218 / 247
第212話 戦争と善悪の区別
しおりを挟む
「待ってくれ、待ってくれぇぇぇ! 儂等が何をしたと言うのだ! 儂等はただ、民達の為に国を――ぎぇっ?!」
小さな王城の広間に、小国の王の首が転がった。
「ちっ、俺の鎧に血が付いたじゃねえか。 糞が」
召喚されし者達のリーダーである勇者カズキは血糊が付着した剣を振り払う。
そして白銀の鎧に付いた血を死んだ国王の服で拭った。
「カズキお疲れ様~! こっちも終わったわよ」
「おう、ユズキか。 これで滅ぼした国は何カ国目だ?」
聖女ユズキが可愛らしく首を傾げ、数を数える。
「ひーふーみー、あ! 此処で4カ国目だね。 いやぁ、宝物庫漁ったんだけどしょぼかった~」
「もう4カ国目か。 早いな……って、宝物庫だと!? おいおい、ユズキに任せたのは騎士団の足止めだろ?」
「はぁ? 何言ってんのよ、そんなの秒殺よ。 直ぐに死んじゃってつまんなかったんだから」
カズキは頬を膨らませるユズキが手に持つ鈍器にべっとりと血が付着している事に気付く。
「そうか、なら良い。 それより、兵達は?」
「んー? いつも通りじゃない? 略奪に殺戮に強姦」
「はぁ~……またかよ。 止めてくる」
カズキは剣を腰にしまい、街へと向かう。 すると、ユズキは意外そうに声を上げた。
「へぇ~、他の国もそうだったけど何でわざわざ止めるのかしら? カズキはこの世界にオリジン様を布教し、異端な国々を滅ぼして回る勇者様よね? それとも……地球に居た頃みたいな善良な精神を取り戻したの?」
歩きを止めたカズキは、ゆっくりとユズキの方へと振り返る。
「ただ、民達を大勢殺せばそれだけオリジン様を崇める人数が減るってだけだ。 それは使命に背くのと変わらないんじゃないのか? 俺達は創造神オリジン様に選ばれた者達だと云うことを忘れたのか? ユズキ」
カズキが仲間であるユズキに対し微かに殺気を放った。
「へいへい、そうですね~。 変な事聞いてめんごめんご。 あ、牢獄に居る囚人は好きに遊んでも良い?」
しかしユズキはそんなカズキには目もくれず、地下へと続く階段を見つけてワクワクが止まらない様子だ。
「はぁ~……それぐらいならいいだろ。 それと、マヒルとミカはどこに居るんだ?」
カズキはそんなユズキの様子を見て深いため息を吐き、渋々了承する。 所詮は敵国の囚人、人権すら無いに等しいこの世界ではどのみち死刑か牢獄で餓死するだけなのだ。 国が滅ぼされた今、どうせ待っているのは餓死だろうとカズキは判断した。
「ん~と、王都を攻める時に城門をミカの殲滅魔法で吹き飛ばしたでしょ? その後はマヒルと一緒に後方支援に回ってるはずよ」
「そうか、ならいい。 じゃあ、後でなユズキ」
地下へと向かうサディスティック聖女ユズキと別れ、カズキは王城を出た。
◆◇◆
周辺には小国の兵士達が無残に倒れ屍の山を築いていた。
そして、街中からは悲鳴が聞こえ聖王国の兵士達が略奪をしているのが見える。
「お前等、略奪を止めろ!!」
カズキは直ぐに近付き、兵士達を制止した。
「はっ!! し、しかしカズキ殿。 この略奪は聖王陛下より直々に許可が出ておりますが……?」
立場がはるかに上のカズキに止められ、兵士達は直ぐに略奪の手を止めたが顔には不満が表れている。
「なら逆に聞くが、此処での戦闘を殆どしたのは誰だ?」
「……カズキ様達です」
「その通り。 なのに、殆ど何もしていないお前達が略奪を楽しむのか? オリジン様の新たな信徒を殺戮するのか? 女達を強姦するのか?」
カズキはユズキに放った殺気とは比べ物にならない本気の殺気を兵士達に放ち、カズキに口答えした兵士は恐怖から尻もちをついた。
「も、申し訳あ、ありませんでした……」
「分かったなら良いですよ。 じゃあ、他の兵士達にも伝達をお願いしても良いですか?」
カズキは先程の殺気が幻覚だったのかと思わせる程の営業スマイルを浮かべ、尻もちを付いた兵士を優しく立たせる。
「は、はい! 直ぐに!!」
そして、略奪をしていた兵士達が伝達しに走り去る姿を見送った後にカズキは顔を歪めつばを吐いた。
「ぺっ! ゴミ共が。 この世界は俺の物なんだよ、汚い手で触るな。 ん……? おい」
「「「「ひぃっ、お、お許しをっ……」」」」
カズキの悪辣な姿を見てしまった民達に気付いたカズキは近付き剣を抜く。
「悪いな。 俺は神の使徒たる勇者なんだ。 運が悪かったと諦めてくれ」
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」
剣で細切れにされ新たな骸と化した4人の民達をカズキは炎魔法で消し炭にする。
「さて、マヒルとミカと合流したらさっさとこの国も掌握するかぁ~」
カズキは何事も無かったように歩き始め、兵士達が敬う勇者として振る舞うのであった。
◆◇◆
「うふふ、ミカ……今日も可愛いね」
「……ありがとう、ございます。 マヒル様」
虚ろな目をした賢者ミカを撫でる性王マヒルは、ミカが映し出したカズキの映像を見て妖艶に微笑む。
「うんうん、カズキ君も良い感じに仕上がってきてるね。 うふふ……あぁ、楽しみだなぁ。 早く復讐に来てよ……クウネルちゃん♡」
性王マヒルは嗤う。
全て自分の思い通りになると本気で信じ込み、善悪の区別すら曖昧になり始めた傀儡を見て。
小さな王城の広間に、小国の王の首が転がった。
「ちっ、俺の鎧に血が付いたじゃねえか。 糞が」
召喚されし者達のリーダーである勇者カズキは血糊が付着した剣を振り払う。
そして白銀の鎧に付いた血を死んだ国王の服で拭った。
「カズキお疲れ様~! こっちも終わったわよ」
「おう、ユズキか。 これで滅ぼした国は何カ国目だ?」
聖女ユズキが可愛らしく首を傾げ、数を数える。
「ひーふーみー、あ! 此処で4カ国目だね。 いやぁ、宝物庫漁ったんだけどしょぼかった~」
「もう4カ国目か。 早いな……って、宝物庫だと!? おいおい、ユズキに任せたのは騎士団の足止めだろ?」
「はぁ? 何言ってんのよ、そんなの秒殺よ。 直ぐに死んじゃってつまんなかったんだから」
カズキは頬を膨らませるユズキが手に持つ鈍器にべっとりと血が付着している事に気付く。
「そうか、なら良い。 それより、兵達は?」
「んー? いつも通りじゃない? 略奪に殺戮に強姦」
「はぁ~……またかよ。 止めてくる」
カズキは剣を腰にしまい、街へと向かう。 すると、ユズキは意外そうに声を上げた。
「へぇ~、他の国もそうだったけど何でわざわざ止めるのかしら? カズキはこの世界にオリジン様を布教し、異端な国々を滅ぼして回る勇者様よね? それとも……地球に居た頃みたいな善良な精神を取り戻したの?」
歩きを止めたカズキは、ゆっくりとユズキの方へと振り返る。
「ただ、民達を大勢殺せばそれだけオリジン様を崇める人数が減るってだけだ。 それは使命に背くのと変わらないんじゃないのか? 俺達は創造神オリジン様に選ばれた者達だと云うことを忘れたのか? ユズキ」
カズキが仲間であるユズキに対し微かに殺気を放った。
「へいへい、そうですね~。 変な事聞いてめんごめんご。 あ、牢獄に居る囚人は好きに遊んでも良い?」
しかしユズキはそんなカズキには目もくれず、地下へと続く階段を見つけてワクワクが止まらない様子だ。
「はぁ~……それぐらいならいいだろ。 それと、マヒルとミカはどこに居るんだ?」
カズキはそんなユズキの様子を見て深いため息を吐き、渋々了承する。 所詮は敵国の囚人、人権すら無いに等しいこの世界ではどのみち死刑か牢獄で餓死するだけなのだ。 国が滅ぼされた今、どうせ待っているのは餓死だろうとカズキは判断した。
「ん~と、王都を攻める時に城門をミカの殲滅魔法で吹き飛ばしたでしょ? その後はマヒルと一緒に後方支援に回ってるはずよ」
「そうか、ならいい。 じゃあ、後でなユズキ」
地下へと向かうサディスティック聖女ユズキと別れ、カズキは王城を出た。
◆◇◆
周辺には小国の兵士達が無残に倒れ屍の山を築いていた。
そして、街中からは悲鳴が聞こえ聖王国の兵士達が略奪をしているのが見える。
「お前等、略奪を止めろ!!」
カズキは直ぐに近付き、兵士達を制止した。
「はっ!! し、しかしカズキ殿。 この略奪は聖王陛下より直々に許可が出ておりますが……?」
立場がはるかに上のカズキに止められ、兵士達は直ぐに略奪の手を止めたが顔には不満が表れている。
「なら逆に聞くが、此処での戦闘を殆どしたのは誰だ?」
「……カズキ様達です」
「その通り。 なのに、殆ど何もしていないお前達が略奪を楽しむのか? オリジン様の新たな信徒を殺戮するのか? 女達を強姦するのか?」
カズキはユズキに放った殺気とは比べ物にならない本気の殺気を兵士達に放ち、カズキに口答えした兵士は恐怖から尻もちをついた。
「も、申し訳あ、ありませんでした……」
「分かったなら良いですよ。 じゃあ、他の兵士達にも伝達をお願いしても良いですか?」
カズキは先程の殺気が幻覚だったのかと思わせる程の営業スマイルを浮かべ、尻もちを付いた兵士を優しく立たせる。
「は、はい! 直ぐに!!」
そして、略奪をしていた兵士達が伝達しに走り去る姿を見送った後にカズキは顔を歪めつばを吐いた。
「ぺっ! ゴミ共が。 この世界は俺の物なんだよ、汚い手で触るな。 ん……? おい」
「「「「ひぃっ、お、お許しをっ……」」」」
カズキの悪辣な姿を見てしまった民達に気付いたカズキは近付き剣を抜く。
「悪いな。 俺は神の使徒たる勇者なんだ。 運が悪かったと諦めてくれ」
「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!」」」」
剣で細切れにされ新たな骸と化した4人の民達をカズキは炎魔法で消し炭にする。
「さて、マヒルとミカと合流したらさっさとこの国も掌握するかぁ~」
カズキは何事も無かったように歩き始め、兵士達が敬う勇者として振る舞うのであった。
◆◇◆
「うふふ、ミカ……今日も可愛いね」
「……ありがとう、ございます。 マヒル様」
虚ろな目をした賢者ミカを撫でる性王マヒルは、ミカが映し出したカズキの映像を見て妖艶に微笑む。
「うんうん、カズキ君も良い感じに仕上がってきてるね。 うふふ……あぁ、楽しみだなぁ。 早く復讐に来てよ……クウネルちゃん♡」
性王マヒルは嗤う。
全て自分の思い通りになると本気で信じ込み、善悪の区別すら曖昧になり始めた傀儡を見て。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件
エース皇命
ファンタジー
前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。
しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。
悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。
ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる