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終 章 巡る想い⑤『いじわる』R

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※R18です。ご注意ください。


 リンデの街に帰り着き、シモンと別れた後、屋敷に入る前にイリアスは海人の耳元で囁いた。

「森での話の続きがしたかったら、今夜部屋に来い」

 海人は全身が火照るのを感じた。

 かくして、海人は屋敷の人たちが寝静まった夜、イリアスの部屋の前に来ていた。

 気配を感じたのだろうか、扉を叩く前に中から開けてくれた。

 海人はためらいなく部屋に入り、自らの手で扉を閉める。

 イリアスを見上げると同時に抱きすくめられて、キスをされた。

 夜中に部屋に呼ばれて、入る意味までわからない海人ではない。

 お互いの気持ちを確かめるように、深くて長いキスを交わした。

 しばらく深く浅く舌を絡ませあっていると、海人の身体の芯が熱くなってきた。

 熱を持ったことが恥ずかしくて少し身体を離したら、イリアスに腰を抱かれた。

 密着したところが熱い。海人が唇を離すと、ベッドに移動した。

 イリアスが覆いかぶさってきて、海人は緊張しながら、されるがまま受け入れた。

 上衣をはぎ取られ、首筋にキスをされる。
 胸、腹と探るように、イリアスの熱い手が体を撫でていった。

 海人は腕で顔を隠した。イリアスが触るところに意識がいく。

 指先でなぞられ、手のひらでスルリと撫でられていると、体の中心が脈打っていった。

 硬くなったところを優しく握られ、こすられる。

 零れ出た蜜が手に混じり、滑りがよくなるが、その動きはゆっくりだった。

「……ん……っ」

 じれったくありながらも、海人の呼吸は速くなっていく。

 ゆるやかに与えらえる快感だったが、徐々に追い詰められ、まもなく達しようとしたとき、急に手を放された。

「あっ……」

 不満の声が漏れる。
 聞こえていたはずなのに、イリアスはまたももの内側など際どいところを撫でた。

 海人はもどかしくなって、自分で触ろうと手を伸ばした。だが、その手をからめとられる。

 触らせてくれず、その手はそのまま頭の上に持っていかれた。

 じわりと瞳が潤み、

「……なん……」

 文句を言おうとしたら、唇で塞がれた。

 二、三度舌を絡ませたあと、その口は乳首を吸い、舌で転がし、優しくまれる。

「……っんぅ」

 いじられた乳首に快感が走る。

 手首を押さえつけられているので、のけ反りながら足を揺らす。

「んっ……んう」

 イリアスが触れるところはどんどん敏感になっていき、海人はよどみなく押し寄せてくる快感に息が荒くなった。

 イリアスは海人の耳朶に口を寄せた。

「カイト」

 熱い息で囁かれ、背筋がぞくっとした。

「イリアス……」

 呼ぶと灰色の瞳が見つめてくる。美貌の顔が近くにあり、海人は唇を舐めた。

「い、イきたい……」

 かすれた声で言うと、イリアスは海人の胸に唇を押しつけた。

 笑っているような気がした。

 恥ずかしさをこらえて訴えたのに、そのあとも腕を縫い付けられたまま、極めることができずに何度ものけぞった。
 
 その晩、海人は終始、いじわるなイリアスの手に翻弄され続けた。
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