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3章〜マリンマリン王国水の都〜&真相の光

108、ニョッキニョキィ!!

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「ちょっと!」

 ホォリビルの襟…………は届かないから腹部の布(それも結構下)を掴んで引き寄せる。

 小さい自分が恨めしい。

「ホォリビル、今はそんな事どうでもいいんだよ?不審者じゃないって信じてもらわないと一緒に行けないからね?」
「でも知り合い…………友達とは言ってくれないの……?」
「だって会ってそ『止まって!止まってリティア!流石にそれ言ったら駄目だよ』」

 サランが私とホォリビルの間に手を割り込んで意識を逸らす。

「何で?」
『もうちょっと周りも気にしてよ……』

 若干疲労感を匂わせるように言われた。何で?解せぬ。

 そんな思いを見透かされたのかサランがクイっと親指で前を指す。

「ん?…………あ」

 私とノークさんの視線が交わる。その目は明らかに馬鹿を見る目だよね!?

「あ~~~、まぁっ、リティアが信頼してるんなら大丈夫だよな。籠も余裕そうだしいいぞ」
「「ありがとう!」」

 ノークさん、神だね。いや、神ではないのは分かっているけど。

「もう行くの?」
「行く、が。とりあえず籠には乗らない。辺境伯にカイヴの街から転移ゲートでそちらに行くと連絡してしまったからな。今日はそこの領主館に泊まる。次の日馬車の代わりに籠に乗ろうと思っているのだが」

 ノークさんの視線は尋ねた私ではなく籠の中に向いている。

「……だって、皆」
 
 サラン以外の同行組家族が全員籠に乗り準備満タン☆行く気も満タン☆状態。

 子供みたい。ルビクルとチカはまだ子供?だからいいとして。フェアディまで……。

 なんだかフェアディの新たな一面を見た気がする。


 そして何故かコノキナーマージャまで生えている。ついて行く気なのか籠の中に。

 あ、ついて来るんですね、はい。もう一個生えて来たコノキナーマージャをみて、絶対に一緒だからな!という意思を感じた。

 これはもう本格的にストー……いえ、なんでもありませんよ?


 ニョッキニョキィ!!


 文句ある?ああん?とでも言うように私の足元から一瞬で大きくなり目を合わせに来るコノキナーマージャ。

「流石に怖いわ!」

 ウィンドカッターで容赦なく刈り取る。

 コノキナーマージャも怖いけど慣れて来ている自分もちょっと、いや結構怖い。


 まあそれは置いといて、これからの予定を聞いた三人は少しは羞恥を感じたらしい。コノキナーマージャに皆が気を取られている内に籠の中から出ていた。

 フェアディにいつも尊敬の目を向けている騎士達もこれには流石に生温かい目を向けている。


◇◆◇

 領主家族は大歓迎で迎えてくれた。

 王城のパーティーにも来ていたらしい。ドレス姿の時の事を沢山褒められた。

 ゴマスリではなく、何か本当に綺麗だったからという事が目で分かってなんだかむず痒かった。
 
 そしてあのパーティーの時私の元に来ていた人達は本当にゴマスリしか考えていなかったんだな、と改めて実感した。

 そしてその人達の迫力が怖くて多分良識ある人達は近づけなかったんだろうなという事は察した。


 自分で言うのもなんだけど私、美幼女だからねっ!
 

 ナルシストだって?別に本当の事なんだから言ってもいいと思うんだけどなぁ。
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