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第6章 事件解決編その2~すべての解答編~
33話 二人の公判中に。4/14修正
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豊科工業を廃業に追いやった収賄・贈賄罪と情報の横流しに関わる殺人事件の真相の糾弾の為の紫垣順也・舩木梓乃の公判が行われる運びとなった。
「えぇー、それでは、裁判を始めます。まずは被告人の舩木梓乃」
「はい」
「被告人。貴女は、紫垣順也が持ちかけた豊科工業の機密情報の持ち出しによって、紫垣順也と被害者の祐川勇司と一度は共謀して、更なる上の役職に就く事を考えた。
しかし、被害者の祐川勇司が満足するように、一度報酬を支払うも、祐川勇司が裏切り、『豊科忠嗣社長に密告するぞ』と脅され困った被告人は紫垣順也が二人の殺害を画策して、それに同意して被害者の祐川勇司を殺害し、豊科忠嗣社長も念の為殺害した。以上で間違いないか?」
「…………いえ! 裁判長。違います!わ・た・しが主犯です。紫垣さんはあくまでも、私に唆されてやりました!」
実は、舩木梓乃は機密情報の持ち出しを元豊科工業社員の祐川勇司にけしかけて、見返りとして収賄・贈賄をさせて金を搾り取り、得ばかりする案を出した紫垣順也の悪のカリスマ性に魅了されていた。
その為、舩木梓乃は紫垣順也を慕い彼を庇ったのである。
この供述が法廷に響き渡る間、豊科夫人はジーッと公判に同席し聞いていた。
舩木梓乃の公判が一旦終わり、紫垣順也の公判の番がやって来た。
「えぇー。被告人、貴方は──(舩木梓乃の時と内容が重複する為、割愛)。以上で間違いないですな?」
「はい! 私が確かに、収賄・贈賄等画策しました。……ですが、舩木さんが収賄・贈賄の主犯ではありません。私が勝手に巻き込んだのです! それに、私と舩木さんは殺人など犯してはいません! はめられたんですよ! ねぇ? 豊科の奥さん」
「どう言うことですか!被告人」
「簡単な話ですよ。この公判自体は仕組まれています。収賄・贈賄及び機密情報の漏洩の告発だけが理由ならば、わざわざ舩木さんの娘さんを誘拐して、ボイスレコーダーに音源を取り、収賄・贈賄罪及び機密情報漏洩事件の捜査のきっかけを作らなくても良いのです!」
「……成る程、続けなさい」
「不自然に思いませんか? 皆さん。もし、収賄・贈賄罪の自白が必要で誘拐を企てたにせよ。舩木さんから自白が取れなかった場合、誘拐した事実のみが残り、豊科の奥さんがただの誘拐をした犯罪者になってしまう! 誘拐を用いて収賄・贈賄罪の自白を取り告発する事はリスクが高く、現実的ではありません」
「確かにそうだ」
「確かに」
公判に居合わせた皆一同が、紫垣順也の口から発せられた推理に聞き入り同意の声が次々上がった。
更に紫垣順也は話を続けた。
「更に、誘拐が行われた結果。私と舩木さんが確かに捕まりました。容疑が収賄・贈賄罪及び機密情報漏洩だけでなく、二人の殺害です」
「まさか!」
「そう、そのまさかですよ。誘拐の目的は実は──」
「そこまでだわ!」
紫垣順也の供述の中で話されたとある仮説の途中で、豊科夫人が、突如叫び、隠し持っていた小さな発煙筒のようなモノを公判の出入り口や傍聴席に投げつけて辺りを混乱の渦に巻き込んだ。皆が煙に驚いている隙を突いて、用意していた小さなナイフで、手錠をかけられて身動きのとりづらい紫垣順也の身体に何度も、何度も、何度も、「人殺しー! 私の旦那も会社も返せ!」と叫びながら突き立てて、鬼の形相で十数箇所刺した。
「えぇー、それでは、裁判を始めます。まずは被告人の舩木梓乃」
「はい」
「被告人。貴女は、紫垣順也が持ちかけた豊科工業の機密情報の持ち出しによって、紫垣順也と被害者の祐川勇司と一度は共謀して、更なる上の役職に就く事を考えた。
しかし、被害者の祐川勇司が満足するように、一度報酬を支払うも、祐川勇司が裏切り、『豊科忠嗣社長に密告するぞ』と脅され困った被告人は紫垣順也が二人の殺害を画策して、それに同意して被害者の祐川勇司を殺害し、豊科忠嗣社長も念の為殺害した。以上で間違いないか?」
「…………いえ! 裁判長。違います!わ・た・しが主犯です。紫垣さんはあくまでも、私に唆されてやりました!」
実は、舩木梓乃は機密情報の持ち出しを元豊科工業社員の祐川勇司にけしかけて、見返りとして収賄・贈賄をさせて金を搾り取り、得ばかりする案を出した紫垣順也の悪のカリスマ性に魅了されていた。
その為、舩木梓乃は紫垣順也を慕い彼を庇ったのである。
この供述が法廷に響き渡る間、豊科夫人はジーッと公判に同席し聞いていた。
舩木梓乃の公判が一旦終わり、紫垣順也の公判の番がやって来た。
「えぇー。被告人、貴方は──(舩木梓乃の時と内容が重複する為、割愛)。以上で間違いないですな?」
「はい! 私が確かに、収賄・贈賄等画策しました。……ですが、舩木さんが収賄・贈賄の主犯ではありません。私が勝手に巻き込んだのです! それに、私と舩木さんは殺人など犯してはいません! はめられたんですよ! ねぇ? 豊科の奥さん」
「どう言うことですか!被告人」
「簡単な話ですよ。この公判自体は仕組まれています。収賄・贈賄及び機密情報の漏洩の告発だけが理由ならば、わざわざ舩木さんの娘さんを誘拐して、ボイスレコーダーに音源を取り、収賄・贈賄罪及び機密情報漏洩事件の捜査のきっかけを作らなくても良いのです!」
「……成る程、続けなさい」
「不自然に思いませんか? 皆さん。もし、収賄・贈賄罪の自白が必要で誘拐を企てたにせよ。舩木さんから自白が取れなかった場合、誘拐した事実のみが残り、豊科の奥さんがただの誘拐をした犯罪者になってしまう! 誘拐を用いて収賄・贈賄罪の自白を取り告発する事はリスクが高く、現実的ではありません」
「確かにそうだ」
「確かに」
公判に居合わせた皆一同が、紫垣順也の口から発せられた推理に聞き入り同意の声が次々上がった。
更に紫垣順也は話を続けた。
「更に、誘拐が行われた結果。私と舩木さんが確かに捕まりました。容疑が収賄・贈賄罪及び機密情報漏洩だけでなく、二人の殺害です」
「まさか!」
「そう、そのまさかですよ。誘拐の目的は実は──」
「そこまでだわ!」
紫垣順也の供述の中で話されたとある仮説の途中で、豊科夫人が、突如叫び、隠し持っていた小さな発煙筒のようなモノを公判の出入り口や傍聴席に投げつけて辺りを混乱の渦に巻き込んだ。皆が煙に驚いている隙を突いて、用意していた小さなナイフで、手錠をかけられて身動きのとりづらい紫垣順也の身体に何度も、何度も、何度も、「人殺しー! 私の旦那も会社も返せ!」と叫びながら突き立てて、鬼の形相で十数箇所刺した。
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