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第2章 第2の事件
9話 永瀬警部補による第2事件の現場捜査
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──守永より青戸の方が怪しい。
鑑識が終わるまでの間に聞き取りをして、其のように直感した永瀬警部補。彼は事件を紐解こうと、鑑識係の一連の鑑識作業が終わる頃を見計らうと、鑑識係の猫田が不在で、猫田の厳格主義による制止が無い事を良い事に事件現場に足を踏み入れた。
永瀬警部補による現場の捜査や鑑識の結果、判明した情報が幾つか挙げられる。
※※現場の捜査、鑑識の結果※※
まず被害者は長髪の男性。ロングの髪を後ろで束ねており、青髭が少し生えていたが、顔をトイレの床面に突っ伏すように倒れていた。被害者の身元が分かるようなモノは見られない。現場には大量の血痕と、「取引」とだけ書かれた紙片が落ちていた。又、腹から出血の痕が見られる。腹の傷口の大きさや深さを見ると然程大きくも深くもなく綺麗な刺し傷である事を考慮すると腹の刺し傷が死因とは考えにくい。
しかし、刺し傷の形状に似合わず、現場に残された血痕の量が多いように見える。
──もしや、この血痕はまたしても偽装なのかもしれない。至急、DNA鑑定の必要があるな!
現時点の事情聴取や現場の捜査で目撃者の証言に矛盾もしくは疑問が生じている。まず、証言では守永・青戸が聞いた悲鳴が「女性」であった。
しかし、現場入りを果たした永瀬警部補の目にはどう見ても被害者は「男性」。
では、悲鳴の主は何者か? と言う疑問が残る。
又、すれ違ったと言う女性の姿が気になる。その女性の姿は白と黒を基調にしており、マスクをしているらしい。
と言うような情報が明らかになった。
やはり永瀬警部補が、目撃者の証言を聞いていて、気になるのが「青戸祐哉」の証言の時の動揺である。明らかにすれ違った女性の事を話していた時の顔には、動揺の色が窺えた。又、それまでの証言を話していた頃の青戸の様子とは異なり、咄嗟に何かを隠そうとするような挙動不審さが垣間見えた。
──よし、被害者の身元と青戸祐哉の周囲の情報を当たろう!
※※DNA鑑定結果※※
「DNA鑑定結果が出ました」
「おお? どうだったかね? 猫田さん」
「えぇ。警部補の言う通り、被害者の腹の刺し傷の血と現場に大量に残された血痕をDNA鑑定した結果、それぞれ別人のモノである事が判明しました。この違いによく気付きましたね。流石です! 永瀬警部補」
「や・は・り。予想通りだ」
「でも、何故? 何で判ったんで?」
「久屋大通駅の公衆トイレでの殺人事件の時とよく状況が似ているからだ!よく考えてみてごらん」
「それを具体的に考えて捜査するのは警部補の仕事ですよ!」
「そうだったな。幾つかの共通点……。まずトイレが事件発覚の現場である事。次に、腹の刺し傷がある事。更に、大量の血痕が残されていた事。どうだね?」
「なるほど、警部補の考えからいけば、二つの殺人事件には共通点があり、犯行の手口から同一犯による犯行である可能性……。つまり、連続殺人事件である、と」
「察しが早いな! 流石ベテランの鑑識だ」
「いえいえ。とんでもない」
鑑識が終わるまでの間に聞き取りをして、其のように直感した永瀬警部補。彼は事件を紐解こうと、鑑識係の一連の鑑識作業が終わる頃を見計らうと、鑑識係の猫田が不在で、猫田の厳格主義による制止が無い事を良い事に事件現場に足を踏み入れた。
永瀬警部補による現場の捜査や鑑識の結果、判明した情報が幾つか挙げられる。
※※現場の捜査、鑑識の結果※※
まず被害者は長髪の男性。ロングの髪を後ろで束ねており、青髭が少し生えていたが、顔をトイレの床面に突っ伏すように倒れていた。被害者の身元が分かるようなモノは見られない。現場には大量の血痕と、「取引」とだけ書かれた紙片が落ちていた。又、腹から出血の痕が見られる。腹の傷口の大きさや深さを見ると然程大きくも深くもなく綺麗な刺し傷である事を考慮すると腹の刺し傷が死因とは考えにくい。
しかし、刺し傷の形状に似合わず、現場に残された血痕の量が多いように見える。
──もしや、この血痕はまたしても偽装なのかもしれない。至急、DNA鑑定の必要があるな!
現時点の事情聴取や現場の捜査で目撃者の証言に矛盾もしくは疑問が生じている。まず、証言では守永・青戸が聞いた悲鳴が「女性」であった。
しかし、現場入りを果たした永瀬警部補の目にはどう見ても被害者は「男性」。
では、悲鳴の主は何者か? と言う疑問が残る。
又、すれ違ったと言う女性の姿が気になる。その女性の姿は白と黒を基調にしており、マスクをしているらしい。
と言うような情報が明らかになった。
やはり永瀬警部補が、目撃者の証言を聞いていて、気になるのが「青戸祐哉」の証言の時の動揺である。明らかにすれ違った女性の事を話していた時の顔には、動揺の色が窺えた。又、それまでの証言を話していた頃の青戸の様子とは異なり、咄嗟に何かを隠そうとするような挙動不審さが垣間見えた。
──よし、被害者の身元と青戸祐哉の周囲の情報を当たろう!
※※DNA鑑定結果※※
「DNA鑑定結果が出ました」
「おお? どうだったかね? 猫田さん」
「えぇ。警部補の言う通り、被害者の腹の刺し傷の血と現場に大量に残された血痕をDNA鑑定した結果、それぞれ別人のモノである事が判明しました。この違いによく気付きましたね。流石です! 永瀬警部補」
「や・は・り。予想通りだ」
「でも、何故? 何で判ったんで?」
「久屋大通駅の公衆トイレでの殺人事件の時とよく状況が似ているからだ!よく考えてみてごらん」
「それを具体的に考えて捜査するのは警部補の仕事ですよ!」
「そうだったな。幾つかの共通点……。まずトイレが事件発覚の現場である事。次に、腹の刺し傷がある事。更に、大量の血痕が残されていた事。どうだね?」
「なるほど、警部補の考えからいけば、二つの殺人事件には共通点があり、犯行の手口から同一犯による犯行である可能性……。つまり、連続殺人事件である、と」
「察しが早いな! 流石ベテランの鑑識だ」
「いえいえ。とんでもない」
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