ニートの俺がサイボーグに改造されたと思ったら異世界転移させられたンゴwwwwwwwww

刺狼(しろ)

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海賊と飲み会と人魚

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宴会の勢いは衰える事を知らず、馬鹿騒ぎどころではない騒々しさになってきた。お前らこのあと攻め込まれるんだけど大丈夫なのwwwwwwどうすんだこれwwwwwww

「あ゛あ゛っ!もうムリ!!」

「あ!おいテメェ!飲み干せよ!!」

「チェックワンツーwww三角形ぇえええいwww分度器持ってきてぇええwwwコンパスゥでもwwwいいけどぉぉぉおwwwwww」

このまま宴会続けてたら楽に制圧出来るんじゃねwwwと思ってその辺の奴らに酒を注いで回っていると、船室から誰かが出てきた。
海賊帽を被ったいかにもな格好で、大柄な体格と眼帯というテンプレ装備。イケオジ。こいつが船長だなwwwwww

「うるせぇぞテメェら!寝れねぇだろが!!」

「まぁまぁまぁwwwwwwそう言わずにカシラもwww飲ーんで飲んでぇwwwあいwwwwwwまだまだ飲んでぇえwwwwあーいwww貰った酒は離さないwwwwww」

「……あ?誰だテメェ」

しまったwwwコイツ素面かよwwww
さすがに船長に誤魔化しは効かないだろうと思ったが、とぼけてどこまで時間稼げるかやってみよう。

「ったく、朝から飲んだくれやがってバカ共が。昨日の逃げた小僧の代わりも調達しなきゃなんねぇのによ」

「大変っすねぇ。ノルマとかあるんすか?」

「お前ホント誰だっけ……。あと一人で足りたんだよ。それをあのクソ魔導師、しくじりやがって。何が天才だ」

「魔導師はダメっすわwww俺らみたいな勇敢なる海の男とは違いますからねwww」

断定は出来ないがキャプテンイケオジの口振りからして、ハニーミルクティ少年を捕え魔法を施した人物は本来海賊ではなく、外部の人間である可能性が出てきた。

「まぁでも報酬あるんでしょwwwじゃなきゃやりたくねぇっすよwwww」

「おう。前金と食料だけでも貰っといて良かったぜ……。で、テメェは誰だ?ってさっきから聞いてんだが」

ギロリ、と鋭い目が俺に向けられる。いくつも死線を潜ってきたであろうその迫力にはタマヒュン不可避wwwwww怖すぎワロタwwwwww

腰に提げたカットラスには手が掛かっており、ここらへんが潮時だと思った。

「ふっ、そんなに俺が気になるのか?海賊さん」

「あぁ。テメェみたいなモヤシ野郎をウチの船に乗せた覚えは無ぇからな」

一触即発。途端に張り詰めた空気が船に広がった。さっきまで全裸で踊り狂ってた奴や、腹踊りをしていた者、鼻に割り箸を突っ込んでバカ笑いしていた奴らも、神妙な顔して俺を取り囲む。

いやもう取り返しつかないだろお前らはwwww今更真剣になりやがってwwwww

凪の海に漂う海賊船。全員が敵であるこの状況で、またしても船室から何者かが姿を現した。

「ふぇっふぇっ、何の騒ぎですかな?船長殿」

そいつは、ボサボサの黒髪に濃い隈。瓶底眼鏡に、薄汚れた白いローブを身に纏った中年の男。リンドウと同類に見えるwww白衣着せたらテンプレのマッドサイエンティストやんけwwww

謎のおじさんの登場で、場の空気が変な感じになった。パイレーツおじのくちぶりからするに、よく思われて無いだろうし。

「この方がどうかしたんですか?船長。ふぇっふぇっ」

「紛れ込んで来やがったんだよ。逃げたガキの補填に使えんなら捕まえた後に渡してやるが」

「ふははwww捕まえる事が出来るかにゃwwwwこの勇者カルラ様をwwwwww」

瞬間、乗組員達がざわついた。ていうかノリで正体明かしちゃったけどマズったかなこれwwwwまぁいいや、何とかなるだろwwwwww

「勇者だと……?!」

「ふぇっふぇっ!これは僥倖ですねぇ、是非捕まえて頂きたい」

「やる気だなぁ。いいぜ、派手にいこうかwwwwww」

ふぇふぇおじ以外が緊張感を滲ませた表情で武器を手に取ると、俺もハティスコルを構えた。人相手に撃つのは躊躇われるので、威嚇に使わせてもらおうかな。

──ズガァアン!!

「野郎共!!やれェ!!」

「うぉおおおッ!!」

「ちょっとくすぐったいぞwwwwww」

人の間を縫って放った銃弾を合図に、一斉に海賊達が切りかかってきた。身を屈めて手近な奴に寸勁をお見舞いした。

──バキィッ!!

「お前らの航海もコレで終わりっすねwwww」

巻き込まれて吹っ飛んだ奴らを飛び越えると、マストに向けて一発。
帆ごと撃ち抜くと轟音を立ててそれが倒れていく。

「何やってんだお前ェ!!」

「捕まるのはお前らっていうwww航行不可ですお疲れ様www」

それを見た船長が、ルフィさんみたいな事を言いながらカットラスを二本振りかぶって飛び掛かる。
ハティとスコルで剣を受け流し、船長の鳩尾に踵をめり込ませるように前蹴りで距離を離す。

「お迎えが来たので抵抗しないでねwwwそうすれば死ぬことは無いから安心してクレメンスwwww」

後方へ顎をしゃくってそう言うと、船長と怪しいおじさんに銃口を向けた。

「クソがァ……!!」

「これが勇者の戦闘能力……の、一部というわけですか。ふぇっふぇっ」

到着したてぇてにっく号から、スッキーを先頭にリンドウ、イヴっち、カノンたんも乗り込んできた。

「おやおや、手出しはしないようにと忠告したはずですがねぇ。クックッ」

「スキアくん、彼が人の言う事をしっかり聞いてると思わないほうが疲れないということを覚えておきたまえ……」

「船メチャクチャになってるじゃない。暴れすぎよ」

「カルラ、すごい」

デッキからは、ミルクティ少年が驚いた様子でこっちを眺めている。大丈夫だとは思うが、シャルとオルガ姉さんをそこに配置しておくか……不本意だけども。

「あのクソガキを一応守ってて欲しいですwww拐われなきゃなんでもいいので接触しすぎないでねwwwwww」

「ご主人様、もしかしてヤキモチ~?可愛い♡」

「子供相手に……貴様という奴は」

そんなやり取りをしていると、スッキーが捕縛道具を展開して海賊達とふぇふぇおじさんを捕まえる。
その後、航行不能となった海賊船ごと全員を連行して港に戻ることになった。

「ルキくん、こちらの男が君に魔法を施した人物でしょうか?ご確認願いますよ」

「そ、そうです、このおじちゃんが僕に……」

ルキが恐る恐る顔を確認してそう言った直後、海面が不自然に波紋を広げ始めた。断続的に広がるそれに伴って、地震のような揺れも伴う。この妙な浮遊感マジ苦手wwwwww

「何だこれwwwっうぇwwww酔っちゃうwwwwww」

──ザバァァアッ!!

俺が口を抑えて前方を見ると同時に、海中から何者かが飛び出した。水飛沫が晴れて現れたソイツを、全員が凝視する。

「しくじったな、【ダレイン・マフレイン】」

開口一番、ふぇえおじさんに向けて無機質な冷たい声を浴びせたのは、コバルトブルーの長い髪に桃色の瞳を持つ人魚さんでありました。
珊瑚や貝等を加工して造られた華美な装飾品を纏い、耳にあたる部位からは鰭のような器官が見える。下半身は群青色のキラキラした鱗のお魚さんです。可愛いね。

ていうか人魚が貝殻のブラしてんのマジだったんだwwwひょぇええwwwパカパカしてますけどもぉおおwwwwww

新たな敵の出現で更に緊張感が増す。だがしかし、俺だけはその雰囲気に呑まれてシリアスになってはいけない(戒め)

「人魚じゃwww人魚が出たぞwwww」

「貴様が勇者の一人、カルラ・オオカミか。オルドラとその部下を退けたと聞く」

「凄いっしょwwwお姉さんのお名前もお聞きしたいんですがwwww」

すると、人魚さんは能面みたいな表情を崩すことなく、俺達をしっかりと睨み付けて口を開く。

「妾の名は【メローナ・レヴィスクア】、嫉妬の名を冠す七刃将だ」

「オオウwwwwwwシットwwwwスタンダップwwwマイティンポwwwwwwヨロシクねwwwwww」

「下らん事をベラベラと、やかましい」

仲間は沢山連れてきたとはいえ、相手は七刃将の一人。この世界の人魚は海で圧倒的な戦闘力を誇り、彼女達によって沈められた戦艦も多数存在するとは脳内資料からの知識。
まずは冷静にこのお姉さんの要求を聞いてみる事にしますwww

「で、お姉さんは何をしにきたんですかなwww」

「ダレイン・マフレインを返還しろ。そして、そこの……こっ、子供も」

そう言って、ここに来て初めてメローナの表情に変化が訪れる。ミルクティ少年を指差しながら、僅かに口角が上に歪んだのだ。

「スッキーどうする?www七刃将相手にするかおっさんとハニーミルクティボーイ渡して帰るのどっちがいいかなwwww」

「クックッ……そこの男だけで被害が免れるなら、見逃してもいいでしょう。
人数で上回っていようが人魚相手だと少なからず死人は出ますから、全員守り切って彼女を退けるのは不可能でしょう」

「ダレイン・マフレインだけか。……ふっ、まぁ良いだろう」

メローナもこちらとの人数差を鑑みてか無理矢理奪ったりはしてくる様子がない。オルドラっちと違って冷静なんだなぁ。

ダレインとかいうおっさんが何者なのかはハッキリとは分からないが、捕えていられれば新しい情報源になったかもしれないが、仕方ない。ていうかおっさんめっちゃ大事にされてるじゃんwwwwww

「ふぇっふぇっ、助かりましたよメローナ様。出来ればあの子供も手放したくはないのですがねぇ」

「黙れ。妾に必要以上に寄るな下衆が」

スッキーがダレインの拘束を解くと、ダレインはニヤニヤしながらメローナの元へ戻りながらおねだりをするも、普通に嫌われてるっぽくて草草の草ァ!

「人間共、次は容赦なく沈めてやるぞ」

「ふぇっ、仕方ないですねぇ。やはり、新しく試していくとしますか……先日の船の乗客達で」

瞬間、ハニー少年がオルガ姉さんに止められながら前のめりに声を上げた。

「待って!お父さんとお母さんを返してよ!!何処にいるの?!」

「ふぇっふぇっ、君の両親は私の実験体となってもらいますよ。【適合者】の血縁ならば成功率は高くなりそうですねぇ。ああ!もし助けたいのであれば、【ラベスルキマ】の森にある塔へお越しくださいねぇ、ふぇっふぇっふぇっ!」

「あからさま過ぎる罠だなwwww」

「無駄口を叩くな、ダレイン・マフレイン。追ってこられては迷惑だ。コイツに相手をして貰う」

メローナが海面に巨大な陣を展開すると、途端にそこが蒼く輝き始めた。
一体何が始まるんだってばよwwwwww
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