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第165話 お母さんと私の質問ターイム!
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◆黒髪のクウネルSide◆
「ふぁ~~よく寝た~!!」
クウネルは布団の上で気持ち良さそうに伸びをし、そのままゆっくりと身体を起こす。
キュウベイ達のピンチから翌日の朝、懐かしき現代社会の暮らしを満喫していた。
「しかし……あの魔族っぽい奴、何なんだろうね。 鑑定さんは邪神みたいな存在って言ってたし、お母さんは険しい顔をしたまま何を聞いても答えてくれないしな~」
クウネルは部屋のカーテンを開き、窓を開ける。
「それに、この世界……ヤバいんだよね~」
窓から見える景色は前世の地球である日本の街並みだが、道を行き来しているのは真っ黒な身体の化け物達だ。
普通の人間の様に、服を着て日常を送っているのが殊更不気味だった。
「あはは……昨日もビビったから外に出るのはちょっと嫌だな~」
クウネルは昨日の夜の出来事を思い出し苦笑いを浮かべる。
◆◇◆
昨夜、家のチャイムが鳴り響き暴食の邪神も険しい顔でスマホを触っていた為クウネルは仕方無く玄関を開けたのだ。
すると、真っ黒の化け物が顔らしき場所にある大きな口でニッコリと笑いながら立っていた。 その大きな口の中には真っ白でギザギザな歯が並んでおり、それを見たクウネルの心臓は止まりかける。
そして、真っ黒の化け物は『グルガギャ? ゴギャギャギャ! ギャギャギャ!!』と喋り始めたのだが、クウネルには何を言っているのか分からなかった。
直ぐに暴食の邪神を呼ぶと、普通に笑顔で話し始め 「あら~、お隣の田所さんじゃない。 どうしたの? あぁ、そうなの。 あ! 前に話した娘のクウネルちゃんよ、よろしくね~♪」と世間話をしているのを信じられない顔でクウネルは見つめていたのであった。
「完全に見た目が化け物なのに、名前が田所さん?! 普通!! って、いやいや、いやいや!! 今思い出しても、逆になんで会話が成立するの?! 結局田所さんは、作り過ぎた煮物を持って来てくれただけで帰ったし! あ、煮物は普通に美味しかったんだよね」
昨晩食べた煮物の味も思い出しながらクウネルは盛大にツッコむ。
まさに異常な世界だ。
暴食の邪神以外の生き物は全て真っ黒な化け物のみの様で、今も服を着た真っ黒な化け物が小さな化け物にリードを付けて散歩をさせているのが見える。
「はは……だから、お外に出るのは嫌で~す! 無理で~す! 今の私は巨人じゃないし、むしろ身長が低い時の私だから戦闘力なんてゴミだよ。 宇宙からやって来た戦闘民族に、戦闘力たったの5かゴミめって言われる存在ですよ! と云うわけで、私は引きこもりまーす!」
カーテンを再度閉め切り、クウネルは布団にダイブし近くにあった漫画本を手に取った。
「クウちゃ~ん? 朝ご飯出来たわよー?」
しかし、本を開く前に一階から呼ばれる。
「おっと、お母さんが呼んでる。 朝ご飯なんだろなぁ~、お母さんの作る料理はとても美味しいんだよね~!」
相手は邪神なのだが、既に胃袋を掴まれたクウネルはいそいそと部屋から出る。
「いつも巨大な料理を短時間で作ってるけど……どうやってるんだろ? まぁ、美味しいから別にいっか。 それにお母さんの手作りご飯なんて初めて食べ……あれ? 初めて?」
廊下でクウネルは立ち止まる。
「あ~? ん~? お? いや、巨人の母に食べさせてもらってなかったっけ?」
グギュルル~……
何かの記憶が欠落している事に疑問を持ったが、直ぐに腹の虫に掻き消されクウネルは一階へと降りていった。
「ま、いっか。 そんな事より、ご飯ご飯~~!! お腹と背中がくっつくよー!!」
◆◇◆
「ぷはー、美味しかったよお母さん! ごちそうさまでしたーー!」
今日の朝食は大盛のカレーライスだ。
当然ながら、クウネルは完食している。
「ふふ♪ お粗末さまでした。さてさて、朝ご飯も食べたし……少しお母さんと、お話しでもする?」
暴食の邪神は真剣な顔で提案し、クウネルは少し身構えながら恐る恐る返答する。
「急にどしたの……? まぁ、別にいいけど……」
「よし! じゃあ決まりね♪ では、第1回お母さんとクウちゃんの質問ターーイム♪」
「あはは……センスが古いよ、お母さん」
ハイテンションの暴食の邪神にクウネルは苦笑いを浮かべた。
「さぁ、さぁ! クウちゃんは、お母さんに何か聞きたい事は無いの? 何でも聞いて! 色々聞きたい事有るでしょ?」
クウネルは悩む。
そう言われたら聞きたい事等、山程有るのだ。
自分という存在、赤髪のクウネルの事、昨日見た魔族らしき邪神の男、この異常な世界、何故自分の事を前世の名前で呼ぶのか、そして……母だと名乗る目の前に座る暴食の邪神は何なのか。
何から聞くか決めたクウネルは躊躇いながら口を開く。
「えっと……じゃあ、お母さんは何者なの? 聞きたい事は確かに沢山ある。 でも、先ずはソレから聞きたい」
「え……? 私は、クウちゃんのお母さんだけど……?」
可愛らしい見た目の暴食の邪神は首を傾げながら答える。
「いや、そうじゃなくて。 っていうか、お母さん可愛いなぁおい! いやいや、その、今に至るまでの経緯というか、過去話を聞きたいのよ。 何で私のお母さんなのか、暴食の邪神とは何なのか知りたいの」
改めてクウネルは質問すると、暴食の邪神は目を細めて笑う。
その笑みは愛しい娘を観るようにも、罠に掛かった獲物を見るようにも見え、クウネルは背筋を震わせた。
「ふぁ~~よく寝た~!!」
クウネルは布団の上で気持ち良さそうに伸びをし、そのままゆっくりと身体を起こす。
キュウベイ達のピンチから翌日の朝、懐かしき現代社会の暮らしを満喫していた。
「しかし……あの魔族っぽい奴、何なんだろうね。 鑑定さんは邪神みたいな存在って言ってたし、お母さんは険しい顔をしたまま何を聞いても答えてくれないしな~」
クウネルは部屋のカーテンを開き、窓を開ける。
「それに、この世界……ヤバいんだよね~」
窓から見える景色は前世の地球である日本の街並みだが、道を行き来しているのは真っ黒な身体の化け物達だ。
普通の人間の様に、服を着て日常を送っているのが殊更不気味だった。
「あはは……昨日もビビったから外に出るのはちょっと嫌だな~」
クウネルは昨日の夜の出来事を思い出し苦笑いを浮かべる。
◆◇◆
昨夜、家のチャイムが鳴り響き暴食の邪神も険しい顔でスマホを触っていた為クウネルは仕方無く玄関を開けたのだ。
すると、真っ黒の化け物が顔らしき場所にある大きな口でニッコリと笑いながら立っていた。 その大きな口の中には真っ白でギザギザな歯が並んでおり、それを見たクウネルの心臓は止まりかける。
そして、真っ黒の化け物は『グルガギャ? ゴギャギャギャ! ギャギャギャ!!』と喋り始めたのだが、クウネルには何を言っているのか分からなかった。
直ぐに暴食の邪神を呼ぶと、普通に笑顔で話し始め 「あら~、お隣の田所さんじゃない。 どうしたの? あぁ、そうなの。 あ! 前に話した娘のクウネルちゃんよ、よろしくね~♪」と世間話をしているのを信じられない顔でクウネルは見つめていたのであった。
「完全に見た目が化け物なのに、名前が田所さん?! 普通!! って、いやいや、いやいや!! 今思い出しても、逆になんで会話が成立するの?! 結局田所さんは、作り過ぎた煮物を持って来てくれただけで帰ったし! あ、煮物は普通に美味しかったんだよね」
昨晩食べた煮物の味も思い出しながらクウネルは盛大にツッコむ。
まさに異常な世界だ。
暴食の邪神以外の生き物は全て真っ黒な化け物のみの様で、今も服を着た真っ黒な化け物が小さな化け物にリードを付けて散歩をさせているのが見える。
「はは……だから、お外に出るのは嫌で~す! 無理で~す! 今の私は巨人じゃないし、むしろ身長が低い時の私だから戦闘力なんてゴミだよ。 宇宙からやって来た戦闘民族に、戦闘力たったの5かゴミめって言われる存在ですよ! と云うわけで、私は引きこもりまーす!」
カーテンを再度閉め切り、クウネルは布団にダイブし近くにあった漫画本を手に取った。
「クウちゃ~ん? 朝ご飯出来たわよー?」
しかし、本を開く前に一階から呼ばれる。
「おっと、お母さんが呼んでる。 朝ご飯なんだろなぁ~、お母さんの作る料理はとても美味しいんだよね~!」
相手は邪神なのだが、既に胃袋を掴まれたクウネルはいそいそと部屋から出る。
「いつも巨大な料理を短時間で作ってるけど……どうやってるんだろ? まぁ、美味しいから別にいっか。 それにお母さんの手作りご飯なんて初めて食べ……あれ? 初めて?」
廊下でクウネルは立ち止まる。
「あ~? ん~? お? いや、巨人の母に食べさせてもらってなかったっけ?」
グギュルル~……
何かの記憶が欠落している事に疑問を持ったが、直ぐに腹の虫に掻き消されクウネルは一階へと降りていった。
「ま、いっか。 そんな事より、ご飯ご飯~~!! お腹と背中がくっつくよー!!」
◆◇◆
「ぷはー、美味しかったよお母さん! ごちそうさまでしたーー!」
今日の朝食は大盛のカレーライスだ。
当然ながら、クウネルは完食している。
「ふふ♪ お粗末さまでした。さてさて、朝ご飯も食べたし……少しお母さんと、お話しでもする?」
暴食の邪神は真剣な顔で提案し、クウネルは少し身構えながら恐る恐る返答する。
「急にどしたの……? まぁ、別にいいけど……」
「よし! じゃあ決まりね♪ では、第1回お母さんとクウちゃんの質問ターーイム♪」
「あはは……センスが古いよ、お母さん」
ハイテンションの暴食の邪神にクウネルは苦笑いを浮かべた。
「さぁ、さぁ! クウちゃんは、お母さんに何か聞きたい事は無いの? 何でも聞いて! 色々聞きたい事有るでしょ?」
クウネルは悩む。
そう言われたら聞きたい事等、山程有るのだ。
自分という存在、赤髪のクウネルの事、昨日見た魔族らしき邪神の男、この異常な世界、何故自分の事を前世の名前で呼ぶのか、そして……母だと名乗る目の前に座る暴食の邪神は何なのか。
何から聞くか決めたクウネルは躊躇いながら口を開く。
「えっと……じゃあ、お母さんは何者なの? 聞きたい事は確かに沢山ある。 でも、先ずはソレから聞きたい」
「え……? 私は、クウちゃんのお母さんだけど……?」
可愛らしい見た目の暴食の邪神は首を傾げながら答える。
「いや、そうじゃなくて。 っていうか、お母さん可愛いなぁおい! いやいや、その、今に至るまでの経緯というか、過去話を聞きたいのよ。 何で私のお母さんなのか、暴食の邪神とは何なのか知りたいの」
改めてクウネルは質問すると、暴食の邪神は目を細めて笑う。
その笑みは愛しい娘を観るようにも、罠に掛かった獲物を見るようにも見え、クウネルは背筋を震わせた。
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