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第9話
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「まあ!なんて素敵なの!これは舞踏会で注目の的ね!」
アニエスはドレス姿のセシリアを前に、満足そうに笑った。
「そう……」
それに、セシリアは顔色を変える事もなく返事をした。
来月の社交デビューに向けて、セシリアの準備は着々と進んでいたが、セシリアは以前にも増して、感情を表に出さなくなっていた。
そこに、父のジョエルがやってきて、着飾ったセシリアに満面の笑みを見せる。
「やあ!なんて美しいんだ!アニエスの若い頃にそっくりだ!これは、来月の舞踏会の後には、婚約の申し込みが殺到しそうだな!」
その言葉に無表情だったセシリアは眉を寄せた。
婚約……。私、社交デビューしたら、誰かと結婚しなくちゃいけないんだわ。
ズキズキする胸の痛みが強さを増す。
「いや……」
小さく、セシリアは呟いた。
「ん?なんだい?セシリア」
ジョエルはよく聞こえなくて、セシリアに聞き返した。
「私、嫌です!舞踏会になんて行きたくない!」
セシリアはそう言うと、自分の部屋に閉じこもってしまった。
「セシリア!セシリア!開けて頂戴」
「セシリア、どうしたんだ?何処か体調でも悪いのか?」
父と母がセシリアの部屋のドアをノックして声をかけるがらセシリアは反応しない。
「セシリアが部屋に閉じこもったって!?」
そこにやって来たのは兄のアンドレだった。
「ああ、アンドレ。セシリアが舞踏会に行きたくないと言って、部屋に閉じこもってしまったんだ」
すると、アンドレは扉を優しくノックして言った。
「セシリア、どうして舞踏会に行くのが嫌なんだ?訳を教えてくれないか?」
すると、扉の向こうから小さくセシリアの声が聞こえた。
「お兄様……、だって私、いつまで経っても心臓がズキズキ痛むんです。いつまで経っても、ケヴィに会えないのが寂しいの!」
「セシリア……」
するとアンドレは、くるりと身体ごと振り返り父と母を見た。
「二人共、セシリアに無理をさせるのはやめませんか?」
「アンドレ……、しかし、社交デビューでもある王宮主催の舞踏会を欠席するわけには……」
と父は苦い顔をした。
「ええ。それは、分かっていますが、婚約の話が来ても、セシリアが了承しなければ受けないと、約束して下さい。お父様もお母様も本当は分かっているでしょう?セシリアが、誰を想いこの1年を過ごしていたのか……」
すると母のアニエスは、一つ頷いて、ジョエルを見上げた。
「あなた……、アンドレの言う通りにしましょう」
「しかし、見習いの魔術師をいつまでも想っていても、どうにもならないじゃないか」
「無理にセシリアを他の相手と結婚させても、あの子が幸せになれる気がしないわ。私が貴方と結婚して幸せであるように、あの娘にもちゃんと好きになった相手と結婚して欲しい……」
アニエスの潤んだ瞳にジョエルは、大きく息を吐いた。
「アニエス……。分かったよ」
すると、ジョエルは扉越しにセシリアに向かって、優しく話し掛けた。
「セシリア、社交デビューしたからといって、お前が望まない婚約は認めないと誓うよ。だから、来月の舞踏会は、参加して欲しい。私達の娘の晴れ姿を見せておくれ」
すると、扉がゆっくりと開いて、セシリアが出てきた。
「本当に?私は望まない相手と結婚しなくてもいいのね?」
「ああ、誓うよ」
「……分かったわ。それなら、舞踏会に参加します」
セシリアのその言葉に3人はホッと胸を撫で下ろした。
◇
そして、王宮主催の舞踏会の日――
この日16歳になったセシリアは、社交デビューを果たす。
淡いブルーのドレスに身を包んだセシリアは、アンドレにエスコートされて、舞踏会の会場にやって来た。
「お兄様、色々とありがとうございます。今日もお兄様がエスコートして下さって、とても心強いです」
「俺は元々セシリアの社交デビューの日は、エスコートするつもりでいたさ」
「私、お兄様の妹で良かった」
そう言って、セシリアが微笑むと、周りの男達がセシリアに釘付けになった。
「あれ、誰だ?」
「アンドレの妹じゃないのか?確か、今日社交デビューするって噂があった」
「あんな、綺麗な妹がいたのか!アンドレのやつ、今まで隠していたな!」
会場に来ていた男達は、セシリアの美しさに見惚れ、誰が一番先に声をかけるかで、争っていた。
すると、会場に国王と共にやって来た青年に、今度は令嬢達の黄色い声が飛び交う。
「キャー!!ケヴィ様よ!!」
「今日もなんて麗しいの!?」
「私、白のローブをあんなに素敵に着こなす方、初めて見たわ!」
ケヴィの名にセシリアは目を丸くして、令嬢達が黄色い声を上げる人物を見た。
そこには、金の刺繍が施された白のローブを着たケヴィがいた――
「ケ、ケヴィ……」
1年前よりも急激に大人びた顔になったケヴィに、セシリアの心臓が1年ぶりにドキドキと高鳴り出した。すると
「ああ、あれが噂の天才魔術師、ケヴィ・クランブか」
とお兄様が言った。
「え!?お兄様、ケヴィを知っていたの!?」
「いいや、この目で見たのは初めてだが、何でも最近、魔術師として物凄い功績を残した若い魔術師が、魔術師幹部に抜擢され、今は国王様の護衛まで務めるという異例の大出世を成し遂げたって噂で……」
「え……、え!?な、なにそれ!?どういう事なの!?」
「ブフッ。セシリア、動揺しすぎ」
初めて見るセシリアの焦る様に、アンドレは思わず吹き出した。
やっぱり、セシリアの心を動かせるのは、ケヴィだけだ……
「そ、それは、するわよ!!だってまさか……、ケヴィがこの舞踏会にいる……なんて……」
セシリアは、その場に泣き崩れそうになるのをなんとか耐えて、ケヴィを見つめた。
すると、国王様に何か話したあと、他の護衛の人と変わったケヴィは、真っ直ぐに私の方へ向かって来る。
目の前にやって来たケヴィは、私よりも小さかった筈なのに、見上げる程、背が高くなっていた。
「セシリア……、俺の事、分かる?」
「わ……、か、る……」
目の前でケヴィを見たら、もう駄目だった。セシリアはその場に泣き崩れる寸前で、ケヴィと共に会場から消えた――
「え?あ、あら?舞踏会は?」
そこは、王宮の庭にある噴水の前だった。
「ハハッ。あそこは人が多くてゆっくり話せないから、転移しちゃった」
大人びたと思っていた顔が、知っている笑顔に変わってセシリアもフフッと笑った。
「ケヴィ、本当に魔術が上達したのね」
私まで一緒に転移させるって凄い事なんじゃないかしら?
「当たり前だよ。あれから、俺すっごく危険な任務をやり遂げたんだから!」
とケヴィは得意気に言った。
「凄いわ。今は魔術師の幹部で、国王様の護衛なんですって?その白のローブもとっても似合っていて、ご令嬢達が騒いでいたわよ」
すると、ケヴィは少し顔をしかめた。
「セシリア、俺は君に相応しい男になりたくて頑張ったんだ。他の令嬢なんて関係ない」
「ケヴィ……」
「セシリア、前に俺と会えなくなるのは寂しいって言っていたよね?この1年、俺に会えなくてどうだった?あ!でももし、居なくても寂しくなかったって言われても、俺は諦めるつもりはないから、そこは覚悟し――」
ケヴィが話し終わる前に、セシリアはケヴィに抱き着いた。
「寂しかったわ。ずっと、ずっと寂しかった……。時間が経てば胸の痛みも良くなるとお母様に言われたけれど、全然駄目だった!ケヴィに……ケヴィに会いたかっ」「セシリア!」
ケヴィが強く私を抱きしめて、名を呼ばれた時、頭の中でシーア!と言う声が響いた――。そして、私とケヴィが前世から深く繋がりがあった事を……、私達がシーア王女とケルヴィン王子であった事を思い出した――
「あ……、ケヴ、ケル、ヴィン!ケ……ヴィ!」
後から後から、溢れる涙に混乱する頭で、でも目の前にいるのが大好きだった彼なんだと分かって、しがみつくように泣いた。ケヴィは、そんな私をずっと優しく抱きしめてくれていた。
「うっ……うっ……」
子供みたいに泣きじゃくって恥ずかしいわ。せっかく今日は社交デビューだっていうのに、私だけいつまでも子供みたい……。
「セシリア……。落ち着いた?」
「え、ええ……。ごめんなさい。こんなに泣くなんて、子供みたいで恥ずかしいわ」
セシリアは、頬を染めてケヴィから視線を逸らす。
「何言ってるの?セシリアが俺の前でこんなに気持ちを顕にしてくれて、俺は嬉しいよ」
ケヴィは、優しくセシリアの目の下の涙を拭うと言った。
「セシリア、俺と結婚して欲しい」
「――!?」
セシリアは、せっかく止まった涙がまた溢れてくる。そして、嬉し過ぎて声が出なくて、代わりに何度も頷いた。
「セシリア、今度こそ二人で幸せになろう」
「うん……うん……」
涙ながらに一生懸命頷くセシリアに、ケヴィは笑みを浮かべると、そっと口付けてその涙を止めたのだった――
fin
アニエスはドレス姿のセシリアを前に、満足そうに笑った。
「そう……」
それに、セシリアは顔色を変える事もなく返事をした。
来月の社交デビューに向けて、セシリアの準備は着々と進んでいたが、セシリアは以前にも増して、感情を表に出さなくなっていた。
そこに、父のジョエルがやってきて、着飾ったセシリアに満面の笑みを見せる。
「やあ!なんて美しいんだ!アニエスの若い頃にそっくりだ!これは、来月の舞踏会の後には、婚約の申し込みが殺到しそうだな!」
その言葉に無表情だったセシリアは眉を寄せた。
婚約……。私、社交デビューしたら、誰かと結婚しなくちゃいけないんだわ。
ズキズキする胸の痛みが強さを増す。
「いや……」
小さく、セシリアは呟いた。
「ん?なんだい?セシリア」
ジョエルはよく聞こえなくて、セシリアに聞き返した。
「私、嫌です!舞踏会になんて行きたくない!」
セシリアはそう言うと、自分の部屋に閉じこもってしまった。
「セシリア!セシリア!開けて頂戴」
「セシリア、どうしたんだ?何処か体調でも悪いのか?」
父と母がセシリアの部屋のドアをノックして声をかけるがらセシリアは反応しない。
「セシリアが部屋に閉じこもったって!?」
そこにやって来たのは兄のアンドレだった。
「ああ、アンドレ。セシリアが舞踏会に行きたくないと言って、部屋に閉じこもってしまったんだ」
すると、アンドレは扉を優しくノックして言った。
「セシリア、どうして舞踏会に行くのが嫌なんだ?訳を教えてくれないか?」
すると、扉の向こうから小さくセシリアの声が聞こえた。
「お兄様……、だって私、いつまで経っても心臓がズキズキ痛むんです。いつまで経っても、ケヴィに会えないのが寂しいの!」
「セシリア……」
するとアンドレは、くるりと身体ごと振り返り父と母を見た。
「二人共、セシリアに無理をさせるのはやめませんか?」
「アンドレ……、しかし、社交デビューでもある王宮主催の舞踏会を欠席するわけには……」
と父は苦い顔をした。
「ええ。それは、分かっていますが、婚約の話が来ても、セシリアが了承しなければ受けないと、約束して下さい。お父様もお母様も本当は分かっているでしょう?セシリアが、誰を想いこの1年を過ごしていたのか……」
すると母のアニエスは、一つ頷いて、ジョエルを見上げた。
「あなた……、アンドレの言う通りにしましょう」
「しかし、見習いの魔術師をいつまでも想っていても、どうにもならないじゃないか」
「無理にセシリアを他の相手と結婚させても、あの子が幸せになれる気がしないわ。私が貴方と結婚して幸せであるように、あの娘にもちゃんと好きになった相手と結婚して欲しい……」
アニエスの潤んだ瞳にジョエルは、大きく息を吐いた。
「アニエス……。分かったよ」
すると、ジョエルは扉越しにセシリアに向かって、優しく話し掛けた。
「セシリア、社交デビューしたからといって、お前が望まない婚約は認めないと誓うよ。だから、来月の舞踏会は、参加して欲しい。私達の娘の晴れ姿を見せておくれ」
すると、扉がゆっくりと開いて、セシリアが出てきた。
「本当に?私は望まない相手と結婚しなくてもいいのね?」
「ああ、誓うよ」
「……分かったわ。それなら、舞踏会に参加します」
セシリアのその言葉に3人はホッと胸を撫で下ろした。
◇
そして、王宮主催の舞踏会の日――
この日16歳になったセシリアは、社交デビューを果たす。
淡いブルーのドレスに身を包んだセシリアは、アンドレにエスコートされて、舞踏会の会場にやって来た。
「お兄様、色々とありがとうございます。今日もお兄様がエスコートして下さって、とても心強いです」
「俺は元々セシリアの社交デビューの日は、エスコートするつもりでいたさ」
「私、お兄様の妹で良かった」
そう言って、セシリアが微笑むと、周りの男達がセシリアに釘付けになった。
「あれ、誰だ?」
「アンドレの妹じゃないのか?確か、今日社交デビューするって噂があった」
「あんな、綺麗な妹がいたのか!アンドレのやつ、今まで隠していたな!」
会場に来ていた男達は、セシリアの美しさに見惚れ、誰が一番先に声をかけるかで、争っていた。
すると、会場に国王と共にやって来た青年に、今度は令嬢達の黄色い声が飛び交う。
「キャー!!ケヴィ様よ!!」
「今日もなんて麗しいの!?」
「私、白のローブをあんなに素敵に着こなす方、初めて見たわ!」
ケヴィの名にセシリアは目を丸くして、令嬢達が黄色い声を上げる人物を見た。
そこには、金の刺繍が施された白のローブを着たケヴィがいた――
「ケ、ケヴィ……」
1年前よりも急激に大人びた顔になったケヴィに、セシリアの心臓が1年ぶりにドキドキと高鳴り出した。すると
「ああ、あれが噂の天才魔術師、ケヴィ・クランブか」
とお兄様が言った。
「え!?お兄様、ケヴィを知っていたの!?」
「いいや、この目で見たのは初めてだが、何でも最近、魔術師として物凄い功績を残した若い魔術師が、魔術師幹部に抜擢され、今は国王様の護衛まで務めるという異例の大出世を成し遂げたって噂で……」
「え……、え!?な、なにそれ!?どういう事なの!?」
「ブフッ。セシリア、動揺しすぎ」
初めて見るセシリアの焦る様に、アンドレは思わず吹き出した。
やっぱり、セシリアの心を動かせるのは、ケヴィだけだ……
「そ、それは、するわよ!!だってまさか……、ケヴィがこの舞踏会にいる……なんて……」
セシリアは、その場に泣き崩れそうになるのをなんとか耐えて、ケヴィを見つめた。
すると、国王様に何か話したあと、他の護衛の人と変わったケヴィは、真っ直ぐに私の方へ向かって来る。
目の前にやって来たケヴィは、私よりも小さかった筈なのに、見上げる程、背が高くなっていた。
「セシリア……、俺の事、分かる?」
「わ……、か、る……」
目の前でケヴィを見たら、もう駄目だった。セシリアはその場に泣き崩れる寸前で、ケヴィと共に会場から消えた――
「え?あ、あら?舞踏会は?」
そこは、王宮の庭にある噴水の前だった。
「ハハッ。あそこは人が多くてゆっくり話せないから、転移しちゃった」
大人びたと思っていた顔が、知っている笑顔に変わってセシリアもフフッと笑った。
「ケヴィ、本当に魔術が上達したのね」
私まで一緒に転移させるって凄い事なんじゃないかしら?
「当たり前だよ。あれから、俺すっごく危険な任務をやり遂げたんだから!」
とケヴィは得意気に言った。
「凄いわ。今は魔術師の幹部で、国王様の護衛なんですって?その白のローブもとっても似合っていて、ご令嬢達が騒いでいたわよ」
すると、ケヴィは少し顔をしかめた。
「セシリア、俺は君に相応しい男になりたくて頑張ったんだ。他の令嬢なんて関係ない」
「ケヴィ……」
「セシリア、前に俺と会えなくなるのは寂しいって言っていたよね?この1年、俺に会えなくてどうだった?あ!でももし、居なくても寂しくなかったって言われても、俺は諦めるつもりはないから、そこは覚悟し――」
ケヴィが話し終わる前に、セシリアはケヴィに抱き着いた。
「寂しかったわ。ずっと、ずっと寂しかった……。時間が経てば胸の痛みも良くなるとお母様に言われたけれど、全然駄目だった!ケヴィに……ケヴィに会いたかっ」「セシリア!」
ケヴィが強く私を抱きしめて、名を呼ばれた時、頭の中でシーア!と言う声が響いた――。そして、私とケヴィが前世から深く繋がりがあった事を……、私達がシーア王女とケルヴィン王子であった事を思い出した――
「あ……、ケヴ、ケル、ヴィン!ケ……ヴィ!」
後から後から、溢れる涙に混乱する頭で、でも目の前にいるのが大好きだった彼なんだと分かって、しがみつくように泣いた。ケヴィは、そんな私をずっと優しく抱きしめてくれていた。
「うっ……うっ……」
子供みたいに泣きじゃくって恥ずかしいわ。せっかく今日は社交デビューだっていうのに、私だけいつまでも子供みたい……。
「セシリア……。落ち着いた?」
「え、ええ……。ごめんなさい。こんなに泣くなんて、子供みたいで恥ずかしいわ」
セシリアは、頬を染めてケヴィから視線を逸らす。
「何言ってるの?セシリアが俺の前でこんなに気持ちを顕にしてくれて、俺は嬉しいよ」
ケヴィは、優しくセシリアの目の下の涙を拭うと言った。
「セシリア、俺と結婚して欲しい」
「――!?」
セシリアは、せっかく止まった涙がまた溢れてくる。そして、嬉し過ぎて声が出なくて、代わりに何度も頷いた。
「セシリア、今度こそ二人で幸せになろう」
「うん……うん……」
涙ながらに一生懸命頷くセシリアに、ケヴィは笑みを浮かべると、そっと口付けてその涙を止めたのだった――
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