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第139話 報告
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「失礼します! 陛下、隊長! メイド暗部部隊、全員無事に帰還しました! って……隊長? どうされたのですか?」
アーサーが去った後、直ぐにファーストが訪ねてきた。
だが、現在メリーは顔を真っ赤にし目を回しながら花束を抱きしめている。
「ファースト! 無事に帰ってきてくれたのね! あ、あ~……メリーさんは、今はちょっとだけそっとしといて上げてくれる?」
「は、はい。 あ! その花受け取られたのですね。 アーサー子爵は隊長の事で、とても心を砕かれていましたよ」
「……きゅ~」 バターンッ!
ファーストの言葉を止めに、メリーは完全に倒れた。
「メリーさーん?! ジャック、メリーさんを部屋まで運んだげて!」
マリに言われたが、ジャックは手を前に出して拒否する。
「いえ、マリ様以外の女性に触れるのはちょっと……」
「いや、育ての親なんやないんかーい! 早く運ぶ! 私はそんなの気にしないから!」
マリの盛大なツッコミを聞きながらヨハネは大笑いし、横腹の傷口が開いたのか血が滲む。
「はっはっはっはっ! メリーのこんな所を見れるなんて、長生きするものだね。 いたた……」
「いや、ヨハネは医務室に行こうね?! ファースト、お願い出来る?」
「わ、分かりました! ですが、報告が……」
「終わったら聞く! 先ずはメリーさんとヨハネを移動させるよ!」
観念したジャックがメリーを運び、ファーストがヨハネを移動させるのであった。
◆◇◆
「帰ってきて早々にごめんね。 報告を聞くよ」
「はっ! では報告致します。 大砦での防衛戦は此方の損害皆無のまま成功。 撤退前に、ルミニス率いる精霊人形達の襲撃がありましたが私達でルミニスを足止めに成功。 精霊人形達はルニア侯爵殿と新重近衛団の皆様が撃破。最後にルミニスが拘束を脱し奇襲を仕掛けて来ましたが、ルニア侯爵殿が羽虫を払う様に吹き飛ばしてから姿を現しませんでした」
怒涛の報告にマリは情報を整理する。
「損害皆無……良かったぁ。 敵には被害甚大って事なんだろうけど、そんなのは知ったこっちゃないからね。 しかし、ルニアさん本当にチートだね。 強すぎでしょ……。 因みに、この報告は後で羊皮紙に纏めて出してくれるかな?」
「無論です。 此処に既にございますので、目を通されますか?」
「流石だね、ありがとう。じゃあ、撤退から国境までは問題無く?」
最初の報告に再度目を通しながら、マリは報告の続きを聞く。
「いえ、敵の騎士が後方より接近しましたがルニア侯爵殿が更に後方に回り込み殲滅しました」
ルニアの快進撃にマリは苦笑いを浮かべる。
「あはは……ルニアさん居たら勝てるやん」
「私も同意見です。 国境に到着後、敵の歩兵大隊が向かって来ているのをフィフスが発見。 報告を受けたルニア侯爵殿が喜び勇んで新重近衛団の皆様と突撃した結果、歩兵達は泣き叫びながら撤退。 敵の指揮官をルニア侯爵殿が討ち取った為、ゴルメディア帝国との戦争はほぼ完全に終了しました」
「……本当に勝ってる。 あはは……私達はあんなに大変だったのにね。 もし次にゴルメディア帝国に行くことがあったら絶対ルニアさん連れて行こうね」
マリの冗談にファーストも頬を弛めた。
「本当に全くの同意見です」
「じゃあ、今は皆国境に着いたんだね?」
「はい。 アーサー子爵殿は此処の領主である兼ね合いで先に戻られておりましたが、他の皆様は国境で守備にまわっております」
「ふ~……ありがとうファースト。 ゴルメディア帝国での事、メイド暗部部隊の皆に助けられた。 王都に戻ったら何かあげたいんだけど……何が良い?」
報告の羊皮紙をひと通り目を通したマリは羊皮紙を纏めながらファーストに問う。
「それでしたら……これは私だけの意見ですが、メイド暗部部隊を公式のメイド部隊として陛下の下で働きたいです」
「それはつまり……暗殺や誘拐、偵察や破壊の任務が嫌ってこと?」
「いえ、違います。 今までは、我等がどんな手柄を立てようとも誰にも知られませんでした。 ですが、陛下の恋人を守る為に散ったサードが誰にも知られずにいるのが耐えられないのです!」
ファーストの気迫に押され、マリは決心する。
「うん、それは私もそう! 分かった、必ず認めさせる。 メイド暗部部隊はこれからは、私専属の最強無敵美人メイド部隊として改名します!」
「それは嫌です!!」
「えぇ……」
まさかのセンスゼロなマリのネーミングセンスに、流石にファーストは即答で断った。
しかし、エントン王国の闇と言われたかメイド暗部部隊を即決で正式な部隊にすると決めたマリへの信頼は更に上がった。
ネーミングセンスは壊滅的だが。
「何でぇ……格好良いじゃん」
アーサーが去った後、直ぐにファーストが訪ねてきた。
だが、現在メリーは顔を真っ赤にし目を回しながら花束を抱きしめている。
「ファースト! 無事に帰ってきてくれたのね! あ、あ~……メリーさんは、今はちょっとだけそっとしといて上げてくれる?」
「は、はい。 あ! その花受け取られたのですね。 アーサー子爵は隊長の事で、とても心を砕かれていましたよ」
「……きゅ~」 バターンッ!
ファーストの言葉を止めに、メリーは完全に倒れた。
「メリーさーん?! ジャック、メリーさんを部屋まで運んだげて!」
マリに言われたが、ジャックは手を前に出して拒否する。
「いえ、マリ様以外の女性に触れるのはちょっと……」
「いや、育ての親なんやないんかーい! 早く運ぶ! 私はそんなの気にしないから!」
マリの盛大なツッコミを聞きながらヨハネは大笑いし、横腹の傷口が開いたのか血が滲む。
「はっはっはっはっ! メリーのこんな所を見れるなんて、長生きするものだね。 いたた……」
「いや、ヨハネは医務室に行こうね?! ファースト、お願い出来る?」
「わ、分かりました! ですが、報告が……」
「終わったら聞く! 先ずはメリーさんとヨハネを移動させるよ!」
観念したジャックがメリーを運び、ファーストがヨハネを移動させるのであった。
◆◇◆
「帰ってきて早々にごめんね。 報告を聞くよ」
「はっ! では報告致します。 大砦での防衛戦は此方の損害皆無のまま成功。 撤退前に、ルミニス率いる精霊人形達の襲撃がありましたが私達でルミニスを足止めに成功。 精霊人形達はルニア侯爵殿と新重近衛団の皆様が撃破。最後にルミニスが拘束を脱し奇襲を仕掛けて来ましたが、ルニア侯爵殿が羽虫を払う様に吹き飛ばしてから姿を現しませんでした」
怒涛の報告にマリは情報を整理する。
「損害皆無……良かったぁ。 敵には被害甚大って事なんだろうけど、そんなのは知ったこっちゃないからね。 しかし、ルニアさん本当にチートだね。 強すぎでしょ……。 因みに、この報告は後で羊皮紙に纏めて出してくれるかな?」
「無論です。 此処に既にございますので、目を通されますか?」
「流石だね、ありがとう。じゃあ、撤退から国境までは問題無く?」
最初の報告に再度目を通しながら、マリは報告の続きを聞く。
「いえ、敵の騎士が後方より接近しましたがルニア侯爵殿が更に後方に回り込み殲滅しました」
ルニアの快進撃にマリは苦笑いを浮かべる。
「あはは……ルニアさん居たら勝てるやん」
「私も同意見です。 国境に到着後、敵の歩兵大隊が向かって来ているのをフィフスが発見。 報告を受けたルニア侯爵殿が喜び勇んで新重近衛団の皆様と突撃した結果、歩兵達は泣き叫びながら撤退。 敵の指揮官をルニア侯爵殿が討ち取った為、ゴルメディア帝国との戦争はほぼ完全に終了しました」
「……本当に勝ってる。 あはは……私達はあんなに大変だったのにね。 もし次にゴルメディア帝国に行くことがあったら絶対ルニアさん連れて行こうね」
マリの冗談にファーストも頬を弛めた。
「本当に全くの同意見です」
「じゃあ、今は皆国境に着いたんだね?」
「はい。 アーサー子爵殿は此処の領主である兼ね合いで先に戻られておりましたが、他の皆様は国境で守備にまわっております」
「ふ~……ありがとうファースト。 ゴルメディア帝国での事、メイド暗部部隊の皆に助けられた。 王都に戻ったら何かあげたいんだけど……何が良い?」
報告の羊皮紙をひと通り目を通したマリは羊皮紙を纏めながらファーストに問う。
「それでしたら……これは私だけの意見ですが、メイド暗部部隊を公式のメイド部隊として陛下の下で働きたいです」
「それはつまり……暗殺や誘拐、偵察や破壊の任務が嫌ってこと?」
「いえ、違います。 今までは、我等がどんな手柄を立てようとも誰にも知られませんでした。 ですが、陛下の恋人を守る為に散ったサードが誰にも知られずにいるのが耐えられないのです!」
ファーストの気迫に押され、マリは決心する。
「うん、それは私もそう! 分かった、必ず認めさせる。 メイド暗部部隊はこれからは、私専属の最強無敵美人メイド部隊として改名します!」
「それは嫌です!!」
「えぇ……」
まさかのセンスゼロなマリのネーミングセンスに、流石にファーストは即答で断った。
しかし、エントン王国の闇と言われたかメイド暗部部隊を即決で正式な部隊にすると決めたマリへの信頼は更に上がった。
ネーミングセンスは壊滅的だが。
「何でぇ……格好良いじゃん」
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