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4.居心地の悪い家
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ヤマトに出て行ってと言われた翌朝。私が起きてリビングに行くと、ヤマトはまだ寝ていた。ソファの上で掛け布団をかけて眠っているようだった。小さいソファだから、きっと疲れが取れにくいだろう。
私はヤマトを起こさないように支度をし始める。朝起きるとまずは歯磨きをしてからコップ1杯の水を飲む。それから顔を洗って化粧水、乳液、髪型を整えたら朝食を作る。洗濯物があればその間に洗濯機をかけることもあるが、昨日お洗濯をしたおかげで今朝は洗濯物はない。
いつもだったらヤマトの分の朝食も作るところだが、今朝はどうしよう。私はお弁当を持参していたので、毎朝必ずお米を炊くようにしているのだ。一応作ってみて、食べなかったら夜ご飯にしようと決めた。
お米を研いでスイッチを入れ、お米を炊いている間に冷蔵庫の中にあった豚肉を使って生姜焼きを作ることにした。昨日のうちから調味液に漬けたわけではないので、今日は味付けとして少し物足りないかもしれないけれど、外食するよりはかなりの節約になることは間違いない。
豚肉が焼かれる音が、今朝はとてもハラハラした。音がうるさくてヤマトが起きたりしないだろうか。私はヤマトの方を確認してみる。ヤマトはソファから動いてはいないようだ。耳にイヤホンを入れたままなのだろうか?
お肉を焼いている最中に思い出したが、今朝はサラダがなかった。昨日の美容室の帰りにスーパーに寄って買ってこなかったからだ。仕方がないので、サラダは会社に行く途中のコンビニで買うか、面倒であればご飯と生姜焼きだけにしよう。1食くらい野菜を採らないからって、すぐに不健康になるわけでもない。
私が朝の支度をしていると、ヤマトがいつも通り7時に目を覚ました。スマホの目覚ましが鳴った音は感じなかったから、バイブレーションで起きたのだろうか。
「・・・おはよう」
「・・・うん」
一緒の空間にいるのに挨拶をしないのも気まずいと思い、おはようと言ってみたけれど、ヤマトは私と目線を合わせないままお風呂場に消えた。その間に私がソファに座り、朝食を食べる。ヤマトのスマホがテーブルの上に置いたままになっている。画面は真っ黒で、何も表示されていない。
歯磨きや朝のシャワーを済ませたヤマトが浴室から出てくるや、私の目の前にあったスマホを奪うように持って行った。
「なに勝手に見てんの?」
「見てないよ! 触ってもないし!」
「・・・はあ、最悪」
低い、冷たい声で突き放される。本当に見ていないし、触ってもいないのに。
不機嫌になったヤマトは寝室に行ったようだ。きっとスーツに着替えているのだろう。
私は食器を重ねて台所に持って行く。ヤマトのためにも一応用意した朝食を見ているとため息が出た。
ヤマトはなかなか寝室から出てこなかった。私と顔を合わせたくないのかも、というネガティブな考えが思い浮かぶ。それでも念のため、朝ごはんをどうするか確認しようと寝室のドアをノックし、ヤマトにドア越しに話かけてみた。
「ヤマト。朝ごはん、作っておいたんだけど」
「いらない」
今回は即座に返事をしてくれたが、全面的に拒否の内容だった。
「明日からももういらないから」
私は台所に戻ると、熱が取れた生姜焼きをラップで包んで冷蔵庫にしまった。余ったお米もラップで 包んで冷蔵庫に入れる。
私はいつもよりもかなり早く家を出た。
私はヤマトを起こさないように支度をし始める。朝起きるとまずは歯磨きをしてからコップ1杯の水を飲む。それから顔を洗って化粧水、乳液、髪型を整えたら朝食を作る。洗濯物があればその間に洗濯機をかけることもあるが、昨日お洗濯をしたおかげで今朝は洗濯物はない。
いつもだったらヤマトの分の朝食も作るところだが、今朝はどうしよう。私はお弁当を持参していたので、毎朝必ずお米を炊くようにしているのだ。一応作ってみて、食べなかったら夜ご飯にしようと決めた。
お米を研いでスイッチを入れ、お米を炊いている間に冷蔵庫の中にあった豚肉を使って生姜焼きを作ることにした。昨日のうちから調味液に漬けたわけではないので、今日は味付けとして少し物足りないかもしれないけれど、外食するよりはかなりの節約になることは間違いない。
豚肉が焼かれる音が、今朝はとてもハラハラした。音がうるさくてヤマトが起きたりしないだろうか。私はヤマトの方を確認してみる。ヤマトはソファから動いてはいないようだ。耳にイヤホンを入れたままなのだろうか?
お肉を焼いている最中に思い出したが、今朝はサラダがなかった。昨日の美容室の帰りにスーパーに寄って買ってこなかったからだ。仕方がないので、サラダは会社に行く途中のコンビニで買うか、面倒であればご飯と生姜焼きだけにしよう。1食くらい野菜を採らないからって、すぐに不健康になるわけでもない。
私が朝の支度をしていると、ヤマトがいつも通り7時に目を覚ました。スマホの目覚ましが鳴った音は感じなかったから、バイブレーションで起きたのだろうか。
「・・・おはよう」
「・・・うん」
一緒の空間にいるのに挨拶をしないのも気まずいと思い、おはようと言ってみたけれど、ヤマトは私と目線を合わせないままお風呂場に消えた。その間に私がソファに座り、朝食を食べる。ヤマトのスマホがテーブルの上に置いたままになっている。画面は真っ黒で、何も表示されていない。
歯磨きや朝のシャワーを済ませたヤマトが浴室から出てくるや、私の目の前にあったスマホを奪うように持って行った。
「なに勝手に見てんの?」
「見てないよ! 触ってもないし!」
「・・・はあ、最悪」
低い、冷たい声で突き放される。本当に見ていないし、触ってもいないのに。
不機嫌になったヤマトは寝室に行ったようだ。きっとスーツに着替えているのだろう。
私は食器を重ねて台所に持って行く。ヤマトのためにも一応用意した朝食を見ているとため息が出た。
ヤマトはなかなか寝室から出てこなかった。私と顔を合わせたくないのかも、というネガティブな考えが思い浮かぶ。それでも念のため、朝ごはんをどうするか確認しようと寝室のドアをノックし、ヤマトにドア越しに話かけてみた。
「ヤマト。朝ごはん、作っておいたんだけど」
「いらない」
今回は即座に返事をしてくれたが、全面的に拒否の内容だった。
「明日からももういらないから」
私は台所に戻ると、熱が取れた生姜焼きをラップで包んで冷蔵庫にしまった。余ったお米もラップで 包んで冷蔵庫に入れる。
私はいつもよりもかなり早く家を出た。
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