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第76話 キャミ会議室で震える
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「これから、会議室に向かいます。 其処で、2人の処分が決められるでしょう」
ルーデウスの言葉に2人の王女は震える。
キャミは自分の首を不安そうにペタペタと触っていた。
「安心して下さい。 実は大臣からの提案で、事前に害を及ぼさないと処分は決まっています。 ですが、それに納得しない者が一度話がしたいと言っているのです」
ドーラがキャミの手を握りながら答える。
「ルーデウス様、もしお許しを頂けるのでしたら私1人で行きます」
キャミは毅然としたドーラの手がまだ震えるているのに気が付いた。
(ドーラも怖いんだ……。 ダメ、絶対に1人で行かせれないのじゃ!)
「ルーデウス様! 妾もドーラと共に行きますのじゃ! 1人で行くのはダメなのじゃ!」
「キャミ……貴女」
2人の友情を前に、ルーデウスは微笑む。
「大丈夫ですよ。 私が守りますし、他にも事情を理解してくれている者達も大勢います」
ルーデウスは2人を安心させ、会議室に向かった。
◆◇◆
キャミ達がルーデウスに先導される途中、メイドや執事が2人を同情や心配の目で見ていた。
「ねぇ、キャミ。 見たかしら」
「見たのじゃ。 普通は、攻めてきた敵国の王女等に優しくする筈は無いのじゃ」
2人がコソコソ話しているのをルーデウスは聞こえないふりを続け、遂に目的地に到着した。
「着きました。 では、入りましょう」
ルーデウスに続き、2人は会議室に入室する。
中には机と椅子が左右に分けて置かれ、その席に多くの女貴族達や隊長クラスの将兵達が着いていた。
ルーデウスに気付き、一斉に起立し敬礼を示す光景は圧巻だ。
ルーデウスの後ろを続く途中、2人に対しての怒りを初めてキャミは感じた。
向かって右側に座る者達からの視線は敵意や怒りに満ちていた。
左側に座る者達からは敵意や怒りは感じないが、それは好意でも無い事をキャミは感じ取る。
ルーデウスが奥の席に座り、2人を左右の椅子に座らせた。 そして、起立していた者達もルーデウスが座るのを確認してから座った。
「すみません、お待たせしました。 では、これより元敵国の王女2人に対する議論を行います。 先ずは……今回の議論を陳情した代表の方から聞きましょう」
キャミとドーラは、ルーデウスの放った元敵国という言葉に気付く余裕は無い。
2人が緊張や恐怖から震えていると、右側の席に居る1人の女貴族が立ち上がる。
「カン フォル メル子爵です。 とりあえず、先に確認なんですけど。 そちらの新参大臣さん、今回の戦争での報酬ってどないなりますやろか」
立ち上がった女貴族はメル子爵だ。 商業地区を治める凄腕商人であり、エントン王国の経済を裏で支えている重要な役割を担っている。
容姿は紫の髪に、耳やら鼻にピアスを沢山付けており一度会ったら忘れられないだろう。
(派手なのじゃ! それに、カン家と云えばキャット王国との貿易でもよく聞く家名なのじゃ)
メル子爵に聞かれた大臣が左側の席から立ち上がり答える。
「ガルーダ フォル ルカ です。 マリ陛下より大臣の任を拝命しました。 よって、私の意見は陛下の意見として捉えて頂きたい。 先ずは報酬の件だが、参戦した女貴族達は全員奨爵される。 与えられ領地等の取り決めは、今後ルーデウス殿下との相談の上に決めていきます」
華奢で美青年が立ち上がり、キャミ達は少し頬を赤らめた。 赤髪がまるで美女を飾り付けるようにキラキラと光っているのが印象的だった。
(ふぉー、ルーデウス様と同じぐらいイケメンなのじゃ!)
年頃の少女はイケメンに目がなかった。
「さいですか。 ほな、話は早いですな。 私は領地はいりません。 代わりにそちらの王女さん達の国の略奪を許可してほしいだけです」
「メル子爵、すみませんがそれは許可できかねます。 何故、略奪が必要なのでしょう? 兵士達には大勢の犠牲が出ました。 ですが、商売や貿易を行う民達には1人も被害は無いはずですよ?」
2人のやり取りをキャミ達は震えながら見ている。
もし、ルカという大臣が押し負けたら自分達の国が蹂躙されるからだ。
「決まっとるやろがい! 今回の一方的な侵略戦争のせいで商業地区はボロボロ、貯めてた資産も傭兵共に報酬として全部渡してすっからかん! これで何も実入りが無かったら商売上がったりやねん!」
鬼の様な形相で怒るメルの視線は2人の王女に向かう。 メル子爵の後ろに居た女貴族達も同意を表すように頷いていた。 他にも傭兵や将兵も思う事があるのかメル子爵の隣でルカを睨みつけている。
「「ひ……」」
怯える2人を遮る様にルーデウスが席から立ち上がり、メルに対峙する。
「メル子爵、傭兵を雇用する為に掛かった費用は全て王家が補填します。 それと、王都の復興が終わり次第商業地区の復興をする事をお約束します。 どうか、矛を納めては頂けないでしょうか」
ルーデウスが頭を下げ、許しを請うがメル子爵はまだ怒りが収まらない。
「あかん! ルーデウス殿下はん、幾ら言われても無理やねん! 物資も殆ど残ってない、隣国はそもそも敵国になってしもてる。 商業地区を復興しても商売のしようがありませんねん。 でも、略奪をして物資を確保すれば他の隣国と貿易が再開できエントン王国の経済を回復させれる可能性があるんです!」
エントン王国を復興させる為に、メル子爵も矛を納める事は出来なかった。
しかし、略奪を許せばキャット王国もドック王国も廃れ民達が苦しみ新たな戦争の種火になるかもしれない。
「あ、それはご安心を。 私が故郷の辺境伯領は無傷です。 母であるルニア辺境伯に頼み、既に充分な物資や貿易に利用できる調度品等も運ばせております。 よって、メル子爵の懸念は全て解決致しましたね。 さて、他に何かございますか?」
マリが選んだ神童ルカはルーデウスとメルに口出しをし、さらりと対策済だと答えた。
ルーデウスの言葉に2人の王女は震える。
キャミは自分の首を不安そうにペタペタと触っていた。
「安心して下さい。 実は大臣からの提案で、事前に害を及ぼさないと処分は決まっています。 ですが、それに納得しない者が一度話がしたいと言っているのです」
ドーラがキャミの手を握りながら答える。
「ルーデウス様、もしお許しを頂けるのでしたら私1人で行きます」
キャミは毅然としたドーラの手がまだ震えるているのに気が付いた。
(ドーラも怖いんだ……。 ダメ、絶対に1人で行かせれないのじゃ!)
「ルーデウス様! 妾もドーラと共に行きますのじゃ! 1人で行くのはダメなのじゃ!」
「キャミ……貴女」
2人の友情を前に、ルーデウスは微笑む。
「大丈夫ですよ。 私が守りますし、他にも事情を理解してくれている者達も大勢います」
ルーデウスは2人を安心させ、会議室に向かった。
◆◇◆
キャミ達がルーデウスに先導される途中、メイドや執事が2人を同情や心配の目で見ていた。
「ねぇ、キャミ。 見たかしら」
「見たのじゃ。 普通は、攻めてきた敵国の王女等に優しくする筈は無いのじゃ」
2人がコソコソ話しているのをルーデウスは聞こえないふりを続け、遂に目的地に到着した。
「着きました。 では、入りましょう」
ルーデウスに続き、2人は会議室に入室する。
中には机と椅子が左右に分けて置かれ、その席に多くの女貴族達や隊長クラスの将兵達が着いていた。
ルーデウスに気付き、一斉に起立し敬礼を示す光景は圧巻だ。
ルーデウスの後ろを続く途中、2人に対しての怒りを初めてキャミは感じた。
向かって右側に座る者達からの視線は敵意や怒りに満ちていた。
左側に座る者達からは敵意や怒りは感じないが、それは好意でも無い事をキャミは感じ取る。
ルーデウスが奥の席に座り、2人を左右の椅子に座らせた。 そして、起立していた者達もルーデウスが座るのを確認してから座った。
「すみません、お待たせしました。 では、これより元敵国の王女2人に対する議論を行います。 先ずは……今回の議論を陳情した代表の方から聞きましょう」
キャミとドーラは、ルーデウスの放った元敵国という言葉に気付く余裕は無い。
2人が緊張や恐怖から震えていると、右側の席に居る1人の女貴族が立ち上がる。
「カン フォル メル子爵です。 とりあえず、先に確認なんですけど。 そちらの新参大臣さん、今回の戦争での報酬ってどないなりますやろか」
立ち上がった女貴族はメル子爵だ。 商業地区を治める凄腕商人であり、エントン王国の経済を裏で支えている重要な役割を担っている。
容姿は紫の髪に、耳やら鼻にピアスを沢山付けており一度会ったら忘れられないだろう。
(派手なのじゃ! それに、カン家と云えばキャット王国との貿易でもよく聞く家名なのじゃ)
メル子爵に聞かれた大臣が左側の席から立ち上がり答える。
「ガルーダ フォル ルカ です。 マリ陛下より大臣の任を拝命しました。 よって、私の意見は陛下の意見として捉えて頂きたい。 先ずは報酬の件だが、参戦した女貴族達は全員奨爵される。 与えられ領地等の取り決めは、今後ルーデウス殿下との相談の上に決めていきます」
華奢で美青年が立ち上がり、キャミ達は少し頬を赤らめた。 赤髪がまるで美女を飾り付けるようにキラキラと光っているのが印象的だった。
(ふぉー、ルーデウス様と同じぐらいイケメンなのじゃ!)
年頃の少女はイケメンに目がなかった。
「さいですか。 ほな、話は早いですな。 私は領地はいりません。 代わりにそちらの王女さん達の国の略奪を許可してほしいだけです」
「メル子爵、すみませんがそれは許可できかねます。 何故、略奪が必要なのでしょう? 兵士達には大勢の犠牲が出ました。 ですが、商売や貿易を行う民達には1人も被害は無いはずですよ?」
2人のやり取りをキャミ達は震えながら見ている。
もし、ルカという大臣が押し負けたら自分達の国が蹂躙されるからだ。
「決まっとるやろがい! 今回の一方的な侵略戦争のせいで商業地区はボロボロ、貯めてた資産も傭兵共に報酬として全部渡してすっからかん! これで何も実入りが無かったら商売上がったりやねん!」
鬼の様な形相で怒るメルの視線は2人の王女に向かう。 メル子爵の後ろに居た女貴族達も同意を表すように頷いていた。 他にも傭兵や将兵も思う事があるのかメル子爵の隣でルカを睨みつけている。
「「ひ……」」
怯える2人を遮る様にルーデウスが席から立ち上がり、メルに対峙する。
「メル子爵、傭兵を雇用する為に掛かった費用は全て王家が補填します。 それと、王都の復興が終わり次第商業地区の復興をする事をお約束します。 どうか、矛を納めては頂けないでしょうか」
ルーデウスが頭を下げ、許しを請うがメル子爵はまだ怒りが収まらない。
「あかん! ルーデウス殿下はん、幾ら言われても無理やねん! 物資も殆ど残ってない、隣国はそもそも敵国になってしもてる。 商業地区を復興しても商売のしようがありませんねん。 でも、略奪をして物資を確保すれば他の隣国と貿易が再開できエントン王国の経済を回復させれる可能性があるんです!」
エントン王国を復興させる為に、メル子爵も矛を納める事は出来なかった。
しかし、略奪を許せばキャット王国もドック王国も廃れ民達が苦しみ新たな戦争の種火になるかもしれない。
「あ、それはご安心を。 私が故郷の辺境伯領は無傷です。 母であるルニア辺境伯に頼み、既に充分な物資や貿易に利用できる調度品等も運ばせております。 よって、メル子爵の懸念は全て解決致しましたね。 さて、他に何かございますか?」
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