41 / 44
41.でしたら、キスをさせていただいてもよろしいのでしょうか?
しおりを挟む
「この事実を知っておられたのは、前国王の従者だったミスター・ヴァルターと、後は他に誰がいらっしゃったのでしょう」
部屋に残ったミヒャエルが、エルンストに問いかけた。
「当時おられた従者や使用人のほとんどは、退職なされております。そのため今残っている者の中では女中頭のミズ・リッシェ程度だと存じます。わたしが把握している限りではありますが」
エルンストは俺に目をくれず、躊躇なく答えた。ヨハネスとは違って彼は本当に優秀なやつである。
「……承知いたしました」
「騎士団長様は、ご覧になられないのですか?」
エルンストが言いながら書類を差し出したが、ミヒャエルは受け取ろうとしないばかりか、一顧だにもしなかった。
「お気遣いありがとうございます。ですがお気持ちだけで結構です。孤児なのですから、直面することもあろう話でしかありません。あの二人は事実を知る前に母君と対面していたので、驚く度合いが違っていただけであります」
理にかなった物言いだが、実の父が前国王だったという事実なんてそうあることではないのだから、驚くのは母君云々ではないだろうに。
「その書類ですが、ナウマン神祇官がお手元に保管されるのでしょうか?」
「今のところはでございますが、必要とあらば必要な方にいつでもお渡しいたします」
「承知いたしました。それまでは厳守をお願い申し上げます」
「それは、ええ。おまかせください」
「では、わたしはこれで失礼いたします」
ミヒャエルは立ち上がり、ごく自然に俺の腕を掴んで、何も言わずにドアのほうへ引っ張っていった。
「おい……」
「……それでは失礼いたします。ナウマン神祇官」
ミヒャエルはエルンストに一礼し、そのまま俺を引きずって部屋を出た。ミヒャエルの部屋は翼も違えば階も変わる。長い廊下を歩く間も俺の腕を離さず、人目をはばかりもせずに自室へと連れ込んだ。
「離せって」
「……キセガセもハルシュッフも、やはりあなたの思惑が裏にあったのですね」
「それはヴォーリッツとクッシュの母親のことを言っているのか?」
「あなたがわざと引き合わせたのでしょう?」
偶然と言うには無理がある。エルンストが書類を持っていたのだからネタバラシしたも同然だ。
「……そうだ。機密保管庫であれを見つけた従者が、扱いに困ってエルンストのところへ持ってきたんだ」
「ナウマンを出世させたのはそのためですか?」
「こういった事態を知ればいろいろと利用できるからな」
「なぜわたしにさせないのですか?」
「おまえが? 騎士団長の立場で機密に近づくなんてことができるのか?」
「可能です。……いえ、不可能だったとしても可能にいたします」
「だとしても、騎士団長としての任に余裕はないだろ。他に使える駒があるならそれを使ったほうが早い」
「他の駒、ですか。確かにあなたであれば容易に揃えることができるでしょう。町外れの神官長が数カ月という早さで神祇官になれたのも、あなたのお力ですから」
何やら引っかかる物言いだ。魔王の俺だけでは神官を出世させるような能力はない。エルンストをあの立場にやれたのは、前世の知識があったがゆえなのだから。
「どういう意味だ。何が言いたい」
俺が問い返すと、ミヒャエルはおもむろに近づいてきた。
連れ込んだあと、部屋に入った途端ミヒャエルは俺の腕を離し、ソファに座ったが、俺はドアの近くで立ったままだった。
数メートルほどの距離をあけて向かい合っていた。その距離を、清廉実直な騎士の顔つきで縮めてきている。
「……なんだよ」
縮めてきたが、触れるには遠い距離で立ち止まった。
あの日以来触れていない。さっき腕を引っ張られたときだけだ。二人きりになったというのに、抱きしめようともしないばかりか、触れようともしてくれない。
「……わたしに触れて欲しいと、お考えですか?」
今まさに考えていたことを指摘され、飛び上がりそうになった。
「……別に」
「わたしを愛しているとおっしゃってくださったのは、やはり見せかけの演技だったのですか?」
ああ、やはり試していたのか。そのためにわざわざこんな時間をかけて、俺が目の前にいるのに近づこうともしなかったらしい。
「だからそれは……」
いや、待てよ。
ここまで事が運んだら、もうミヒャエルの助力なんて必要ないんじゃないか?
エルンストが期待以上の働きをしてくれたお陰で、順調どころではない成果を見せている。イジドーアたちの様子を見る限り、王家やそれを秘匿した閣僚連中に対して不信の念を抱いているのは間違いない。血清を渡さなければ身籠ることはないうえに、ハンスがあの事実を知ってしまえば準備は完了だ。
もし、ここで肯定して、ミヒャエルが復讐するべく奔走したとしても、動かしがたい事実があり、すでに覚えてしまった感情はそう簡単に拭い去ることはできない。
エバーアフタークエストのほうもほとんど終えている。国民の不満を解消するにも、やるべきことは残っていないのだから、アグネスが今以上の信任を得ることは難しいはずだ。
「否定なされないということは、わたしの考えているとおり、ということなのでしょうか」
「……そうだと言ったらどうするつもりだ。おまえはわかったうえで俺といたんだろ? 俺から愛されていなくても、振りだけでも構わないって言ってたじゃないか」
「ええ……申し上げました。それに加えて、他の男に目をくれるなとも申し上げましたが、それはお忘れですか?」
「他に男なんていない。誰の気も引いていないし、俺も別に……」
「ええ。目をくれるというのは、つまり二人きりになるということ、それを避けていただきたい。誰もおそばに近寄らせないでいただきたいということなのです」
「…………そんなの、普通に考えて不可能だ」
「魔族であれば構いません。あのレーナルトは許しがたいですが……魔族はあなたの命令を遵守しますから、反抗することはないと断言できるでしょう。ですが、人間は別です。あなたを斬首させようとした過去もありますし、教会の中に引きずり込まれた場合は魔法を使えず、魔封の枷をはめられてしまえば、襲われる可能性があります……あの看守のように」
「いや、あれは襲われたっていうか……」
「あなたを少しの危険にも晒したくないのです。わたしのおそばから離れないでいただきたい」
襲いかかるようなことはしなくなったといえ、あのイカれた独占欲は健在らしい。
本気で欲情を抑えるつもりであれば、ラブドールのごとくは感じていないのかもしれない。
だとしても、ミヒャエルがここまで執着する理由は、己の欲望の結晶として作りあげたから以外にないのだから、愛しているのはフランツの張りぼてでしかないのは同じだ。
俺はそれが嫌でたまらない。
ミヒャエル自身のことは、むしろ……あのとき覚えた感情がいまだに拭いきれていない。一度覚えた感情は云々というのは、事実今直面していることで、身を持って知っているから言える話だった。
会えば顔がほころび、触れられたら安堵し、匂いに包まれれば歓喜に震える。
だから、触れて欲しいどころか、キスもしたいし抱いて欲しい。
渇望と言っていいほどミヒャエルのことを考えてしまっているが、だからこそ嫌だった。愛を感じるほどつらさが増していく。虚しくて悲しくて、切なくてたまらないのである。
それは、愛が向けられている先が俺自身ではないからだ。あいつが愛している俺は、前世の記憶を持つフランツではなく、ゲームの中にいるフランツだからだ。
「……わかった。面倒くさいけど、とにかくそばにいりゃいいんだろ? 別にそれくらいは構わない。ただ、エルンストは利用させてもらう。おまえが助けてくれるのはありがたいが、エルンストがいてくれたほうがより円滑に事が運ぶからな」
「ナウマンの利用価値分程度でしたら、わたし一人で十分です。そう何度も申し上げているはずですが」
「いい加減にしろよ。そばにいるって言ってんだろ? 俺はおまえ以外とやらないし、キス……口づけだってしないって、そう約束したじゃねえか」
「……でしたら、まだ受け入れてくださるのですか?」
ミヒャエルは言いながら手の届かなかった距離を縮めて、俺を抱きしめてきた。
片手を背中に回し、反対の手は俺の顎に触れ、理想よりもやや身長差があるという、その高さを埋めるべく上に持ち上げた。
「でしたら、キスをさせていただいてもよろしいのでしょうか?」
疑問文で言ったくせに、まるで宣言したかのように、俺からの返答を待たずに、キスをしてきた。
一週間まえ、俺からしたっきりの、初めてしてからこんなに空いたのは初めての、その久しぶりの味に酔いしれたかったのに、俺の頭は別のことに気を取られていた。
なんでこいつは、口づけと言わなかったのだろう、と。
部屋に残ったミヒャエルが、エルンストに問いかけた。
「当時おられた従者や使用人のほとんどは、退職なされております。そのため今残っている者の中では女中頭のミズ・リッシェ程度だと存じます。わたしが把握している限りではありますが」
エルンストは俺に目をくれず、躊躇なく答えた。ヨハネスとは違って彼は本当に優秀なやつである。
「……承知いたしました」
「騎士団長様は、ご覧になられないのですか?」
エルンストが言いながら書類を差し出したが、ミヒャエルは受け取ろうとしないばかりか、一顧だにもしなかった。
「お気遣いありがとうございます。ですがお気持ちだけで結構です。孤児なのですから、直面することもあろう話でしかありません。あの二人は事実を知る前に母君と対面していたので、驚く度合いが違っていただけであります」
理にかなった物言いだが、実の父が前国王だったという事実なんてそうあることではないのだから、驚くのは母君云々ではないだろうに。
「その書類ですが、ナウマン神祇官がお手元に保管されるのでしょうか?」
「今のところはでございますが、必要とあらば必要な方にいつでもお渡しいたします」
「承知いたしました。それまでは厳守をお願い申し上げます」
「それは、ええ。おまかせください」
「では、わたしはこれで失礼いたします」
ミヒャエルは立ち上がり、ごく自然に俺の腕を掴んで、何も言わずにドアのほうへ引っ張っていった。
「おい……」
「……それでは失礼いたします。ナウマン神祇官」
ミヒャエルはエルンストに一礼し、そのまま俺を引きずって部屋を出た。ミヒャエルの部屋は翼も違えば階も変わる。長い廊下を歩く間も俺の腕を離さず、人目をはばかりもせずに自室へと連れ込んだ。
「離せって」
「……キセガセもハルシュッフも、やはりあなたの思惑が裏にあったのですね」
「それはヴォーリッツとクッシュの母親のことを言っているのか?」
「あなたがわざと引き合わせたのでしょう?」
偶然と言うには無理がある。エルンストが書類を持っていたのだからネタバラシしたも同然だ。
「……そうだ。機密保管庫であれを見つけた従者が、扱いに困ってエルンストのところへ持ってきたんだ」
「ナウマンを出世させたのはそのためですか?」
「こういった事態を知ればいろいろと利用できるからな」
「なぜわたしにさせないのですか?」
「おまえが? 騎士団長の立場で機密に近づくなんてことができるのか?」
「可能です。……いえ、不可能だったとしても可能にいたします」
「だとしても、騎士団長としての任に余裕はないだろ。他に使える駒があるならそれを使ったほうが早い」
「他の駒、ですか。確かにあなたであれば容易に揃えることができるでしょう。町外れの神官長が数カ月という早さで神祇官になれたのも、あなたのお力ですから」
何やら引っかかる物言いだ。魔王の俺だけでは神官を出世させるような能力はない。エルンストをあの立場にやれたのは、前世の知識があったがゆえなのだから。
「どういう意味だ。何が言いたい」
俺が問い返すと、ミヒャエルはおもむろに近づいてきた。
連れ込んだあと、部屋に入った途端ミヒャエルは俺の腕を離し、ソファに座ったが、俺はドアの近くで立ったままだった。
数メートルほどの距離をあけて向かい合っていた。その距離を、清廉実直な騎士の顔つきで縮めてきている。
「……なんだよ」
縮めてきたが、触れるには遠い距離で立ち止まった。
あの日以来触れていない。さっき腕を引っ張られたときだけだ。二人きりになったというのに、抱きしめようともしないばかりか、触れようともしてくれない。
「……わたしに触れて欲しいと、お考えですか?」
今まさに考えていたことを指摘され、飛び上がりそうになった。
「……別に」
「わたしを愛しているとおっしゃってくださったのは、やはり見せかけの演技だったのですか?」
ああ、やはり試していたのか。そのためにわざわざこんな時間をかけて、俺が目の前にいるのに近づこうともしなかったらしい。
「だからそれは……」
いや、待てよ。
ここまで事が運んだら、もうミヒャエルの助力なんて必要ないんじゃないか?
エルンストが期待以上の働きをしてくれたお陰で、順調どころではない成果を見せている。イジドーアたちの様子を見る限り、王家やそれを秘匿した閣僚連中に対して不信の念を抱いているのは間違いない。血清を渡さなければ身籠ることはないうえに、ハンスがあの事実を知ってしまえば準備は完了だ。
もし、ここで肯定して、ミヒャエルが復讐するべく奔走したとしても、動かしがたい事実があり、すでに覚えてしまった感情はそう簡単に拭い去ることはできない。
エバーアフタークエストのほうもほとんど終えている。国民の不満を解消するにも、やるべきことは残っていないのだから、アグネスが今以上の信任を得ることは難しいはずだ。
「否定なされないということは、わたしの考えているとおり、ということなのでしょうか」
「……そうだと言ったらどうするつもりだ。おまえはわかったうえで俺といたんだろ? 俺から愛されていなくても、振りだけでも構わないって言ってたじゃないか」
「ええ……申し上げました。それに加えて、他の男に目をくれるなとも申し上げましたが、それはお忘れですか?」
「他に男なんていない。誰の気も引いていないし、俺も別に……」
「ええ。目をくれるというのは、つまり二人きりになるということ、それを避けていただきたい。誰もおそばに近寄らせないでいただきたいということなのです」
「…………そんなの、普通に考えて不可能だ」
「魔族であれば構いません。あのレーナルトは許しがたいですが……魔族はあなたの命令を遵守しますから、反抗することはないと断言できるでしょう。ですが、人間は別です。あなたを斬首させようとした過去もありますし、教会の中に引きずり込まれた場合は魔法を使えず、魔封の枷をはめられてしまえば、襲われる可能性があります……あの看守のように」
「いや、あれは襲われたっていうか……」
「あなたを少しの危険にも晒したくないのです。わたしのおそばから離れないでいただきたい」
襲いかかるようなことはしなくなったといえ、あのイカれた独占欲は健在らしい。
本気で欲情を抑えるつもりであれば、ラブドールのごとくは感じていないのかもしれない。
だとしても、ミヒャエルがここまで執着する理由は、己の欲望の結晶として作りあげたから以外にないのだから、愛しているのはフランツの張りぼてでしかないのは同じだ。
俺はそれが嫌でたまらない。
ミヒャエル自身のことは、むしろ……あのとき覚えた感情がいまだに拭いきれていない。一度覚えた感情は云々というのは、事実今直面していることで、身を持って知っているから言える話だった。
会えば顔がほころび、触れられたら安堵し、匂いに包まれれば歓喜に震える。
だから、触れて欲しいどころか、キスもしたいし抱いて欲しい。
渇望と言っていいほどミヒャエルのことを考えてしまっているが、だからこそ嫌だった。愛を感じるほどつらさが増していく。虚しくて悲しくて、切なくてたまらないのである。
それは、愛が向けられている先が俺自身ではないからだ。あいつが愛している俺は、前世の記憶を持つフランツではなく、ゲームの中にいるフランツだからだ。
「……わかった。面倒くさいけど、とにかくそばにいりゃいいんだろ? 別にそれくらいは構わない。ただ、エルンストは利用させてもらう。おまえが助けてくれるのはありがたいが、エルンストがいてくれたほうがより円滑に事が運ぶからな」
「ナウマンの利用価値分程度でしたら、わたし一人で十分です。そう何度も申し上げているはずですが」
「いい加減にしろよ。そばにいるって言ってんだろ? 俺はおまえ以外とやらないし、キス……口づけだってしないって、そう約束したじゃねえか」
「……でしたら、まだ受け入れてくださるのですか?」
ミヒャエルは言いながら手の届かなかった距離を縮めて、俺を抱きしめてきた。
片手を背中に回し、反対の手は俺の顎に触れ、理想よりもやや身長差があるという、その高さを埋めるべく上に持ち上げた。
「でしたら、キスをさせていただいてもよろしいのでしょうか?」
疑問文で言ったくせに、まるで宣言したかのように、俺からの返答を待たずに、キスをしてきた。
一週間まえ、俺からしたっきりの、初めてしてからこんなに空いたのは初めての、その久しぶりの味に酔いしれたかったのに、俺の頭は別のことに気を取られていた。
なんでこいつは、口づけと言わなかったのだろう、と。
40
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
オメガだと隠して魔王討伐隊に入ったら、最強アルファ達に溺愛されています
水凪しおん
BL
前世は、どこにでもいる普通の大学生だった。車に轢かれ、次に目覚めた時、俺はミルクティー色の髪を持つ少年『サナ』として、剣と魔法の異世界にいた。
そこで知らされたのは、衝撃の事実。この世界には男女の他に『アルファ』『ベータ』『オメガ』という第二の性が存在し、俺はその中で最も希少で、男性でありながら子を宿すことができる『オメガ』だという。
アルファに守られ、番になるのが幸せ? そんな決められた道は歩きたくない。俺は、俺自身の力で生きていく。そう決意し、平凡な『ベータ』と身分を偽った俺の前に現れたのは、太陽のように眩しい聖騎士カイル。彼は俺のささやかな機転を「稀代の戦術眼」と絶賛し、半ば強引に魔王討伐隊へと引き入れた。
しかし、そこは最強のアルファたちの巣窟だった!
リーダーのカイルに加え、皮肉屋の天才魔法使いリアム、寡黙な獣人暗殺者ジン。三人の強烈なアルファフェロモンに日々当てられ、俺の身体は甘く疼き始める。
隠し通したい秘密と、抗いがたい本能。偽りのベータとして、俺はこの英雄たちの中で生き残れるのか?
これは運命に抗う一人のオメガが、本当の居場所と愛を見つけるまでの物語。
嫁がされたと思ったら放置されたので、好きに暮らします。だから今さら構わないでください、辺境伯さま
中洲める
BL
錬金術をこよなく愛する転生者アッシュ・クロイツ。
両親の死をきっかけにクロイツ男爵領を乗っ取った叔父は、正統な後継者の僕を邪魔に思い取引相手の辺境伯へ婚約者として押し付けた。
故郷を追い出された僕が向かった先辺境グラフィカ領は、なんと薬草の楽園!!!
様々な種類の薬草が植えられた広い畑に、たくさんの未知の素材!
僕の錬金術師スイッチが入りテンションMAX!
ワクワクした気持ちで屋敷に向かうと初対面を果たした辺境伯婚約者オリバーは、「忙しいから君に構ってる暇はない。好きにしろ」と、顔も上げずに冷たく言い放つ。
うむ、好きにしていいなら好きにさせて貰おうじゃないか!
僕は屋敷を飛び出し、素材豊富なこの土地で大好きな錬金術の腕を思い切り奮う。
そうしてニ年後。
領地でいい薬を作ると評判の錬金術師となった僕と辺境伯オリバーは再び対面する。
え? 辺境伯様、僕に惚れたの? 今更でしょ。
関係ここからやり直し?できる?
Rには*ついてます。
後半に色々あるので注意事項がある時は前書きに入れておきます。
ムーンライトにも同時投稿中
世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました
芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」
魔王討伐の祝宴の夜。
英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。
酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。
その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。
一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。
これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。
過労死で異世界転生したら、勇者の魂を持つ僕が魔王の城で目覚めた。なぜか「魂の半身」と呼ばれ異常なまでに溺愛されてる件
水凪しおん
BL
ブラック企業で過労死した俺、雪斗(ユキト)が次に目覚めたのは、なんと異世界の魔王の城だった。
赤ん坊の姿で転生した俺は、自分がこの世界を滅ぼす魔王を討つための「勇者の魂」を持つと知る。
目の前にいるのは、冷酷非情と噂の魔王ゼノン。
「ああ、終わった……食べられるんだ」
絶望する俺を前に、しかし魔王はうっとりと目を細め、こう囁いた。
「ようやく会えた、我が魂の半身よ」
それから始まったのは、地獄のような日々――ではなく、至れり尽くせりの甘やかし生活!?
最高級の食事、ふわふわの寝具、傅役(もりやく)までつけられ、魔王自らが甲斐甲斐しくお菓子を食べさせてくる始末。
この溺愛は、俺を油断させて力を奪うための罠に違いない!
そう信じて疑わない俺の勘違いをよそに、魔王の独占欲と愛情はどんどんエスカレートしていき……。
永い孤独を生きてきた最強魔王と、自己肯定感ゼロの元社畜勇者。
敵対するはずの運命が交わる時、世界を揺るがす壮大な愛の物語が始まる。
カメラ越しのシリウス イケメン俳優と俺が運命なんてありえない!
野原 耳子
BL
★執着溺愛系イケメン俳優α×平凡なカメラマンΩ
平凡なオメガである保(たもつ)は、ある日テレビで見たイケメン俳優が自分の『運命』だと気付くが、
どうせ結ばれない恋だと思って、速攻で諦めることにする。
数年後、テレビカメラマンとなった保は、生放送番組で運命である藍人(あいと)と初めて出会う。
きっと自分の存在に気付くことはないだろうと思っていたのに、
生放送中、藍人はカメラ越しに保を見据えて、こう言い放つ。
「やっと見つけた。もう絶対に逃がさない」
それから藍人は、混乱する保を囲い込もうと色々と動き始めて――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる