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4 王子視点
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※ 王子視点です
俺、大路 春は、外国人である爺ちゃん遺伝で、金髪の髪の毛、長身と派手な見た目を受け継いだ。
割と器用に物事をこなせることから、周囲には勘違いされがちだけど、俺だって悩みは多い。
「はぁ……」
写真が裏で出回っていたり、囁かれたり正直鬱陶しい。
これだからモテる男は……と妬まれたり、告白して断れば性格悪いと噂されたり、気にしなければいいだけのことだけど、疲れるものは疲れるんだ。
高校入って物珍しさなのか付きまとってくる奴も多くて俺の疲れもピークに達していた。
屋上に駆け込み、誰もいないところで愚痴った。モテるから疲れるだなんて友達相手でも言えない。
「王子くーん」
女子たちの俺の呼ぶ声が聞こえる。
はぁ、なんだよ。王子って。大路を王子だなんて呼ぶなよ。
もうホント疲れたとゲッソリしていると、後ろから手を引かれた。
え。誰もいないのに……。一瞬ゾッとしたところ、トスンとベンチに座らされた。
いつの間にか現れた……いや、初めからいたのに気付かなかった? 見たことがない男子学生がいた。
「大丈夫。僕に任せて」
そう言って、俺を隠すように前に立った。
何を……? と思っていると俺を追いかけてきた女子たちが屋上に来た。彼女達が俺を探すが……見つからない。
え。何? イリュージョン? どういうこと? なんで? と頭の中で疑問符が飛び交う。
彼女達がいなくなった後、俺は彼の背中を見た。
幽霊じゃなさそうだ。人間……。
「どういうこと? アンタ、何かしたの?」
振り向いた彼の顔は小顔で、どこにでもいるような顔をしているけど、凄く優しそう……。あぁ、目か。目が穏やかそうで、眉も下がっている。
「うん。僕は存在感がほとんどないから、僕の後ろに隠れていたら見えないと思ったんだ。ふふ、大路君、バレなくてよかったねぇ」
王子君じゃなくて、大路君って呼んだ。
それに、存在感がない? 今、俺の中で急上昇で存在感出てるけど、さっき俺も気が付かなかったくらいだ。彼の言っていることは本当だろう。
俺と真逆。でも、俺みたいに悲観的になっていない。存在感がないなんて辛いように思うけど、穏やかそのものだ。
面白い。何この子。
「小間君、……小間ちゃん?」
なんだか、急激に仲良くなりたい。こんな面白そうな子、二度と巡り会えないかもしれない。
とりあえず、仲良くなるために呼び名を……。
「こ、小間ちゃん……!? わぁ、ちゃん付けはあだ名になるのかなぁ。ふふふ。嬉しいな」
「っ!!!!!!!!!」
くりっとした目が嬉しそうにふにゃっと細められて……か、かっわ。かっわいい……。
胸が痛い……。この子、好き。直感的に好き。多分……今、恋に落ちた。
でも、もし間違っていて、恋じゃなくても友達になりたい。
その「恋じゃなくても」というのはやっぱり違った。
会えば、会うほど、小間ちゃんが前向きで穏やかなのが分かり惹かれていく。
「あ、僕の後ろに隠れて?」
そう言って、誰かが来る度、後ろに回される。女の子が守られてキュンってなるのを今味わっている。
……カッコいい。可愛いのにカッコいい。
「じゃ、僕も席を外すから」
そう言って毎回用が済んだように去ろうとする彼を全力で止める。
ここに小間ちゃんがいるから来てるのに。そりゃ、小間ちゃんの体質は利用しているけど。それは彼を隠れ蓑にしたいというより、小間ちゃんが可愛くてカッコいいからキュンっとしてされるがままになっているだけだ。
たまに、壁ドンで隠される時があって、小さい体に身を寄せられて最高にトキめいている。
だから、暫くこれはやめてもらいたくない……。
「そう? 大路君の役に立てて嬉しいけど」
——キュン。カッコいい。
俺が王子だなんてとんでもない。こういうカッコいいことサラリと出来ない。
「ふふふ」
あ——、その顔されると、もう駄目。胸がキュウキュウくる。
どうやったら、仲良くなれるんだろう。小間ちゃんにもっと俺を見て欲しい。
それから、彼の携帯ナンバーを聞き出してマメに連絡している。会いたいばっかだと引かれてしまうと思い、おはようとかおやすみとか……これもどうかと思うけど、とにかく連絡しまくっている。
小間ちゃんからのニッコリ絵文字にすらときめく俺は重症だと思う。
「大路君、僕の後ろに」
「うん」
会いたいときに邪魔されない、小間ちゃんの体質は俺には本当に便利だ。
二人っきりに難なくなれる。
屋上に行けないときは、図書館で。
一緒に本を読んだり、勉強したり。
「小間ちゃん、問題分からないの?」
「うん……」
「どれ? 教えてあげる」
俺が勉強してきたのも、小間ちゃんに教える為だったんじゃないかな。よかった。俺、頭が良くて。
「ふわぁ、解けた。大路君、凄いねぇ。きっと沢山勉強しているから教えるのも上手なんだ」
「……」
小間ちゃんは、俺が俺に見えている。王子ではなくて大路の俺だ。大抵、「出来る奴はいいよなぁ」「ちょっと勉強したら学年首位かよ」とか友達ですら、そんな反応をする。
「俺は、割と何でも出来るから」
実は結構勉強してます、だなんて言えなくて、ついそう言ってしまう。小間ちゃんは俺を見つめた。
「スポーツ万能で友達も多いしね。はは」
思わず余計な一言を言ってしまった。友達の少ない小間ちゃんに向かって、それは完全に嫌味じゃないか……。
「——大路君は沢山、気を使えて優しい人なの分かるよ」
そのホワホワした言い方で優しいクリクリな目で、そんな風に言ってくる。
「だから、皆から沢山好かれるんだね。ふふ」
「……」
やっぱり、いいなぁ。小間ちゃん……。
可愛くて、癒されて仕方がないのに、この子がとてつもなく俺に夢中にならないかなって性格の悪い俺は思ってしまう。
再び彼がノートに向かったため、その首筋や耳裏が目に入る。かじりたくて堪らない。
「大路君?」
「ううん。何でもない」
思わず彼を眺めすぎていた。日に日に好きになってしまう想いが溢れてしまいそうだ。
俺、大路 春は、外国人である爺ちゃん遺伝で、金髪の髪の毛、長身と派手な見た目を受け継いだ。
割と器用に物事をこなせることから、周囲には勘違いされがちだけど、俺だって悩みは多い。
「はぁ……」
写真が裏で出回っていたり、囁かれたり正直鬱陶しい。
これだからモテる男は……と妬まれたり、告白して断れば性格悪いと噂されたり、気にしなければいいだけのことだけど、疲れるものは疲れるんだ。
高校入って物珍しさなのか付きまとってくる奴も多くて俺の疲れもピークに達していた。
屋上に駆け込み、誰もいないところで愚痴った。モテるから疲れるだなんて友達相手でも言えない。
「王子くーん」
女子たちの俺の呼ぶ声が聞こえる。
はぁ、なんだよ。王子って。大路を王子だなんて呼ぶなよ。
もうホント疲れたとゲッソリしていると、後ろから手を引かれた。
え。誰もいないのに……。一瞬ゾッとしたところ、トスンとベンチに座らされた。
いつの間にか現れた……いや、初めからいたのに気付かなかった? 見たことがない男子学生がいた。
「大丈夫。僕に任せて」
そう言って、俺を隠すように前に立った。
何を……? と思っていると俺を追いかけてきた女子たちが屋上に来た。彼女達が俺を探すが……見つからない。
え。何? イリュージョン? どういうこと? なんで? と頭の中で疑問符が飛び交う。
彼女達がいなくなった後、俺は彼の背中を見た。
幽霊じゃなさそうだ。人間……。
「どういうこと? アンタ、何かしたの?」
振り向いた彼の顔は小顔で、どこにでもいるような顔をしているけど、凄く優しそう……。あぁ、目か。目が穏やかそうで、眉も下がっている。
「うん。僕は存在感がほとんどないから、僕の後ろに隠れていたら見えないと思ったんだ。ふふ、大路君、バレなくてよかったねぇ」
王子君じゃなくて、大路君って呼んだ。
それに、存在感がない? 今、俺の中で急上昇で存在感出てるけど、さっき俺も気が付かなかったくらいだ。彼の言っていることは本当だろう。
俺と真逆。でも、俺みたいに悲観的になっていない。存在感がないなんて辛いように思うけど、穏やかそのものだ。
面白い。何この子。
「小間君、……小間ちゃん?」
なんだか、急激に仲良くなりたい。こんな面白そうな子、二度と巡り会えないかもしれない。
とりあえず、仲良くなるために呼び名を……。
「こ、小間ちゃん……!? わぁ、ちゃん付けはあだ名になるのかなぁ。ふふふ。嬉しいな」
「っ!!!!!!!!!」
くりっとした目が嬉しそうにふにゃっと細められて……か、かっわ。かっわいい……。
胸が痛い……。この子、好き。直感的に好き。多分……今、恋に落ちた。
でも、もし間違っていて、恋じゃなくても友達になりたい。
その「恋じゃなくても」というのはやっぱり違った。
会えば、会うほど、小間ちゃんが前向きで穏やかなのが分かり惹かれていく。
「あ、僕の後ろに隠れて?」
そう言って、誰かが来る度、後ろに回される。女の子が守られてキュンってなるのを今味わっている。
……カッコいい。可愛いのにカッコいい。
「じゃ、僕も席を外すから」
そう言って毎回用が済んだように去ろうとする彼を全力で止める。
ここに小間ちゃんがいるから来てるのに。そりゃ、小間ちゃんの体質は利用しているけど。それは彼を隠れ蓑にしたいというより、小間ちゃんが可愛くてカッコいいからキュンっとしてされるがままになっているだけだ。
たまに、壁ドンで隠される時があって、小さい体に身を寄せられて最高にトキめいている。
だから、暫くこれはやめてもらいたくない……。
「そう? 大路君の役に立てて嬉しいけど」
——キュン。カッコいい。
俺が王子だなんてとんでもない。こういうカッコいいことサラリと出来ない。
「ふふふ」
あ——、その顔されると、もう駄目。胸がキュウキュウくる。
どうやったら、仲良くなれるんだろう。小間ちゃんにもっと俺を見て欲しい。
それから、彼の携帯ナンバーを聞き出してマメに連絡している。会いたいばっかだと引かれてしまうと思い、おはようとかおやすみとか……これもどうかと思うけど、とにかく連絡しまくっている。
小間ちゃんからのニッコリ絵文字にすらときめく俺は重症だと思う。
「大路君、僕の後ろに」
「うん」
会いたいときに邪魔されない、小間ちゃんの体質は俺には本当に便利だ。
二人っきりに難なくなれる。
屋上に行けないときは、図書館で。
一緒に本を読んだり、勉強したり。
「小間ちゃん、問題分からないの?」
「うん……」
「どれ? 教えてあげる」
俺が勉強してきたのも、小間ちゃんに教える為だったんじゃないかな。よかった。俺、頭が良くて。
「ふわぁ、解けた。大路君、凄いねぇ。きっと沢山勉強しているから教えるのも上手なんだ」
「……」
小間ちゃんは、俺が俺に見えている。王子ではなくて大路の俺だ。大抵、「出来る奴はいいよなぁ」「ちょっと勉強したら学年首位かよ」とか友達ですら、そんな反応をする。
「俺は、割と何でも出来るから」
実は結構勉強してます、だなんて言えなくて、ついそう言ってしまう。小間ちゃんは俺を見つめた。
「スポーツ万能で友達も多いしね。はは」
思わず余計な一言を言ってしまった。友達の少ない小間ちゃんに向かって、それは完全に嫌味じゃないか……。
「——大路君は沢山、気を使えて優しい人なの分かるよ」
そのホワホワした言い方で優しいクリクリな目で、そんな風に言ってくる。
「だから、皆から沢山好かれるんだね。ふふ」
「……」
やっぱり、いいなぁ。小間ちゃん……。
可愛くて、癒されて仕方がないのに、この子がとてつもなく俺に夢中にならないかなって性格の悪い俺は思ってしまう。
再び彼がノートに向かったため、その首筋や耳裏が目に入る。かじりたくて堪らない。
「大路君?」
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