

 驚き過ぎて素直に口から言葉が出た。

「やっぱりそうなんだっ??」

 溢れんばかりに涙を溜めていた目が見開かれた。そして肩から手を離して顔を両手で覆う。

「随分と閉じ込められていたから父様に一応報告して置こうと思って側から離れていただけなのに。そりゃ何も言わずに行っちゃっったっから怒られる覚悟はしてたよ?なのにそれ以前の問題で。わすれてられてた……。ああ、リティア達にとって僕は軽い存在だよね。そうだよね」

 陰湿な雰囲気を纏いながらブツブツと小声で喋っている姿は他人から見たらまるで呪詛を吐いているように見えると思う。

「あ~、ごめんね?」

 ぱっと華やぐ笑顔はかわいーーーーって、今までの悲壮感どこ行った!?

「じゃあ僕も連れて行ってくれる?」

 これが目的だったんだね?え、今までのは嘘?本当?

 少し混乱しながらも私は答える。

「え?それは聞い「「「「離れろっ!!」」」」」

 殺気が私、ではなくホォリビルに向けられている。

「ん?」

 その殺気の主達がいる方を振り向く。

 その殺気は、王都集団(ローク除く)だった。

 ああ、納得。ノークさん達はホォリビルと初対面だったわ。

「ノークさん達、こちらホォリビル。私の知り合い」
「ふむ。不審者ではないんだな?」
「じゃないじゃない。ね?」

 同意しろと目線で圧を掛ける。…………幼女の圧がどれくらい有効なのかは気にしたら負けだよね。

 ホォリビルの答えは私の予想を超えたものだった。いや、頓珍漢なものだった。

「僕はリティアの友達じゃないのっ!?」

 流石に私も怒っていいかな?でもなぁ、わすれちゃってたもんなぁ。

「リティア、無視!?無視するの!?」

 必死に自分を抑えていたのに、尚もホォリビルは言い続ける。

「リティアの薄情者!!」
「黙って。今大事なのはそこじゃない!!」
「ひふん」

 この場が静まり返る。そして残ったのはホォリビルの情け無い怯えた声だけだった。


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