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2作目 適応障害
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パチパチパチパチ。拍手が起こる。
「大手の契約取れたんだって。」
「おまえは優秀な社員だ。」
「これからもこの調子で、頑張ってくれよ。」
「期待してるぞ。」
期待の眼差しが向けられている。
「ごめん!今日子供が風邪引いちゃって。仕事任せてもいい?」
「いいよ。シングルマザーだもんね。早く子供のそばにいってやって。」
「本当にありがとね。」
同僚は椅子にかけてあった上着を着て急いで、部屋を出ていった。
「はぁ。疲れたな。今日も、残業か。」
私の机には大量の書類がある。書類を一枚めくった。まだまだいっぱいあるな。まだ、頑張れる。買っておいた栄養ドリンクを飲み干した。
「あと、ひと踏ん張り頑張ろう。」
最近は家に帰るのは3時過ぎ。帰る前にふらふらしながらトイレへと向かった。ふと鏡に映った自分を見るとひどいクマがあり、心なしか、顔も青白い。頑張りすぎかな。でも皆頑張ってるんだから。
仕事を全部片付けて重い足取りで会社を出た。駅から歩いて帰る途中に、コンビニがあった。そこで、珈琲とサンドイッチを買う。最近あまり食欲が、湧かない。歩きながら珈琲を飲む。暖かい。疲れた体にしみる。珈琲の香りが眠気を誘う。
「疲れたな。」
ふと、本音が口から出た。
家に着いて、スーツを脱ぐ。体が重たい。ベッドに横たわる。洗濯物畳まないと。お皿洗わないと。ちゃんとしないと。
スマホの目覚ましが、鳴っている。もう朝か…。
「あっ!ヤバ、会社に遅れる。」
急いでスーツを着て家を出る。走るときつい。息が上がる。頭が痛い。なんとか、電車の時間に間に合った。駅の階段を駆け上がる。ホームの黄色い線が、目に入った。ここから飛び降りれば、会社にいかなくて済む。
「黄色い線から下がってください。」
アナウンスが流れる。はっとして我に返った。私今何しようとしてた…。
会社に着くと、ドアの向こうから話し声が聞こえてきた。ドアノブを捻る手が止まった。
「最近入った新入社員、スッゴい便利!」
「この前も変わってくれたの。子供が風邪引いたことにしたけど本当は合コン。」
「本当騙されやすい。」
「えーっ。ひっどぉーい笑。」
聞いてしまった。その瞬間、胃から熱い何かが上がってきた。喉元まで、差し掛かってきた。急いでトイレに駆け込む。今までの感情と吐瀉物が出てきた。
吐き終わった後、レバーを引いた。吐瀉物が渦巻いている。まるで私の気持ちを表しているようだ。
なんとか仕事を終えて近くの内科を探した。スマホで、検索していると、広告で心療内科が、出てきた。導かれるように広告を押す。会社の近くじゃん。
まだ、空いてる。まだ、間に合うかも。急いで、会社を出た。
「今日の患者さんはこれで全部かな。」
「まだ、空いてますか?」
「はい、まだ、大丈夫ですよ。」
その言葉を聞いて、安心したのか全身の力が抜けてその場にしゃがみこんだ。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。」
本当は、大丈夫じゃない。今だって、苦しい。
「死にたい。」
「とりあえず診察室に行きましょうか。」
うなずいた。先生に支えられながら、診察室に向かった。
「ゆっくりでいいですから、話してください。楽になりますから。」
「私、会社にいるのが辛くなってしまって。こんなの甘えですよね。」
彼女は涙をハンカチで拭いながら答えた。
「人によって心の器は違います。他の人がなんともないと思うことでも、人によっては辛く感じてしまうこともあります。」
「苦しかったですよね。今なら全部話してもだれも聞いてる人は、いません。安心して話してください。」
彼女は涙ながらに今までのことを全部話した。医師の診断は適応障害。しばらく会社を休むことを、提案された。彼女は服薬治療を今も続けている。結局、今の会社は辞めることにした。新しい未来のために、職を探している。彼女は適応障害を抱えながら今日も生きていく。
「大手の契約取れたんだって。」
「おまえは優秀な社員だ。」
「これからもこの調子で、頑張ってくれよ。」
「期待してるぞ。」
期待の眼差しが向けられている。
「ごめん!今日子供が風邪引いちゃって。仕事任せてもいい?」
「いいよ。シングルマザーだもんね。早く子供のそばにいってやって。」
「本当にありがとね。」
同僚は椅子にかけてあった上着を着て急いで、部屋を出ていった。
「はぁ。疲れたな。今日も、残業か。」
私の机には大量の書類がある。書類を一枚めくった。まだまだいっぱいあるな。まだ、頑張れる。買っておいた栄養ドリンクを飲み干した。
「あと、ひと踏ん張り頑張ろう。」
最近は家に帰るのは3時過ぎ。帰る前にふらふらしながらトイレへと向かった。ふと鏡に映った自分を見るとひどいクマがあり、心なしか、顔も青白い。頑張りすぎかな。でも皆頑張ってるんだから。
仕事を全部片付けて重い足取りで会社を出た。駅から歩いて帰る途中に、コンビニがあった。そこで、珈琲とサンドイッチを買う。最近あまり食欲が、湧かない。歩きながら珈琲を飲む。暖かい。疲れた体にしみる。珈琲の香りが眠気を誘う。
「疲れたな。」
ふと、本音が口から出た。
家に着いて、スーツを脱ぐ。体が重たい。ベッドに横たわる。洗濯物畳まないと。お皿洗わないと。ちゃんとしないと。
スマホの目覚ましが、鳴っている。もう朝か…。
「あっ!ヤバ、会社に遅れる。」
急いでスーツを着て家を出る。走るときつい。息が上がる。頭が痛い。なんとか、電車の時間に間に合った。駅の階段を駆け上がる。ホームの黄色い線が、目に入った。ここから飛び降りれば、会社にいかなくて済む。
「黄色い線から下がってください。」
アナウンスが流れる。はっとして我に返った。私今何しようとしてた…。
会社に着くと、ドアの向こうから話し声が聞こえてきた。ドアノブを捻る手が止まった。
「最近入った新入社員、スッゴい便利!」
「この前も変わってくれたの。子供が風邪引いたことにしたけど本当は合コン。」
「本当騙されやすい。」
「えーっ。ひっどぉーい笑。」
聞いてしまった。その瞬間、胃から熱い何かが上がってきた。喉元まで、差し掛かってきた。急いでトイレに駆け込む。今までの感情と吐瀉物が出てきた。
吐き終わった後、レバーを引いた。吐瀉物が渦巻いている。まるで私の気持ちを表しているようだ。
なんとか仕事を終えて近くの内科を探した。スマホで、検索していると、広告で心療内科が、出てきた。導かれるように広告を押す。会社の近くじゃん。
まだ、空いてる。まだ、間に合うかも。急いで、会社を出た。
「今日の患者さんはこれで全部かな。」
「まだ、空いてますか?」
「はい、まだ、大丈夫ですよ。」
その言葉を聞いて、安心したのか全身の力が抜けてその場にしゃがみこんだ。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。」
本当は、大丈夫じゃない。今だって、苦しい。
「死にたい。」
「とりあえず診察室に行きましょうか。」
うなずいた。先生に支えられながら、診察室に向かった。
「ゆっくりでいいですから、話してください。楽になりますから。」
「私、会社にいるのが辛くなってしまって。こんなの甘えですよね。」
彼女は涙をハンカチで拭いながら答えた。
「人によって心の器は違います。他の人がなんともないと思うことでも、人によっては辛く感じてしまうこともあります。」
「苦しかったですよね。今なら全部話してもだれも聞いてる人は、いません。安心して話してください。」
彼女は涙ながらに今までのことを全部話した。医師の診断は適応障害。しばらく会社を休むことを、提案された。彼女は服薬治療を今も続けている。結局、今の会社は辞めることにした。新しい未来のために、職を探している。彼女は適応障害を抱えながら今日も生きていく。
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