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第227話 本気のキュウベイ
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「シャルルルガァァァァ!」
水竜王の口から水の礫が放たれ、ネルを狙い撃つ。 周囲の鎌首を持ち上げている水竜達も同時に水の礫を放ち始めた。
「ちょっ?! いたたた!」
ネルはハルバードで幾つかの礫を撃ち落とすが、視界を覆わんばかりの礫が身体中に直撃する。
«ーーネル! 土魔法で壁を作り、身を隠しましょう! どうやら、無傷で水竜王神に献上するのは諦めたようです»
(献上ですって?! なるほどね、だからヌルヌルで絡み付こうとばかりしてたのか……舐めてるわね!)
ネルは地面に手を置き、土魔法を発動させる。
「土魔法発動! 砂でも土でも何でもいい、硬くなりなさい!」
ネルを隠せる程の高さがある壁を作り出し、マシンガンの様に飛んでくる水の礫を防いだ。 しかし、水竜王の放つ礫は威力が高くどんどん削れてしまう。
「ちっ、コレじゃ埒が明かないわね! 鑑定、アイツを見てみて! 何か策が練れるかも!」
«ーー了解!»
自動で鑑定し、ネルの目の前に水竜王のステータスが現れた。
ステータス画面
種族 水竜王 レジェンド ウォータードラゴンキング
年齢 216
レベル 444
HP 350688/360000
FP 167000/200000
攻撃力 180000
防御力 195000
知力 250000
速力 150000
スキル 竜鱗LvMax. 粘膜LvMax. 水耐性LvMax. 連携LvMax. 隠密LvMax. 魔物食らい. 魔物殺し. 魚食い. 王に到達せし者. 大陸を渡りし王. 水竜の王. 亜神に近づきし者
魔法 水の礫LvMax
戦技 絡みつくLvMax. 噛み付きLvMax.
状態異常 呼吸困難
(何よめちゃくちゃ強いじゃない! 唯一の救いは呼吸困難で体力がちょっとずつ減ってるだけ! 鑑定、何か策は無いの?!)
«ーー戦略的撤退。 ネル、土魔法を追加し壁を更に強固にして下さい。 その後に浜辺から火を付けた森の木を投げ付けましょう。 粘膜が落ちれば、強引に接近戦をしても勝ち目はあります»
「ぺっ! いたた……口の中切ったわね。 よし、なら信じてやってみるから見てなさい!」
ネルは削れる壁を更に補強し、時間稼ぎに巨大な焚き火を壁の向こう側に放り投げた。
そして、一目散に森の方に向けて走り出す。
«ーー危険! ネル、待って下さい!»
だが、物事は上手くいかないのが世の常である。
「きゃっ?! あぐっ……足が!」
走り出したと同時に、隠密で陸地を回り込んでいた何かに足を撃ち抜かれたネルは浜辺に転倒した。
「ちょっと、次は何……よ。 はぁ? 水竜王が2匹とか……本当にふざけてるわね!」
ネルが礫の飛んできた方を見ると、ニヤリと笑みを浮かべる別の水竜王らしき巨大な水竜が此方を見ていた。
◆◇◆
「モロ殿、見えやした! 早く!!」
「ガフッ! キュウベイは本当に目が良いね!」
キュウベイとモロはネルと別れた場所に到着するも、ネルの姿は無く慌てて粘液で出来た道を辿っていた。
そして、海が見える距離まで到着し巨大な水竜達の群れを確認したのだ。
「姉御が危険な状況です! モロ殿、お願いしやす!」
走るモロの横にキュウベイが移動し、急速に移動出来る方法を頼み込む。
「クフクフ、任せてくれ! いくよー! ウインドトルネード!」
2匹の足下に風の竜巻が起こり、猛スピードで走る2匹を海側の空へと高速で吹き飛ばした。
「キャウ~~~ン! これ、本当に心臓に悪いよー?!」
「モロ殿、俺に掴まっていて下せい! 到着次第、ネルの姉御を助けやす!」
モロはキュウベイの背中に掴まり、キュウベイは主の危機を救うべく着地する地点を見定める。
そして、倒れるネルを巨大な口で呑み込もうとしている水竜王の顔面真横に突撃した。
「俺の大事な主に何してんだぁぁぁぁ!!」
「シャルルガァァ?!」 「キュウベイ?! モロ!」
水竜王は顔面に衝撃を受け驚いてネルを放したが、粘膜のおかげで無傷だ。 小さな生き物の儚い攻撃に笑みすら浮かべ、嘲るようにぶつかって来た生き物を巨大な瞳で睨んだ。
「おい、覚悟しろよ。 これまでは矢が無くなるのを恐れてたが、これからは違う。 お前達が死ぬ迄、俺は矢を放つのを止めない!」
キュウベイの黒髪が揺らめき始め、全身の筋肉が盛り上がった。
そして血管の浮き出る太い腕で弓を絞り、魔力弓の狩人から譲り受けた矢筒から一度に数十本もの矢を放つ。
「姉御を傷付けた罪を数えろ、速射! 速射速射速射速射速射速射速射速射速射速射速射!!」
キュウベイの手から目にも止まらない速さで矢が放たれ、直撃した水竜王の瞳は爆ぜた。
「シャルルガギャァァァァ?!」
己よりも小さな生き物が突如として己を傷付ける攻撃をして来た事に水竜王は驚愕し、キュウベイを顔面から振り落とそうとするがもう遅い。
何故なら、この場に居る生き物の中でステータスが一番高いのは本気を出したキュウベイなのだから。
水竜王の口から水の礫が放たれ、ネルを狙い撃つ。 周囲の鎌首を持ち上げている水竜達も同時に水の礫を放ち始めた。
「ちょっ?! いたたた!」
ネルはハルバードで幾つかの礫を撃ち落とすが、視界を覆わんばかりの礫が身体中に直撃する。
«ーーネル! 土魔法で壁を作り、身を隠しましょう! どうやら、無傷で水竜王神に献上するのは諦めたようです»
(献上ですって?! なるほどね、だからヌルヌルで絡み付こうとばかりしてたのか……舐めてるわね!)
ネルは地面に手を置き、土魔法を発動させる。
「土魔法発動! 砂でも土でも何でもいい、硬くなりなさい!」
ネルを隠せる程の高さがある壁を作り出し、マシンガンの様に飛んでくる水の礫を防いだ。 しかし、水竜王の放つ礫は威力が高くどんどん削れてしまう。
「ちっ、コレじゃ埒が明かないわね! 鑑定、アイツを見てみて! 何か策が練れるかも!」
«ーー了解!»
自動で鑑定し、ネルの目の前に水竜王のステータスが現れた。
ステータス画面
種族 水竜王 レジェンド ウォータードラゴンキング
年齢 216
レベル 444
HP 350688/360000
FP 167000/200000
攻撃力 180000
防御力 195000
知力 250000
速力 150000
スキル 竜鱗LvMax. 粘膜LvMax. 水耐性LvMax. 連携LvMax. 隠密LvMax. 魔物食らい. 魔物殺し. 魚食い. 王に到達せし者. 大陸を渡りし王. 水竜の王. 亜神に近づきし者
魔法 水の礫LvMax
戦技 絡みつくLvMax. 噛み付きLvMax.
状態異常 呼吸困難
(何よめちゃくちゃ強いじゃない! 唯一の救いは呼吸困難で体力がちょっとずつ減ってるだけ! 鑑定、何か策は無いの?!)
«ーー戦略的撤退。 ネル、土魔法を追加し壁を更に強固にして下さい。 その後に浜辺から火を付けた森の木を投げ付けましょう。 粘膜が落ちれば、強引に接近戦をしても勝ち目はあります»
「ぺっ! いたた……口の中切ったわね。 よし、なら信じてやってみるから見てなさい!」
ネルは削れる壁を更に補強し、時間稼ぎに巨大な焚き火を壁の向こう側に放り投げた。
そして、一目散に森の方に向けて走り出す。
«ーー危険! ネル、待って下さい!»
だが、物事は上手くいかないのが世の常である。
「きゃっ?! あぐっ……足が!」
走り出したと同時に、隠密で陸地を回り込んでいた何かに足を撃ち抜かれたネルは浜辺に転倒した。
「ちょっと、次は何……よ。 はぁ? 水竜王が2匹とか……本当にふざけてるわね!」
ネルが礫の飛んできた方を見ると、ニヤリと笑みを浮かべる別の水竜王らしき巨大な水竜が此方を見ていた。
◆◇◆
「モロ殿、見えやした! 早く!!」
「ガフッ! キュウベイは本当に目が良いね!」
キュウベイとモロはネルと別れた場所に到着するも、ネルの姿は無く慌てて粘液で出来た道を辿っていた。
そして、海が見える距離まで到着し巨大な水竜達の群れを確認したのだ。
「姉御が危険な状況です! モロ殿、お願いしやす!」
走るモロの横にキュウベイが移動し、急速に移動出来る方法を頼み込む。
「クフクフ、任せてくれ! いくよー! ウインドトルネード!」
2匹の足下に風の竜巻が起こり、猛スピードで走る2匹を海側の空へと高速で吹き飛ばした。
「キャウ~~~ン! これ、本当に心臓に悪いよー?!」
「モロ殿、俺に掴まっていて下せい! 到着次第、ネルの姉御を助けやす!」
モロはキュウベイの背中に掴まり、キュウベイは主の危機を救うべく着地する地点を見定める。
そして、倒れるネルを巨大な口で呑み込もうとしている水竜王の顔面真横に突撃した。
「俺の大事な主に何してんだぁぁぁぁ!!」
「シャルルガァァ?!」 「キュウベイ?! モロ!」
水竜王は顔面に衝撃を受け驚いてネルを放したが、粘膜のおかげで無傷だ。 小さな生き物の儚い攻撃に笑みすら浮かべ、嘲るようにぶつかって来た生き物を巨大な瞳で睨んだ。
「おい、覚悟しろよ。 これまでは矢が無くなるのを恐れてたが、これからは違う。 お前達が死ぬ迄、俺は矢を放つのを止めない!」
キュウベイの黒髪が揺らめき始め、全身の筋肉が盛り上がった。
そして血管の浮き出る太い腕で弓を絞り、魔力弓の狩人から譲り受けた矢筒から一度に数十本もの矢を放つ。
「姉御を傷付けた罪を数えろ、速射! 速射速射速射速射速射速射速射速射速射速射速射!!」
キュウベイの手から目にも止まらない速さで矢が放たれ、直撃した水竜王の瞳は爆ぜた。
「シャルルガギャァァァァ?!」
己よりも小さな生き物が突如として己を傷付ける攻撃をして来た事に水竜王は驚愕し、キュウベイを顔面から振り落とそうとするがもう遅い。
何故なら、この場に居る生き物の中でステータスが一番高いのは本気を出したキュウベイなのだから。
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