58 / 231
第56話 ドワーフ達からの殺意が凄い
しおりを挟む
アマンダにメリーの計画を話した時、ドワーフ達が死のうとしている事を知らされたアマンダは直ぐ様承諾した。 善は急げという事も有り、3人は行動に移る。
メリーの先導にて深夜の闇に溶け込み、見張りの兵士達に見つかる事なくドワーフ工房の前までやって来た。 アマンダの鎧がガチャガチャと音を立てるが不思議な事に見張りの兵士達には聞こえなかったようだ。
「陛下、アマンダはここでお待ちを。 中の様子を見てまいります」
メリーがドワーフ工房の中にスルリと入り、偵察へと向かった。
「ふー……あはは、何か緊張してきた」
「は、はい……私も心臓ドキドキです」
残された2人は苦笑いで心境を吐露する。
アマンダが了承したとは云え、メリーの考えた計画は非常に外道だ。
ドワーフ達のリーダーであるルーフというドワーフとアマンダは義姉妹の契を交わす程に仲が良く、アマンダの左遷にも酷く怒っていたらしい。 メリーはその関係を利用し、アマンダを人質にするのだ。
「陛下、どうぞ。 見張りの兵士は眠らせております」
メリーに呼ばれ、恐る恐る中へと入る。
「アマンダ! 良かった、無事だったんだね。 見張りがいきなり近衛師団の知らない兵士に変わったから心配してたんだよ」
マリの後ろに居るアマンダへと、少女が駆け寄る。
その少女は褐色肌に黒髪の美少女だが、ドワーフ族である為に容姿と年齢が離れている事をマリは知っている。
「ル、ルーフさん! 私も会えて嬉しいです! 他の皆さんもお元気そうで何よりです!」
アマンダの嬉しそうな声にマリの頬も緩むが、ルーフが睨んで来ている事に気付き直ぐに憂鬱な気持ちへとなった。
(あ~……もうメリーさんから聞いてるなこりゃ)
「あんたが……マリ女王陛下だね。 アテス兄様め、暫く見ない間に耄碌したのかね……こんな外道を許すなんて」
凄まじい殺意がルーフから溢れているのを、マリはひしひしと感じる。
「ルーフ殿、陛下への狼藉は許しませんよ?」
メリーが直ぐ様2人の間に入るが、他のドワーフ達もマリに対して敵意を放っていた。
「あ、あの! 皆さんは……私の状況を既に知っているのですね」
アマンダの演技が始まる。
ここからはメリーの書いた台本通りの芝居が始まるのだ。
ストーリーはこうだ。
ドワーフ工房の見張りを左遷された悲劇のヒロインアマンダは、悪名高き殺戮の女王マリの見張りを任命された。 しかし、アマンダは女王マリの無茶振りに応えれず失態続き。
そんな最悪な状況の中、女王マリはアマンダが優秀な技師であり帝国に来た真の目的のドワーフ達と友好な関係で有る事を知る。
そして、悪名高き殺戮の女王マリはアマンダへと命じた。
もし、ドワーフ達を説得しエントン王国へと連れ帰れるなら命は取らないと。
しかし……説得に失敗すればエントン王国へと連れ帰り、死ぬまでドワーフ達が作っていた兵器を作らせ地獄の苦しみを味わうだろう。
アマンダは涙を流しながらドワーフ達を説得する。
皆さんをエントン王国で利用した後は、必ず亜人達の領域へと返す事を女王マリは約束してくれたと。
何よりも、ドワーフの皆さんに……義姉のルーフに死んで欲しくないと。
本当にアマンダが心からドワーフ達に生きて欲しいと願っている事を知ったルーフは、他のドワーフ達を見た後に決断した。
「アマンダ……ありがとう。 分かったよ……僕達はエントン王国へ行くよ! 僕達がやった罪の償いはアテス兄さんに決めてもらおう! だから、義妹のアマンダを絶対に死なせない! 地獄の苦しみ何か味あわせてたまるか! なぁ、皆!」
アマンダを優しく抱きしめたルーフのかけ声に、他のドワーフ達は喝采を上げる。
「上手くいきましたね、陛下」
「あはは……相変わらずルーフさん達の殺気が凄いけどね」
メリーは満面の笑みだが、マリは終始苦笑いだ。
ちなみに、マリの仕事は喋らずに偉そうに立つだけの簡単な役目だった。
当初は色々な台詞が用意されたが、大根役者過ぎてメリーから落第の印を押されたのだ。
(楽なのに……楽なのに、何故か涙がでる!)
棒立ちで見守るマリの心中は大号泣であった。
メリーの先導にて深夜の闇に溶け込み、見張りの兵士達に見つかる事なくドワーフ工房の前までやって来た。 アマンダの鎧がガチャガチャと音を立てるが不思議な事に見張りの兵士達には聞こえなかったようだ。
「陛下、アマンダはここでお待ちを。 中の様子を見てまいります」
メリーがドワーフ工房の中にスルリと入り、偵察へと向かった。
「ふー……あはは、何か緊張してきた」
「は、はい……私も心臓ドキドキです」
残された2人は苦笑いで心境を吐露する。
アマンダが了承したとは云え、メリーの考えた計画は非常に外道だ。
ドワーフ達のリーダーであるルーフというドワーフとアマンダは義姉妹の契を交わす程に仲が良く、アマンダの左遷にも酷く怒っていたらしい。 メリーはその関係を利用し、アマンダを人質にするのだ。
「陛下、どうぞ。 見張りの兵士は眠らせております」
メリーに呼ばれ、恐る恐る中へと入る。
「アマンダ! 良かった、無事だったんだね。 見張りがいきなり近衛師団の知らない兵士に変わったから心配してたんだよ」
マリの後ろに居るアマンダへと、少女が駆け寄る。
その少女は褐色肌に黒髪の美少女だが、ドワーフ族である為に容姿と年齢が離れている事をマリは知っている。
「ル、ルーフさん! 私も会えて嬉しいです! 他の皆さんもお元気そうで何よりです!」
アマンダの嬉しそうな声にマリの頬も緩むが、ルーフが睨んで来ている事に気付き直ぐに憂鬱な気持ちへとなった。
(あ~……もうメリーさんから聞いてるなこりゃ)
「あんたが……マリ女王陛下だね。 アテス兄様め、暫く見ない間に耄碌したのかね……こんな外道を許すなんて」
凄まじい殺意がルーフから溢れているのを、マリはひしひしと感じる。
「ルーフ殿、陛下への狼藉は許しませんよ?」
メリーが直ぐ様2人の間に入るが、他のドワーフ達もマリに対して敵意を放っていた。
「あ、あの! 皆さんは……私の状況を既に知っているのですね」
アマンダの演技が始まる。
ここからはメリーの書いた台本通りの芝居が始まるのだ。
ストーリーはこうだ。
ドワーフ工房の見張りを左遷された悲劇のヒロインアマンダは、悪名高き殺戮の女王マリの見張りを任命された。 しかし、アマンダは女王マリの無茶振りに応えれず失態続き。
そんな最悪な状況の中、女王マリはアマンダが優秀な技師であり帝国に来た真の目的のドワーフ達と友好な関係で有る事を知る。
そして、悪名高き殺戮の女王マリはアマンダへと命じた。
もし、ドワーフ達を説得しエントン王国へと連れ帰れるなら命は取らないと。
しかし……説得に失敗すればエントン王国へと連れ帰り、死ぬまでドワーフ達が作っていた兵器を作らせ地獄の苦しみを味わうだろう。
アマンダは涙を流しながらドワーフ達を説得する。
皆さんをエントン王国で利用した後は、必ず亜人達の領域へと返す事を女王マリは約束してくれたと。
何よりも、ドワーフの皆さんに……義姉のルーフに死んで欲しくないと。
本当にアマンダが心からドワーフ達に生きて欲しいと願っている事を知ったルーフは、他のドワーフ達を見た後に決断した。
「アマンダ……ありがとう。 分かったよ……僕達はエントン王国へ行くよ! 僕達がやった罪の償いはアテス兄さんに決めてもらおう! だから、義妹のアマンダを絶対に死なせない! 地獄の苦しみ何か味あわせてたまるか! なぁ、皆!」
アマンダを優しく抱きしめたルーフのかけ声に、他のドワーフ達は喝采を上げる。
「上手くいきましたね、陛下」
「あはは……相変わらずルーフさん達の殺気が凄いけどね」
メリーは満面の笑みだが、マリは終始苦笑いだ。
ちなみに、マリの仕事は喋らずに偉そうに立つだけの簡単な役目だった。
当初は色々な台詞が用意されたが、大根役者過ぎてメリーから落第の印を押されたのだ。
(楽なのに……楽なのに、何故か涙がでる!)
棒立ちで見守るマリの心中は大号泣であった。
17
あなたにおすすめの小説
虐げられていた次期公爵の四歳児の契約母になります!~幼子を幸せにしたいのに、未来の旦那様である王太子が私を溺愛してきます~
八重
恋愛
伯爵令嬢フローラは、公爵令息ディーターの婚約者。
しかし、そんな日々の裏で心を痛めていることが一つあった。
それはディーターの異母弟、四歳のルイトが兄に虐げられていること。
幼い彼を救いたいと思った彼女は、「ある計画」の準備を進めることにする。
それは、ルイトを救い出すための唯一の方法──。
そんな時、フローラはディーターから突然婚約破棄される。
婚約破棄宣言を受けた彼女は「今しかない」と計画を実行した。
彼女の計画、それは自らが代理母となること。
だが、この代理母には国との間で結ばれた「ある契約」が存在して……。
こうして始まったフローラの代理母としての生活。
しかし、ルイトの無邪気な笑顔と可愛さが、フローラの苦労を温かい喜びに変えていく。
さらに、見目麗しいながら策士として有名な第一王子ヴィルが、フローラに興味を持ち始めて……。
ほのぼの心温まる、子育て溺愛ストーリーです。
※ヒロインが序盤くじけがちな部分ありますが、それをバネに強くなります
※「小説家になろう」が先行公開です(第二章開始しました)
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
枯れ専令嬢、喜び勇んで老紳士に後妻として嫁いだら、待っていたのは二十歳の青年でした。なんでだ~⁉
狭山ひびき
恋愛
ある日、イアナ・アントネッラは父親に言われた。
「来月、フェルナンド・ステファーニ公爵に嫁いでもらう」と。
フェルナンド・ステファーニ公爵は御年六十二歳。息子が一人いるが三十年ほど前に妻を亡くしてからは独り身だ。
対してイアナは二十歳。さすがに年齢が離れすぎているが、父はもっともらしい顔で続けた。
「ジョルジアナが慰謝料を請求された。ステファーニ公爵に嫁げば支度金としてまとまった金が入る。これは当主である私の決定だ」
聞けば、妹のジョルジアナは既婚者と不倫して相手の妻から巨額の慰謝料を請求されたらしい。
「お前のような年頃の娘らしくない人間にはちょうどいい縁談だろう。向こうはどうやらステファーニ公爵の介護要員が欲しいようだからな。お前にはぴったりだ」
そう言って父はステファーニ公爵の肖像画を差し出した。この縁談は公爵自身ではなく息子が持ちかけてきたものらしい。
イオナはその肖像画を見た瞬間、ぴしゃーんと雷に打たれたような衝撃を受けた。
ロマンスグレーの老紳士。なんて素敵なのかしら‼
そう、前世で六十歳まで生きたイオナにとって、若い男は眼中にない。イオナは枯れ専なのだ!
イオナは傷つくと思っていた両親たちの思惑とは裏腹に、喜び勇んでステファーニ公爵家に向かった。
しかし……。
「え? ロマンスグレーの紳士はどこ⁉」
そこでイオナを待ち受けていたのは、どこからどう見ても二十歳くらいにしか見えない年若い紳士だったのだ。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる