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第111話 勝利!勝利!大勝利ー!
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崩れた城壁を乗り越えた先で見たのは、元の街並みが分からぬ程に滅茶苦茶になったゴブリン王国だった。
反対側の家々は大猪達のせいで倒壊していた事を考えると、これでゴブリン王国で無事なのは中央にある城ぐらいだろう。
「こりゃゴブリン王国終わりじゃない?」
「ガァァァァァアアアッ!」
「うるせっ!」 ゴキンッ!
かなりの数を食い殺したクウネルは片手で襲って来た地竜の首を圧し折る。 もう地竜如きでは苦戦しなくなってきたクウネルは無造作に地竜の骸を放り捨てた。
「ざっこ! おっと、モロが心配だ。 早く合流しなきゃ!」
瓦礫を踏み荒らしながら王国の中を進む。 すると、モロが街の中心で戦闘しているのが見えた。
「良かった、無事か~! モロお待たせー! 私が今度は加勢に来たよー!」
襲いくる地竜を掴んでは瓦礫に突き刺しながらモロの元へと合流する。
「クフクフッ! はははは、地竜を街に侵入させてしまった事を反省していたのが馬鹿馬鹿しくなる程の破壊っぷりだねクウネル!」
「むー、加勢に来たのに……我が友は意地悪だね。 ちぇっ、折角来たのになー! せいっ! ふ~……また地竜のオブジェが完成してしまった。 私って、もしかして芸術の才能ある?」
自惚れるクウネルの脳内に鑑定の声が響く。
«――無いです»
「あ、はい。 そうですか、無いですか。 さて、気を取り直しまして。 戦闘も終盤に差し掛かって参りましたよ~! 残すところ、地竜は数十体かな? モロ、このままゆっくり全滅させる? その方が食べるお肉たくさん残るよ?」
「クフクフ! はははは、クウネルは余裕だね。 あの酷い傷も治ってるし、本当に不思議な友だよ君は。 だが、直ぐに決着を付けよう。 ゴブリンの皆も心配だからね」
「オッケー! じゃあ、終わらしますか……え? 今、モロ……ボソッと、まぁ帰る街は無いけどねって呟いてたよね。 えー!? 私のせい? 私結構頑張って街守ったよ? 結果的にオブジェが生えたけど。 じゃあ、モロ! 空中にぶん投げるから、よろしくねー!」
クウネルはモロの返事を待たずに、地竜を掴んでは空に向かってぶん投げ始める。
大きな地竜が空を舞うのは、見ていて中々に気持ちがいい。
「ガァッ!? ちょ、クウネル?! ウィンドカッターー! ウィンドカッターウィンドカッターウィンドカッターーーー!」
「おー! モロかっこいいー!」
モロは、宙を舞っている地竜を口から出した真空の刃で次から次へと細切れにする。 そして、細切れにされた地竜のミンチが雨のように地竜達の上に降り注いだ。
「ガァッ!? ガァァァァァ!!」
仲間のミンチが降り注ぐのが余程堪えたのか、残っていた地竜は一斉に街から逃げ始める。 だが、クウネルが美味しい肉の塊達を逃がす筈もなく直ぐに追い掛けて地面に突き刺して回った。
「にーがーすーかー!」
「「「「ガギャァァァァァァッ!」」」」
空中ミンチをやり始めて数十分、ようやく全ての地竜を殺し終えたクウネルはその場で瓦礫を椅子に座り込んだ。
「あー、疲れた~。 早く休みたい、その前に地竜の丸焼きたらふく食うけどね。 あ……待って、私が腰掛けてるの城の成れの果てだ。 あはは……やっちゃいました?」
クウネルは周囲を見渡し、空を見上げる。
「何と言う事でしょう、あの美しいかどうかは知らないけどゴブリン王国の街並みは跡形もなくボロボロに。 そして匠の手により美しい地竜のオブジェが至るところに生え、更に更にモロの手により街一杯に地竜のミンチが降り注いでおります」
ボトボトと降り注ぐミンチ肉を見て、クウネルは腹の虫を鳴らす。
「よし、晩御飯は地竜の丸焼きとミンチを使ってハンバーグにしよっと。 あ、大猪の丸焼きも良いな~」
「クゥン、クウネル! 終わったけど、街がミンチの海になっちゃったけど! これ大丈夫かな? いや、そもそも街はボロボロだったし変なオブジェも生えてるんだけどさ!」
「あははは! とりあえず~勝利だー! 後の事はまた考えようよ! へへへ~、勝利! 勝利! 大勝利ーってね!」
この後、避難していたゴブリン達がボロボロでミンチだらけで変なオブジェだらけの街を見て悲鳴をあげるのはもう暫し後であった。
反対側の家々は大猪達のせいで倒壊していた事を考えると、これでゴブリン王国で無事なのは中央にある城ぐらいだろう。
「こりゃゴブリン王国終わりじゃない?」
「ガァァァァァアアアッ!」
「うるせっ!」 ゴキンッ!
かなりの数を食い殺したクウネルは片手で襲って来た地竜の首を圧し折る。 もう地竜如きでは苦戦しなくなってきたクウネルは無造作に地竜の骸を放り捨てた。
「ざっこ! おっと、モロが心配だ。 早く合流しなきゃ!」
瓦礫を踏み荒らしながら王国の中を進む。 すると、モロが街の中心で戦闘しているのが見えた。
「良かった、無事か~! モロお待たせー! 私が今度は加勢に来たよー!」
襲いくる地竜を掴んでは瓦礫に突き刺しながらモロの元へと合流する。
「クフクフッ! はははは、地竜を街に侵入させてしまった事を反省していたのが馬鹿馬鹿しくなる程の破壊っぷりだねクウネル!」
「むー、加勢に来たのに……我が友は意地悪だね。 ちぇっ、折角来たのになー! せいっ! ふ~……また地竜のオブジェが完成してしまった。 私って、もしかして芸術の才能ある?」
自惚れるクウネルの脳内に鑑定の声が響く。
«――無いです»
「あ、はい。 そうですか、無いですか。 さて、気を取り直しまして。 戦闘も終盤に差し掛かって参りましたよ~! 残すところ、地竜は数十体かな? モロ、このままゆっくり全滅させる? その方が食べるお肉たくさん残るよ?」
「クフクフ! はははは、クウネルは余裕だね。 あの酷い傷も治ってるし、本当に不思議な友だよ君は。 だが、直ぐに決着を付けよう。 ゴブリンの皆も心配だからね」
「オッケー! じゃあ、終わらしますか……え? 今、モロ……ボソッと、まぁ帰る街は無いけどねって呟いてたよね。 えー!? 私のせい? 私結構頑張って街守ったよ? 結果的にオブジェが生えたけど。 じゃあ、モロ! 空中にぶん投げるから、よろしくねー!」
クウネルはモロの返事を待たずに、地竜を掴んでは空に向かってぶん投げ始める。
大きな地竜が空を舞うのは、見ていて中々に気持ちがいい。
「ガァッ!? ちょ、クウネル?! ウィンドカッターー! ウィンドカッターウィンドカッターウィンドカッターーーー!」
「おー! モロかっこいいー!」
モロは、宙を舞っている地竜を口から出した真空の刃で次から次へと細切れにする。 そして、細切れにされた地竜のミンチが雨のように地竜達の上に降り注いだ。
「ガァッ!? ガァァァァァ!!」
仲間のミンチが降り注ぐのが余程堪えたのか、残っていた地竜は一斉に街から逃げ始める。 だが、クウネルが美味しい肉の塊達を逃がす筈もなく直ぐに追い掛けて地面に突き刺して回った。
「にーがーすーかー!」
「「「「ガギャァァァァァァッ!」」」」
空中ミンチをやり始めて数十分、ようやく全ての地竜を殺し終えたクウネルはその場で瓦礫を椅子に座り込んだ。
「あー、疲れた~。 早く休みたい、その前に地竜の丸焼きたらふく食うけどね。 あ……待って、私が腰掛けてるの城の成れの果てだ。 あはは……やっちゃいました?」
クウネルは周囲を見渡し、空を見上げる。
「何と言う事でしょう、あの美しいかどうかは知らないけどゴブリン王国の街並みは跡形もなくボロボロに。 そして匠の手により美しい地竜のオブジェが至るところに生え、更に更にモロの手により街一杯に地竜のミンチが降り注いでおります」
ボトボトと降り注ぐミンチ肉を見て、クウネルは腹の虫を鳴らす。
「よし、晩御飯は地竜の丸焼きとミンチを使ってハンバーグにしよっと。 あ、大猪の丸焼きも良いな~」
「クゥン、クウネル! 終わったけど、街がミンチの海になっちゃったけど! これ大丈夫かな? いや、そもそも街はボロボロだったし変なオブジェも生えてるんだけどさ!」
「あははは! とりあえず~勝利だー! 後の事はまた考えようよ! へへへ~、勝利! 勝利! 大勝利ーってね!」
この後、避難していたゴブリン達がボロボロでミンチだらけで変なオブジェだらけの街を見て悲鳴をあげるのはもう暫し後であった。
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