醒メて世カイに終ワリを告ゲルは

立津テト

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1.決意の日と、始まりの人。

1#8 遺跡

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 二時間後、俺とリリカは馬上の人となっていた。

 ヨーセフを問い詰めると、奴はあっさり観念して色々な事を俺に話してくれた。
 ぶっちゃけ信じられない――というよりも信じたくない内容の話ばかりで、こうして馬に揺られている今も半信半疑だ。

「ルゥロゥさんは……お嬢様はまだ幼ったので記憶にないかもしれませんが、五年前に発見された遺跡に向かったはずです」

「覚えてるよ。東の森の中の遺跡だろ? ここから馬で一時間半くらいか」

「よく覚えていらっしゃいましたね……その通りです」

「何しに行ったんだ」

 ルゥ婆の口から遺跡の話なんて聞いたことがない。ルゥ婆と遺跡の接点の無さに俺が眉根を寄せて訊くと、

「調査に向かわれたはずです……ですが、それはあくまで表向きのことです」

 ヨーセフの声はいつになく落ち着いていて、それが逆に事の重大さを物語っているように感じられる。

「ルゥロゥさんは、このままでは殺されてしまいます」

 背後でリリカが息を呑む気配があった。
 俺もうなじのあたりの毛が総毛立って、ちりちりと震えた。ルゥ婆が殺される?
 なんで……いや、『殺される』ってことはルゥ婆を殺そうとしている誰かがいるはずだ。そいつがルゥ婆に遺跡の調査を命令した?
 そんなことが出来るのは、ルゥ婆の雇い主である――。

「親父にか」

 自分でも信じたくない相手を口にして、奥歯を噛み締めた。
 確かに俺は親父と反りが合わない。でもそれはあくまで家族として意見が合わないだけで、憎しみ合っているわけじゃない。
 貴族として、一個人として見ればあいつは有能だ。すごく頑張ってると思う。だって、ただ押し付けられただけの所領の世話まで、週に一回はどんなに忙しくてもここまで通って、しかもほぼ一日で全部片付けてしまうんだから、はたから見てても感心してしまうほどだ。
 だから、疎ましく思いながらも尊敬はしてた。
 でも、その信頼が揺らぎつつあった。

「違います」

 その揺らぎを、ヨーセフはあっさりと止めてしまった。

「違う? じゃあ、他に誰が……」

 ルゥ婆に命令出来る人間なんて限られている。しかもそんな無茶苦茶な命令を出せる奴なんて……だめだ、いくら考えても親父くらいしか出てこない。
 言い難そうに視線を彷徨わせていたヨーセフと目が合った。そのまなじりに、覚悟が窺えた。

「シャーレシア・シャル・ティスト様……ティスト家当主にしてお嬢様の母君にあらせられる御方に、です」

「…………は?」

 母さんが、ルゥ婆を殺す?
 その意味を解した瞬間、俺はヨーセフの強張った顔面に思いっきり手の平を叩きつけていた。バレーボールのスパイクの要領だ。バチンと激しい音がして、ヨーセフは押し潰されたようにその場に尻餅をついた。
 ホントはグーパンで殴り飛ばしたかったんだけど、高さが足りなかったから手の平で勘弁してやった。

 叩かれた顔面を意外と平気そうな様子でさするヨーセフを見下ろす。多分、こうなることを覚悟の上だったんだろう。

「なんで寄りにも寄ってそんな出鱈目抜かすんだ」

「出鱈目ではないからです。御館様には勘違いしたままにしておけと言われていましたが、こうなった以上話しておかないと、お嬢様は何がなんでもルゥロゥさんの後を追いかけたでしょう?」

「当たり前だ!」

 ルゥ婆は俺の育ての親だぞ。それがいなくなったら探しに行くのは当たり前だろう。
 ……って、なんかさっきから大事なことを聞き逃してる気がする。

「御当主って……母さんが? 親父がティスト家の当主じゃないのか?」

 ヨーセフが顔から手を離して立ち上がった。真っ赤に腫れた鼻からは鼻血が垂れている。

「建国から連綿と繋がる譜代のティスト家は、代々女性が当主に就くのです。それはこのスラディア皇玉国の国王が女性であることにあやかっての習わしです」

「そ……じゃあ、親父よりも母さんの方が偉いのか?」

 スラディア皇玉国が女王制だってのは知ってたが……うちもそうだなんて知らなかった。多分、みんなわざと教えないようにしてたんだな。そう考えないと腑に落ちん。

「ええ、御館様はティスト家に婿入りしてきた御身です。そしてこの館の使用人のほぼすべてが、御当主の用意なされた人間です。僕を除いて。つまり、御館様にはルゥロゥさんへの使役能力はないんです」

「そん……いや、わかった。前提としてそういうことにしておく」

 宗やアマルのシューで培った経験が、俺を恐慌の縁で辛うじて踏み止まらせた。
 このまま信じられないと騒ぎ立てても、ルゥ婆が行方不明になった事実は変わらない。ルゥ婆の行動を正しく理解するには、ひとまずヨーセフの話を鵜呑みにして先に進めなければいけないんだ。

「それを踏まえてだ、どうしてルゥ婆が殺されるんだ」

 ヨーセフが口の端で笑った。俺が訝しむと、ヨーセフは軽く頭を振ってその笑みを消した。

「いえ、これが本当に十歳の子供の反応かと空恐ろしくなりましてね……今更ながらお嬢様はお嬢様なんだなと考えを新たにしていた所です」

 わかるようなわからんような……いや、やっぱわからん。

「意味の分かんないこと言ってないで急いでくれ。こっちは焦ってんだから」

「あまりそうは見えませんが……ここ最近、ユールグ様とルゥロゥさんと、お嬢様に親しい人達が遠ざけられているのにはお気づきですよね」

「ああ、それで母さんに親父の暴挙を言いつけに――まさか、母さんの仕業なのか」

「御明察です。この二つの下命は御当主から発せられ、御館様を通じてお嬢様に宣告なされました。理由はお嬢様を第十八代ティスト家当主に擁立する為、不要のものを切り捨てる目的です」

「不要って、何を根拠に……」

「剣術と門晶術は次代のティスト家当主には不必要、と御当主は判断なされたようですね。元々お嬢様の剣と門晶術の鍛錬は五年を目途に考えられていました。その時はまだ御当主も長女であらせられるシャルレア様を次期当主に、とお考え遊ばされていたようなのですが、ここ最近のシューレリアお嬢様の著しい成長にどうやら変心なされたらしく、こたびの運びとなった次第です」

「それだけの為に……いや、話が逸れてる、結局それがルゥ婆の遺跡調査にどうつながるんだ?」

 相変わらずヨーセフの話はまだるっこしい!

「元々ルゥロゥさんは現当主であらせられるシャーレシア様の養育係もこなされたお方です。しかしこの度、お歳の事もあってお嬢様の養育係り完遂にあたりお暇を出されることになりました。しかしてルゥロゥさんは身寄りも後ろ盾もない天涯孤独の身、このままティスト家で飼い殺すくらいならば最後に一仕事なしてもらおうと、遺跡調査を御命じになられたのです」

 もういらないから捨てる。そういうことかよ。
 俺の母さんは、そういうことを平気でやってのける人間なのか……?

「だけど、その遺跡調査がどうしていきなり殺されるなんて物騒な話にすり替わるんだよ」

「五年前に発見された遺跡は、深部からの魔獣の発生があまりにも多く、調査が難航していた遺跡なんです。御当主はルゥロゥさんを使って、その遺跡の調査を進行させようとお考えになりました。ルゥロゥさんの雷門晶術は威力と範囲こそ絶大ですが、自分以外の人間がいるとその最大効果を発揮できません。そして遺跡のような閉所であれば、ルゥロゥさんお一人で並の冒険者十人以上の働きをなされます」

 淡々と告げられたその内容に絶句する。

「効率を考えれば、ルゥロゥさんお一人を投入するのが遺跡の調査――の露払いとして最も効果的です。冒険者十人も雇うにしてはあの遺跡は規模が小さく思われますし、さりとて放置しておくには勿体ない話ですからね」

「いや、だけど、そこまでルゥ婆がすごいってんなら、その遺跡調査の露払いだって難なくこなして帰ってこれるかもしれないだろ?」

「そうかもしれません。ですが勝算は薄いです。門晶術士の戦いは具象化に集中するために前衛に守られながらが基本です。確かにルゥロゥさんほどの術士になれば、ある程度は戦えるでしょうが、それだって限界があります。雷門晶術士の矛盾点ですね。一人の方が強いのに守られないとまともに戦えない。それになにより、もし生きて帰ってこれたとしても、もうティスト家にはルゥロゥさんの居場所はないのです。あのお歳で流浪の旅に放り出されるのは、殺されるのと変わりありません」

 調査の名目で遺跡の魔物を一層させる。失敗しても元々捨て石にしようとしていた人間がいなくなるだけ、成功してももうそいつに帰る場所はない。しかも成功する可能性は極めて薄い。
 よく出来てる。あまりに出来が良すぎて反吐が出る。
 これを、母さんが考えた? 正直、信じられない。
 だが、ヨーセフが嘘を言う必要性も俺には見つけられない。
 そして俺は母さんのことを知らない。知らされていない。だから、母さんはそんな人じゃないと言い切れるだけの材料を持っていない。
 何が本当で何が嘘なのか……いや、そんなことはこの際どうでもいい。

「僕がご説明できる状況は以上です。お分かりになったでしょう、いまルゥロゥさんを追いかけるのが自殺行……為……って……」

 俺がやたらと重くて固い木材の椅子を持ち上げて振りかぶると、ヨーセフの説明が尻すぼみになっていった。
 重さに耐えかねたと見えるようにゆっくりと椅子を振り下ろす。さっき俺に叩かれたのはわざとだったのか、ヨーセフは今まで見せた事のない機敏さで身を躱す。だけど、それは予測済み。
 俺は振り下ろす椅子から途中で手を離した。そして身を躱したヨーセフが態勢を整える前にユールグ直伝の踏み込みで一気に間合いを詰め、その勢いを丸々乗せた拳で鳩尾を抉りあげた。
 ヨーセフは悲鳴を上げる間もなく悶絶し、気を失ってその場に崩れ落ちた。

「さすがにあんな重い椅子で殴らないっての。それこそ死んじゃうだろ」

 確実にお前を気絶させるためのブラフだよ。
 気絶したヨーセフに吐き捨てて、部屋の入り口へ大股に移動する。そこには怯えた様子のリリカがいた。

「大丈夫、必ず俺がルゥ婆を連れ戻してくるからさ」

 ヨーセフが起きてたら絶対邪魔されただろうから、問答無用で黙らせたのだ。最初にあいつ、『説明しなかったら暴走するでしょうから』って言ってたもんな。
 大正解だよ。なのでご期待に応えて早速暴走させてもらう。
 居場所は分かった。事情も分かった。正直まだ喉の奥に引っかかって腑に落ちない状況だけど、ルゥ婆を助けるのには関係ない。

 涙を浮かべるリリカの頭を軽く撫で、部屋を出て行こうとした俺の袖が何者かに引っ張られる。って、何者も何もそんなことが出来るのは今この部屋に一人しかいない。

「リリカ、なんで止める? 早くしないとルゥ婆が――」

「止めるんじゃないの……私も連れてってぇ……」

 言いかけた俺を制して、リリカがしっかりとした眼差しで俺を見た。

「……危ないぞ、すごく怖い思いをするかもしれないぞ」

「大丈夫……きっと、大丈夫」

 自分に言い聞かせるように繰り返すリリカの様子があまりにもいじらしくて、俺は思わず笑み崩れる。
 まだなんとなく気持ちの奥に昨日の喧嘩がわだかまってるけど、今はそんなの気にしてる場合じゃないよな。

「わかった、一緒に行こう」

「うん~!」

 俺の言葉にぱっと顔を輝かせたリリカを伴って屋敷を抜け出した俺は、馬屋番がいないのをいいことに厩舎から乗り慣れた鹿毛を一頭拝借する。
 大人用の鞍の前部にリリカを乗せ、ちょっと狭いがその後部に俺が乗り込む。
 子供二人、なんとか尻を押し込むと、俺はリリカを背中から抱くように手綱を握る。ついでに二人の身体は革紐で繋いで落下防止にした。
 そうして俺が馬腹を蹴ると、ずんぐりとした鹿毛の牝馬は草地が広がる丘陵を一気に駆け下りた。

 そして今は森の中。馬足はだく足――つまり馬の早歩きの速度で獣道を急いでいる。
 ほとんど人の入らない森の中は道らしい道もなく、藪を馬の胸で無理矢理押しのけながら進まねばならず、速度を出そうにもだく足が限界なのだ。足元の事は馬の判断に任せて、俺達は頭上の枝に気を付けながらひたすら東に進む。
 この時俺は、自分の迂闊さをこれでもかというくらい呪っていた。

「ヨーセフに詳しい場所を話させておくんだったなぁ……」

 そんな悠長に気を回してられなかったってのはあるけど、遺跡の場所が分からないんじゃ話にならない。
 辺りは昼なお暗い鬱蒼とした森の中。見回しても見えるのは緑の葉っぱと黒ずんだ幹ばかり。ぶっちゃけ、本当に先に進めてるのかすら怪しいが、鞍に付いている方位磁針がちゃんと東に向かっていることを示している。今はそれを信じて進むしかない。

 焦りを紛らわすように湿った土の匂いを胸一杯に吸い込んで、吐き出す。

「シュー様~……」

 リリカが俺の袖をぎゅっと握り締めた。

「リリカ、ハンドルに掴まってないと危ないよ」

 馬の鞍の前部についているハンドルだ。ぶっちゃけ一人用の鞍にこれが付いている意味が分からなかったが、まあ、付加価値は多ければ多い方がいいという貴族的発想なのかもしれない。それが今こうして役に立っているのだから文句は言えないし。

「ばばさま、大丈夫ですよねぇ? 死んじゃったり、しないですよねぇ?」

 リリカもあの場にいてあの話を聞いてはいたが、どうやら半分も理解は出来なかったようだ。そりゃそうだろうな、貴族の枠になく、しかもまだ十歳だ。あんな外道な話、理解できたとしてもしないで欲しい。って、俺も十歳か。
 俺は手綱から片手を離し、リリカの赤毛をそっと撫でた。腕の中でリリカの小さな身体から少しだけ緊張が抜ける感じがした。

「大丈夫、きっとなんとかするからさ」

「うん~……」

 その為にはとにもかくにもまずはその遺跡を探さないと。
 しかしどうやって見つけようか。せめて入り口の形状さえわかればもう少し注意しやすいんだけど……五年前に、人が住み暮らすこの領内で新たに発見されたってことは、かなり見つかりづらい入り口だったってことだよな。

 この森は確かにあまり人が立ち入らないが、危険があるとかではなく単にあまり用事がないからだ。生えている樹種の影響か、あまり木の実やキノコの類が採れず、狩猟するにしても木々がこう密集してちゃ弓もうまくとりまわせない。そんな具合で、今まで人の手が入ってこなかった場所だった。

 人が入らなかったから見つからなかったのか、見つかりづらいから最近になったのか……あるいは両方か。

 沈思しながらも頭上の木の枝を避けたその時だった。
 急に馬が落ち着かなくなった。足を止め、耳をそばだて、鼻面を捻って一方向を気にしている。
 俺もすぐにそれに倣って耳を澄ませてみた。遠くから甲高い、一定の高さを保った音が微かに聞こえてくる。

 音が変化に乏しいことからそれほど危険はないと判断したのか、鹿毛はすでに平静を取り戻していたが、俺の方はそのわずかな耳慣れない音に不安を掻き立てられていた。

「リリカ、音、聞こえない?」

「聞こえますぅ……犬の遠吠えみたいな~……でも、生き物の声とも違うみたいなぁ……」

「うん、俺もそう思った」

 いつの間にかゆっくりと前進を再開していた馬の足が進むにつれ、音は次第にその輪郭をはっきりとさせてくる。
 そうすると俺にはその耳慣れない音の正体に一つの察しが生まれた。
 いや、でも、これは……この世界アステラにあるはずはない音だ。だからシューレリアの耳は聞き慣れてなくとも、音の意味を知っている宗の魂がこの音に不安を掻き立てられている。

「これ……警報か?」

 低い音から高い音へゆっくりと音を大きくするタイプの、災害警報とかでよく聞いた音だ。断じて自然の中にあったり、生き物が出せる音じゃない。
 そんな不自然な音に、この音の意味を知らずともリリカは身を硬くしてその音の出処を確かめようと辺りをきょろきょろと窺っている。
 鹿毛はひたすら真っ直ぐに進む。そうして藪を一つ二つ抜ける。音はますます大きくなり、今はけたたましいと言っていいくらいの大きさになっている。

 それもそのはず。三つ目の藪を抜けた先が少し開けた場所になっていて、そこにちょっとした地面の盛り上がりと、その盛り上がりに横一文字に亀裂の入った口が姿を見せた。音はその口から唸り声のように静かな森の中に解き放たれていた。

「シュー様ぁ、この音なに? 怖いよぅ……」

「大丈夫、この音自体に危険はないよ」

 危険を知らせる音だから中は危険なんだろうが。
 俺は藪を抜けたところで手綱を引き、馬の足を止めた。少し離れた状態で入り口らしき亀裂の様子を窺っては見たものの、しばらく観察してもこれといった変化は見つけられない。
 でもきっとルゥ婆はこの中だ。ここまで来たんなら行くっきゃない。
 俺は腰に差し落としていた木剣が確かにそこにあることを確認して、気持ちを奮い立たせる。そうしてリリカと繋いでいた紐を手早く解きほぐすと、鹿毛の背から一息に飛び下りた。

「シュー様!? どこ行くのぉ?」

 それに慌てたのはリリカだ。

「リリカは危ないからここで待ってて」

 遺跡の口は狭くて馬じゃ通れないし、通れたとしてもそんな閉所で馬を操れるほど俺の馬術は達者じゃない。

「やだ、私も連れてってぇ!」

 慌てて鞍から下りようとしたリリカはしかし、子供の足がつく訳もなく鞍から滑り落ちる。

「危ないから!」

 俺は咄嗟にリリカの身体を受け止めて、そっと地面に降ろしてあげた。

「一緒に行きたいですぅ……」

 そのまま両袖をぎゅっと握られて、涙目+上目使い+甘えた声で追撃される。うん、無理、これは抵抗しきれない。

「わかった、わかったから、絶対に俺の後ろから離れちゃだめだよ」

「はいぃ」

 どっちにしろ、ここまで着いてきた時点でリリカも遺跡に入るつもりだったんだろう。そのくらいは俺だって察していたさ。
 リリカを置いていこうとしたのは振りだ。
 もしかしたら怖気づいて残りたいと思ってるかなぁとか気を回してみただけで、余計なお世話だったみたいだ。
 でもリリカの涙目懇願が見れたから無駄じゃなかったぜ。

 俺は気を取り直して鹿毛を近くの大木に結わいつけると、ゆっくりと遺跡の中に足を踏み入れた。踏み入れると同時に、再び自分の迂闊さを呪った。

「明かり、持ってくるの忘れたな……」

 自然洞窟の入り口から十メートルも入らない内に、辺りはまともに視界が利かない真っ暗闇に沈んでしまった。視界が閉ざされたせいか湿った土の匂いが嫌に鼻につく。警報はいつの間にか止んでいた。
 しかしその暗さの中で気付くこともあった。前方に淡い光が見えるのだ。
 のみで削ったような細かい掘削跡が残る岩壁を、片手伝いにそちらへ近づいていく。歩を進めるにつれてかすかな光は次第に強さを増していき、やがてそれが亀裂からこぼれ出る明かりなのだと気付かされた。

 その亀裂がある壁と、今まで俺が伝って来たさらさらとした岩とは明らかに材質が異なっていた。金属とも、岩石とも違う。もちろんプラスチックみたいなツルツルしたやつとも違う。科学技術が溢れる現代社会で十六年間生きていた俺ですら、それがどんな材質で出来ているのか及びもつかない不思議な壁。そしてその壁を引き裂くように穿たれた亀裂。
 その亀裂は大人が辛うじて通れる程度の大きさがあり、自然洞窟にはその亀裂以外に進む道はない。
 光が、俺達をその化け物の口ような亀裂に誘い込んでいる。

「変な光ぃ……」

 二人並んでその亀裂を、光を観察していたんだが、リリカが不意にそんなことを口走った。

「怖いか?」

「ううん、怖くはないですよ~」

 と言いつつも、俺の傍らに立つリリカの片手は所在無げに浮ついている。
 俺はその手を取ると、壁の口の中へゆっくりと足を踏み入れた。
 踏み入れた瞬間、リリカの手を握っているのとは反対の手で、鼻を覆い、眉間に皺を寄せた。

 こういうのをキナ臭いっていうんだろうな。
 この遺跡を設計した人間の几帳面さを窺わせる、垂直線と水平線ばかりで構成された建造物内部には、生き物の焼けた匂いが立ち込め、その匂いの元なのであろう黒焦げの焼死体の山が築かれていた。
 元々がどんな生物であったか想像もつかないほど破壊された遺骸が山積みされた光景は、目も当てられない陰惨な眺めだった。

「なんだ、これ……」

「シュー様……」

 リリカが俺の手を手繰り、そっと身体を寄せてきた。握った手の平にじんわりと感じる汗は、どちらのものだろうか。

「ルゥ婆の、魔法なのか……?」

 そうとしか考えられなかった。
 恐らくこの焼死体は雷の門晶術で焼き払われたのだ。しかし電気自体に燃焼効果はないはずだろう……いや、そう言えば強い電気は一瞬で空気中の分子を分解してプラズマ化するって聞いたことがあったな。確か落雷のメカニズムをテレビで紹介してる時の話だ。
 プラズマって言えばあれだろ、火と同じ超高温の……気体? まあ、とにかく熱いってことだろう。こいつらは感電死じゃなくて電気で発生したプラズマで焼き殺された……?

 いや、ないわ。さすがにそれはないわ。プラズマで焼き殺すとか意味わからん。想像も出来ん。
 うむ、俺の知識じゃそんな意味不な予測しか立てられない。でもまあ、手段は分からないがルゥ婆の仕業なのは間違いないだろうな。
 これ、迂闊に近づいたら俺達まで黒焦げにされかねないな……。

「リリカ、これ多分ルゥ婆の雷門晶術でやられた魔獣だ」

 俺の言葉にただただ怯えていたリリカがハッとする。

「ばばさまの……!」

「ここからは大声を出してルゥ婆に俺達の事を知らせながら行こう。でないと巻き添えでこっちまで黒焦げにされるかもしれない」

 足元に転がる焼死体を見下ろして、ゾッと背筋を駆けあがってきた冷たい気配に固唾を飲む。
 ルゥ婆を迎えに来て、ルゥ婆に焦がされたんじゃ堪ったもんじゃない。

「うん、わかったぁ。ばばさまぁ~!」

 俺の注意喚起を素直に受け止めると、リリカはすぐさまその予防策を実行した。遺跡にリリカの間延びした声がこだまする。

「ルゥ婆ーっ! 迎えに来たぞー、俺だ、シューレリアだーっ!」

 二人の声はそれほど反響する事無く遺跡の壁に吸い込まれ、しかし、訪れた沈黙の中に返事が戻ってくる気配はなかった。

「進もう」

「うん~」

 俺はリリカの手を引いて、遺跡の奥へと歩を進める。部屋を出れば一気にキナ臭さは薄れ、再びカビと湿った土の匂いが鼻を刺す。入り口付近の天然窟よりはマシだが、ずっと嗅いでるとなんだか頭がクラクラしてくる匂いだ。

 ゆっくりと、慎重に歩を進める。どこか遠くから、機械のモーター音のような『ブゥゥゥン』という低くか細い振動が聞こえてくるが、まさか本当にモーターの類じゃあないだろう。魔獣の立てる音かあるいは今もこの遺跡のどこかで戦っているルゥ婆の門晶術、そのあたりだろうな。
 しかしまあ、遺跡としては規模が小さいと聞いていたんだが……遺跡というものにそもそも初めて進入したってのを差っ引いても、なかなか広いもんだな……。遺跡ってのはこの規模でも小さいって呼ばれるもんなのか。

 それにしてもここは何の目的で作られた建造物なのか……。
 学校の教室くらいのがらんとした一間が廊下によっていくつも並んでいる構造は……もしかしてまんま学校なのかな? と思ってしまうくらい、宗の時に通っていた日本の学校の構造そっくりだ。
 ただし窓は一切無い。当たり前だ、地下なんだから。
 この閉塞感は地味にしんどい。普段、だだっ広い草原を走り回っているだけに、こんな無機質な壁に包まれた空間は不慣れなのだ。なんだか息が苦しくなってきた気がする。

 あ、でも明かりには困っていない。
 一体どういう照明なのか原理がさっぱりわからないが、壁全体が光っているかのように自然な明るさで辺りが見渡せるのだ。
 うっかり松明を忘れてきた俺には渡りに船だ。この際、理解不能な超技術はそういうものだと呑み込んで上手に活用させてもらおう。

 俺とリリカは、大きな声でルゥ婆の名前を呼ばわりつつも、慎重に首だけ伸ばして部屋の内部を伺う。
 大抵、どの部屋にも魔獣の焼死体が転がっていて、焦げ臭い匂いを部屋の中に満たしていた。
 その光景にルゥ婆が徹底的に魔獣を殲滅しようとしている並々ならない覚悟を感じながら、同時にここにもその姿が無かったことに落胆する。
 そんな事を飽きることなく繰り返しながら、俺とリリカは一部屋ずつ遺跡の奥へと潜っていった。

 やがて俺達の呼び声が引き寄せたのは、ルゥ婆じゃなかった。
 廊下の向こうの曲がり角に気配を感じた俺は、リリカを背中に隠して立ち止まる。リリカは俺の背中越しにそちらへ注意を向けている。
 もしかしてルゥ婆かも……とリリカに声を掛ける間もなく、曲がり角からのっそりと姿を現したのは俺達の身長と同じくらいの体長を持ったバカでかいトカゲだった。

 もちろん、俺達が悲鳴を上げるのも忘れるほど驚いたのは言うまでもない。
 まさかよりにもよってルゥ婆と合流する前に魔獣と鉢合わせちまうなんて、不運ここに極まれり、だ。俺とリリカは慌てて曲がり角から距離を取り、大トカゲの動きを油断なく見守った。

 真っ黒な瞳が俺達を視界に入れると、鋭い牙が並ぶ口をこちらに向けてパカリと開いた。
 威嚇なのかどうかわからないが、少なくとも向こうはこっちから逃げるつもりはないらしい。これはどうやらやるしかないようだ。
 俺は腰のベルトに手挟んでいた木剣を両手を使ってヨイショヨイショと引き抜くと、じっとこちらを見つめてくるトカゲに向けて半身で構える。ユールグとの最後の稽古の時、踏み込みに成功した時の構えだ。
 正直、いきなり実戦とか緊張で頭が真っ白になってるけど、実力が試せることに興奮してるのも確かだ。俺の五年間が無駄じゃなかったと証明したい気持ちだ。

 俺が構えたことであっちも敵だと見なしたのか、トカゲが一歩一歩踏みしめるようにゆっくりとこちらに近づいてくる。
 俺の太腿くらいある腕の先には、鋭く汚れた爪が並んでいる。あれに引っかかれたらきっとただじゃすまないだろうな。牙で噛み千切られるのも勘弁だ。
 俺の背後で身を硬くするリリカをしっかりと庇うように一歩前に出てトカゲを睨み、状況を見渡す。

 こういった戦闘は実のところ初めてではない。アマルのシューの時代には傭兵団の一員として人間相手に修羅場を何度もくぐってきたのだ。荷物運びや小間使いとしての輜重(しちょう)兵としてだけど。
 でもこうした空気に慣れているのは事実。そして当時、傭兵団に入った頃は自分ならどう立ち廻るかというイメトレに明け暮れた経験もある。まったく経験ゼロの高校生や貴族のお嬢様よりはよっぽど動ける。……ハズ。

 相手は一匹、奥の影から仲間が出てくる様子もない。真っ直ぐな廊下で鉢合わせたから下手に逃げるより動けなくするか倒してしまう方が安全だろう。
 問題は俺の剣術がどれだけあのトカゲに通用するかだが……そこはやってみないとわからない。むしろ試せると思ったらどんどん頭が冴えていってるのに気付く。アマルのシューの経験を呼び起こせたのも、緊張以上に期待が膨らんだからだろうな。
 っと、そう言えば俺にはルゥ婆直伝の門晶術もあるんだ。相手はどう見ても接近戦がメインだ、あまり燃えるものがないこの空間でなら、簡単な火の門晶術なら使えそうだ。簡単な火の門晶術しか使えないんだけど。

 よし、勝算は立った。後は野となれ山となれだ。

「エリフ……!」

 胸の奥に意識を集中し、エーテルが胸を吹き抜けるイメージを浮かべる。同時にエリフの論理を展開。感触の変わったエーテルを論理の溝に流し込む。
 ルゥ婆の薫陶(くんとう)のたまものだ。俺はここまでをほぼ無意識下で、しかも一瞬裡(いっしゅんり)に終わらせる。
 すると、胸の奥に心地良い程度の膨張感が生まれた。成功だ。これこそが門晶術の具象化する感触なのだ。
 瞬く間に、俺の眼前五十センチほど先、渦巻くようにして拳大の火の玉が現れる。炎を発現する論理『エリフ』一論による門晶術。当然、難易度は初級だ。しかしこの火球は俺が使える唯一の門晶術である。

 火の玉は安定して俺の眼前で燃え盛る。どんな理屈で燃えてるのか、空中に留まっているのか不明だが、それこそが論理『エリフ』の構造なのだから、使う側としては深く考える必要はない。
 それよりも今問題なのは、よくわからん非常識ではなく常識の方だ。
 火は熱い。火はその大きさに見合った熱風をあたりに撒き散らす。その火の塊がちょっと近いかな? って戸惑うくらいの近距離にある。つまり、熱い。かなりの熱波が俺の顔に吹き付けてきて、結構熱い。もうちょっと離して出せばよかったと思っている間に、トカゲがベタベタと音を立てる歩速を速めてきた。

 よし、じゃあ次はこの火の玉を…………どうしよう……。
 そう言えば俺、教えて貰ったのは火の玉を出すエリフだけで、飛ばしたり操作したりする追加の論理はまだだった……。

 ああもうルゥ婆のバカぁ! ちゃんと教えてくれないから肝心な時に役に立たないじゃんかよぉっ!

 抱えた頭の中でちっちゃい師匠をひとしきり恨んで……そういやトカゲはっ!?
 慌てて視線を投じると、トカゲは俺の前方二メートル先のところでなにやら立ちすくんでいた。獲物には飛び掛かりたい、でも何かが怖い。そんな感じだ。
 俺はそこでハタと気付く。そっか、野生動物は火を嫌うとか何とか、なんかアニメで見た気がする。
 魔獣も結局は野生動物。知恵がついたわけでもなし、怖いものは怖いのか。

 しかし怖がらせたところでこの火を動かせるわけでもなし、松明みたいに持ち運ぶ道具もないし……結局この門晶術は暖かい――ってかあっついだけ。
 いや待て、怖がって近付かないってことは、この付近が安全ってことで――。

「リリカ、火のそばに来て!」

「え? はいぃ?」

「火のそばならあいつ、怖がって近づいてこないみたいだから、出来る限り火のそばにいろな」

「う、うん、わかった~」

 若干強張った面持ちが、オレンジの光に照らされて頷く。少しだけ顔に血色が戻って見えるのは火の明かりかわずかな安堵からか。
 まあ、これで背後を気にせず戦えるってんなら、この火を出したのも無駄じゃなかったってことだ。あとはエリフの効果が切れる前に、目の前のあいつを片付けるだけだな。

「いくぞ……!」

 俺は自分に言い聞かせるように低く呟くと、構えの重心をしっかりと腰の上に乗せた。
 まだあの踏み込みはコツを掴んだだけで身体に馴染んだわけじゃなく、こうしていちいち順を追って動作を確認していかないと安定して発揮できないのだ。

 トカゲを見据え、その少し向こうに意識を置く。目測およそ二メートル。充分間合いの内。
 ゆっくりと一歩を踏み出す。踏み出した右足への重心は二割。残した左足への重心も二割、残りはすべて腰の上。
 それらを横に滑らせるイメージで、体幹の筋肉をバネにして一気に重心を動かす!

 トカゲからしたら火にまごついている間に、突然俺が目の前に瞬間移動してきたように見えたかもしれない。そう見えてればかっこいいんだけど。
 しかし事実、トカゲは俺の木剣の振り下ろしに反応しきれず、脳天を思い切り叩きつけられて床と木剣に挟まれた。

 固いような柔らかいような感触が腕を這いあがってくる。ぶっちゃけ、気持ちのいいもんじゃない。
 今までユールグ相手に打ち込み稽古しかしたことがなかった。木剣を振ったら硬い感触が返ってくるってのが普通で、それに慣れきっていたのもあるだろう。
 でもそれを差し引いても、生き物を殴るってのは気持ちのいいもんじゃないなと思った。アマルのシューの時は散々殺してきたのに今更、って気もするけどさ……やっぱ、シューレリアの身体じゃ初めてだから、妙な違和感があるのかな……。

 だけどそこは昔取った杵柄。よろよろと体を起こそうとするトカゲの腹の柔らかそうなところを狙って一突き。木剣とはいえ先を少し尖らせた硬い木の棒だ。上手く扱えば生き物の皮を貫くくらいは造作も無い。
 木剣を突き立てられたトカゲはたまらずひっくり返り、俺が飛び退いた後もしばらくのたうち回っていたが、やがてわずかな痙攣を経て完全に動かなくなる。
 初戦としては呆気ない勝利だった。

「よし、行こうか、リリカ」

「うん」

 エリフの火はまだそこにある。最近計ってなかったけど、一月くらい前に計った俺のエリフの継続時間は確か三十分くらいだったか。継続時間内に片付けられるか不安だったけど、思った以上に早く片付いて助かった。
 木剣に着いたトカゲの血を、懐にあった小切れで拭い取って、エリフの火に放り込む。小切れは瞬く間に灰に変わり、立ち昇る陽炎に細かく消えた。
 そうしている間に火を回り込んで俺の方に駆け寄ってきたリリカの手を取り、俺は再びルゥ婆を探して声を張り上げた。
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