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第148話 魔族式の葬式
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「サード、とりあえず……終わりましたよ」
メリー達はアーサー城の外で魔族式の葬式を執り行っていた。
今頃、城の中では祝勝会で盛り上がっているだろうが今だけはメイドとしてでは無く魔族として同胞を送りたくマリに許可を取ったのだ。
「貴女が最初、序列1位を嫌がった時は困ったものです。 私達の中で1番の年上だったのに……謙虚な所、好きでしたよ」
ファーストはサードが残した代えのメイド服を地面に植えた十字の木に通し、酒精の強い酒をかけた。
「私は……貴女と飲む紅茶の時間が大好きでした。 これからは……1人で飲まないといけなくなったじゃないですか。 ありがとう……サード」
セカンドも涙を流しながら酒をかける。
「今でもよ。 あの時、他に方法があったんじゃないかって後悔してる。 ったくよ、顔も分からないのに最後に笑ってたのだけしっかり覚えてんだよ……馬鹿野郎」
フォースは悪態をつけながら、涙で頬を濡らし酒をかける。
「サード大先輩。 昔、言ってたっすよね。 長い長い任務が終わったら国に帰って結婚するんだって。 ずっと待たせてる奴が居るんだって。 なんて、なんて伝えたらいいんっすか! なんで……なんでなんっすか」
フィフスは涙が止まらない。
メイド暗部部隊で1番サードと仲が良かった。
大先輩だと慕っていたサードを失った事はフィフスにとって大き過ぎる出来事だった。
「フィフス……皆で、皆でサードの想いを背負いましょう」
酒をかけた終えたフィフスをファースト達が優しく抱きしめる。
「私達支援要員の安全を1番に考え、いつも守って下さっていた事……片時も忘れません。 サード……ありがとうございました」
スィクスス達支援要員も順番に酒をかけた。
「皆……終わりましたね。 では、送りましょう」
全員が酒をかけ終わるのを待っていたメリーが角を生やし、それを見た他の者達も同じく角を生やした。
「「「「「「「「「「我等が同胞、我等の友よ。 汝の生き様を語り紡ぎ、永遠に我等の中で生き続ける事とならん。 汝の魂は最愛の者の所に帰り、肉体は我等魔族達の平穏の礎となる。 葬送の送り火」」」」」」」」」」
全員が魔族に伝わる言葉を言い終えると、サードのメイド服は赤く燃え上りその火は空へと高く上がっていった。
まるで、サードの魂が故郷に帰っていくかのように。
◆◇◆
「では、明日には王都へと帰還します。 暫くは休暇をあげれると思いますが、陛下曰く北の最果ての地に居る闇の精霊に会わないといけません。 その時に、私達の生まれ故郷へ行きます。 行きたい者、行きたくない者が居ると思いますので志願制で構いません。 良く考え相談しておいて下さい」
サードの葬送を終え、メリーは部下達に今後の予定を伝える。
「隊長、確認だけ良いっすか? 闇の精霊に会って、陛下はどうしたいんっすか?」
泣き止んだフィフスは目を赤くしたまま、メリーに真面目な顔で質問する。
「サードを殺した妖精……いえ、光の精霊と混じり非道な行いをしているルミニスを止める為です」
「……了解っす。 自分は必ず行くんで、絶対にメンバーに入れてて欲しいっす。 国で……大先輩の恋人にも会って伝えてあげたいっすから」
「わかりました。 フィフスは必ずメンバーに入れます。 他の皆は急ぐ必要はありません。 ゆっくり考えて下さい」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
部下達が去り、メリーは1人で消えた火を何時までも見つめていた。
「サード……いえ、ユアン叔母様。 今までずっと守って下さり、本当にありがとうございました。 私の我儘で国を出させ……ごめんなさい」
メリーは頬から大粒の涙を流し続ける。
気丈に振る舞い、部下達が迷わないように耐えてきた。
それでも今は1人だ。
今だけ、今だけは居なくなってしまった叔母を想い涙が頬を伝い続ける。
「うぅ……あぁぁぁぁぁ! あぁぁあ! ユアン叔母様ぁ……」
灰となり消え去った場所でメリーは泣き崩れた。
すると、誰かが背中に優しくマントをかける。
「ぁえ……? ア、アーサー子爵殿! す、すみません! お見苦しい所をお見せしてしまい!」
メリーの隣にアーサーが座った。
先程のマントはアーサーが身に付けていた物だろう。
「いえ、お邪魔かと思いましたが……すみません、泣いている貴女を見たら居ても立っても居られなくなってしまいました。 メリー殿さえ良ければ……側に居させて頂けないでしょうか」
「……勿論です。 ……ありがとうございます」
その日、夜遅くまでメリーはアーサーの胸を借りて泣き続けた。
遠くから、メイド暗部部隊の皆がそれを黙って聞いていたのはメリーには秘密だ。
◆◇◆
「はぇー……ルーたんの事聞きたかったんだけど、お邪魔になりそうだね」
マリがメリーにルーデウスの事を問い詰めようと、こっそり影から見ていたのも秘密だ。
メリー達はアーサー城の外で魔族式の葬式を執り行っていた。
今頃、城の中では祝勝会で盛り上がっているだろうが今だけはメイドとしてでは無く魔族として同胞を送りたくマリに許可を取ったのだ。
「貴女が最初、序列1位を嫌がった時は困ったものです。 私達の中で1番の年上だったのに……謙虚な所、好きでしたよ」
ファーストはサードが残した代えのメイド服を地面に植えた十字の木に通し、酒精の強い酒をかけた。
「私は……貴女と飲む紅茶の時間が大好きでした。 これからは……1人で飲まないといけなくなったじゃないですか。 ありがとう……サード」
セカンドも涙を流しながら酒をかける。
「今でもよ。 あの時、他に方法があったんじゃないかって後悔してる。 ったくよ、顔も分からないのに最後に笑ってたのだけしっかり覚えてんだよ……馬鹿野郎」
フォースは悪態をつけながら、涙で頬を濡らし酒をかける。
「サード大先輩。 昔、言ってたっすよね。 長い長い任務が終わったら国に帰って結婚するんだって。 ずっと待たせてる奴が居るんだって。 なんて、なんて伝えたらいいんっすか! なんで……なんでなんっすか」
フィフスは涙が止まらない。
メイド暗部部隊で1番サードと仲が良かった。
大先輩だと慕っていたサードを失った事はフィフスにとって大き過ぎる出来事だった。
「フィフス……皆で、皆でサードの想いを背負いましょう」
酒をかけた終えたフィフスをファースト達が優しく抱きしめる。
「私達支援要員の安全を1番に考え、いつも守って下さっていた事……片時も忘れません。 サード……ありがとうございました」
スィクスス達支援要員も順番に酒をかけた。
「皆……終わりましたね。 では、送りましょう」
全員が酒をかけ終わるのを待っていたメリーが角を生やし、それを見た他の者達も同じく角を生やした。
「「「「「「「「「「我等が同胞、我等の友よ。 汝の生き様を語り紡ぎ、永遠に我等の中で生き続ける事とならん。 汝の魂は最愛の者の所に帰り、肉体は我等魔族達の平穏の礎となる。 葬送の送り火」」」」」」」」」」
全員が魔族に伝わる言葉を言い終えると、サードのメイド服は赤く燃え上りその火は空へと高く上がっていった。
まるで、サードの魂が故郷に帰っていくかのように。
◆◇◆
「では、明日には王都へと帰還します。 暫くは休暇をあげれると思いますが、陛下曰く北の最果ての地に居る闇の精霊に会わないといけません。 その時に、私達の生まれ故郷へ行きます。 行きたい者、行きたくない者が居ると思いますので志願制で構いません。 良く考え相談しておいて下さい」
サードの葬送を終え、メリーは部下達に今後の予定を伝える。
「隊長、確認だけ良いっすか? 闇の精霊に会って、陛下はどうしたいんっすか?」
泣き止んだフィフスは目を赤くしたまま、メリーに真面目な顔で質問する。
「サードを殺した妖精……いえ、光の精霊と混じり非道な行いをしているルミニスを止める為です」
「……了解っす。 自分は必ず行くんで、絶対にメンバーに入れてて欲しいっす。 国で……大先輩の恋人にも会って伝えてあげたいっすから」
「わかりました。 フィフスは必ずメンバーに入れます。 他の皆は急ぐ必要はありません。 ゆっくり考えて下さい」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
部下達が去り、メリーは1人で消えた火を何時までも見つめていた。
「サード……いえ、ユアン叔母様。 今までずっと守って下さり、本当にありがとうございました。 私の我儘で国を出させ……ごめんなさい」
メリーは頬から大粒の涙を流し続ける。
気丈に振る舞い、部下達が迷わないように耐えてきた。
それでも今は1人だ。
今だけ、今だけは居なくなってしまった叔母を想い涙が頬を伝い続ける。
「うぅ……あぁぁぁぁぁ! あぁぁあ! ユアン叔母様ぁ……」
灰となり消え去った場所でメリーは泣き崩れた。
すると、誰かが背中に優しくマントをかける。
「ぁえ……? ア、アーサー子爵殿! す、すみません! お見苦しい所をお見せしてしまい!」
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先程のマントはアーサーが身に付けていた物だろう。
「いえ、お邪魔かと思いましたが……すみません、泣いている貴女を見たら居ても立っても居られなくなってしまいました。 メリー殿さえ良ければ……側に居させて頂けないでしょうか」
「……勿論です。 ……ありがとうございます」
その日、夜遅くまでメリーはアーサーの胸を借りて泣き続けた。
遠くから、メイド暗部部隊の皆がそれを黙って聞いていたのはメリーには秘密だ。
◆◇◆
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マリがメリーにルーデウスの事を問い詰めようと、こっそり影から見ていたのも秘密だ。
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