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第40話 亡き父の言葉と老人達
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「殿下!!」 「「「ひぃ!」」」
ジャックが叫び、民達から悲鳴が上がる。 斬り捨てられるカリーは、ただ目を瞑りその時を待っていた。
しかし、抜き放った剣が差すのは天井であった。
「この剣は……亡き父に貰いました。 父が僕にいつも言い聞かせていた言葉があります。 王族として、いつかお前は何処かの国の女王と民を守る為に剣を振るうだろう。 だが、決して振る先を誤ってはならぬ。 決して民に向けて振るう等有ってはならぬ。……と。 僕はその言葉を守り続けるつもりです。 だから……カリーさん、貴方を斬る事はできません」
抜いた剣を鞘に納めたルーデウスは、カリーの肩にそっと手を置いた。
「この戦争は明日、終わります。 必ず終わらせます。 そうしたら、カリーさんはまた図書館に戻って下さい。 また、僕が読みたい本を一緒に探して下さい」
ルーデウスの優しさにカリーの心が震える。 大粒の涙を床に落とし、言葉を絞り出した。
「殿下……。 私ごときに……ありがとうございます。 その時がくる事を、私は……心からお待ちしております」
「はい、必ず」
カリーは立ち上がり、ルーデウスに敬礼した後に守備の任務に戻っていった。
(ふぅ……良かった。 もし、殿下があの者を斬り捨てていれば民達の混乱は抑えられない物となっていただろう。 いや……そもそもお優しい殿下がその様な事をする筈も無いか)
ジャックは安堵で胸を撫で下ろし、ルーデウスが補佐する王では無く、本当にこの王国を統治する王として君臨すれば善王となるだろうと確信した。 それと同時に、そうなる時はマリが死んでいるという事に酷く胸を痛める。
「……殿下、急ぎ広場に参りましょう!」
「そうですねジャック。 皆さん、後一晩の辛抱です! 」
民達を元気付けながらルーデウスとジャックは広場へと向かう。
道中には、多くの民達がテントを広げ避難している。
王城を出て進んでいると、体格の良い年配の男達がルーデウスとジャックの元に駆けてきた。
「殿下! 少し前に女王陛下が儂等を見捨てた訳じゃないって兵士が話して回ってたが、本当なんですかい?!」
どうやらジャックに諭されたカリーが話を触れ回っていた際に、たまたま聞いたようだ。
「事実です。 明日の朝、マリ女王陛下はゴルメディア帝国へと人質として向かいます」
ジャックの言葉に老人達は突然、道や壁を殴り始める。
「ちょっ?! どうされたんですか?! 怪我しますよ?!」
「ぬぉぉぉ! 恥ずかしいんでさぁ! 儂等は、最初に聞いた噂を鵜呑みにしちまった! やっぱり前女王と同じ悪人だと宣った! こうしちゃいられねぇ! お前ら! 武器を持て、鎧を着けろ! 広場で戦っとる若造共を助けるぞ! 傍観は終いじゃ!」
「「「「おぉぉうっ!」」」」
何がなんだか分からないルーデウスは必死に止める。
「待ってください! 一般市民である皆さんが血を流す必要はありません! 必ずお守りしますので、どうかこの場でお待ち下さい」
「ぬはははは! 安心して下せぇ殿下。 儂等は元近衛兵でさぁ! とっくの昔に引退した身ですが、まだまだ若造共には負けねぇですぜ? 」
「えぇぇぇ?!」
そう言って捲った腕の筋肉は老人とは思えない程の太さであった。
「……あ! もしや貴殿方は、前女王陛下が就任した際に解体された重近衛団では!? 確か、祖父から聞いた事があります。 エントン王国で最強無敗だったと」
ふと思い出したジャックは聞くと、年配の男達は獰猛に笑う。
「へっ! 覚えてくれてる奴がいるたぁ嬉しいですね近衛長!」
「ぬはは!ルーデウス殿下! 此処からは儂等、重近衛団50名が王国を守る礎となりますぞ! ウォンバットの坊主によろしく伝えてくれぃ!」
テントから瞬く間に重鎧に着替えた50名の老人達が恐ろしい速度で広場へと走り去る。
「……え?」
呆然とするルーデウスをジャックが急かす。
「殿下、気をしっかり! 私達も向かいましょう!」
「え? あ! はい!」
ジャックに背中を押されたルーデウスは気を取り直し広場へと向かった。
ジャックが叫び、民達から悲鳴が上がる。 斬り捨てられるカリーは、ただ目を瞑りその時を待っていた。
しかし、抜き放った剣が差すのは天井であった。
「この剣は……亡き父に貰いました。 父が僕にいつも言い聞かせていた言葉があります。 王族として、いつかお前は何処かの国の女王と民を守る為に剣を振るうだろう。 だが、決して振る先を誤ってはならぬ。 決して民に向けて振るう等有ってはならぬ。……と。 僕はその言葉を守り続けるつもりです。 だから……カリーさん、貴方を斬る事はできません」
抜いた剣を鞘に納めたルーデウスは、カリーの肩にそっと手を置いた。
「この戦争は明日、終わります。 必ず終わらせます。 そうしたら、カリーさんはまた図書館に戻って下さい。 また、僕が読みたい本を一緒に探して下さい」
ルーデウスの優しさにカリーの心が震える。 大粒の涙を床に落とし、言葉を絞り出した。
「殿下……。 私ごときに……ありがとうございます。 その時がくる事を、私は……心からお待ちしております」
「はい、必ず」
カリーは立ち上がり、ルーデウスに敬礼した後に守備の任務に戻っていった。
(ふぅ……良かった。 もし、殿下があの者を斬り捨てていれば民達の混乱は抑えられない物となっていただろう。 いや……そもそもお優しい殿下がその様な事をする筈も無いか)
ジャックは安堵で胸を撫で下ろし、ルーデウスが補佐する王では無く、本当にこの王国を統治する王として君臨すれば善王となるだろうと確信した。 それと同時に、そうなる時はマリが死んでいるという事に酷く胸を痛める。
「……殿下、急ぎ広場に参りましょう!」
「そうですねジャック。 皆さん、後一晩の辛抱です! 」
民達を元気付けながらルーデウスとジャックは広場へと向かう。
道中には、多くの民達がテントを広げ避難している。
王城を出て進んでいると、体格の良い年配の男達がルーデウスとジャックの元に駆けてきた。
「殿下! 少し前に女王陛下が儂等を見捨てた訳じゃないって兵士が話して回ってたが、本当なんですかい?!」
どうやらジャックに諭されたカリーが話を触れ回っていた際に、たまたま聞いたようだ。
「事実です。 明日の朝、マリ女王陛下はゴルメディア帝国へと人質として向かいます」
ジャックの言葉に老人達は突然、道や壁を殴り始める。
「ちょっ?! どうされたんですか?! 怪我しますよ?!」
「ぬぉぉぉ! 恥ずかしいんでさぁ! 儂等は、最初に聞いた噂を鵜呑みにしちまった! やっぱり前女王と同じ悪人だと宣った! こうしちゃいられねぇ! お前ら! 武器を持て、鎧を着けろ! 広場で戦っとる若造共を助けるぞ! 傍観は終いじゃ!」
「「「「おぉぉうっ!」」」」
何がなんだか分からないルーデウスは必死に止める。
「待ってください! 一般市民である皆さんが血を流す必要はありません! 必ずお守りしますので、どうかこの場でお待ち下さい」
「ぬはははは! 安心して下せぇ殿下。 儂等は元近衛兵でさぁ! とっくの昔に引退した身ですが、まだまだ若造共には負けねぇですぜ? 」
「えぇぇぇ?!」
そう言って捲った腕の筋肉は老人とは思えない程の太さであった。
「……あ! もしや貴殿方は、前女王陛下が就任した際に解体された重近衛団では!? 確か、祖父から聞いた事があります。 エントン王国で最強無敗だったと」
ふと思い出したジャックは聞くと、年配の男達は獰猛に笑う。
「へっ! 覚えてくれてる奴がいるたぁ嬉しいですね近衛長!」
「ぬはは!ルーデウス殿下! 此処からは儂等、重近衛団50名が王国を守る礎となりますぞ! ウォンバットの坊主によろしく伝えてくれぃ!」
テントから瞬く間に重鎧に着替えた50名の老人達が恐ろしい速度で広場へと走り去る。
「……え?」
呆然とするルーデウスをジャックが急かす。
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「え? あ! はい!」
ジャックに背中を押されたルーデウスは気を取り直し広場へと向かった。
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