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第三話
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「あのー・・・さっきフラれたって言ってましたけど・・・デートだったんですか?」
何か話さないと、って考えた末に出た言葉がそれだった。
言ってから、「何でそんな事聞くの?」って自分に突っ込みを入れたくなるぐらい後悔してると笑いながらその男性が答えてくれた。
「いつもの事なんですよー。 時々仕事帰りにここで待ち合わせをするんだけど・・・フラれてばっかり。それより・・・君はよく一人で飲みに来るの?」
「そんな事ないんです・・・ここには一度来たきりだし、普段も飲みに出るなんてほとんど無いから・・・」
「そうなんだ。 じゃあ今日は特別? ボクは良い日に来たってわけだ。何か良いことでもあったの?」
「全然・・・どっちかって言うと逆かな。ちょっと気分転換みたいな感じです・・・よくいらっしゃるんですか? ここには」
「そうだなぁ、週1位かな・・・ね?マスター」
そう言いながらワイングラスを傾ける姿は、ちょっと大人って感じがした。
オシャレな会話と美味しい料理を食べながら、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
「じゃあ、明日早いんでこの辺で・・・あっ・・・お名前聞くの忘れてました。ボクは渡辺純也、すぐそこのS商事に勤めてます」
「あっ・・・私は、節子って言います。今日はありがとうございました!とっても楽しかったです・・・」
なんだかスゴク寂しい感じがした。
もちろん、彼女と待ち合わせしてたんだから好きになったりしちゃいけないんだけど
もっと色んな話をしたかった。
彼はどちらかといえば聞き上手なタイプで、自分の事はあまり話さなかったから尚更だったのかもしれない。
私はその後30分位お店に居たけど、ワインを3杯も飲んだせいか、少し頭が痛くなってきて店を後にした。
「ジュンヤさんかぁ・・・素敵な人だったなー。優しそうだし・・・」
湯船に浸かりながら一昨日の会話を思い出していた。
またあのお店に行ったら会えるのかなぁ?・・・でも、彼女と一緒に居たら・・・
そんなどうにもならない事ばかり考えてる自分が少し嫌にる。
私も恋がしたい・・・本気でそんな事を考えていた。
「占いに書いてあったラッキーカラーとか身に着けてみようかなぁ・・・」
翌日、近所の大型スーパーで紫色のグッズを探してみた。
「紫とか・・・全然無いし・・・」
そんな事をブツブツつぶやきながら何気なくCDショップを覗いてみる。
別に欲しいCDがあるわけじゃないけど、雰囲気が好きなので時々入るのだ。
この日の店内にはハードロックの曲が流れていた。
知らないバンドの新譜が出たらしく、キャンペーンをしているみたいだった。
おすすめコーナーをボーっとしながら歩いていると、Purpleの文字が目に入ってきた。
「Purple? 紫じゃん!」
そう思ってジャケットに手をやると、そこには{Deep Purple}と書いてあった。
なんか聞いたことあるような名前だ。しかも紫にディープまでついてる・・・
かなり気になって曲名をじっと見てたら、後ろで聞き覚えのある声がした。
「節子ちゃん、そんなの聴くんだぁ」
「えっ?・・・あっ! ジュンヤさん!」
もう心臓が飛び出すんじゃないかっていうぐらいビックリして、その場に立ち竦んでしまった。
「パープル好きなの? 節子ちゃん」
「はい・・・」
私なんで嘘ついてるんだろ? そう思いながら彼の反応を探っている・・・
「へー・・・年に似合わず渋いの聴くんだねー。ハードロックとか好きなの?今度さー・・・ライブやるんだよね。聴きに来ない? もちろん招待するから!チケット代とか要らないし・・・」
「バンドやってるんですか? 行きたいです!」
彼にライブの日時や場所を聞き、私は夢見心地で家に帰ってきた。
私を誘ってくれるなんて・・・
ひょっとしたら彼女とうまく行ってないのかも?
そうでなければ招待するなんて言わないよね?
そう思う心と、ミュージシャンだから誰にでもそんな事言うんじゃない?という考えが
交互に現れ、食事も取れないほどだった。
それでもライブ当日までにロックの事を少しでも知っておきたくて、CDを何枚も買い
youtubeやネットを観ては毎日予習を欠かさなかった。
何か話さないと、って考えた末に出た言葉がそれだった。
言ってから、「何でそんな事聞くの?」って自分に突っ込みを入れたくなるぐらい後悔してると笑いながらその男性が答えてくれた。
「いつもの事なんですよー。 時々仕事帰りにここで待ち合わせをするんだけど・・・フラれてばっかり。それより・・・君はよく一人で飲みに来るの?」
「そんな事ないんです・・・ここには一度来たきりだし、普段も飲みに出るなんてほとんど無いから・・・」
「そうなんだ。 じゃあ今日は特別? ボクは良い日に来たってわけだ。何か良いことでもあったの?」
「全然・・・どっちかって言うと逆かな。ちょっと気分転換みたいな感じです・・・よくいらっしゃるんですか? ここには」
「そうだなぁ、週1位かな・・・ね?マスター」
そう言いながらワイングラスを傾ける姿は、ちょっと大人って感じがした。
オシャレな会話と美味しい料理を食べながら、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
「じゃあ、明日早いんでこの辺で・・・あっ・・・お名前聞くの忘れてました。ボクは渡辺純也、すぐそこのS商事に勤めてます」
「あっ・・・私は、節子って言います。今日はありがとうございました!とっても楽しかったです・・・」
なんだかスゴク寂しい感じがした。
もちろん、彼女と待ち合わせしてたんだから好きになったりしちゃいけないんだけど
もっと色んな話をしたかった。
彼はどちらかといえば聞き上手なタイプで、自分の事はあまり話さなかったから尚更だったのかもしれない。
私はその後30分位お店に居たけど、ワインを3杯も飲んだせいか、少し頭が痛くなってきて店を後にした。
「ジュンヤさんかぁ・・・素敵な人だったなー。優しそうだし・・・」
湯船に浸かりながら一昨日の会話を思い出していた。
またあのお店に行ったら会えるのかなぁ?・・・でも、彼女と一緒に居たら・・・
そんなどうにもならない事ばかり考えてる自分が少し嫌にる。
私も恋がしたい・・・本気でそんな事を考えていた。
「占いに書いてあったラッキーカラーとか身に着けてみようかなぁ・・・」
翌日、近所の大型スーパーで紫色のグッズを探してみた。
「紫とか・・・全然無いし・・・」
そんな事をブツブツつぶやきながら何気なくCDショップを覗いてみる。
別に欲しいCDがあるわけじゃないけど、雰囲気が好きなので時々入るのだ。
この日の店内にはハードロックの曲が流れていた。
知らないバンドの新譜が出たらしく、キャンペーンをしているみたいだった。
おすすめコーナーをボーっとしながら歩いていると、Purpleの文字が目に入ってきた。
「Purple? 紫じゃん!」
そう思ってジャケットに手をやると、そこには{Deep Purple}と書いてあった。
なんか聞いたことあるような名前だ。しかも紫にディープまでついてる・・・
かなり気になって曲名をじっと見てたら、後ろで聞き覚えのある声がした。
「節子ちゃん、そんなの聴くんだぁ」
「えっ?・・・あっ! ジュンヤさん!」
もう心臓が飛び出すんじゃないかっていうぐらいビックリして、その場に立ち竦んでしまった。
「パープル好きなの? 節子ちゃん」
「はい・・・」
私なんで嘘ついてるんだろ? そう思いながら彼の反応を探っている・・・
「へー・・・年に似合わず渋いの聴くんだねー。ハードロックとか好きなの?今度さー・・・ライブやるんだよね。聴きに来ない? もちろん招待するから!チケット代とか要らないし・・・」
「バンドやってるんですか? 行きたいです!」
彼にライブの日時や場所を聞き、私は夢見心地で家に帰ってきた。
私を誘ってくれるなんて・・・
ひょっとしたら彼女とうまく行ってないのかも?
そうでなければ招待するなんて言わないよね?
そう思う心と、ミュージシャンだから誰にでもそんな事言うんじゃない?という考えが
交互に現れ、食事も取れないほどだった。
それでもライブ当日までにロックの事を少しでも知っておきたくて、CDを何枚も買い
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