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第1章
22話 甘すぎた策略
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「むー、いいなぁヴェルは」
「なんだよ急に」
いつものように拠点にしている洞穴で戦利品の確認をしていると、リオンが不満そうな顔でこちらに視線を向けてきた。
「スキルだよスキル! 【すり抜け】とか物凄く強いスキルじゃん! ぼくも欲しいなーってさ!」
「お前だってスキルくらいは持っているだろ」
「そうかもしれないけどさぁ、調べる手段がないんだよ! 仮にどれだけ強いスキルを持っていたとしても、何か分からなきゃ使い物にならないじゃん!」
どうやら俺だけ強力なスキルを所持していることがご不満なようだ。
ガキかよと口に仕掛けたが、どっちも本物のクソガキだったのを思い出して口を閉ざす。
確かに、俺はもともと神様(?)とやらにすり抜けの性質があるから【すり抜け】スキルだってことが分かっていたが、この世界で正しくスキルの内容を知るには専用の装置を使うしかない。
何なら俺はその装置の判定対象からも勝手にすり抜けてしまったので、正確に言えば自称【すり抜け】スキル持ちでしかないわけだしな。
もしかしたら正式名称は違うのかもしれないが、それを確かめる手段はない。
そしてリオンだが、彼女を所持していたハックとやらにはスキル鑑定の儀を行ってもらっていないらしく、彼女は未だに自分が何のスキルを持っているのか知らないのだ。
これがこの世界の孤児のほとんどが現状を変えることが出来ない理由の一つなのかもしれないな。
スキルの中にも絶対的な格差があるとはいえ、それ以上にスキル持ちとスキルなしの差によるハンデは重い。
この世界において、スキル鑑定は立派なサービス業だ。
具体的な仕組みは知らないが、その装置を開発した組織が未だに技術を独占しているらしい。
アストール家などの金がある貴族は一家に一台以上所有しており、それができない庶民は専門の店か装置が置いてある場所に赴いて金を支払うことで鑑定を行うことが出来る。
「次の町に行ったら絶対ぼくも鑑定するんだからね! きっとヴェルよりいいスキルを引き当てて見せるさ!」
そう自信満々に握り拳を固めるリオン。
今の俺たちは逃亡生活中だ。
もちろん金の問題もあるが、それ以上に表の店で個人情報を晒すのは避けたい。
「そうだな、いいスキルが引けるといいな」
俺のスキルは一応最上位のSSS級だから、それ以上を望むのは多分無理があるだろう。
まあ、この場でわざわざそれを言うのは無粋だからここはお茶を濁しておくが……
♢♢♢♢
「よし、こんなもんか」
夕方。俺は食料などの買い出しのために表の町へ出向いていた。
裏社会で顔が割れているリオンよりも俺が出向いた方が安全だろうという判断から、買い出しは俺の担当になっている。
と言っても、買うものは最小限だ。
重い荷物を背負って動きが鈍ってはマズいし、俺の顔が広まるのもよくないからな。
なるべく怪しい動きを取らないよう、一瞬たりとも気を抜くことはできない。
そんな状態だからこそ、俺は気づくことが出来た。
(……南東の方角に二人――いや、三人か? 明らかに俺に対して害意を有している奴らがいる)
フーリさんとの訓練のおかげで、俺はあらゆる気配に対して非常に敏感になっている。
千里眼とまでは言えないが、ある程度の範囲内にいる人々の動きやこちらに向けられる敵意などを感知するのは容易いのだ。
(……このまま帰るわけにはいかねえな。仕方ない)
これは気のせいで済ませていい問題ではない。
今の俺たちは常に最悪の事態を想定して動かなければ命がない。
嫌な予感がするなら、それは早めに潰しておかなければいけないんだ。
(だが、動くにしても距離がやや遠いな。もっと近づいてもらわねえと……)
それにここは外れの方とは言え街中だ。
堂々と剣を抜いて戦うわけにもいかない。
だから俺はやや警戒している演技をしながらも、ゆっくりと路地裏へと入り込んでいく。
腰に提げた魔剣【桔梗】にはまだ手を付けない。
あくまで俺は、年相応のガキのように。
そして同時に何かやましいことを隠しているかのような動きを見せながら奥へ進む。
なにも警戒していないのは逆に怪しいという判断だ。
限界まで引き付けて、奴らが動くのを待つ。
そう。人は目的達成が目の前に迫ったときに最も油断をする。
だから俺のするべきことは――
「――はっ!!」
「ぬぐぉっ!?」
「ぐはっ!?」
背後からとびかかってきたのは二人。
ナイフのような刃物と俺を縛り付けるための縄を所持していたが、その数倍の速さで俺が瞬時に後ろへと回り込みその首を斬り落としてやった。
きっと奴らには俺が瞬間移動でもしたように見えていたんだろうな。
「あとは――」
こいつらの顔を確認している暇はない。
俺の感知には確かにもう一人引っかかっていたぞ!
(――逃がすものか!)
そいつはコイツらの失敗を認めると、瞬時に撤退を始めていた。
距離はやや遠い。だが人目の少ないこの路地裏ならば、多少の無茶は許される!
速やかに両足へと魔力を流し、この華奢な7歳児のエンジンを爆発させた。
「……よう。どこへ行くつもりだよ」
「なっ、はや――くそっ!!」
深くフードを被っているせいでその正体は分からない。
だが相当焦っているのは見れば分かるな。
まさかこんな七歳児の襲撃を失敗するとは夢にも思わなかったことだろう。
「さっきの二人は殺した。一歩でも動けばお前も殺す」
「ぐっ……」
流石に裏の人間なだけあって露骨に怯えたりはしないものの、この状況が不利であることは理解しているのか、逆らう意思が見られない。
「何故俺を狙ったのか、何を企んでいるのか。その目的を喋ってもらおうか」
「……断ると言ったら――ぐあっ!?」
「その選択肢はお前にはない。ひとまずそいつを置いてゆっくり語り合おうじゃないか。なぁ?」
自分でも驚くくらい重く冷たい声を発しながら、男の耳ごとフードを斬り落とした。
布がはだけてその顔を拝むことが出来たが、その面を見て最初に浮かべた単語が『傭兵』だった。
見た感じは熟練の渋いおっさんって感じだが、その顔には火傷や切り傷など様々な古傷が刻み込まれている。
「……なるほど。どうやら我らの認識が甘すぎたようだ。ガキだからと油断した。俺らしくもない、愚かな判断ミスだな」
「察してもらえたようで何よりだ。それで、答えてくれるんだろうな」
「あぁ、もちろんさ。どんなことでも聞くがいい。この状況は詰みだ」
なんというか、思った以上に物分かりが良くて助かる。
当たり前だが俺は尋問なんてやったことがないので、面倒な抵抗をされたらどう対処したらいいか分からないからな。
しかもここはどこかの建物の屋上。すぐ近くに繁華街が見えるところまで逃がしてしまったせいで派手な行動がとれない。
「よし、じゃあ先ほどの質問に答えろ。何故俺を狙ったのか、そしてどうするつもりなのかをな」
「あぁ、そうだなぁ。どんな質問にも答えてやるさ。何せ俺の答えはもう――決まっているからな!!」
「――なっ!?」
一瞬、気を緩めた。
『人は目的達成が目の前に迫ったときに最も油断をする』
さっきの俺の言葉が脳内に木霊する。
俺はすぐさま下ろしかけた桔梗を握る手に力を籠めるが――)
「ばっ、やめ――」
「――あばよ、小僧」
ふっ、と奴が笑った。
その首は大きく裂け、噴水のごとく血を吹いている。
やったのは、奴のナイフだ。
(くそっ!! どうしてそのパターンを想像できなかった!!)
即座に、己の短慮さを深く軽蔑した。
裏の人間。裏の殺し屋が敵に捕まって、素直に情報を吐いてくれると何故思ってしまった。
本物なら、己の体ごと情報を処理くらいはしてもおかしくないだろうに。
しかも奴は自らの首を斬り裂いた直後にその身を空中へと放り出し、さらに恐るべき手際でその外套へと火をつけた。
この下へ人が落ちたとなれば助からないのは当然として、確実に一般人の目に触れる。
(ヤバイ。今すぐここから離れ――)
直後、何かが爆発するような音が聞こえた。
下の方からだ。下の方から轟音が響いてきた。
なにが爆発したのかは見なくても分かる。
クソがっ、どこまでも面倒なことをしてくれる!
俺は半ばパニックになりながらも、今すぐこの場を離れなくてはという強い意志に従って猛スピードでその場から走り去った。
「なんだよ急に」
いつものように拠点にしている洞穴で戦利品の確認をしていると、リオンが不満そうな顔でこちらに視線を向けてきた。
「スキルだよスキル! 【すり抜け】とか物凄く強いスキルじゃん! ぼくも欲しいなーってさ!」
「お前だってスキルくらいは持っているだろ」
「そうかもしれないけどさぁ、調べる手段がないんだよ! 仮にどれだけ強いスキルを持っていたとしても、何か分からなきゃ使い物にならないじゃん!」
どうやら俺だけ強力なスキルを所持していることがご不満なようだ。
ガキかよと口に仕掛けたが、どっちも本物のクソガキだったのを思い出して口を閉ざす。
確かに、俺はもともと神様(?)とやらにすり抜けの性質があるから【すり抜け】スキルだってことが分かっていたが、この世界で正しくスキルの内容を知るには専用の装置を使うしかない。
何なら俺はその装置の判定対象からも勝手にすり抜けてしまったので、正確に言えば自称【すり抜け】スキル持ちでしかないわけだしな。
もしかしたら正式名称は違うのかもしれないが、それを確かめる手段はない。
そしてリオンだが、彼女を所持していたハックとやらにはスキル鑑定の儀を行ってもらっていないらしく、彼女は未だに自分が何のスキルを持っているのか知らないのだ。
これがこの世界の孤児のほとんどが現状を変えることが出来ない理由の一つなのかもしれないな。
スキルの中にも絶対的な格差があるとはいえ、それ以上にスキル持ちとスキルなしの差によるハンデは重い。
この世界において、スキル鑑定は立派なサービス業だ。
具体的な仕組みは知らないが、その装置を開発した組織が未だに技術を独占しているらしい。
アストール家などの金がある貴族は一家に一台以上所有しており、それができない庶民は専門の店か装置が置いてある場所に赴いて金を支払うことで鑑定を行うことが出来る。
「次の町に行ったら絶対ぼくも鑑定するんだからね! きっとヴェルよりいいスキルを引き当てて見せるさ!」
そう自信満々に握り拳を固めるリオン。
今の俺たちは逃亡生活中だ。
もちろん金の問題もあるが、それ以上に表の店で個人情報を晒すのは避けたい。
「そうだな、いいスキルが引けるといいな」
俺のスキルは一応最上位のSSS級だから、それ以上を望むのは多分無理があるだろう。
まあ、この場でわざわざそれを言うのは無粋だからここはお茶を濁しておくが……
♢♢♢♢
「よし、こんなもんか」
夕方。俺は食料などの買い出しのために表の町へ出向いていた。
裏社会で顔が割れているリオンよりも俺が出向いた方が安全だろうという判断から、買い出しは俺の担当になっている。
と言っても、買うものは最小限だ。
重い荷物を背負って動きが鈍ってはマズいし、俺の顔が広まるのもよくないからな。
なるべく怪しい動きを取らないよう、一瞬たりとも気を抜くことはできない。
そんな状態だからこそ、俺は気づくことが出来た。
(……南東の方角に二人――いや、三人か? 明らかに俺に対して害意を有している奴らがいる)
フーリさんとの訓練のおかげで、俺はあらゆる気配に対して非常に敏感になっている。
千里眼とまでは言えないが、ある程度の範囲内にいる人々の動きやこちらに向けられる敵意などを感知するのは容易いのだ。
(……このまま帰るわけにはいかねえな。仕方ない)
これは気のせいで済ませていい問題ではない。
今の俺たちは常に最悪の事態を想定して動かなければ命がない。
嫌な予感がするなら、それは早めに潰しておかなければいけないんだ。
(だが、動くにしても距離がやや遠いな。もっと近づいてもらわねえと……)
それにここは外れの方とは言え街中だ。
堂々と剣を抜いて戦うわけにもいかない。
だから俺はやや警戒している演技をしながらも、ゆっくりと路地裏へと入り込んでいく。
腰に提げた魔剣【桔梗】にはまだ手を付けない。
あくまで俺は、年相応のガキのように。
そして同時に何かやましいことを隠しているかのような動きを見せながら奥へ進む。
なにも警戒していないのは逆に怪しいという判断だ。
限界まで引き付けて、奴らが動くのを待つ。
そう。人は目的達成が目の前に迫ったときに最も油断をする。
だから俺のするべきことは――
「――はっ!!」
「ぬぐぉっ!?」
「ぐはっ!?」
背後からとびかかってきたのは二人。
ナイフのような刃物と俺を縛り付けるための縄を所持していたが、その数倍の速さで俺が瞬時に後ろへと回り込みその首を斬り落としてやった。
きっと奴らには俺が瞬間移動でもしたように見えていたんだろうな。
「あとは――」
こいつらの顔を確認している暇はない。
俺の感知には確かにもう一人引っかかっていたぞ!
(――逃がすものか!)
そいつはコイツらの失敗を認めると、瞬時に撤退を始めていた。
距離はやや遠い。だが人目の少ないこの路地裏ならば、多少の無茶は許される!
速やかに両足へと魔力を流し、この華奢な7歳児のエンジンを爆発させた。
「……よう。どこへ行くつもりだよ」
「なっ、はや――くそっ!!」
深くフードを被っているせいでその正体は分からない。
だが相当焦っているのは見れば分かるな。
まさかこんな七歳児の襲撃を失敗するとは夢にも思わなかったことだろう。
「さっきの二人は殺した。一歩でも動けばお前も殺す」
「ぐっ……」
流石に裏の人間なだけあって露骨に怯えたりはしないものの、この状況が不利であることは理解しているのか、逆らう意思が見られない。
「何故俺を狙ったのか、何を企んでいるのか。その目的を喋ってもらおうか」
「……断ると言ったら――ぐあっ!?」
「その選択肢はお前にはない。ひとまずそいつを置いてゆっくり語り合おうじゃないか。なぁ?」
自分でも驚くくらい重く冷たい声を発しながら、男の耳ごとフードを斬り落とした。
布がはだけてその顔を拝むことが出来たが、その面を見て最初に浮かべた単語が『傭兵』だった。
見た感じは熟練の渋いおっさんって感じだが、その顔には火傷や切り傷など様々な古傷が刻み込まれている。
「……なるほど。どうやら我らの認識が甘すぎたようだ。ガキだからと油断した。俺らしくもない、愚かな判断ミスだな」
「察してもらえたようで何よりだ。それで、答えてくれるんだろうな」
「あぁ、もちろんさ。どんなことでも聞くがいい。この状況は詰みだ」
なんというか、思った以上に物分かりが良くて助かる。
当たり前だが俺は尋問なんてやったことがないので、面倒な抵抗をされたらどう対処したらいいか分からないからな。
しかもここはどこかの建物の屋上。すぐ近くに繁華街が見えるところまで逃がしてしまったせいで派手な行動がとれない。
「よし、じゃあ先ほどの質問に答えろ。何故俺を狙ったのか、そしてどうするつもりなのかをな」
「あぁ、そうだなぁ。どんな質問にも答えてやるさ。何せ俺の答えはもう――決まっているからな!!」
「――なっ!?」
一瞬、気を緩めた。
『人は目的達成が目の前に迫ったときに最も油断をする』
さっきの俺の言葉が脳内に木霊する。
俺はすぐさま下ろしかけた桔梗を握る手に力を籠めるが――)
「ばっ、やめ――」
「――あばよ、小僧」
ふっ、と奴が笑った。
その首は大きく裂け、噴水のごとく血を吹いている。
やったのは、奴のナイフだ。
(くそっ!! どうしてそのパターンを想像できなかった!!)
即座に、己の短慮さを深く軽蔑した。
裏の人間。裏の殺し屋が敵に捕まって、素直に情報を吐いてくれると何故思ってしまった。
本物なら、己の体ごと情報を処理くらいはしてもおかしくないだろうに。
しかも奴は自らの首を斬り裂いた直後にその身を空中へと放り出し、さらに恐るべき手際でその外套へと火をつけた。
この下へ人が落ちたとなれば助からないのは当然として、確実に一般人の目に触れる。
(ヤバイ。今すぐここから離れ――)
直後、何かが爆発するような音が聞こえた。
下の方からだ。下の方から轟音が響いてきた。
なにが爆発したのかは見なくても分かる。
クソがっ、どこまでも面倒なことをしてくれる!
俺は半ばパニックになりながらも、今すぐこの場を離れなくてはという強い意志に従って猛スピードでその場から走り去った。
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