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3章〜マリンマリン王国水の都〜&真相の光

109、コムクは…………

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 次の日、朝食を食べた後息を吐く間も無く出発となった。

「流石に早過ぎない……?」

 だからこうノークさんに文句を言ってしまうのも仕方がないと思う。

「しょうがないだろう?事前にこの予定で知らせていたんだから」
「予定カツカツだね!?」

 王の仕事、意外とハードすぎませんかね?

「あの野郎の嫌がらせだ」
「あの野郎とは」
「あーー、まあ行けば分かる」
「何でそんな微妙な顔に」

 可でもなく不可でもない微~妙な物を思い出したような顔をしている。

 そしてそんな顔をノークさんにさせるあの野郎さんはホォリビル以上の変人なんだろうな。

 
「リティア、今僕に対して失礼な事考えていたよね!?」

 ホォリビルが鋭い。その察知能力の高さは天然なの?

「(ホォリビルに対してでもあるけどそれより)あの野郎さんに対して失礼な事を考えていたんだよ」
「何かがその前に付け加えられているような気もするけど、とりあえずあの野郎さんって誰!?」
「私は知~らないっ!さ、早く籠に乗って」

 実際に私とホォリビル以外は皆籠に乗っている。というかノークさんいつの間に。ほんの一瞬前まで私の隣に居た筈なのに。

 ホォリビルが軽々しく籠に乗る。

 私も乗ろうと思い、籠に手を掛け……れない。


 私のジャンプ力以前の問題だった…………!!


 私の被害妄想なのかな。皆の視線が憐憫を含んでる気がするのだけれど。うん、気のせい気のせい。気のせいだようっ!!(自棄)

「ほら」
「……ありがとうノークさん」
「ど、どうっいたしましてぇっ!ブ、ハハッ!」

 元々顔を歪めながら私を籠に乗せたのに、堪え性のないノークさんは笑った。

「笑わないで!はっ!そうだ!ロークは!?ロークは届いたの?」
「届いていたな」

 ちょっと私より大きいだけだったのに!?

 慰めか憐れみか。サランがポンと優しく私の肩を叩いた。

 そしてロークは自慢げに腕を組んでいる。

 
 我慢だよ、私!色々な意味で。


 「じゃあ行くか。コムク様、ゆったりと行きましょう」
「ゆったりと?」
「そうです。その方がリティアと(俺達も居るが)空の旅を楽しめるでしょう?」
「そうだな」

 コムク、それ丸め込まれているよ?コムクが良いなら私は構わないけどさぁ…………単純過ぎない?

 でもそんなコムクも可愛いよ!

「そして寝る時は地上に降りて寝ましょう!その方がリティアもしっかりと休息を取れるでしょうし」
「そうだな?」
「そして俺が良いと言うまで俺達以外には姿が見えないようにする事は可能でしょうか」
「勿論出来るぞ!」
「でしたら騒ぎになったらリティアも楽しめないと思うのでそのようにお願い致します」
「分かった」

 ノークさんはしっかりと民の事まで考えている良い王だと思う。だけど交渉に私の事を引っ張り出し過ぎ…………。

 お付きの人達よ、私を見てそんなに怯えなくて良いから。

 顔が青を通り越して真っ白。

 こんな事で怒る程器量が小さい訳ではないよ?大丈夫だからもうちょっと私達に慣れて欲しい。






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