草花の祈り

たらこ飴

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生きていく

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 誰かの笑う声がする

 戸惑いのない

 希望に溢れた声が

 誰かの泣く声が聞こえる

 救いも見えず

 悲嘆に満ちた声が


 なぜ私たちは生きるのだろう

 笑い合い

 憎しみ合い

 悩み苦しみながら

 何を頼りに生きるのだろう

 
 それは窓から差し込む日差し

 フレンチトーストの上の甘い蜂蜜

 優しい猫の毛の手触り

 私を呼ぶ母の声


 それは友の手の温かさ

 眠気を誘うカフェテリアの音楽

 寝転んだ時の芝生の匂い

 私の真似をする王蟲の声


 私たちは生きていく

 お前にはできないと

 笑われようと
  
 価値がないと

 蔑まれようと

 
 私たちは生きていく

 闇夜の僅かな光を頼りに

 美しいものを信じて

 人への優しさと慈しみを持ち

 手を取り合いながら

 強く
 
 生きていく





 オーディションは惜しくも準優勝となったが、生徒たちはそれぞれ夢を叶えた。オルファは歌手になってミュージカル映画に出演した。フリッツは人気ロックバンドのボーカルに、パールは世界的なテノール歌手になって世界をまわっている。姉は声楽を学び、音楽学校の先生になった。弟は貧しい子どもたちに無償で音楽を教えている。

 ルイーズは再び歌う喜びを思い出し、ライブハウスでピアノを弾きながら歌を歌い続けている。

 最後、大人になったリュカが教会で、子どもたちの前にやってきてピアノの前に座る。

「じゃあ、昨日練習した場所を歌ってみよう」

 伴奏が始まり、歌が始まる。

ーー幕が閉じる。
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